2012年03月19日
大塚温泉 「金井旅館」②
今日は朝から中之条町の大塚温泉へ行ってきました。
大塚温泉の一軒宿 「金井旅館」 の4代目主人、金井昇さんに最初にお会いしたのは、かれこれ6~7年前のことです。
暑い暑い夏の日の午後でした。
裏庭で梅を干しているご主人に 「おいしそうな梅干ですね!」 と声をかけると、「ほれ」 と言って僕の手のひらに梅干を1つ乗せてくれたのです。
「うちは、動力を一切つかっていない。源泉をそのまま、ぶん(かけ)流しだからね。恵まれた湯があるから、うちなんかでもやっていけるんだよ」
その飾り気のない人柄にひかれて、それからというもの、足しげく通うようになったのです。
時には泊り込んで、ご主人と酒を酌み交わしたり、あるときは僕の講演会にご主人が来てくれたりと、何かと交流を続けている、いわば勝手知ったる温泉宿であります。
今日は、新聞の取材でした。
旧館玄関の隣の「受付」と書かれた日帰り入浴客専用の扉を開けると、いつもと同じように大女将の金井トキさんが、こたつに入っていました。
ご主人と女将さんの美恵子さんに勧められ、僕もこたつにお邪魔しました。
「取材だなんて、うちのことは小暮さんが全部知ってるだんべ。おまかせでいいよ」
と相変わらず、いつもの調子です。
「そーだ、昼にそばを打ってやるから、風呂にゆっくり入ってきない」
なんでも、1年半前から独学で、そば打ちを始めたとのことです。
「なんかオレもしなくっちゃと思ってさ、見よう見まねで始めたわけよ。楽しみにしてな」
と、厨房へ消えてしまったのです。
では、いざ、群馬屈指のぬる湯へ。
泉温34.2度。湧出量、毎分800リットル!
800リットルですよ~!
とにかく一軒宿で、この量は、すご過ぎます。
男女別の内風呂、混浴の内風呂、混浴の露天風呂だけでは、到底使いきれませんから、ここでは魚の養殖にも温泉水を利用しています。
テラピア(和名 : イズミダイ) です。
以前、泊まったときに刺身を食べましたが、淡水魚とは思えぬプリプリ、シコシコの歯ごたえは、まさにマダイの食感でした。
それでも温泉を使いきれずに、田んぼにまで引いているというから驚きです。
う~ん、やっぱり、まだこの時季は、露天風呂は寒いですね。
34度といえば、体温より低いわけですから、ほとんど野外の温水プールに入っている状態です。
いや、外気に触れているので、もっとずっーと低いはずです。
テキパキと撮影だけ済ませて、内風呂へ。
外気で冷えた体には、34度が今度は温かく感じられます。
案の定、今日も単行本を持ち込んで入浴している湯治客がいました。
とにかく、ぬる湯は長時間入浴できるのが特徴です。
※ぬる湯の効能や金井旅館についての詳しいことは、2010年7月13日の当ブログ 「大塚温泉 金井旅館」 をご覧ください。
風呂上りにご主人自慢の手打ち十割そばをいただいて、お茶を飲みながら雑談(これが取材ですが) をしながら、楽しいひとときを過ごしてきました。
僕があんまり 「おいしい、おいしい」 という言うものだから、おみやげにふきのとうをたくさんいただいてしまいました。
ご主人、ごちそうさまです。
ふきのとうの、あの苦味がたまりませ~ん!
今晩は、日本酒の量が、いつもより増えそうですよ。
Posted by 小暮 淳 at 18:55│Comments(4)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
風呂上がりの十割そば、いいですね!
いつも金井旅館は連泊なので、お昼にうどんを出してくれますが、
今度はご主人にお願いして、おそばを打ってもらいます。
暖かくなると、大塚温泉の季節なので、また行って来ます。
いつも金井旅館は連泊なので、お昼にうどんを出してくれますが、
今度はご主人にお願いして、おそばを打ってもらいます。
暖かくなると、大塚温泉の季節なので、また行って来ます。
Posted by masa at 2012年03月19日 23:52
masaさんへ
お久しぶりです。
そーですね、春から夏にかけて “大塚温泉の季節” です。
ぜひ昼に、ご主人自慢の十割そばを注文してください。
ちなみに、大塚温泉の記事は、4月11日の朝日新聞に掲載されます。
お久しぶりです。
そーですね、春から夏にかけて “大塚温泉の季節” です。
ぜひ昼に、ご主人自慢の十割そばを注文してください。
ちなみに、大塚温泉の記事は、4月11日の朝日新聞に掲載されます。
Posted by 小暮 at 2012年03月20日 01:52
真夏に 入れる温泉として貴重ですよね
あの 露天風呂も含めて 考えてみても かなりの湯量がないと 出来ない事です
温泉水で養殖なんて いいですね
今度 1kg当たり 500べクレルから100べクレルに 下がるので 川魚は 近郊の河川では 無理になります
餌の仕入れに 気をつければ 本業以上に儲かるかも?
県内のワカサギに合掌(>人<)
あの 露天風呂も含めて 考えてみても かなりの湯量がないと 出来ない事です
温泉水で養殖なんて いいですね
今度 1kg当たり 500べクレルから100べクレルに 下がるので 川魚は 近郊の河川では 無理になります
餌の仕入れに 気をつければ 本業以上に儲かるかも?
県内のワカサギに合掌(>人<)
Posted by momotaka at 2012年03月21日 18:49
momotakaさんへ
あの露天風呂は、ほとんどプールですよね。
従来の、ぬる湯のスタイルを継承しているからこそ、できることです。
今後、もっともっと、ぬる湯が支持されることを切に望みます。
あの露天風呂は、ほとんどプールですよね。
従来の、ぬる湯のスタイルを継承しているからこそ、できることです。
今後、もっともっと、ぬる湯が支持されることを切に望みます。
Posted by 小暮 at 2012年03月22日 00:49