2023年01月02日
好きこそ酒の上戸なり
呑んでますかー!
酒さえ呑んでいれば、なんでもできる!
と、新年早々、のん兵衛の声を代弁させていただきました。
のん兵衛とは勝手なもので、「正月っていいよな。朝から酒を呑んでも文句を言われないから」 とか何とか言い訳を付けては、一年中飲酒の機会を狙っているのであります。
かく言う僕も、のん兵衛ですから元日から浴び続けています。
正月も盆も暮れも、へったくれもありません。
死ぬまで呑み続けることが、“のん兵衛道” の極意なのであります。
「先生、また、うちで講演をしていただけませんか?」
そんな電話を某公民館からもらったのは、昨年の秋口のことでした。
この公民館では、すでに過去に2回講演を行っています。
1回目のテーマは 「温泉」、2回目のテーマは 「民話」 でした。
「かまいませんけど、今回は温泉ですか? 民話ですか?」
すると職員は、
「いえ、ぜひ、地酒でお願いします」
「地酒?」
「ええ、先生は群馬県の地酒大使であられますから。ぜひ、との声が多く寄せられています」
棚から牡丹餅、瓢箪から駒とは、このことです。
驚き桃の木 山椒の木であります。
「地酒大使といいましてもね、お酒に詳しいわけではありませんよ。ただの、のん兵衛。ただの酒好きですから」
「いえいえ、先生の話は楽しいと評判なんですよ。ぜひ、楽しいお酒の話をしていただけませんか? お願いします」
と、電話では見えませんが (たぶん)、頭を下げられてしまいました。
こんな時、僕の弱さ、人の好さが出てしまうんですね。
先方の悲しむ顔を想像すると、断れません。
「わかりました。お受けしましょう」
「そうですか! ありがとうございます」
ということで、快諾とまではいきませんが成り行きで、「地酒」 をテーマにした講演を今月することになりました。
返事をしてしまってから、後悔しました。
うっかりしてましたが、某公民館での講演枠って、2時間なんです!
そんなに長い時間も酒の話なんて、できるもんか!
オレは、ただ酒が好きなだけなのに……
と、急に顔面蒼白となり、手足が震え出しました。
やっちまった~!
お調子もんの安請け合いが、あだとなりました。
日に日に後悔と重責が募っていきます。
えーいっ、こうなりゃ、出たとこ勝負のアドリブ&パフォーマンスじゃい!
と開き直ったところで、もう一人の小心者の僕が、耳元でささやきます。
「きっちり、やろうよ。今からでも遅くないからさ。勉強しよう」
ということで、昨年暮れから僕は、呑んでも呑んでも酔えない “しらふ酒” を呑み続けています。
僕の仕事場のデスクの上には、うず高く積まれた本、本、本、本……の山。
すべて図書館や書店、古本屋で、かき集めた酒に関する本ばかりです。
酒造に関する専門書から居酒屋にまつわるエッセイや雑学本、マンガに至るまで……。
これらを毎晩毎夜、酒のあてとして熟読しながら呑み続けているのであります。
ああ、酒よ、酒。
なぜに、おまえは酒なのだ?
もしも、おまえに口が利けたらなら、今の私に何を言う?
えっ?
なに?
「ただ酔うだけよ」 だって?
お見それいたしました。
Posted by 小暮 淳 at 16:34│Comments(2)
│講演・セミナー
この記事へのコメント
小暮師匠
酒の上での、失敗談をすれば、2時間なんて、あっという間ですよ(^o^)
酒の上での、失敗談をすれば、2時間なんて、あっという間ですよ(^o^)
Posted by ヒロ坊 at 2023年01月02日 20:48
ヒロ坊さんへ
助言をありがとうございます。
ていうか、この際、酒を呑みながらやっちゃおうかと……
できれば、聴講者にもワンカップを配っちゃったりして……
あっ、それって、ただの宴会でしたね(笑)。
助言をありがとうございます。
ていうか、この際、酒を呑みながらやっちゃおうかと……
できれば、聴講者にもワンカップを配っちゃったりして……
あっ、それって、ただの宴会でしたね(笑)。
Posted by 小暮 淳 at 2023年01月03日 10:41