2022年08月15日
やはり街頭に置け紙芝居
「オンラインで、お願いできますか?」
長引くコロナ禍、相変わらず、このようなメールが多く寄せられます。
仕事の打ち合わせやイベント出演の依頼です。
申し訳ない話、僕は生粋の “昭和人間” であります。
仕事柄、仕方なくパソコンは使用していますが、携帯電話は、いまだガラケーです。
当然ですが、急に非接触を求められるコロナ禍になったからといって、オンラインの環境は整ってはいません。
ので、すべて丁重にお断りしています。
ただし無観客でも、会場やスタジオから生配信するオンライン講演だけは、2回ほどお受けしました。
無観客といえども現場には、主催者やスタッフが数名いるわけですからね。
いつも通り、マイクを使った講演ができるわけです。
最近、つくづく時代の未来化が進んでいると実感します。
コロナ禍がそれに、一気に加速をつけています。
便利になることは、良いことです。
だから僕は、あらがいません。
できることはするけれど、できないことはしないだけです。
昨日は、月に一度の 「神社かみしばい」 の開催日でした。
「神社かみしばい」 とは、2年前から僕と仲間が神社の境内で上演している街頭紙芝居のことです。
※(詳しくは当ブログのカテゴリー 「神社かみしばい」 参照)
台風一過の昨日は、絶好の “紙芝居日和” でした。
4回の口演は、満員御礼とはなりませんでしたが、全回、ほどほどにお客さんが入り、楽しい一日となりました。
盆休み中ということもあり、市外や県外から来たお客さんが多かったようです。
その中の一人に、東北から来られた方がいました。
口演終了後、その方が主催者である紙芝居師の石原之壽(いしはらのことぶき)くんに言いました。
「オンラインでも出演してもらえますか?」
僕は隣で、2人の会話を聞いていました。
石原くんは、
「できないことはありませんが……」
と、歯切れの悪い返事です。
結局、名刺交換をして、後日、連絡を取り合うことになったようです。
なんでも、かんでも、オンライン?
ビジネスならば、それも、いいでしょう。
“拙速をたっとぶ” こともあるでしょうから。
でも、紙芝居は娯楽です。
しかも、会場の雰囲気までもを楽しむ総合娯楽です。
「できないことはない」
と彼が言ったのは、その辺の不安が頭をよぎったからかもしれません。
『手に取るな やはり野に置け蓮華草』
この言葉になぞるなら、街頭で演じるからこそ、“街頭紙芝居” なのであります。
街の雰囲気や観客の笑い声……
駄菓子をほおばり、おもちゃで遊ぶ子どもたちの笑顔……
たぶん、これらはオンラインでは、届けられないと思います。
昭和~平成~令和と、世の中は便利になりました。
でも、ちょっと足を止めて、“今” を見つめてみませんか?
「これ以上、便利にならなくてもいいよ」
そんな時代の本音が聞こえてきませんか?
Posted by 小暮 淳 at 11:06│Comments(0)
│神社かみしばい