2024年11月07日
木部さん、やってくれましたね!
木部さんが小説を書いたというので、さっそく買って読みました。
元新聞記者で群馬在住のジャーナリスト・木部克彦さんと初めてお会いしたのは、かれこれ15年ほど前のこと。
群馬県内の新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど、メディアに関わる人たちの懇親会に参加した時でした。
ちょうど僕は 『群馬の小さな温泉』 (上毛新聞社) を、木部さんは 『群馬の逆襲』 (彩流社) を出版した年でした。
初対面のあいさつは、互いに 「本、売れてますね」 という、ほめ合いだったことを覚えています。
その後、何度となく懇親会で顔を合わせ、話が盛り上がると、居酒屋で杯を重ねました。
あれは2012年の夏のこと。
突然、木部さんから電話がありました。
「今度、『群馬の逆襲』 の続編が出るんだけど、小暮さんのことを書かせてよ」
「えっ、俺なんかでいいの?」
「お願い、新たな “逆襲の刺客” として登場して」
ということで、『続・群馬の逆襲』 (言視舎) の中で、「GO! GO! 温泉パラダイス」 というタイトルで5ページにわたり、僕のことを書いてくださいました。
そんな縁もあり、彼の家にもお邪魔して、料理研究家としての顔も持つ彼の手料理をいただいたりと、交流を深めてきました。
そんな木部さんが、このたび小説を書きました。
『群馬が独立国になったってよ』 (言視舎) 定価 (本体1800円+税)
タイトルを読んで分かるように、完全なる 『群馬の逆襲』 の小説版です。
しかも、喜劇!
<202X年X年X日、突然、群馬が独立国に!――魅力がないなどと根拠のない誹謗を受けつづけるいわれはない。社会の格差は広がるばかり、政治は機能せず、衰退する一方の日本には未来はない、いっそ独立するべぇ!> (帯コピーより)
奇想天外、荒唐無稽、前代未聞のドタバタ劇は、まさに映画 『翔んで埼玉』 の群馬版。
いやいや、それ以上に、説得力と現実味にあふれている作品です。
独立した理由がすごい!
ブータンのように 「国民の幸福度世界一」 になるためなんです。
そのために、大統領は公選で報酬は月15万円、国会議員は 「くじ引き」 で選ばれた有償ボランティア。
人口約200万人の小さな国だからこそできる年金制度、食料自給率100%以上を目指します。
なんといっても物語の白眉は、群馬県を見下していた首都圏連合軍 (東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県) との攻防戦です。
都内の大学の群馬出身の受験生に対する圧力や、海なし国の群馬へ海産物の流通を止めるという嫌がらせに対して、群馬国も黙っていません。
下仁田のネギやこんにゃく、嬬恋のキャベツ、安中の梅などの輸出を中止します。
笑っちゃうのが、農産物だけでなく、 ガトーフェスタハラダのラスク、ハーゲンダッツのアイス、ヤマダ電機の電気製品、スバルの自動車までも群馬国外の価格を割高にして売るという徹底作戦に出ます。
極めつけは、利根川の水を東京都へ流れないようにするという秘策です。
さて、その結末は?
あなどるなかれ、群馬国!
それにしても木部さん、あなたはどんだけ群馬が好きなんですか!?
恐れ入りました!(脱帽)
Posted by 小暮 淳 at 12:05│Comments(2)
│読書一昧
この記事へのコメント
新聞の広告を見て面白そうなので、新刊を読む前に
「群馬の逆襲 正」を市立図書館で予約中です
「群馬の逆襲 正」を市立図書館で予約中です
Posted by 次男 at 2024年11月11日 11:22
次男さんへ
「正」 を読んだら 「続」 も、お読みください。
「正」 を読んだら 「続」 も、お読みください。
Posted by 小暮 淳
at 2024年11月11日 23:18
