2025年03月08日
今夜のスターは 「あじまん」
東京へ出るまで、「今川焼き」 という名称を知りませんでした。
だって、前橋っ子が食べていたのは、見た目は同じだけど、「甘太郎焼き」 だったからです。
“ご当地あるある” っていうやつです。
朝目覚め、その日の気分で 「今日はオフ日にしょう」 と決めます。
そんな日は、午後の早いうちからバスに乗って、行きつけの店に顔を出します。
ご存じ、酒処 「H」 です。
昨日も4時前に着いたんですけどね。
すでに先客がいました。
5時を過ぎた頃には、カウンター席しかない小さな店内は、ほぼ満席です。
残りは、あと一脚……
というときに、大きな包みを抱えた常連のK君が登場。
「あじまん、買って来たよ~!」
「あじまん? 何それ?」
店内はざわつきましたが、僕だけは、
「ええええーーーーー! もしかして、あの、あじまん!?」
と、歓声を上げていました。
「そうですよ! 昨日 『秘密のケンミンSHOW』 でやっていた、あの、あじまんです」
ちょうど前の日、テレビで “ご当地あるある” を紹介していたのです。
山形県では、今川焼きのことを 「あじまん」 と呼ぶことを。
しかも、僕らが慣れ親しんでいる今川焼きとは、ちょっと見た目が違うこと。
さらに、中のあんこの量が半端でないこと。
そして、そのあんこが甘くないこと。
食べてみたいけど、ご当地限定で、しかも冬季だけの期間限定商品だと番組は伝えていました。
「K君、山形まで行ってきたの?」
「それが、売ってるんですよ! 前橋でも」
なんでも群馬県内では、前橋市と館林市の2カ所だけで、冬季限定販売しているとのことです。
「でも、よく買えたね!? テレビで、あれだけ紹介されたら、買うの大変だったんじゃないの?」
「はい、50分並びました」
「ごじっぷ―――――ん!!!」
ということで、ラッキーな常連客限定8名+ママだけが、その幻の 「あじまん」 を食せることになりました。
「うまい!」 「おいしい!」 「すごい、あんこ」 「甘くなくて、ちょうどいいね」 「これなら2個は食べられる」
と、左党の輩からも大絶賛の声が飛び交いました。
一見、見た目はふつうの今川焼きです。
でも、ちょっと高さ (厚み) が違います。
山高帽のような形をしています。
そのぶん、中はあんこがたっぷりなんです。
薄くてフワフワの皮と絶妙なバランスで、口の中をバラ色に満たしてくれます。
「田舎のあんこだね」
「そうそう、ばあちゃんが作ったあんこの味だ」
と、完全に今夜のスターの座は、すべて 「あじまん」 が持って行ってしまいましたとさ。
まだの人は、ぜひ一度、ご賞味を!
ただし期間限定です。
3月いっぱいぐらいは販売しているらしいですが、行列覚悟でお買い求めください。
Posted by 小暮 淳 at 11:54│Comments(0)
│酔眼日記