2025年03月06日
便利の過渡期
最近は、どこで買い物をしても、食事をしても、会計はセルフレジです。
最初は戸惑っていたアナログ人間の僕でさえ、今ではスムーズに使いこなしています。
さらに便利を覚え、重宝までしています。
たとえば、ペットボトルの飲料を1本だけ買うときなど、セルフレジなら手間と時間がかからず、自動販売機感覚で購入できます。
また、少額の買い物なのに小銭がなくて、仕方なく1万円札を出す場合、セルフレジなら店員に気を遣う必要はありません。
どんどんと便利な世の中に、慣れ親しんでいる自分がいます。
一方で、ちょっぴり、寂しさも感じています。
以前は、有人レジだったラーメン店が、最近、セルフレジに替わってしまいました。
途端、「ありがとうございました」 の店員の元気な声が消えてしまいました。
厨房の中に、入ったきりです。
客は、食事が終わると、伝票を持って、レジへ。
印字されているバーコードをスキャンします。
パネルに金額が表示され、「現金」 をタッチ。
お金を入れて、精算終了。
そのまま、店を出ます。
お腹は満ちるのですが、なんだか食事をした気分にはなれません。
最近、日帰り入浴施設に行きました。
下駄箱にクツを入れ、100円玉を投入。
カギをフロントの女性に渡しました。
ここまでは以前と同じです。
この後が違いました。
ブレスレットのようなモノを渡されました。
以前なら入浴料を支払い、カギと引き換えに渡されるのは、番号が書かれたカードでした。
館内で食事をした場合は、この番号を告げます。
そして帰りにカードを返し、精算すると、下駄箱のカギが返ってくるというシステムでした。
「これ、なんですか?」
とスタッフに、ブレスレットについて聞きました。
「それを精算機に、かざしてください」
というので、カウンター横に設置された機械へ移動すると、
「お客様、帰りにお願いします」
あれ、だって、以前は、先に入浴料を払ったでしょ?
なんだ、帰りになったんなら、先に言ってよ!
と昭和オヤジは、戸惑いを隠せません。
言われたとおり、帰り、精算機へ直行しました。
ピッ!
音ともに、入浴料が表示され、難なく支払いを終えました。
あれ?
この後、どうするの?
このブレスレットのようなモノは?
ていうか、下駄箱のカギは、どうしたら返してもらえるのよ?
あたふたと、おろおろと、昭和オヤジは機械の前で、またもや立ちすくむばかり。
「お客様、こちらへ」
見かねたスタッフに呼ばれ、カウンターに戻ると、ブレスレットとカギを交換してくれました。
えっ、そこはアナログなんかい!
だったら最初っからスタッフが対応すれば、いいじゃん!
カウンターと精算機を行ったり来たりする、このシステムって何?
つい、スタッフに嫌味を言ってしまいました。
「これって便利なようで、不便だね」
すると、彼女いわく、
「人手不足なもので」
結局、そこなんですね。
この国の少子高齢化は、歯止めがききません。
どこもかしこも人手不足です。
コンビニも外食チェーンも、店員は片言の外国人ばかり。
だもの、無人化に拍車がかかります。
便利になるって、なんて不便なんでしょうね。
Posted by 小暮 淳 at 11:44│Comments(0)
│つれづれ