2020年09月24日
ネット弁慶とムシ若丸
あれから、もう1年が経ったのですね。
いえいえ、ご家族にとっては、一日千秋の思いで、娘の帰りを待ち続けていた長い長い1年だったことでしょう。
昨年の9月21日、山梨県のキャンプ場で小学1年生の女児が、こつ然と姿を消した行方不明事件です。
昔から子供が姿を消す事件というのはありました。
「神隠し」 とか、「天狗の仕業」 とか言われてきましたが、実際には、そんなことはありません。
大人の場合ならば、自らの意思での失踪も考えられますが、この事件の場合、場所は山の中です。
幼い子供が、自分の考えで姿を消したとは考えられません。
必ず、どこかに犯人がいます!
女児のゆくえも気になりますが、悲しいのは、ネット社会での誹謗中傷です。
人は、なにゆえに、そこまで残酷になれるのでしょうか?
警察や消防、自衛隊などが延べ約1,700人を投入した捜索は、手がかりを得られないまま、不明から1年を待たずに打ち切られてしまいました。
その間、女児の母親は、平日は住まいのある千葉や東京でビラを配り、週末は片道3時間をかけて山梨県のキャンプ場に通い、ボランティアらと捜索を続けていました。
ところが年が明けて3月になると、この新型コロナの影響でビラ配りや現地に行くことを自粛せざるを得なくなってしまいました。
そこで頼ったのが、ツイッターやインスタグラムといったSNS (インターネット交流サイト) でした。
ところが……
SNSに取り組むと、母親を中傷するコメントが届くようになりました。
「早く自首しましょう」 「お前が犯人だろ」 「殺すぞ」
最後の殺人予告ともとれるコメントを書いた男は、その後、脅迫容疑で逮捕されています。
俗にいう、“ネット弁慶” と呼ばれる輩たちです。
家の中でばかり強がっていて、外では意気地のない人のことをいう 「内弁慶」 をもじった言葉のようですが、いわゆるネットの中だけで、攻撃的な発言を繰り返す人たちのことを指す造語です。
どうしてネットの中では、そのように人格が豹変してしまうのでしょうか?
これは車の運転にもいえることですが、“顔” が見えない匿名性が、自分を実像より大きく見せたがるのかもしれませんね。
ふだんはおとなしかったり、意見を言わない内向的な性格の人が、陥りやすいようです。
ネット弁慶の特徴について、識者による、こんな分析がありました。
① 「話し言葉」 と 「書き言葉」 の言葉遣いが違う。
② リア友 (現実の友達) よりネトモ (ネット上の友達) のほうが圧倒的に多い。
③ リア友とネトモの中に共通の人物が少ない。
④ 正義感が強く、誤りを指摘しないと気が済まない。
⑤ 人の役に立ちたいが、目立ちたくない。
⑥ 自分の能力に見合った待遇を受けていない(と思っている)。
⑦ 大勢でいるより、一人のほうが好き。
ま、早い話が、視野と行動範囲が狭く、でも正義感だけは強い、ネットの中でしか意見を言えない、まさに “ネット弁慶” という言葉がピッタリの人間像が浮かび上がってきます。
でもね、統計によれば、ネット弁慶といわれるよな誹謗中傷を書き込む人の割合というのは、全体の1~2%なんですって。
だったら、そんな輩は断然、無視すべきです!
ネット弁慶には、“ムシ若丸” で対応しましょう!
ただ、ネット弁慶のみなさん、度が過ぎると脅迫容疑で逮捕されますよ。
匿名だと思っているのは、自分だけですからね。
必ず、捕まります!
女児の1日も早い救出を、心より祈っています。
Posted by 小暮 淳 at 12:38│Comments(0)
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