2022年08月26日
「ち」 の札のゆくえ
老若男女を問わず、戦後、幼少期を群馬県で過ごした人ならば、九九の掛け算同様、誰でも 「上毛かるた」 の詠み札を暗唱することができます。
「あ」 といえば、『浅間のいたずら鬼の押出し』
「い」 といえば、『伊香保温泉日本の名湯』
と、スラスラと出てきます。
44枚の札を全部覚えているのですから、当然、上句を言えば、反射的に下句が口を突いて出ます。
『碓氷峠の』 といえば、『関所跡』
『縁起だるまの』 といえば、『少林山』
『太田金山』 といえば、『子育呑龍』
と、互いに言いっこして、遊んだものです。
ただし44枚中、一枚だけ下句が時代によって変化している札があります。
そう!
「ち」 の札です。
『力あわせる○○万』
他県民のみなさんには、何のことか分からないでしょうから、ちょっと説明しますね。
この 「○○万」 とは、県の人口なんです。
ですから、最初に発行された昭和22(1947)年の 「力あわせる百六十万」 から10万人増えるごとに、札の数字を変更してきたのです。
以下のように、変わりました。
昭和48(1973)年 「力あわせる百七十万」
昭和52(1977)年 「力あわせる百八十万」
昭和60(1985)年 「力あわせる百九十万」
そして現在は、平成5(1993)年に変更された 「力あわせる二百万」 を、かろうじてキープしています。
そう、かろうじて!
というのも、群馬県の人口は10年前から200万人を下回り、年々減り続けているのであります。
ちなみに、現在の群馬県の人口は、191万5,293人 (7月1日現在)。
ということは、四捨五入するならば、とっくに 「力あわせる百九十万」 なのですが、かるたの著作権を持つ県は、あえて切り上げて、“200万” の札のままを通しているようです。
が、しかし!
ついに、限界に来ているようです!
現在の人口の減少ペースでいけば、来年にも190万人を切る可能性がでてきたのです。
となれば、札の変更は必至です。
さあ、「上毛かるた」 の 「ち」 の札は、来年、変更されるのでしょうか?
ゆくえが気になります。
ちなみに僕は、『力あわせる百六十万』 で覚えました。
年代がバレてしまうのも、「上毛かるた」 の魅力の一つなんでしょうね。
Posted by 小暮 淳 at 11:36│Comments(0)
│つれづれ