2020年04月17日
母の宝物
みなさんは、自分の 「母子手帳」 を見たことがありますか?
僕は昨日、手にしました。
昨年の夏、2月と5月に相次いで亡くなった両親の遺品整理をアニキとしました。
衣類などは処分し、書籍や写真などは兄弟で分け、ほとんどの品が片付きました。
ところが今年になり、アニキから連絡がありました。
「まだ少し、お前のモノがあるんだ。ついでの時に取りに来てくれ」
先月行った両親の合同一周忌の法要の際、大きな紙袋を1つ、実家から持ち帰ってきました。
袋の中身は、僕の小学校時代の作文や絵画でした。
オフクロが後生大事に取っておいてくれたようです。
その後、紙袋は、僕の仕事場の隅に置かれたままになっていました。
この自粛生活で、毎日、時間を持て余しています。
寓居を見渡せば、書籍や雑誌などの資料、脱ぎ捨てたままの衣類が、雑多に散らかっています。
「よし、コロナ自粛を機に “断捨離” を始めよう!」
と、最初に手に取ったのが、紙袋でした。
母親とは、ありがたいものです。
よくもまあ、こんなものまで……という些細なモノまでが入っていました。
たとえば、それは、僕が子どもの頃にチラシの裏に描いた落書きだったり……
袋の奥底に、セピア色した小さな手帳を見つけました。
表紙には、でんでん太鼓で遊ぶ、よだれかけをした赤ちゃんの絵が描かれています。
そして大きく、「母子手帳」 の文字。
日付けは、昭和33年4月17日とあります。
僕が生まれる4ヶ月前の日付けです。
「母の氏名」 の欄には、オフクロの名前が。
「子の氏名」 の欄には、僕の名前があります。
でも、よく見ると筆跡が違います。
「母の氏名」 の筆跡はオフクロの字ですが、「子の氏名」 はオヤジの字でした。
僕が生まれてから、オヤジが名前を付けた時に、記入したことが分かります。
<お産の記事> のページ
分べん日時 33年8月8日 午前9時10分
在胎月数 9箇月
陣痛発来の状況 自然
分べん 正常 種類原因 早産
出血 少量
産科手術 無
そして最後の項目に、あの人の名前がありました。
分べん介助者 医師 清宮 寛
長い読者の中には、覚えている方もいるかもしれませんね。
現在、僕がかかりつけの主治医のお父様です。
大先生が亡くなられた日のことは、以前、このブログに書きました。
※(2011年11月5日の 「生まれて初めて会った人」 参照)
僕は産まれたとき、2,400グラムの未熟児だったのです。
話には聞いていたけれど、こうしてハッキリと医師の手によって書かれた数字を見ると、あらためて、この世に生を受けたことに感謝します。
母の愛は、海よりも深し!
かーちゃん、ありがとう!
でも、この調子ですから断捨離は、遅々としてはかどりません。
Posted by 小暮 淳 at 12:10│Comments(0)
│つれづれ