2021年01月17日
Le temps de Bonheur ~幸せの時~
<コロナ禍の中でさまざまな規制があり、行動制限がある今。それでも小さな幸せを探し、豊かな日常が送れることを祈りつつ、光に溢れ、清々しく、観る者の心が開放される半透明な水彩の世界が、私たちを癒してくれるようです。画廊主> (個展DMより)
竹馬の友であり、水彩画家の久保繁・新春画廊企画展が、今年も開催されています。
まず、彼の名を聞いて、「あれ、もしかして……」 と思われた方、あなたは、かなりコアな僕の読者様であります。
そうです!
1999年秋に出版したベトナム旅行記 『ヨー!サイゴン』(でくの房) に登場する、もう一人の主人公であります。
共に旅をしたこの年、僕はエッセイを書き、彼は人生初の個展を開きました。
その後、彼はデザイン事務所を退職し、画家としての創作活動を始めました。
前橋と逗子にアトリエを持ち、東京を中心に群馬や神奈川などで個展を開催しています。
2003年から始まった前橋市の画廊で開催される新春企画展は、今年で19回目を数えます。
初日の昨日、僕は夕方、買い物に出たついでに、ぶらりと寄ってきました。
「あれ、今日、彼はいないの?」
「ええ、先生は明日からなんですよ」
と画廊のオーナー。
毎年、初日に行けば会えていたので、改めて彼に確認を取らずに訪ねたことを少し後悔しました。
でも、そのぶん、ゆっくりと絵画を鑑賞することができました。
「だいぶ雰囲気が変わりましたね?」
「ええ、今回はペンで輪郭をとっていない作品が多いんですよ」
なるほど、それでなんですね。
淡い透明感のある色彩が、以前の作品に比べると、明るくポジティブなイメージを受けます。
もしかして、これが、今回の個展タイトルの 「幸せの時」 なのだろうか……
何よりも、その被写体の変化に気づきます。
相変わらずヨーロッパの街並みを描いた作品は多いのですが、やっぱり去年はコロナの影響だったのでしょうか?
日常である逗子や鎌倉周辺であろう海辺の風景が、何点かありました。
「コロナの影響って、あるんですか?」
「うちみたいな地方の画廊は、関係ないですね。そもそも密になりませんから」
それでも都会のギャラリーやデパートなどで展示開催している同業者は、それなりに自粛を強いられているところもあるそうです。
「作家は、どうなんですか?」
「それぞれ個人差があると思いますが、なかには 『そもそも貧乏だからコロナも何も関係ない』 という方もいます(笑)」
「彼なんかは、どうなんだろう?」
「さあ、どうなんでしょうね。直接、本人に訊いてみてください(笑)」
ということで、会期中に、もう一度、彼を訪ねて、真相を解明することにしました。
久保 繁 展
Le temps de Bonheur ~幸せの時~
●会期 2021年1月16日(土)~24日(日)
10:30~19:00 (火曜休、最終日17:00まで)
●会場 画廊 翠巒 (すいらん)
群馬県前橋市文京町1-47-1 TEL.027-223-6311
Posted by 小暮 淳 at 15:05│Comments(0)
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