2024年09月10日
無趣味は七難隠す
もし僕にコンプレックスというものがあるとしたら、それは、趣味がないということです。
若い頃には、いろんなものに興味と好奇心があり、手あたり次第チャレンジをしましたが、年を重ねるに連れ、趣味と呼べる趣味らしい趣味はなくなってしまいました。
そのことを、多彩な趣味人として知られる某社の社長さんに話したことがあります。
すると、ズバッと、こう言われました。
「小暮さんはさ、仕事が趣味だから」
これって、ほめ言葉なのでしょうか?
なんだか急に自分の人生が、陳腐なものに思えてきました。
だって60年以上も生きて来て、余暇や休日に楽しめることが何一つもないなんて……
自分は、ただの仕事人間なのか?
苦肉の末に、出た言葉が、
「逆ですよ。趣味が仕事になっちゃったんですよ」
思えば、読書も登山も、温泉や酒蔵めぐりも、民話や伝説を調べるのも、みんな昔は僕の趣味でした。
でも、いかんせん仕事がライターだったのが、不運のはじまりです。
好きなことは、のめり込み、面白くてしょうがない。
やがて、書きたくなってしまうんです。
そして、書いてしまった 時点で、その趣味は趣味でなくなり、仕事へと変化してしまうのです。
社長さんは言いました。
「今までに、仕事にならなかった趣味ってないの?」
「……」
なんかあったろうか?
すぐには、思いつきません。
が、よくよく考えたら一つだけありました。
釣りです。
海釣りも渓流釣りもやりましたが、趣味になるほどのめり込めず、やがて仲間に誘われても行かなくなってしまいました。
「小暮さん、良かったね」
「え?」
「だって、釣りの趣味が続いていたら、きっと本を書いていたと思うよ」
「本当だ!(笑)」
良いのか悪いのか、ライターという悲しいサガであります。
でもね、おかげさまで飽きることのない人生にめぐり合えました。
無趣味だからこそ、仕事の邪魔をされることなく、好きなことを好きなだけ追求することができるのだと思います。
無趣味で結構!
大いに胸を張って、これからも生きて行こうと思います。
無趣味、バンザーイ!
Posted by 小暮 淳 at 11:44│Comments(0)
│つれづれ