温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2014年02月27日

さよなら初恋


 僕の初恋は、小学校5年生のとき。
 相手は、クラスメイトの髪の長い女の子。
 だと、ずーっと思っていました。

 ところが・・・


 先日、卒業40周年を記念した中学校の同窓会通知が届きました。
 封筒の中には、開催日時などのお知らせのほか、幹事たちが苦労をして作成した同窓会名簿が入っていました。

 僕が地元の中学校を卒業したのは昭和49年(1974) 年です。
 年度でいうと、昭和48年度の卒業生ということになります。

 その中学校は、市内でもマンモス校として知られていました。
 クラスは1学年、10組まであったんですよ。
 生徒数は、学年だけで413人!
 だもの、3年間通っても、一度も話したこのない人はたくさんいました。
 まして、あれから40年の歳月が経っています。
 名簿を見ても、自分のクラス以外の人の名前は、ほとんど記憶にありません。

 担任の先生は10人。
 すでに半分の先生が亡くなられていました。
 で、同級生はというと・・・
 413人中、13人に物故者の黒いマークが付いていました。

 同じクラスの2人については、すでに知っていましたが、それ以外の人の名は、やはり記憶の片隅にもない人たちばかりです。
 ところが!
 1人だけ、僕の記憶に引っかかる人がいたんです。
 他のクラスの女子ですが、確かに旧姓を見ると、幼なじみだった子です。


 Yちゃんとは幼稚園から小学校低学年まで一緒だった大の仲良しでした。
 いつも一緒に学校から帰り、いつも一緒に遊んでいました。
 お絵かきや泥だんご、縄跳びをしたり、追いかけごっこをした記憶があります。

 「大きくなったら、ジュンちゃんのお嫁さんにしてくれる?」
 「うん、いいよ。僕もYちゃんのこと、大好きだから」
 なーんて、たわいもなく未来の約束をしたような記憶までよみがえってきました。

 えっ、Yちゃん、死んじゃったんだ・・・

 僕とYちゃんは、幼なじみだったというだけで、その後は中学校を卒業まで一度も同じクラスになったことはなく、廊下ですれ違うことはあっても、話すらした記憶がありません。
 だからだと思います。
 この歳になるまで、初恋の相手を間違って覚えていたのです。


 Yちゃんは、その後、どんな人生を歩んだのだろうか?
 幸せな人生だったのだろうか?
 もしかしたら、分かるかもしれないと思い、ネットで名前を検索してみました。
 だって、結婚した相手の名字が、とっても珍しい名字だったからです。

 ネット検索の場合、サラリーマンや主婦だと、なかなかヒットしませんが、個人事業主や医者、弁護士、大学教授など、また何かの活動をしている人は比較的、所在を知ることができます。
 で、Yちゃんの名前を検索してみると・・・

 ありました!
 2件だけですが、絶対に彼女に間違いありません。
 神奈川県でNPOの活動をしていたことが分かりました。

 亡くなったのは、昨年の11月。
 共に活動をしていた友人のブログには、こんなコメントが残されています。

 <享年54歳。早すぎる旅立ちでした。
   (中略)
   この大きな喪失感を前に、人はなんという偉業を為せるのだろう、と思います。
   限りある一生であっても、ともにあることの大きさ、その喜び、恩寵、為しえることはあるのだと気づきます。
   真っ直ぐだったUさんに、次に会うとき、叱責を受けないように、いつもそうであったように笑って話しができるように、残った者のお約束を花束の結びにして、奉ります。合掌。>

 そしてブログには、告別式会場の写真が添付されていました。
 遺影の中では、僕の知らない大人のYちゃんが、ほほえんでいました。
 僕がほとんど知らない54年間の人生ですが、たくさんの友人に囲まれて生きた幸せな人生だったようです。

 胸の奥のほうが、チックンと痛くなりました。


 さよなら、Yちゃん
 さよなら、初恋 
   


Posted by 小暮 淳 at 18:41Comments(0)つれづれ

2014年02月26日

新講座、受付スタート!


 毎年開講している、NHK文化センター主催による野外温泉講座 『名湯・秘湯めぐり』。
 おかげさまで、6年目を迎えました。

 今年の講座は、今までになく盛りだくさんの豪華ラインナップ!
 4月より毎月、群馬県と近隣の温泉地を交互に訪ねます。

 そして、今年からバージョンアップしました!
 ①昨年度までは年9回の講座でしたが、今年度より年12回開講します。
 ②県外の温泉地が増えたため、のんびりゆったりと移動ができるように中型バスになりました。


 いよいよ今日(2月26日) の午前10時から受付がスタートしました。
 毎年、受付開始と同時に満席となっていましたが、今回はバスが大きくなったぶん、若干の空席があります。
 ご興味のある方は、センターまでお問合せください。
 ※詳しくは、今日の新聞折込チラシをご覧ください。


      『名湯・秘湯めぐり』

 ●毎月第4火曜日
 ●4月22日~3回(4~6月分)
 ●会員 10,368円 諸経費 25,920円
  ※初めての方は入会金3,000円+税が必要です。
 ●講師/温泉ライター 小暮 淳
 ■申込、問合は、電話、ホームページまたは窓口で
   NHK文化センター前橋教室
   群馬県前橋市大手町1-1-1 群馬県昭和庁舎3階
   TEL.027-221-1211
   http://www.nhk-cul.co.jp/school/maebashi/
  


Posted by 小暮 淳 at 10:27Comments(2)講座・教室

2014年02月24日

小暮淳 特集


 温泉ファンのみなさ~ん、こんばんは!
 読者のみなさ~ん、こんばんは!
 温泉ライターの小暮でーす!

 いつもと違うテンションで、始めてみました。
 というのは、今日は、著書の宣伝をしようと思います。

 みなさんは、僕の本を何冊お持ちですか?
 温泉本は5冊が出版されています。
 その他のエッセーや紀行本が4冊。
 計9冊が世に出ています。

 でも現在、書店で購入できるのは、うち6冊です。
 残り3冊は、絶版や自費出版のため、講演会等で著者から直接買い求めるしかありません。
 ところが現在は、ネットという便利なモノがあるんですね。
 絶版した本や中古本が、手に入るんです。


 で、僕も、自分の本をネット検索してみました。
 すると・・・

 ギェッ!
 なんですか、このタイトル!

 『小暮淳 特集』

 クリックしてみると、クージンという通販情報サイトでした。
 そこには、僕の本が紹介、販売されています。
 温泉本、登山本……
 そして、すでに絶版となっている1997年に出版された処女エッセー 『上毛カルテ』(上毛新聞社) までもが売られていました。

 これは、スゴイぞ!と思いながら検索を続けると、『小暮淳@アマゾン公式サイト』 なんていうサイトもあったりして。
 さらには、『小暮淳のおすすめランキング』(ブクグロ) というタイトルを発見!

 このサイトには、こんなコーナーがありました。
 「小暮淳ならマズコレ!」
 ① ぐんまの源泉一軒宿
 ② 電車とバスで行く ぐんまの里山てくてく歩き
 ③ みなかみ18湯 〔上〕
 ④ 群馬の小さな温泉
 ⑤ あなたにも教えたい 四万温泉

 いゃ~、本人の知らないところで、ランク付けされていたんですね。
 でも、こちらのサイトでも幻の処女エッセー 『上毛カルテ』 が販売されていました。

 “知らぬは 著者ばかりかな”
 大変、勉強になりました。


 読者のみなさ~ん、まだ持っていない本がありましたら、ぜひゲットしてくださいね!
 以上、今日は著書の宣伝でした。
 あしからず。
    


Posted by 小暮 淳 at 20:55Comments(0)著書関連

2014年02月23日

温泉風スーパー銭湯


 このところ毎週のように、日帰り温泉に行ってます。
 なーんて書くと、「えっ、小暮さんも日帰り温泉に行くんですか?」 と驚かれる読者もいるかもしれませんね。

 以前、このブログに書きましたけど、取材では決して行きません。
 ※(2013年3月9日の 「手打ちラーメンとカップラーメン」 参照)

 いえね、現在、年老いた両親の面倒を看るために、実家に泊まり込んで生活をしているんですよ。
 足の不自由なオフクロと、頭の不自由なオヤジ。
 2人っきりにしたら、餓死してしまいますもの。
 僕とアニキで、交互に “おさんどん” の世話をしているわけです。

 で、オヤジとオフクロはデイサービスで風呂に入っているので、家では風呂に入りません。
 だから僕1人のために風呂を沸かすのももったいないということで、時々、実家の近くにある日帰り入浴施設に行くわけです。
 早い話、銭湯代わりです。


 でもね、温泉ライターをやっているから言うんじゃありませんけど、あれって、やっぱ、温泉じゃなくて、銭湯ですね。
 水道水や井戸水の代わりに、温泉水を利用しているだけで、「温泉」 の雰囲気も風情もありません。

 だって、温泉って、「温泉水」 だけ入っていれば、「温泉」 というのもじゃないでしょう!
 「温泉情緒」 や 「自然環境」 が伴ってこそ、「温泉」 だと思うんです。

 だから平野部や都市部にある大型日帰り温泉施設は、“温泉風スーパー銭湯” と呼称を変えるべきです。
 「手打ち風」「関西風」 と同様、“似て非なるもの” なのですから。

 でも最近は、銭湯もめっきり見かけなくなったし、あったとしても夕方からだったりしますものね。
 今日も温泉風スーパー銭湯のおかげで、雪かきと老人介護で疲弊した体の汗とアカを、きれいサッパリと洗い流すことができました。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:22Comments(0)温泉雑話

2014年02月22日

ややこしい温泉


 「温泉」 と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?

 「温泉に入る」 と言えば、当然、温泉(水) のことですよね。
 でも、「温泉へ行く」 と言うと、温泉(地) や温泉(施設) のことになります。
 日本語の 「温泉」 には、どちらの意味もあるんです。

 関西へ行くと、銭湯のことを 「温泉」 と呼んだりもしますから、ややこしい!


 温泉法では、「地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気、その他のガス(炭酸水素を主成分とする天然ガスを除く)」 で、25℃以上のもの。
 または、25℃未満でも定められた物質が規定以上含まれているものも 「温泉」 と認められています。
 ですから、「冷たい温泉」 も存在するわけです。
 ややこしいですね。

 さらに温泉法には、“温度による分類” というものがあります。
 これによると、25℃未満を 「冷鉱泉」、25℃以上34℃未満を 「低温泉」、34℃以上42℃未満を 「温泉」、42℃以上を 「高温泉」 と呼びます。

 ますます、ややこしくなってきます。
 ですから温泉法の 「温泉」 とは、広義では冷たくても温かくても 「温泉」 ですが、狭義では34℃以上42未満の “ぬるい湯” のことを 指すことになります。
 やっぱり、ややこしいですね。


 僕は、講演やセミナーなどで、よく 「温泉はすべて温かいと思う人?」 と質問します。
 みなさん、広義の知識がありますから、「冷たくても温泉である」 に手を上げる人が多いんですが、実は、どちらも正解ということになります。

 まったく、ややこしい話です。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:10Comments(0)温泉雑話

2014年02月21日

遺伝子のゆくえ


 息子は大学3年生。就職活動の真っ只中です。
 今日も朝からリクルートスーツに身を包み、出かけて行きました。

 先日の大雪の翌日のこと。
 僕が寝ぼけまなこで階下へ降りて行くと、すでに雪かきを済ませた息子が、スーツに着替えていました。
 「出かけるのか?」
 「うん」
 「こんな大雪の中か?」
 「うん」
 「何しに?」
 「説明会」

 信じられませんって!
 バカじゃ、ねーのか?
 こんな雪の中、どうやって行くんだよ?
 そもそも、こんな日に、説明会をやる企業なんてないだろう?

 と、矢継ぎ早に僕が一方的に、まくし立てると・・・

 息子いわく
 「やるって、確認とった。チェーンも履いたし」
 さも、当然という顔をして、さっさと出かけて行ってしまいました。


 「おい、どういうことだ? あいつ、こんな大雪の中、説明会に行くんだと」
 そう、家内に告げると、
 「ねえ、偉いんね。誰かさんとは大違いだわ」
 と、つれない言葉が返ってきました。

 でも、家内の言うとおりです。
 “誰かさん” には、到底、理解できない行動です。
 だって、就職活動なんて、やったことないし!
 勤めだって、30歳までしたことないし!
 人生、いつだって、行き当たりバッタリだし!
 それだって、けっこう楽しく、この歳まで生きて来れたし!


 「あいつ、本当に、オレの子かな?」
 「あなたの子じゃ、ないんじゃないの? だって、顔も体型も性格も、何一つ似てないものね」

 ナニ~! ちょっと、かあさん、心当たりがあるのか?
 やっぱ、オレの子じゃ、なかったんだ~!
 今すぐ、DNA鑑定しろーーーーっ!

 と叫んでみたところで、始まらない。
 22年も昔のことだ。
 だとしても、今さら本当の父親を探し出すわけにはいかない。

 っていうか、どーして、こんないい加減な父親から、真面目で、素直で、礼儀正しい、品行方正な子どもが生まれてくるのだろうか?
 「反面教師っていうやつよ。誰だって、あなたの生き方みていれば、こんな風になっちゃいけないって思うわよ」
 なんて言うが、かあさん、我が家の子どもは、息子だけじゃありませんよ。
 ちゃーんと、2人の娘は、僕に顔も体型も性格も、そっくりじゃありませんか!

 特に長女は、親に反抗して、学校を無断で退学して、家を飛び出して、男と一緒になって、勝手に籍を入れて、子どもまで産んで、幸せにやっているじゃないか!
 この行き当たりバッタリの処世術は、完全に僕の遺伝子であります。
 次女も、しかり。勉強が嫌いで、音楽にのめり込むところなんぞ、父親ゆずりなのだ。


 「おい、お前は真面目過ぎるぞ。もう少し、いい加減に生きろ!」
 と、小言を言えば、
 「・・・」
 無言で、僕を一瞥(いちべつ)する息子。

 その心は……、
 「父さんみたいに、なりたくないからね」
 そう言われているようで、僕は、すごすごと2階の仕事部屋へ退散したのであります。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:39Comments(0)つれづれ

2014年02月20日

思わぬ裏話


 「小暮先生ですか?」
 薬局の待合室で、男性から声をかけられました。
 年の頃は、50代後半。知らない人でした。

 僕のことを “先生” なんて呼ぶ人は、極限られた人たちです。
 カルチャースクールの受講生か、講演やセミナーの主催者くらいなもの。
 えーと、誰だっけかなぁ……? と考えあぐねてみましたが、分かりません。

 話を聞くと、なんでも以前、某ショッピングモールで開催されたイベントで、著書にサインをもらったのだと言います。
 へー、それだけで、よく僕と分かりましたね。

 「時々、テレビでもお顔を拝見していますから」
 とのこと。
 あらら、それはお恥ずかしい。
 彼も、僕がなんで、この薬局にいるのかを知りたい様子だったので、実家がこの近くで、オヤジの薬を受け取りに来たのだと説明しました。


 やがて、彼の番がやって来て、席を去って行きましたが、問題は、その後です。
 僕らの会話を隣で聞いていた60代のオジサンが、間髪を容れずに話しかけてきました。

 「そーでしたか、あなたがね。いえね、私も温泉が好きで、方々へ出かけているんですよ」
 このテの、馴れ馴れしい御仁に出会うと、僕は警戒してしまいます。
 やがて、にわか知識のひけらかしが始まり、終始自慢話で終わることが常だからです。

 ところが、このオジサン。なかなかの温泉通なのであります。
 行った温泉の自慢話ではなく、「あそこの主人とは長い付き合いでね」 とか、「あそこの宿とあそこの宿は中が悪いんだよね」 なんて、かなり深い話題をふってくるのです。
 それも、僕が何度も取材で通って仕入れたネタなんかも知っています。

 「私は、あそこの風呂が好きだったんですよ。でも廃業しちゃったのは残念だね」
 なんていう、最新の情報まで知っている。
 さらに、「あそこの主人は、アル中だったんだよ。息子は2人いたんだけどね。長男は……」
 などと、かなり入り込んだ裏話が、短時間にポンポンと飛び出してきました。

 こうなると、僕のほうがオジサンの話に夢中です。
 もっと話を聞き出そうとした、その矢先、
 「小暮さ~ん」
 と、受付から呼び出しの声が!

 あ~、オジサン!
 その話の続き、聞かせてくださいよ。
 今度、いつ薬局に来ますか?
 いやいや、せめてお名前を!
 今度、じっくり取材をさせてくださいな!


 思わぬところに、温泉ネタというのは、転がっているものです。
 なんだか、とっても得をした気分になって、薬局をあとにしました。
   


Posted by 小暮 淳 at 17:52Comments(0)つれづれ

2014年02月19日

本当の豊かさとは?


 <変化したお客>
 <本当に豊かなのはどっち?>

 これは、今日の朝日新聞群馬版に掲載されたコラム 『小暮淳の温泉考座』 の見出しです。
 シリーズ39回目の今回は、温泉地の今昔と、その変遷(へんせん) について、書かせていただきました。


 その昔、「温泉へ行く」 といえば、湯治のことでした。
 人々は食料を持ち込み、自炊しながら長期滞在をして、持病や疲弊した体を癒やしました。
 ですから、「湯」 と 「床」 を提供してくれる宿に対しては、当然、感謝の気持ちがありました。

 「泊めていただき、ありがとうございます」
 と、客から声をかけられたといいます。

 ところが現代は、どうでしょう?
 1泊2日が当たり前となり、温泉宿は、豪華な料理を食べて過剰なサービスを受ける、ストレス発散の場となっています。
 いつしか、湯治場が観光地になってしまいました。
 お金を払う側の客が、非日常の優越感を求めるあまり、「泊まってやる」 という横柄な態度になってしまったといえます。

 さらに、ストレス社会が生み出した “負” の産物、「クレーマー」 の存在は、秘湯の宿にも現れ出しました。
 「露天風呂がない」「貸切風呂がない」、アレがない、アレもない、と、昔の湯治場では考えられない不平不満を平然と押し付けてきます。
 なかには、「川の音がうるさくて眠れないから、どうにかしろ!」 というヤカラもいるそうです。

 いったい、この人は、山奥の温泉宿に、何を求めに来たんでしょうか?

 「最近は、虫を嫌がるお客様が多いんですよ。でも、これだけはね。ここは山の中なんですから」
 と、ご主人や女将さんから、散々グチをこぼされました。

 いやはや、なんとも、返答に困ってしまいます。


 質素な料理でも、のんびりと湯を浴みながら滞在していた昔と、豪華な料理を腹いっぱい食べて1泊だけで帰ってしまう現代と、はたしてどちらが豊かな時代なんでしょうかね?
 そんな疑問を今回のコラムでは、読者に投げかけてみました。

 次回の掲載は、来週の水曜日(26日) です。
 リウマチを治した不思議な温泉の話を紹介いたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:04Comments(2)執筆余談

2014年02月18日

種付け旦那


 おかげさまで我が家は、3人の子宝に恵まれました。
 別に、僕が人並み以上の絶倫男ということではありませんよ。
 すべては、神様から授かった宝物であります。

 以前、不妊治療に悩んでいる女性と話したことがありました。
 彼女いわく、
 「世の中は不公平ですよね。子どもが授かった人には児童手当が支給されて、不妊治療には保険が利かないなんて!」
 ごもっともであります。
 少子化に歯止めをかけるには、ぜひとも改正していただきたい法律だと思います。


 その昔、不妊に悩む夫婦たちは、「子宝の湯」 と呼ばれる温泉へ通いました。
 その名のとおり、子どもが授かる温泉のことです。
 群馬県内では、古くから伊香保温泉が、そう呼ばれていました。

 でもね、県内をくまなくめぐってみると、意外と多いんですよ。
 「子どもが授かった」 という話が!

 嬬恋村の某温泉旅館の女将によれば、
 「長年、子どものいない夫婦が住み込みで働きに来たところ、すぐに子どもが授かった」
 とのこと。
 それ以来、「子宝の湯」 と呼ばれるようになったといいます。

 「子宝の湯」 と呼ばれる温泉の泉質は、様々です。
 塩化物泉だったり、炭酸水素塩泉だったり、硫酸塩泉だったり。
 でも、共通しているのは “塩分” を含んでいること。
 よく温まり、殺菌力があるからかもしれませんね。


 ところが最近読んだ本の中で、思わぬ 「子宝の湯」 の正体を知ってしまいました。
 温泉評論家の石川理夫さんと中央温泉研究所所長の甘露寺泰雄さんと北海道大学名誉教授の阿岸祐幸さんの鼎談本 『温泉 とっておきの話』(海鳴社) です。
 この中で、「子宝の湯」 について、こんな驚くべき発言をしています。

 <(温泉地には、妊娠させるための) “種付け旦那(だんな)” がいるんですよ。“種付け馬” です。>

 「嫁して3年、子無きは去れ」 と言われた時代のこと。
 世継ぎをもうけるために、亭主も承知のもと、温泉地へ出かけて行ったといいます。

 現在では、DNA鑑定ですぐにバレてしまいますが、昔ならあってもおかしくない話しであります。


 でもね、実際、温泉には妊娠しやすくなる効能はあるんですよ。
 温泉成分の中には、女性ホルモンに似た物質もあります。
 入浴することにより、骨盤の血行が良くなり、リラックス効果や転地効果も望めます。

 さらに、本の中では、こんなことも語られています。
 <日常生活から離れた温泉地で夫婦2人きりになり、舅(しゅうと)、姑(しゅうとめ) の目から離れる、家事から解放されるなど、精神的な要素が強かったのでは> と・・・。

 不妊治療で悩んでいるご夫婦は、温泉療法も取り入れてみては、いかがでしょうか?
 僕ですか?
 僕は、もうそろそろ、打ち止めであります。

 純粋に温泉を楽しむことにします。
 あしからず!
   


Posted by 小暮 淳 at 13:50Comments(0)温泉雑話

2014年02月16日

大雪のバカヤロー!


 午前10時30分
 任務遂行のため、防寒具に身を包み、リュックを背負い、雪原を歩き出しました。
 一夜明けた町には、まだ膝上まで埋まる積雪があります。

 一歩、一歩、踏みしめながら、ひたすら県道を目指しました。

 司令官より手渡されたメモ書きには、3つの指示が書かれています。
 <牛乳、食パン、豚肉または鶏肉>


 「ごくろうさまです」
 雪かきをする町内の人たちに出会うたび、僕は声をかけました。
 「あれ、仕事かい?」
 「いえ、買い出しです」
 「そりゃ、大変だ。でも、どこも売ってないと思うよ」

 ええ、分かっています。
 百も承知で、メモを手渡されていますから。
 それでも、出かけなくてはならない、上下関係が我が家にはあるんですよ。


 住宅街が切れると、また路上は車のわだち1本ない、深雪に覆われています。
 ザク、ザク、ザク・・・一歩、一歩、進みます。
 毎日、雪と戦っている雪国の人たちの苦労が、少しは分かるような気がしました。

 県道に出ると、雪に埋まった歩道を避けて、車道のわだちを歩きました。
 雪どけの水が、川になって流れて行きます。


 11時10分
 スーパーマーケットに到着。
 駐車場は真っ白で、一台も車は停まっていません。
 入口には、チェーンが張られています。

 ん? 休業かな?
 と店内を見ると、明かりが点いていて、買い物袋を下げた人たちが出てきました。
 歩きの客だけ、受け入れているようです。

 店内は案の定、どの棚も品薄でした。
 まず、パン売り場へ行きましたが、商品はゼロ!
 精肉売り場も、ダメ!

 「そうだ、牛乳だ」 と、飲料棚へ急ぐと・・・
 ありました!
 牛乳は完売でしたが、低脂肪乳が1本だけ売れ残っています。

 ああ、これで怒られなくて済む・・・
 と、安堵のため息。


 次に向かったのは、コンビニです。
 こちらも駐車場は、全面真っ白で、車は停まっていません。
 当然ですが、店内のパンと米飯類の棚は、空っぽであります。

 と、その時です。
 「今日の2便です」
 と言って、パンの配送員が入ってきました。

 「ラッキー!」
 とばかりに、近寄ると・・・

 あれ? パンを乗せたトレーは、たったの2枚。
 しかも、ロールパンが2個と菓子パンが2種類、4個ずつだけ。

 「すみませんね。大雪の影響で、まだ工場が正常に稼動してしてないんですよ」
 と配送員。
 なんでも、従業員が雪で出勤して来れないのだと言います。
 大雪の影響は、交通機関だけではないのですね。
 これは、ある種の災害なのかもしれません。

 指示書には 「食パン」 と書かれていたけど、ロールパンで許してもらうことにしょう。
 と、いうことで、ロールパンをゲット!
 ついでに、おつかいのお駄賃として、自分用に唐揚げも買っちゃいました。


 結局、肉類は買えませんでしたが、牛乳の代わりに低脂肪乳を、食パンの代わりにロールパンをリュックに詰めて、また雪原の中を40分歩いて、無事、帰還することができました。
 すぐさま司令官に、報告。
 怒られることはありませんでしたが、ほめてはもらえませんでした。

 その代わり、
 「午後は、雪かきをお願いね」
 と、次なる指令をいただいてしまいました。

 トホホのホ、であります。
 いつから、こんなにも家の中で権力の差が生じてしまったのでしょうか?

 大雪のバカヤロー!
  


Posted by 小暮 淳 at 20:58Comments(2)つれづれ

2014年02月15日

まさかの休肝日


 今朝、目覚まし時計が鳴る前に、ケータイの着信メロディーに起こされました。
 「はい、もしもし・・・」
 寝ぼけまなこでケータイをさぐり当て、耳に当てると、聞こえてきた声の主は、今日の午後に開催される講演会の主催者でした。

 「あっ、今日はよろしくお願いします」
 と反射的に、あいさつをしてしまいましたが、
 あれ? まてよ・・・
 もしかして・・・

 だって、今までに、講演会の主催者が当日に電話をしてくることなんて、ありませんでしたからね。
 僕は、あわててベッドから飛び起きて、カーテンを開けました。

 ギエエエエエーーーーッ!
 なんじゃ、この大雪はぁ~!

 「そうなんですよ。(会場となる)○○温泉も、除雪が間に合わないと言ってますし、何よりも聴講者がこの雪では、来られないでしょう」
 と、いうことで、本日、県内某温泉地のホテルで開講予定だった、僕の講演会は中止。そして延期となってしまいました。


 しっかし、驚きました。
 前橋市の積雪は、73cm!
 観測史上一番の記録だそうです。
 でも、確かに55年間生きてきて、前橋で見る雪としては最高の積雪です。
 昨日見た宝川温泉より、除雪がされてないぶん、雪深さを感じます。

 講演会が延期になってしまったのは残念ですが、頭の切り替えが早いのがフリーランスのいいところ。
 先週の週末のように、たまっている原稿を片付けるも良し、はたまた確定申告の準備を進めるも良し。
 雪に閉ざされた週末を、有意義に活用することにしました。


 と、と、ところが!
 あるモノが、ないことに、気づいてしまったのです。
 そう、“酒” です。
 昨晩、今日は出張で泊まりだからと、残っていた酒を全部、飲み干してしまっていたのです。

 ならば、今すぐ買いに出かけなければと、玄関から出ようとして、ドアを開けてみて・・・
 愕然としました。

 家の中から眺めていた雪景色と、実際に目の当たりにする現実のギャップに、打ちのめされてしまいました。
 我が家の3台の車は、完全に雪に埋もれています。
 長靴を履いて踏み出た庭は、膝まで雪に埋まってしまいました。

 車が出せないレベルではありません。
 人間が歩くことすら、不可能なんです。

 それでもなんとか、スコップで家の前の道まで雪かきをしました。
 が、もう、体力の限界です。 

 はるか遠く、県道までは、一面の雪原が続いています。
 そして、その県道ですら、土曜日の午後だというのに、一台も車が走っていません。

 恐るべし、積雪73cm!

 ここは雪国ではありません。
 よって、除雪車も来てはくれません。

 おお、神よ~!
 あなたは今夜、私から酒を取り上げるのですか?


 明日朝、雪原と県道を突破し、最短距離にあるコンビニに突入しようと思います。 
  


Posted by 小暮 淳 at 20:06Comments(0)つれづれ

2014年02月14日

宝川温泉 「汪泉閣」⑤


 行ってまいりました!
 厳冬、極寒の宝川温泉へ。

 春といわず、夏といわず、秋といわず、宝川温泉は新聞や雑誌の取材で、数え切れないくらい訪れているのですが、冬場に訪ねるのは、今回が2回目なんです。
 前回は2011年1月、僕が講師を務めるカルチャースクールの野外温泉講座でした。
 もちろん、バスを貸し切っての講座ですから、運転はプロのドライバーまかせです。

 いつもなら、カメラマン氏の車で行く取材も、この時期はちょっと二の足を踏んでしまいます。
 だって、みなかみ町の藤原地区は群馬有数の豪雪地帯ですからね。
 積雪が3メートル以上になります。

 と、いうことで今回は、JR上越線の水上駅まで、宿のマイクロバスに迎えに来てもらうことにしました。
 といっても、特別に来てもらったわけではありませんよ。
 宿泊客なら、誰でも利用できる送迎バスです。
 ※(日帰り入浴客には、路線バスとのお得なセット券があります)


 いゃ~、それにしても驚きました!
 午後3時の便は、満席であります。
 熟年夫婦あり、若いカップルあり。
 一人旅の人もいるし、外国人もいます。

 「え~、真冬の宝川温泉って、こんなにも人気なの?」
 と、驚いていたのであります。
 だって、以前は、これほどじゃなかったと思いますよ。
 なんせ、雪深い秘湯の一軒宿なんですから。


 「おかげさまで、連日満室なんですよ。真冬のこの時期、平日が満室になるのは珍しいことです」
 と、3代目主人の小野与志雄さん。
 宿に着くなり、部屋まで来てくださり、僕のインタビューを受けてくれました。

 全42部屋が満室とは、スゴイ!
 訊けば、なんでも最近、テレビの旅番組で紹介されたらしいんです。
 そしたら、その日から予約が殺到して、何ヶ月も先まで埋まってしまったとのことです。

 「テレビに紹介されることはたびたびあるんですがね。いつもは、こんなことはありません。どうしちゃったんだか、私にも理由が分からないんですよ」
 と、主人も首をかしげます。
 残念ながら僕も、そのテレビ番組は見ていないので、なんともコメントのしようがありませんが、なんでも漫画家の蛭子さんが訪ねた番組らしいですよ。


 と、いうことで、館内も露天風呂も、人がいっぱいで、大変にぎやかでした。
 仕方なく、僕とカメラマン氏は雪の中、吊り橋を渡り、敷地内にある 「宝川山荘」 へ。

 「宝川山荘」 は日帰り入浴施設ですが、午後5時以降は日帰り入浴客が帰ってしまうため、宿泊客のみの利用となります。
 みなさん本館の内風呂か露天風呂へ行ってしまうので、ここは穴場なんです。
 案の定、誰もいません。
 完全貸切状態で、極上の源泉かけ流しを、存分に堪能することができました。


 窓の外は、シンシンと雪の降る深山幽谷の世界。
 こたつに入りながら、夜が更けるまで、雪見酒を楽しんできました。
   


Posted by 小暮 淳 at 22:23Comments(0)温泉地・旅館

2014年02月12日

おかげさまで4周年


 このブログを開設したのは、2010年2月13日。
 ですから今日で、丸4年が経ちました。

 これまでに書いた記事の総数は、1,244話。
 ほぼ毎日、ブログを書き続けてきたことになります。
 これもひとえに、読者様のおかげと、感謝申し上げます。

 毎回、僕の駄文にお付き合いいただき、ありがとうございます。


 思えば、ブログを書き出した2010年2月というのは、僕がやっと 「温泉ライター」 と呼ばれ始めた頃であります。
 前年の9月に上毛新聞社から 『ぐんまの源泉一軒宿』 が出版され、早くも2ヶ月後の11月には増刷され、すでにこの年の秋には第2弾の出版も決まっていて、乗りに乗っていた時期でした。

 “豚もおだてりゃ木に登る”
 お調子者の僕は、パソコン音痴にも係わらず、知人に勧められるまま、ブログを開設してしまいました。
 当時のグンブロの担当者のYさんには、大変お世話になりました。
 何から何まで、オンブにダッコのスタートでしたからね。
 ※(当時の様子は、当ブログの2013年2月23日 「せんべい屋は毎日せんべいを焼く」、2013年7月8日 「1日 1,000アクセス突破!」 を参照)


 あれから4年・・・
 おかげさまで5冊の温泉本と、1冊の登山本を出版し、新聞や雑誌に連載を書けるようになりました。
 実は、これ、すべてブログのおかげなんです。
 また、講演やセミナーなどの依頼もしかり。
 担当者が、このブログを読んで、僕のことを知って、連絡をくださることが多いんですよ。

 “たかがブログ、されどブログ”
 どれだけ僕は、このブログに助けられているか、わかりません。
 今では、すっかりライフワークの一環になっています。


 いよいよ、明日からは5年目に突入です!
 温泉地のこと。温泉宿のこと。
 温泉にまつわるこぼれ話や裏話。
 講演会やセミナー、講座、ライブなどのイベント情報。
 そして、日々の出来事などなど・・・
 つれづれなるままに、したためていきたいと思います。

 これからも 『小暮淳の源泉ひとりじめ』 を末永くご愛読してくださいますよう、お願い申し上げます。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:52Comments(0)執筆余談

2014年02月11日

なぜ群馬なのか?


 「温泉ライター」 と名乗るようになったのは、5年くらい前からだと思います。
 と、いうのも、自分から名乗り出したわけではないので、記憶はあいまいなんです。

 2009年9月の 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) が出版された以降からだと思います。
 それ以前も雑誌等に、温泉のルポは書いていましたが、肩書きは 「フリーライター」 でした。
 たぶん、著書の発売とともに、新聞や雑誌での紹介記事、テレビ、ラジオなどの出演の際に、便宜上、読者や視聴者に分かりやすくするために、「温泉ライター」 と称されるようになったのだと思います。

 最初は、他の取材記事も書いていたので、多少抵抗はありましたが、今は、僕の代名詞のように使われているので、かえって重宝しています。

 現在、僕は朝日新聞に 『小暮淳の温泉考座』 というコラムを連載しています。
 これなどは、タイトルに筆者名が入っていますが、それでも僕のことを知らない人は、たくさんいます。
 「えっ、小暮淳って、誰だい?」
 という人のために、必ず文末には(温泉ライター) と肩書きを記しています。

 他の新聞や雑誌に寄稿する場合も同様で、名前入りの冠記事でも、プロフィールを入れてもらったり、同様に文末か冒頭に 「温泉ライター」 の肩書きを掲載していただいています。
 やはり、読者のためには、筆者の身分を明かすことは必要不可欠だとも思いますから。

 時々、新聞や雑誌で記名なのに、プロフィールや肩書きがない記事を見かけますが、いったい “どこ” の “だれ” が書いているのか分かりません。
 なかには、無記名なのに一人称の文体で書かれている記事もあったりして・・・
 これでは記事に文責もないし、読者は幽霊文を読まされているようで、不安になってしまいます。

 と、いうことで、僕は、どんな人が文章を書いているのか、分かりやすくするために 「温泉ライター」 と名乗るようになりました。


 「小暮さんは、群馬しか書かないのですか?」
 と、最近、訊かれることが多くなりました。
 また、講演会の様子などが新聞記事で紹介される場合、「群馬の温泉ライター」 と形容されることもしばしばあります。

 でも別に、限っているわけではありません。
 近年は、温泉講座でも県外の温泉地へ出かけていますし、他県で講演会を開くこともあります。

 ただ、1つだけ言えることは、群馬県内だけでも約100ヶ所もの温泉地があり、600軒以上の温泉宿があるんですよ。
 まず、これらを網羅してからでないと、他県の取材には移れないというのが本音です。

 よく、温泉ライターを名乗っている人の中には、「全国3,000ヶ所以上の温泉地をめぐり」 なんていうプロフィールを見かけますが、本当でしょうか?
 僕が現在、年間80~100ヶ所のペースで温泉をめぐっていますから、単純に計算しても30年以上かかることになります。
 で、その人たちは僕より若かったりするのですから、もう、超人としか思えません。

 まして、じっくり取材して、年1冊のペースで本を執筆しようとすれば、僕には到底、不可能な数字であります。
 だから僕は、とりあえず、自分の暮らしている群馬県の全温泉地の全温泉宿の “湯破” を目指して、コツコツと取材活動を続けているのです。
    


Posted by 小暮 淳 at 19:23Comments(0)執筆余談

2014年02月10日

フリーランスの特権


 仕事の合間に、電卓を叩いています。
 1年に1度の 「確定申告」 が近づいてきました。

 フリーランス(個人事業主) のみなさ~ん!
 準備は進んでいますか~!

 僕も、まだ始めたばかりなんですけどね。
 すでに、落ち込んでいます。
 だって・・・
 ああ・・・
 これ以上は、言わせないでください。

 昨年の確定申告の際に、「今年は頑張るぞ!」 って誓ったのにね。
 結果は、ほれ、この通りです。

 「働いても働いても、我が暮らし楽にならず」

 なーんて言ってたら、山の神に、
 「何が、働いても働いてもよ。世間の人は、お父さんの10倍くらい働いてるんだからね。楽しているから、その数字なのよ!」
 と、逆鱗に触れてしまいました。

 でもね、言われて見れば、その通りかもしれませんね。


 「俺たちはさ、サラリーマンのように、収入に “我慢料” が入ってないからな」
 と、フリーランスの友人。
 「我慢料?」
 「そう、我慢料。イヤな仕事やイヤな人間関係を我慢しているぶん、余分にお金をもらっているわけよ」

 確かに、僕らは我慢しません。
 イヤな仕事は請けないし、イヤな人間とは付き合わない。
 だから当然、そのぶんの収入が少ないということです。

 「これって、特権なのかな?」
 「う~ん、なんとも言えないね。特権といえば特権だけど、ただの “わがまま” かもしれないよ」
 そう言って、2人で大笑いしました。


 どちらが損か得か、なんて、この人生が終わってみなければ、分かりませんよね。
 それに、向き不向きというのもあります。
 ある種、我慢ができる性格って、“特技” のようなものですから。

 ああ、それにしても問題は、確定申告であります。
 今年も早めに済ませて、酒をかっ食らって、忘れ去るしかありませんな。
  


Posted by 小暮 淳 at 16:50Comments(0)つれづれ

2014年02月08日

雪見仕事


 ♪雪は降る あなたは来ない
   雪は降る 重い心に♪
  <アダモ 『雪が降る』>

 ♪雪が降るよ やまずに昨日から 昨日から
   窓の外は 何にも見えない 見えない♪
  <かぐや姫 『雪が降る日に』>

 ♪雪でした あなたのあとを
   なんとなく ついて行きたかった♪
  <猫 『雪』>


 我が家の庭の積雪、現在18センチ。
 いまだ、降り続いています。

 朝から口ずさむ歌は、みんな 「雪」 から始まる歌詞ばかり。
 いい歳をして、ちょっぴり一面の雪景色に興奮しています。


 「明日は一日、雪なんですかね?」
 「そのようですよ」

 昨日の群馬テレビ 「ニュースジャスト6」 の生放送中。
 CMの間に、アナウンサーと交わした言葉です。

 彼女も、明日の日曜日に、東京でラグビーの中継があるようで、とても天気予報を気にしていました。

 「小暮さんは、取材ですか?」
 「いえ、何も予定はありませんから、朝から雪見酒です」
 とは、冗談ですが、昨日のうちに2日分の酒は確保して、今日という日に備えました。


 一夜明けて、天気予報ははずれることなく、日本列島は、すっぽり寒波に包まれて、大雪となりました。
 ならば予定通り、雪見酒ならぬ 「雪見仕事」 を敢行することにしました。

 今日は土曜日だから、電話も鳴りません。
 何より、雪の日は静かで、いいですね。

 たまっていた仕事を片付けるには、絶好の日和であります。


 「おい、散歩に行くか?」
 息抜きに、愛犬のマロ君(チワワ、6才) に声をかけると、尻尾を振って、
 「ワン、ワン(行こう、行こう)」
 と、じゃれ付いてきました。

 「大丈夫? マロ、雪に埋まるよ」
 と心配する家内をよそに、行く気満々のマロにリードを付けて、玄関を飛び出すと・・・

 「ん? どうしたマロ」
 雪景色を見て、ビビッています。
 「あれ? 犬は喜び庭かけ回るんじゃないの?」

 「ヴヴヴーーー」
 と言って、一向に動こうとしません。

 仕方なく、傘をさしながらダッコして、家のまわりを一周してきました。

 確かチワワの原産国は、メキシコでしたよね。
 それで、雪は苦手なのかもしれませんね。

 とりあえず、気分転換の息抜きにはなりました。


 さーて、そろそろ雪見酒しながらの雪見仕事に切り替えましょうかね。
 みなさんは、どんな “雪見” を楽しんでいますか?
  


Posted by 小暮 淳 at 17:21Comments(0)執筆余談

2014年02月06日

ゴーストライターという仕事


 今日は朝から、新聞やテレビで、何回この言葉を聞いたでしょうか!
 「ゴーストライター」

 広島市出身の被爆2世で、両耳が聞こえないことから 「現代のベートーベン」 と称された作曲家の佐村河内守さん(50)の楽曲は、18年前から別人が作っていたという報道です。
 ゴーストライターをしていたのは、大学非常勤講師の新垣隆さん(43)。
 今日、東京都内で新垣さんの記者会見が開かれました。


 う~ん、興味深い話題なので、ライブで会見を見てしまいましたが、僕としては複雑な感想を抱きました。
 というのも、音楽に限らず、文章の世界でも 「ゴーストライター」 というのは、常に存在する仕事ですからね。
 しかも、「だました」 のかと問われれば、暗黙のうちの了承だってあるわけです。

 たとえば、アイドルやタレントの本です。
 最近は、多彩な芸能人もいますから、実際に自分で書いている人もいるでしょうが、昔は、み~んなゴーストライターの仕事でしたからね。
 だからって、誰も 「だまされた」 と思う人はいませんでしたし、訴える人もいませんでした。

 では、なぜ、この時期になって、新垣さんは名乗り出たのでしょうか?
 フィギュアスケートの高橋大輔選手がソチ冬季オリンピックで使用する曲が含まれているから・・・
 とか言っていますが、そういう問題ではないと思います。

 なぜなら、ゴーストライターは、あくまでもゴーストライターであり、最後までゴーストライターを演じなくてはならないからです。
 これは、“盗作事件” ではないのです。


 と、いうのも、僕もその昔、ゴーストライターの仕事をしたことがあるからなんです。
 お金をもらい、その人になりきって書く。
 これがゴーストライターの仕事です。
 ※(過去に僕がどんなゴーストライターをしたかは、当ブログの2010年6月9日 「ゴーストライター」、2012年2月17日 「自叙伝の代筆」 を参照)

 この場合、後になって、「あの文章は、実は私が書いたんです。あの人が書いたものじゃありません!」 なんてことは、絶対に公言しないことが条件なんです。
 名の知られていない、無名のラスターだからこそ回ってくる裏方仕事の1つなんです。


 今回の報道を見ていて、僕は東野圭吾の 『悪意』 という小説を思い出しました。
 ゴーストライターが作家を殺害してしまうミステリーですが、そうなる前に、公表に踏み切ったことは、勇気ある英断だったのかもしれませんね。

 ただし、CDの販売が停止したり、コンサートが中止になるのは、ちょっと過敏な反応なんじゃありませんかね。
 騒動を理由に、楽曲の価値をおとしめたり、演奏することや聴くことを否定するのはおかしな行動だと思います。
 作品に、罪はありませんって!
  


Posted by 小暮 淳 at 20:43Comments(0)執筆余談

2014年02月05日

大胡温泉 三山の湯 「旅館 三山センター」⑥


 群馬県民のソウルフードといえば、やっぱり 「焼きまんじゅう」 でしょう!

 僕は群馬に生まれ育ちましたから、子どもの頃から 「おやつ」 感覚で食べていました。
 昔は、屋台の焼きまんじゅう屋さんというのがリヤカーを引いて、どこの町内にも鐘を鳴らしながら行商にやって来たものです。

 「おじちゃん、焼きまんじゅう、ちょうだい!」
 と、焼きまんじゅうを買える子は、お金持ちの子です。

 1串、20円

 「そっちのぼくも、焼きまんじゅうかな?」
 と言われると、僕ら貧乏人はモジモジしながら、
 「げそ焼き、ください」
 と言って、こっそり5円玉をおじさんに手渡したものです。

 げそ焼きとは、串に刺さったイカの足を炭火で焼いて、焼きまんじゅうと同じ味噌ダレを塗ったものでした。
 これも美味しいんですけどね。
 でも、やっぱり、焼きまんじゅうを丸々1本、1人で食べれることが、当時の僕らの夢だったんです。


 で、現在でも、焼きまんじゅうは、僕の大好物であります。
 県内各地の 「元祖」 「本家」 と言われる焼きまんじゅうを食べ歩きましたが、なぜか、僕を魅了した “絶品の焼きまんじゅう” は、焼きまんじゅう屋の焼きまんじゅうではなかったのです。

 「えっ、なんだ、この味? なつかしい味だけど、進化している!」
 と、最初にひと口食べた時から、トリコになってしまった焼きまんじゅうがあります。

 それは、大胡温泉 「旅館 三山センター」 の焼きまんじゅうです。
 1串、200円。
 でも、5個刺しというのがミソであります。
 普通、焼きまんじゅうは4個刺しですが、なぜか1個多いのです。

 そして、さらにミソなのが、味噌の味!
 八丁味噌と西京味噌の絶妙なブレンドが、なんとも言えぬ奥の深い味を醸し出しています。
 オリジナル味噌ダレの発案者は、2代目主人の中上富男さんです。


 と、いうことで、昨晩は泊まり込んで、名物の 「焼きまんじゅう」 を食べてきました。

 えっ、ここのまんじゅうは泊まらないと食えないのかって?
 そんなことは、ありませんよ。
 日帰り入浴でも、食事はできます。
 (もつ煮やすいとんなど、名物料理多数あり)

 でもね、昨日は泊り込んでの取材だったのです。
 だから、
 「夕食は、何時からにしましょうか?」
 って女将のハツヱさんが訊くので、
 「締めに、焼きまんじゅうを付けてもらってもいいですか?」
 な~んて、わがままを言ってしまいました。

 それくらい、ハマっている味なんです。


 取材も終わり、湯上がりにビールをいただきながら、厨房で腕をふるう富男さんの料理に舌鼓を打ちました。
 かたわらでは女将さんが酌をしながら、旅館開業までの苦労話を始めました。

 “井戸水だと思ったら温泉だった”

 有名な温泉発見秘話ですが、それに至るまでには、並々ならぬ苦労があったのであります。
 ※(大胡温泉の発見秘話については、当ブログのバックナンバーを閲覧ください)


 そして締めは、お待ちかねの真打登場!
 焦げ目もほどほどに付いていて、なんとも美味しそうであります。
 そして、焼けた味噌の香ばしい匂い・・・

 もう、たまりません!

 まずは一気に、3口で3個をぺロリ。
 これこれ、この甘めの味噌ダレが、今宵も僕のハートをワシづかみにして離しません。

 残りの2個は、冷酒のつまみに、取って置くことにしました。


 いや~、焼きまんじゅうが食べられる温泉宿というのは、群馬広しといえども、なかなかありませんぞ。
 焼きまんじゅうファンは、ぜひ一度、お試しあれ!
  


Posted by 小暮 淳 at 20:54Comments(0)温泉地・旅館

2014年02月03日

「たまご湯」 と呼ばれる薬湯


 「美人の湯」「美肌の湯」「化粧の湯」 など、「○○の湯」 と形容する温泉は、全国にあまたとありますが、みなさんは、「たまご湯」 と呼ばれる温泉をご存知ですか?

 群馬県内にも、いくつか存在しますが、それらの温泉地には共通項があります。

 ① 県の南西部に点在している。
 ② 低温泉、もしくは冷鉱泉である。
 ③ 開湯から300年以上の古湯である。
 ④ 昔から、やけどや皮膚病に効く湯治場だった。

 いわゆる薬湯といわれる霊験あらたかな湯として、薬師様が祀られている温泉です。


 「たまご湯」 と呼ばれるゆえんは・・・
 ① 玉子の白身のように、湯の感触がトロリとしていること。
 ② ゆで卵のようなにおい(硫黄臭) がすること。

 現在でも地元の人たちは、温泉名や宿名ではなく、「たまご湯」 と親しみを込めて呼んでいます。


 と、いうことで、僕がコメンテーターを務める、次回の群馬テレビ 「ニュースジャスト6」 では、「たまご湯」 と呼ばれる群馬の温泉を紹介します。
 興味のある方は、ご覧ください。



 ●放送局   群馬テレビ(地デジ3ch)
 ●番組名   「ニュースジャスト6」
          NJウォッチのコーナー
 ●放送日   2月7日(金) 18:00~18:30
 ●ゲ ス ト   小暮 淳 (温泉ライター)
 ●テーマ    「たまご湯」 と呼ばれる薬湯
  


Posted by 小暮 淳 at 21:39Comments(0)温泉雑話

2014年02月02日

ネタの探し方


 < “現場百遍”
  テレビの刑事ドラマで、よく耳にする言葉だ。
  事件の解明に窮したら、最初の現場に立ちもどり何回でも調べ直すこと。
  私の好きな言葉で、自分の取材方法の指針にもなっている。
  1回より2回、2回より3回と同じ温泉地、同じ温泉宿を訪ねることにより、以前は見えなかった湯の歴史や宿の物語、そして湯と湯を守り続ける人々の顔が見えてくるからだ。>
  ( 『みなかみ18湯 〔下〕』 「あとがき」 より)


 先日の温泉講座でのこと。
 今年から受講生に加わった新入生のSさんという女性が、僕に話しかけてきました。
 「先生のコラムは、毎週、新聞で拝読しています。その前の 『湯守の女房』 というエッセーも、ずーっと読んでいました」

 彼女は、僕が講座の講師をしていることを知って、受講することにしたそうです。
 うれしいですね。
 『湯守の女房』 から読んでくださっているということは、もう丸3年間も愛読してくれていることになります。

 「1つ、お聞きしてもよろしいですか? 毎週毎週、あれだけ書かれていて、書くことってなくならないのですか?」

 ん~ん、いい質問です。
 て、いうか、最近、富に訊かれる質問なんです。
 「ネタは、どうやって探しているのですか?」
 と・・・

 実は、その答えが、冒頭に書いた “現場百遍” なのであります。


 僕は年間、約100回、温泉地へ取材に出かけています。
 でも、必ずしも、100温泉地ではありません。
 これは、延べ出動回数ですから、同じ温泉地、同じ旅館に、複数回訪ねることもあります。

 いわゆる、「ネタ探し」 に行くわけです。


 もし僕が、1温泉1回だけの取材をするライターだったならば、「記事」 を書くことはできても、エッセーやコラムの連載を書くことは、できなかったと思います。
 複数回訪ねることにより、温泉や宿の歴史、人にまつわるエピソードを拾える確率が高くなります。

 また、前回はご主人に話を聞いたから、今回は女将さんから、という具合に相手が替わるだけでも、聞ける話の内容は異なります。
 歴史や源泉については、ご主人のほうが詳しいですが、やっぱりお客の話は、宿を切り盛りしている女将さんから聞いたほうが、楽しいエピソードを拾うことができます。

 さらに泊り込んで、一緒に酒を酌み交わせば、ご主人や女将さんの人となりまで知ることができ、文章を仕上げる上で、表現が豊かになり、臨場感が増してきます。


 ですから、僕は、Sさんには、こう答えました。
 「だからネタが尽きないように、こうして温泉地をめぐっているんですよ。決して何もしないのに、湯水のごとくネタが湧いて来るわけじゃありません」
 彼女も、納得してくれたようです。

 本音を言えば、それでも毎回、生みの苦しみを味わっているのが現状ですけどね。


 “現場百遍”

 また今週も、ネタを探しに行ってきま~す!
  


Posted by 小暮 淳 at 20:22Comments(0)執筆余談