2022年02月16日
熟男J
♪ じれったい じれったい
何歳(いくつ)に見えても オイラ誰でも
じれったい じれったい
オイラはオイラさ 関係ねーぜ
特別なんだよ 唯一無二だぜ
オ・イ・ラ 熟男(うれだん) J ♪
(中森明菜 『少女A』 のパクリ)
最近、とっても気になるんです。
アンチエイジングを促すテレビCMや新聞広告……
「いくつに見えますか?」
と視聴者や読者に問いかける、あのヤラセっぽいやつです。
「実は、○歳なんです」
と、絶対に見えない年齢を告げ、まるで種明かしのように、
「若く見える人は、○○を愛用しています」
と商品名を連呼します。
サプリメントや健康食品が多いのですが、なぜ、この手のCMや広告が多いのでしょうか?
答えは簡単です。
みんな、“若く見られたい” からなんですね。
特に女性は、切実だと思います。
子どもの頃、授業参観に来たオフクロが、他のお母さんたちより若く見えたとき、なぜか嬉しかったことを覚えています。
“若いこと” が素晴らしいのではなく、“若く見えること” に意味があるんですね。
では、若く見られることのメリットって、何でしょうか?
モテる、好印象、清潔感、健康的……
では、老けて見えることのデメリットは?
弱々しい、みすぼらしい、不潔感……
これまた “老いていること” がいけないのではなく、“老いて見える” ことに抵抗感があるようです。
男性も女性も、できることなら “若々しく歳を重ねたい” と願うもののようですが、僕は、ちょっと違うんですね。
健康ではありたいのですが、若く見られたくはありません。
というのも、今までの人生が大きく影響しています。
実は僕、高校卒業と同時に、ヒゲを生やしていました。
10代だということがバレないように、大人びた格好をしていたんです。
というのも、東京で唄を歌ってましたから。
若いとバカにされ、説得力に欠け、唄を聴いてくれないと思ったんですね。
「早く大人になりたい」
と切に願っていました。
40代にも童顔に悩んだ時期がありました。
温泉の講座やセミナーに講師として招かれた時です。
「えっ、先生なんですか?」
「もっと年配の方かと思っていました」
と、行く先々で、依頼者から驚かれることが、たびたびありました。
《温泉の講師=人生を知り尽くした年配者》
といったイメージがあるようです。
早く歳を取りたい……日に日に思いは募っていきました。
そして迎えた50代、僕は一大決心をして、毛染めを止めました。
頭髪を全白髪にしたのです。
あえて、《白髪=年寄り》 のイメージを自ら望んで付けました。
確かに作戦は成功しました。
年相応か、それ以上に見られるようになり、講演やセミナーの会場へ行っても、好奇な目で見られることもなくなりました。
アンチエイジングならぬ、ウィズエイジングであります。
「熟男J」 が、できあがりました。
僕は、これで、いいんじゃないかと思っています。
若く見えても、老けて見えても、中身が伴っていなければ、ただの “張りぼて” に過ぎません。
どう見えるか?
ではなく、
どう生きているか?
自ずと、見た目も伴なうはずです。
みなさんは、どう思われますか?
Posted by 小暮 淳 at 12:07│Comments(0)
│つれづれ