2022年07月11日
竜宮から来た老婦
「竜宮から来ました」
小学生のお孫さんと最前列に座った老婦が言いました。
毎月、伊勢崎神社 (伊勢崎市) の境内で開催している街頭紙芝居。
僕らは1年半前から地元の民話を題材にしたオリジナル紙芝居の口演を行っています。
昨日は、その開催日でした。
僕らとは、紙芝居師の石原之壽(いしはらのことぶき) くんと画家の須賀りすさん、と僕です。
3人で、伊勢崎市宮子町の 「龍神宮」 に伝わる民話を紙芝居にしました。
タイトルは 『いせさき宮子の浦島太郎』。
すると先月!
かの人気テレビ番組 『ナニコレ珍百景』 で龍神宮が放送され、 珍百景として登録されました。
放送後、地元紙にも掲載され、話題が話題を呼んで、街頭紙芝居にも、たくさんの人が来るようになりました。
<県道2号線、駒形バイパスに 「竜宮」 という名の交差点がある。北に曲がり、広瀬川に架かる 「竜宮橋」 の上から覗き込むと、河川敷にこんもりとした茂みが見える。地元では竜宮城へつながっていることから 「竜宮の森」 と呼ばれ、浦島太郎伝説の地として 「龍神宮」 が祀られている。>
(小暮淳・著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) より)
「私、テレビに出たんですよ」
老婦は、まさに地元 「竜宮」 に暮らす住民だったのです。
テレビ番組では、地元民として出演していた人でした。
放送後、新聞で紙芝居になっていることを知り、お孫さんに見せてあげたくて連れて来たのだといいます。
老婦は言いました。
「急に有名になってしまって、ビックリしました。遠くから車でやって来る人が増えましたね」
紙芝居が始まると、お孫さんと食い入るように見入っていました。
「素敵な紙芝居にしていただき、ありがとうございました」
そう礼を言って、帰って行きました。
“竜宮” から来たのですから、あの老婦は、乙姫様だったのかもしれませんね。
※次回の 「神社かみしばい」 は8月13日・14日に開催します。
Posted by 小暮 淳 at 10:45│Comments(0)
│神社かみしばい