2022年11月26日
落款は楽観の印
「あっ、これ、見たことあります」
先日の講演会終了後のこと。
著書にサインを求められ、いつものように応じていた時でした。
僕は必ず、サインの下に似顔絵のスタンプを押しています。
書家や画家が作品に押印する落款(らっかん) とは、ちょっと違うんです。
そんな大それたものではありません。
だって似顔絵ですからね。
クスッと笑っていただければ、というサービス精神から押しています。
でも、この似顔絵、けっこう人気があるんですよ。
もちろん僕の名刺にも印刷されていますが、僕が代表理事を務めるNPO法人 「湯治乃邑(むら)」 のマークにもなっています。
でも、講演会で 「見たことある」 と言った方は、高崎市在住だったのでしょうね。
高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に、『小暮淳のはつらつ温泉』 というコラムを連載しています。
このコラムのタイトル下には毎回、僕が温泉に入っているスタンプと同じ似顔絵が描かれています。
だから高崎市在住の読者なら、見たことがあるはずなんです。
サインを求められた方は、大変よろこんでくださり、「家宝にします」 とまで言ってくださいました。
実は、このイラストは11年前のコンテストから誕生した作品なんです。
「小暮淳キャラクターデザインコンテスト」 なるイベントが、地元の出版業界内で開催されました。
その時のグランプリ作品が、この似顔絵でした。
作者は、その後、僕の温泉本の装幀を手がけることになったデザイナーの栗原俊文氏です。
彼は、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 の、あの妖怪変化の表紙画を描いてくれたイラストレーターでもあります。
そんなわけで、サインを求められるであろう講演やセミナーの時は、このゴム印を持ち歩いています。
先日も講演会の主催者スタッフの女性が、駐車場まで追いかけて来て、こんなことを言いました。
「先生のサインを拝見しました。かわいいですね。ぜひ、私の本にもサインしてください」
いいですね。
たかがサインなのに、初めて会った人をほっこりさせるなんて!
これも、ひとえに栗原氏の画力の賜物であります。
才能に感謝!
ということで、僕のサインに押されているのは “落款” ではなく、「物事の成り行きが、うまく行きますように」 と願う “楽観” なのであります。
出会った人すべてに、福が来ますように!
Posted by 小暮 淳 at 11:42│Comments(0)
│著書関連