2023年02月24日
才能のゆくえ
夢を追いかけて、東京で暮らしていた20代の頃。
ある芸術の世界で、すでに名のある賞を受賞し、将来を有望視されていた友人が、突然、こんなことを言いました。
「故郷に帰って、就職をする」
誰もが耳を疑いました。
だって、仲間の誰よりも秀でた才能に恵まれていた彼が、なぜ志半ばで夢を捨ててしまうのか?
訳が分かりませんでした。
理由を聞けば、
「このままでは食っていけない。この先も食える保証がない」
とのことでした。
誰もが引き止めましたが、彼の決断は固く、去って行きました。
送別会の夜、酔った勢いで、僕が彼に投げかけた言葉は、
「その才能、使わないのなら俺にくれ!」
悔しいかな、彼の決断は 正しかったのかもしれません。
その後、彼ほどの才能がなかった僕らは、次々と挫折し、夢をあきらめて、東京を去って行きました。
青春のほろ苦い思い出です。
才能って、なんだ?
その後の人生で、僕を苦しめ続けたキーワードとなりました。
才能があるとか、ないとか言うけれど、それって、何なの?
ピカソやアインシュタインのような生まれながらの天才以外は、結局、努力のたまものでしかないのではないのだろうか?
なんてことを考えて生きていました。
才能のない者が、組織に属さず、フリーランスで生きていくには、どうしたらいいのか?
僕なりに考えて、導き出した答えが、次の2つのことでした。
①人のやらないことをする。
②数をこなす。
人のやらないことをやれば、注目されます。
注目されれば、チャンスが増えます。
“人十倍” を心がけること。
人一倍では、才能のある人には勝てません。
十倍の手間をかけて、やっと人より目立つことができます。
目立てば、チャンスが増えます。
結局、フリーランスで生きるとは、チャンスの確率を上げることなんですね。
僕は、そうやって今日まで生きてきました。
正しかったかどうかは分かりません。
でも、なんとか、こうやって生きているのだから間違いではなさそうです。
若きクリエーターのみなさん!
才能なんてなくても、信念と工夫があれば、なんとかやっていけますよ!
挫折なんかに、負けないでくださいね。
夢をあきらめないで!
Posted by 小暮 淳 at 11:21│Comments(0)
│つれづれ