2024年08月22日
夢と人生とオリンピック
誰にでも、人生を変えた他人から言われた言葉というのがあると思います。
20歳の頃ですから、もう半世紀近くも昔のことです。
僕は東京の専門学校に通っていました。
その時、同じ学校に通う先輩に言われた言葉が、その後の僕の人生を突き動かしました。
「小暮君が夢を持っていることは知っているよ。でもね、夢を見るだけなら誰だってできることだよ。大切なのは、その夢に向かって、今、何をしているかなんだ。夢を語る時間があったら、その夢を叶えるために、今すべきことをやることだよ」
当時、僕は同じ夢を持つ仲間たちと毎夜毎夜たむろし、酒を呑み、ただただ夢を語り合う日々を過ごしていました。
まさに、目から鱗が落ちました。
思いっきり脳天を、バットで殴られたような衝撃でした。
それから数年後のこと。
夢が大き過ぎて、身も心もつぶれそうになり、実家に一時帰省したときでした。
人生の迷子になりかけている憔悴しきった息子を見て、たまりかねたのでしょうね。
オヤジからかけられた言葉があります。
「人生は、何をしたかではない。どう生きたかなんだよ」
これまた、冷水を浴びたように目が覚めた瞬間でした。
いつもいつも 「何かをしなければ」 とあせっていた自分には、救いの言葉となりました。
でも考えれば考えるほど、「どう生きるか」 という選択のほうが、とてつもなく大きなテーマに感じられたのも事実でした。
あれから僕は、はたして、2人の助言どおりに生きて来れたのでしょう?
人生の終盤になり、今、自問自答している毎日です。
そんな折、今年はパリ・オリンピックが開催されました。
人並みに僕も、毎晩、寝不足になりながらも日本選手陣を応援していました。
結果、日本は、たくさんのメダルを獲得し、素晴らしい成績を残しました。
ところが、その一方で、SNS上での負けた選手たちへの心無い誹謗中傷が話題になりました。
(2024年8月12日 「赤子にマシンガン」 参照)
その昔、「オリンピックは参加することに意義がある」 と言われました。
近代オリンピックの父といわれるピエール・ド・クーベルタン男爵の言葉です。
どんな競技であっても、その国の代表に選ばれることはスゴイことです。
選手たちの努力とプレッシャーは、我々凡人には想像すらつきません。
でもオリンピックが競技である限り、勝ち負けの結果は出ます。
それでも結果に関係なく、選手の健闘と功績をたたえるのが、オリンピックという世界レベルの競技だったはずです。
いつしかテレビを観ている素人たちが、あたかも審査員となり、知ったかぶって言葉の暴力を振りかざす時代になってしまったことを、とても残念に思います。
オリンピックという夢を追ったのは、選手です。
その夢に向かい努力したのも選手です。
その結果、勝ったのも負けたのも選手なのです。
結果主義が招いた悲劇に、いまだに心の奥がチクチクと痛むのです。
夢は、語るものではありません。
人生は、どう生きたかなのです。
僕は、オリンピックに出場したすべての選手に、惜しみない拍手を今でも送り続けています。
Posted by 小暮 淳 at 12:44│Comments(2)
│つれづれ
この記事へのコメント
とてもいい言葉ですね。私もオリンピック観てて涙腺崩壊なんてことよくあります。
それなのにSNSやらコメンターの一言でがっかりすること、今回のパリでもありました。
8月生まれなので、先日、「再雇用」で契約しました~(笑)
ちなみに、ほっこり心が温まったのは「温泉で元気」です。見~つけた。
そしてX(Twitter)も。ホローさせて頂きました。@kan_cha_nです。
それなのにSNSやらコメンターの一言でがっかりすること、今回のパリでもありました。
8月生まれなので、先日、「再雇用」で契約しました~(笑)
ちなみに、ほっこり心が温まったのは「温泉で元気」です。見~つけた。
そしてX(Twitter)も。ホローさせて頂きました。@kan_cha_nです。
Posted by たけちゃん
at 2024年08月22日 15:12

たけちゃんへ
ありがとうございます。
Xは、長女が代理運営しています。
(K君の母親です)
「温泉で元気」 も読んでいただき、ありがとうございます。
重ねて、御礼申し上げます。
ありがとうございます。
Xは、長女が代理運営しています。
(K君の母親です)
「温泉で元気」 も読んでいただき、ありがとうございます。
重ねて、御礼申し上げます。
Posted by 小暮 淳
at 2024年08月22日 23:18
