2025年05月08日
セロリ記念日
食べ物の好き嫌いが多い少年期でした。
長ねぎ、玉ねぎ、ピーマン、人参、キャベツ、レタス……
野菜全般が苦手で、給食でも、それらをはじいて食べていました。
大人になるにつれ偏食もなくなり、今では、ほとんど好き嫌いはありません。
3つの野菜を除いては……
それは、レタスとパセリと、らっきょうです。
先日の酒席でのこと。
我々のん兵衛界隈では、アマチュア料理研究家として名の知られるS氏が、手作りの料理を持参しました。
いくつものタッパーに仕込んだ、和洋中およびオリジナルの創作料理がふるまわれました。
S氏は男性です。
でも趣味で始めた料理の腕は、今や玄人はだし。
数々の料理はブログにもアップされ、読者の間では高い評価を得ています。
どの料理も、箸が止まらないおいしさです。
酒のあてには、申し分ありません。
が……
一品だけ、箸が止まりました。
そうです、その小鉢には、セロリが盛られていたのです。
「これは、もしかしたらセロリですか?」
「はい、“セロリとパプリカのみそ和え” です」
ゲッ!
セロリだけでもアウトなのに、ピーマンの親戚のパプリカまで同居していました。
万事休す、であります。
だからといって、ここまで順調に箸をつけてきたのに、この一品だけ残すのも失礼というものです。
エイッ!
こうなったら、子どもの頃に覚えた 「忍法鼻つまみゴックンの術」 を使うしかありません。
噛まずに、飲み込めばいいんです。
ソレッ!
と口の中に放り込み、一気に飲み込もうとしましたが、ちょっとばかりサイズが大きいのです。
仕方ない……噛むしかない……
シャキッ!
ん? なんだ? おかしいぞ?
そーなんです、あのセロリ特有の鼻を突くような香りがありません。
いえいえ、それだけではなく、パプリカとの相性も良くて、口の中がまろやかな風味に包まれました。
「おいしいです!」
「そう、よかった」
「実は、ちゃんとセロリを食べたの今日が初めてだったんです」
と告白。
周りの人は驚いていましたが、S氏だけはニコニコと、ほほ笑んでいます。
「なんで食べられるんだろう? なんでですか?」
との僕の問いに、S氏いわく、
「料理って、カガクなんですよ」
「カガク?」
「そう、化学であり、科学でもあるんです」
一同、「へー!」 と言ったところで、誰一人、意味は分かっていないと思います。
さすが、東大卒の料理研究家は、おしゃることも一流です。
ほとんど料理をしない僕にとっては、まったくの未知の世界です。
S氏が魔法を使ったとしか思えません。
でもね、生まれて初めてセロリが食べられたのです。
ペロリと小鉢を平らげてしまいました。
Sさん、ありがとうございました。
今度は、パセリとらっきょうに魔法をかけてくださいね。
「これならば食える」 と僕が言ったから 五月六日はセロリ記念日
Posted by 小暮 淳 at 12:08│Comments(3)
│酔眼日記
この記事へのコメント
そのパプリカは赤いですね。
使われている味噌は麦味噌ですね!
・・・見た目は大人、頭脳は子供、その名は名探偵コナン!!
使われている味噌は麦味噌ですね!
・・・見た目は大人、頭脳は子供、その名は名探偵コナン!!
Posted by T課長 at 2025年05月08日 14:10
私も子供の頃は野菜なんてほとんど嫌って食べませんでしたが今はサラダがオイシク感じます。が、やはり今でも苦手な物はまだあります。匂い香りが強い香菜はまだ無理です(*_*)
確かに調理や味付けによっては食べられる場合があるんですよ。不思議ですね~(^_^)
確かに調理や味付けによっては食べられる場合があるんですよ。不思議ですね~(^_^)
Posted by みわっち at 2025年05月08日 21:53
T課長さんへ
味噌は覚えていませんが、パプリカは確かに赤かったです。
もしかしてT課長さんも、料理研究家ですか?
おみそれしました。
真実は一つ! ですね。
みわっちさんへ
お互い、見た目は大人でも、お口はお子ちゃまなんですね。
安心しました。
死ぬまでに、パセリとらっきょうを食べられるようになるのが、目下の目標であります。
味噌は覚えていませんが、パプリカは確かに赤かったです。
もしかしてT課長さんも、料理研究家ですか?
おみそれしました。
真実は一つ! ですね。
みわっちさんへ
お互い、見た目は大人でも、お口はお子ちゃまなんですね。
安心しました。
死ぬまでに、パセリとらっきょうを食べられるようになるのが、目下の目標であります。
Posted by 小暮 淳
at 2025年05月08日 23:27
