2022年01月23日
西上州の薬湯 (3) 「湯舟を黄金色に染める濃厚なにごり湯」
このカテゴリーでは、2016年12月~2018年2月まで関東新聞 「生活info(くらしインフォ)」 に連載された 『西上州の薬湯』(全15話) を不定期にて掲載しています。
※肩書、料金等は連載当時のまま。一部、加筆訂正をしています。
相間川温泉 「ふれあい館」 高崎市
相間川(あいまがわ)温泉 「ふれあい館」 は、旧倉渕村 (現・高崎市) が都市生活者のために遊休農地を整備して貸し出している市民農園 「クラインガルテン」 の中にある。
クラインガルテンとは、ドイツ語で 「小さな庭」 の意味。
本場ドイツにならって都市農村交流を目的とし、平成4(1992)年に日本で最初にオープンした本格的農園である。
約1万3000坪の敷地内には、農園225区画のほか、ログハウスやバーベキュー場、体育館などが造られている。
農園1区画 (平均12坪) の使用量は年間8,400円と安価なため、首都圏から農作業に訪れる人が多い。
温泉が湧いたのはオープンから3年後の平成7(1995)年3月のことだった。
源泉の温度は約62度と高温で、湧出量は毎分約200リットルもあった。
そして何よりも工事関係者を驚かせたのが、温泉の色だった。
湧出時は無色透明だが、時間の経過とともに黄褐色から赤褐色へと染まり、やがてレンガの粉のような大量の沈殿物を析出した。
さらに高濃度の塩分を含んでいる、県内でも珍しい温泉だったのである。
泉質は、ナトリウム・カルシウム―塩化物強塩温泉。
析出物が多く、循環装置が使えないため、浴槽の湯は内風呂も露天風呂も完全放流式 (かけ流し)。
その析出物の正体は酸化鉄で、光の加減によっては、湯が鮮やかなオレンジ色に見えることもある。
にごり湯が濃厚なため、入浴の際は足元に注意が必要だ。
ゆっくりと足裏で湯底を確かめながら入り、湯をすくい、鼻先に近づけると独特の金気臭がする。
顔に触れると、ひげそりの肌がヒリヒリとする。
なめると、かなり塩辛い。
体を移動しようと手をついた瞬間、フワリと尻が浮いた。
それほどに塩分濃度が高い。
皮膚に付着した塩分が発汗を抑え、保温効果があることから別名 「あたたまりの湯」 「熱の湯」 とも呼ばれる温泉だ。
湯冷めをしにくいので、この時季、冷え性の人にはお勧めである。
あまりの心地よさに、ついつい長湯をしてしまいがちだが、それは禁物。
塩分と鉄分の多い温泉は、実際の温度よりも体感温度が低く感じられるため、湯あたりを起こすことも。
こまめな休憩と水分の補給を忘れずに!
<2017年2月3日付>
Posted by 小暮 淳 at 11:37│Comments(2)
│西上州の薬湯
この記事へのコメント
「湯舟を黄金色に染める濃厚なにごり湯」
この題名を見て、すぐに相間川温泉だとピンときました。
群馬には、「上毛かるた」や「さまざまなご当地かるた」があります。
しかし、「温泉のかるた」というのは聞いたことがありません。
「上州温泉かるた」 「ぐんまの湯けむりかるた」みたいなものがあったら、
面白いと思いますが、いかがでしょうか。
この題名を見て、すぐに相間川温泉だとピンときました。
群馬には、「上毛かるた」や「さまざまなご当地かるた」があります。
しかし、「温泉のかるた」というのは聞いたことがありません。
「上州温泉かるた」 「ぐんまの湯けむりかるた」みたいなものがあったら、
面白いと思いますが、いかがでしょうか。
Posted by センネンボク at 2022年01月23日 14:31
センネンボクさんへ
実は現在、制作中です。
近々、正式発表しますので、もうしばらくお待ちください。
実は現在、制作中です。
近々、正式発表しますので、もうしばらくお待ちください。
Posted by 小暮 淳
at 2022年01月23日 15:02
