2025年04月26日
ごめんね、ウルトラマン
先日、定年退職を迎えた同世代の知人から、こんな話を聞きました。
退職式でのこと。
同僚とともに3人で、式に臨んだとのこと。
退場の際、見送る曲として会場には、一人ひとりの好きな曲が流れたそうです。
「で、何を流しの?」
「ウルトラセブン」
「ウルトラセブン?」
「そう、ズ―――っと前から決めていたの」
「で、他の2人は?」
「自己申告しなかったみたいで、『いい日旅立ち』 でした」
なんだが、昭和の結婚披露宴のようですね。
それにしてもウルトラセブンのテーマとは、かなりの変わり者です。
「俺は職場ではヒーローだったんだ」 という自己顕示欲の現れなんでしょうか?
それとも、子どもの頃に抱いた将来の夢への再チャレンジという意思表明なのでしょうか?
いずれにせよ、彼の第二の人生に、幸多かれと願います。
ウルトラセブンといえば、円谷プロです。
僕の世代は、なんてったって初代のウルトラマンであります。
男の子なら誰もが、「シュワッチ」 と言いながらジャンプしたり、スペシューム光線を発する格好をして遊んでいました。
長じて、好きが高じて僕は、20歳の頃に劇団入りました。
と言っても、子ども相手の着ぐるみ劇団です。
それも、円谷プロ系でした。
だもの、毎週末はデパートの屋上や商店街の催し物会場で、ウルトラマンショーを開催していました。
えっ、ウルトラマンに入っていたのかって?
まさか!
ヒーローの着ぐるみに入れるのは、身長180センチ以上の体育大学生と決まっていました。
身長160センチ台のその他僕らは、やられる怪獣です。
(なんと! 僕はあの、ウルトラマンを倒したゼットンにも入ったことがあるんですよ) ←自慢
で、ショーの最後には決まって、握手会というのがあります。
ステージに出演したヒーローが整列します。
ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、アルトラマンエース、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオ
(当時は、そのあたりまででした)
実は、握手会に参加したチビッコたちには、プレゼントがありました。
それは!
なななんと、サイン色紙であります。
え―――――っ、ウルトラマンにサインなんてあるの~!?
と驚くかもしれませんが、
あります!
それもウルトラ兄弟全員のサインがあります。
もう 半世紀近くも前のことなので、時効ですよね。
誰が書いていたのか?
はい、劇団員です。
だから僕らは毎日、家でサインの練習をしていました。
ウルトラマンからウルトラマンレオまで、全員のサインを覚えさせられました。
そして、ショーの合間の休憩時間には裏方で、せっせせっせと色紙にサインをしていたのです。
あの頃、サインをもらった子どもたちも今は50歳以上のおっちゃん、おばちゃんになっていると思います。
ごめんなさいね、夢を壊してしまって。
キミが持っているサインは、もしかしたら僕が書いたものかもしれません。
いい夢を見たと思って、許して!
シュワッチ!
Posted by 小暮 淳 at 11:19│Comments(3)
│つれづれ
この記事へのコメント
子ども心に、ウルトラセブンのアンヌ隊員にときめいていました。
Posted by まいちゃ at 2025年04月26日 14:53
まいちゃさんへ
もちろん、ウルトラセブンのサインも書きましたよ!
こんど、書いて差し上げましょうか?
(覚えているかな?)
もちろん、ウルトラセブンのサインも書きましたよ!
こんど、書いて差し上げましょうか?
(覚えているかな?)
Posted by 小暮 淳
at 2025年04月26日 23:03

今度色紙用意します。
Posted by まいちゃ at 2025年04月27日 23:26