2021年05月05日
絶滅危惧温泉は守れるか?
<公衆浴場や温泉で、混浴できるのは何歳までか?>
厚生労働省は男女の混浴禁止年齢の基準を 「おおむね10歳以上」 から 「おおむね7歳以上」 に引き下げたとの報道がありました。
これを受け、公衆浴場を規制する条例を定める都道府県や保健所を運営する一部の市では、条例改正に動き出したといいます。
そんな中、群馬県は現条例の 「おおむね10歳以上」 を当面維持すると発表しました。
なぜ、今になって、そんな論争が起きたのでしょうか?
それは、時代の推移による “恥ずかしさ” への変化です。
最新の混浴に関するアンケートによると、成人に聞いた制限すべき年齢で最も多かったのは 「6歳以上」 で、次いで 「7歳以上」。
一方、児童が混浴を恥ずかしいと思い始める年齢でも 「6歳」 と 「7歳」 が多かったといいます。
同省は、この結果を踏まえて、公衆浴場の混浴制限年齢を引き下げたようです。
みなさんは、どう思われましたか?
僕は率直な感想、「仕方ないかな」 と思っています。
だって今の10歳って、男の子も女の子も発育が昔とは、だいぶ異なりますからね。
子どもが恥ずかしいと思っているのであれば、混浴を強制することはないと思います。
逆に強制することは、親の子への虐待にもなりかねませんものね。
さて、公衆浴場の混浴問題は、お役人たちに任せることとして、由々しき現状は、温泉地での混浴風呂の減少問題です。
その前に、なぜ、公衆浴場では成人男女の混浴は禁止されているのに、温泉地での混浴は許されているのでしょうか?
講演やセミナーでも、よく質問されるテーマです。
これって、早い話 「お目こぼし」 なんです。
“混浴” という日本独特な文化は、法律ができる前から伝統的に存在していました。
よって既得権益により認められているのです。
ただし、これは “伝統” に限った特例ですから、新設または改修された場合には認められません。
ところが、歴史と伝統のある混浴風呂が、年々温泉地から姿を消しています。
それも新設や改修による理由ではありません。
理由は、もうお分かりですね!?
一番の理由は、「盗撮」 です。
スマホの普及と同時に、混浴風呂でのトラブルが多発し、結果、閉鎖に追い込まれています。
また、閉鎖されなくても伝統と文化を大きく覆す由々しき事態も……
そうです!
着衣問題です。
本来、温泉場での混浴は 「全裸」 です。
ところが最近、“湯あみ着” の着用を義務付ける温泉宿が増えています。
これでは “混浴風呂” とは呼べません。
温水プールに入っているのと同じです。
やはり、この奇怪な現象もすべて、“盗撮” が理由です。
もし、江戸時代の人が、令和の混浴事情を見たら、なんて言うんでしょうかね?
「便利になるって、なんて不粋なんだ。風情も情緒もあったもんじゃねえ」
そんな声が聞こえてきそうです。
Posted by 小暮 淳 at 11:56│Comments(0)
│温泉雑話