温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2016年05月31日

日本一の温泉県にするために


 読売新聞、上毛新聞に続いて今日、朝日新聞が 「みなかみ温泉大使」 任命の記事を掲載しました。
 同じ事柄の記事なのに各紙、微妙に切り口や表現のニュアンスが異なるところが面白いですね。
 朝日新聞は朝日らしく、ちょっぴり辛口です。

 今朝は、コンビニでコーヒーを飲みながら自分の新聞記事に目を通しつつ、講演会場へと向かいました。


 高崎市新町公民館。
 事前に地元のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に告知されたこともあり、定員の50名は受付開始から数日で満席となったといいます。
 「昨日の夕方まで、申し込みの電話がありました。断るのも忍びないので、お受けすることにしました(笑)」
 と館長さん。

 午前10時、会場となった集会室に入ると、人でいっぱいです。
 結局、70名の方が来場されました。

 10分間の休憩をはさんで正午まで、たっぷり2時間の講演をさせていただきました。


 「ライターなのに、なぜ講演をするのか?」
 ときどき、訊かれることがあります。
 でも、自分でも理由はよく分かりません。

 温泉が好きだから、好きな温泉のことを、もっともっと大勢の人に知ってほしいから。
 僕が温泉の魅力にとりつかれ、温泉ライターになったのも、群馬の温泉の素晴らしさを知ったから。
 その魅力を、せめて群馬の人には、知ってほしいから。
 知らないと、他県の人に自慢できないから。

 夢は、群馬県民が自信を持って、「群馬は日本一の温泉県」と言えるようになること。
 そして日本中の人から、「群馬といえば温泉」 「温泉といえば群馬」 と言ってもらえること。
 ひいては、外国人が日本に来る目的が 「温泉」 であり、その聖地が 「群馬」 であること。

 ですかね。


 遠い夢のようですが、今日も確実に70人の方が、より温泉を好きになり、より群馬の温泉の素晴らしさに気づいてくれたと信じています。
 これからも時間の許す限り、県内のどんな小さな会場でも出かけて行って、1人でも多くの人に温泉の魅力を伝えたいと思います。

 群馬を日本一の温泉県にするために……。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:41Comments(0)講演・セミナー

2016年05月30日

記憶のゆくえ


 「昔、ここはドブだったよな?」
 「そうだよ」
 「誰か、落ちたよな。お前だっけ?」
 「そうだよ、オレだよ」
 散歩に出かけるたび、毎回決まってオヤジは、実家の前の道の端を指差して、そう言います。

 僕が小学校に入学した年のこと。
 一学期最初の登校日の朝。
 家の前で手を振る両親に、僕も満面の笑みをたたえ、手を振りながら歩いていたのです。
 そしたら……、ドボ~ン!

 オヤジは満91歳、体力の衰えとともに、認知症も進んでいます。
 今日のことは何一つ覚えていませんが、50年前のことは毎日でも思い出してくれます。


 先週、オフクロが89回目の誕生日を迎えました。
 認知症はありませんが、脳梗塞と心筋梗塞、脳出血を繰り返しているため、下半身と左半身に障害があり、車イスの生活をしています。

 その日、両親がデイサービスから帰って来るのを待って、アニキと2人でサプライズパーティーを開くことにしました。

 「カンパイ! オフクロ、お誕生日おめでとう!」
 「カンパイ! ばあちゃん、おめでとう!」
 ビールとジュースのグラスを手に、4人だけで、ささやかなお祝いをしました。

 「ありがとうね、ありがとうね。わたしゃ、こんなに生きられるとは思わなかったよ」
 「なに言ってるんだい。もっともっと長生きしてくれよ」
 「そうは、いかないよ。2人に迷惑ばかりかけているから……」
 この時ばかりは、アニキと2人で見合ってしまいました。

 「さあ、食べよう! ばあちゃんの好きな太巻き寿司があるよ」
 と、小皿に取り分けようと大皿を見ると、
 ギェッ!
 すでにオヤジが箸を使わず、手づかみでアナゴの握りにパクついています。

 「じいさん! 今日は誰の誕生日か分かってるの?」
 「誕生日? 今日は誰かの誕生日なのかい?」

 「今日は5月27日です。さーて、誰の誕生日でしょうか?」
 「……」
 オヤジは少し考えていましたが、すぐに、
 「ああ、H (オフクロの名前) の誕生日じゃないか!」
 すると、
 「そーですよ、おとうさん。わたしの誕生日ですよ」
 とオフクロは、オヤジが覚えていてくれたことが、よっぽど嬉しかったようで、大粒の涙を流し出しました。

 「いくつになったんだい?」
 「89歳になりました」
 「えっ、それじゃあ、オレは90歳を過ぎているのか?」
 「そうですよ」

 結局は、オヤジのボケに振り回されてしまうのです。
 そして極めつけは、
 「H の誕生日なら、お祝いをしなくっちゃな?」
 「だから、今しているの!」
 「なーんだ、これが、そうなのか」

 でもね、しばらくすると、
 「今日は、誰の誕生日だっけ?」
 となり、この珍問答は、オヤジが眠りに就くまでエンドレスに続くのでした。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:48Comments(0)つれづれ

2016年05月28日

温泉大使になりました!


 「謹んでお受け致します」
 そう言って僕は、みなかみ町観光協会代表理事の須藤温(みつる)氏から、任命証を受け取りました。
 額に入った立派な任命証です。

 子どもの頃から、まったくもって資格や免許には無縁の人生ですからね。
 賞状だって、小学生の時に徒競走で2着になったときにもらった以外、記憶にありませんもの。
 いやいや、“好きこそ物の上手なれ” で、長年やっていると良いことが迷い込んでくるものです。


 ということで今日、群馬県みなかみ町の観光センターにて、「みなかみ温泉大使」 の任命式がありました。
 会場には、群馬県温泉協会会長の岡村興太郎氏や、みなかみ町と利根川上下流友好都市である茨城県取手市の 「みなかみ観光大使」 菅谷正雄氏もお祝いに駆けつけてくださいました。

 また、任命式の後には一般参加の基調講演 「小暮淳の温泉考座」 が開催されたため、温泉関係者のみならず、読者の方々もたくさん集まってくださいました。
 講演終了後には、著書のサイン会も行われました。

 県外から来てくださった読者も何人かいましたが、驚いたのは、北海道からわざわざ飛行機に乗ってやって来たという男性がいたことです。
 話をすると、6年間欠かさず僕のブログを読んでくださっているとのこと。
 「ナマ小暮さんを見に来ました」
 とは、もう、頭が下がる思いで恐縮しました。

 I さん、遠路はるばるお越しくださり、ありがとうございます。
 たぶん今夜は群馬にお泊りでしょうが、お気をつけてお帰りくださいませ。


 また、たくさんの報道関係者が取材に来られていました。
 明日以降の新聞や雑誌に載ると思いますので、ぜひ、チェックしてみてください。

 とにもかくにも、夢の温泉大使なのであります。
 この名に恥じないよう、みなかみ町の 「みなかみ18湯」 をはじめ、群馬の温泉の素晴らしさを全国へ向けて発信していきたいと思います。

 今日お集まりいただいた、すべての方に感謝とお礼を申し上げます。
 本当にありがとうございました。
 末永く、よろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:19Comments(4)大使通信

2016年05月27日

伊香保温泉 「よろこびの宿 しん喜」


 子どもの頃に家族で、社会人になって忘年会や新年会で、温泉ライターになってからは研修会やセミナーの講師として、幾度となく、いやいや、きっと数えられないくらい何十回と訪れているであろう群馬の名湯・伊香保温泉。
 でも、改めて行ったことのある旅館やホテルを数えてみると……。
 20軒にも満たない。
 伊香保温泉には、その倍以上、約50軒の宿があるのです。 

 前橋、高崎から車で、わずか30分。
 あまりにも身近で、知っているような気になっていたが、巡れば巡るほど奥が深いことに気づかされます。


 「いらっしゃいませ、お待ちしていました」
 「みなかみの温泉大使になられたそうで。新聞で拝見しました」
 ロビーで出迎えてくれた専務の青木伸行さんと総務部長の木暮孝史さん。

 ああ、恥ずかしい。
 群馬は狭いですね。
 伊香保温泉に来ているのに、いきなり、みなかみ町の件に触れられるとは、なんともバツが悪い。

 ソファーに腰掛けて旅装を解いていると、木暮さんが何やら売店から商品を手にしてもどってきました。
 「この手ぬぐい、同館のオリジナルなのですが、飯塚さんが作ってくださったんですよ。お仲間ですよね?」
 「えっ、そーなんですか!?」
 初めて会った人なのに、僕のことをなんでも知っているのですね。

 仲間の飯塚さんとは、イラストレーターの飯塚裕子氏のことです。
 彼女とは20年来の友人で、5年前には拙著 『ぐんまの里山てくてく歩き』(上毛新聞社) の表紙イラスト画を描いてもらいました。

 抹茶色に染められた手ぬぐいには 「八つの“しん”」 と題して、彼女の手書き文字で文章が書かれています。
 <いつでも「真」っすぐな心で 大木のように天に向かって「伸」びていく 「清」らかで常に美しく 汚れのない「信」じるこころ……>

 ん~、彼女らしいし、いい仕事をしています。
 今度、会った時に、ほめてあげましょう。


 「専務さん、後でお時間を取ってください。とりあえず、ひと風呂浴びてきますので」
 と、あいさつもそこそこでに、僕は部屋で浴衣に着替え、6階にある展望大浴場へ。
 最上階の標高は約800m。
 赤城山から子持山、小野子山と上州の山々が一望です。
 やや上空は雲がかかっていましたが、それでも文句なしの絶景です。

 メタけい酸含有のサラリとした 「白銀(しろがね)の湯」 を堪能した後は、そのまま同じ階にある 「展望湯上がりラウンジ」 へ。
 絶景を眺めながらの湯上がり生ビールとは、憎いことを考えたものです。
 これ以上の至福はありませんって!

 欲を言えば、これが仕事じゃないと、もっと幸せなんですけどね。
 ま、仕事だから幸せだという考え方もできますけど。
   


Posted by 小暮 淳 at 20:43Comments(2)温泉地・旅館

2016年05月25日

久しぶりのTV出演


 今月出版した新著 『西上州の薬湯』(上毛新聞社) は、もう、ご覧になりましたか?
 県内の書店には、出揃ったようであります。

 僕も好奇心がありますから、いくつかの書店をのぞいてみましたが、どこも新刊本としてドーンと平積みされていましたよ。
 何度、目にしても飽きることのない、いい光景であります。
 この光景を見るためだけでも、がんばって毎年本を書けるというものです。


 さてさて、本が巷(ちまた) に出たということは、新聞をはじめ、宣伝のためにメディアへの露出が多くなる頃であります。
 現在、数本の依頼が来ていますが、ハッキリ決まったものだけお知らせします。

 来週、久しぶりに群馬テレビに出演します。
 長年、夕方のニュース番組 『ニュースジャスト6』 のコメンテーターをしていましたが、昨年末に降板しましたので、5ヵ月ぶりのテレビ出演となります。
 (火曜日夜放送の 『ぐんまトリビア図鑑』 の制作にはアドバイザーとして参加しています)

 今回は、夜のニュース番組 『ニュースeye8』 にゲストとして出演します。
 もちろんテーマは、「西上州の薬湯」 です。
 取材秘話や薬湯の話を時間の許す限りお話ししたいと思います。


 ●放送局  群馬テレビ (地デジ3ch)
 ●番組名  『ニュースeye8』
 ●出演日  5月30日(月) 20:00~21:00
 ●テーマ  「西上州の薬湯」
  


Posted by 小暮 淳 at 20:41Comments(2)温泉雑話

2016年05月24日

湯宿温泉 「ゆじゅく金田屋」⑤


 「熱くなきゃ、湯宿の湯じゃねぇ~!」
 と、たんかを切った僕に、
 「では先生から、どーぞ」
 と言われ、
 「ほら、見てろよ」
 と、恐る恐る足先を入れた途端、
 「あっちちちちーーー!!!!!!」
 と飛び上がる始末。
 「水を入れろよ、水、水、みず~!」


 ということで、今日は1年半ぶりに湯宿温泉(群馬県利根郡みなかみ町) を訪れました。
 月に1回のNHK温泉講座日です。

 湯宿温泉は、今話題の真田ゆかりの温泉地。
 関ヶ原の合戦の後、初代沼田城主の真田信之が戦いの疲れを癒すために訪れています。
 その後も2代目信吉、3代目熊之助、4代目信政、そして最後の城主、5代目信直にいたるまで、下屋敷(別邸) として愛湯したといわれています。
 なかでも信直は痔の持病に苦しみ、ここの湯で根治したため、そのお礼にと薬師如来堂を建立しました。

 行きのバスでは、そんな歴史に触れながら、明治元年創業の 「ゆじゅく金田屋」 へ向かいました。
 金田屋といえば、そう! 若山牧水ゆかりの宿であります。
 大正11年に 「みなかみ紀行」 という著書で、長野県から群馬県を横断して栃木県まで旅をしていますが、群馬県内で今でも牧水が泊まった部屋が、そのままの形で現存しているのは、ここ金田屋だけです。


 「小暮さん、お久しぶりです」
 バスを降りると、いきなり厚い握手で出迎えてくれた5代目主人の岡田洋一さん。
 岡田さんとは、かつて新聞の取材で一緒に風呂に入り、湯談義をした仲であります。

 「みなかみ温泉大使、おめでとうございます」
 と、早くも話題を振られました。
 「えっ、ご存知なんですか?」
 「ええ、観光協会から任命式の通知が来ましたから。もちろん、私も式には出席しますよ」

 温泉大使なんて、あんなり実感がなかったんですけどね。
 でも、こうやって喜んでくださる温泉宿のご主人がいると思うと、大役だけど 「受けて良かったのかなぁ~」 と思います。


 座敷で旅装を解いたら、まずは宿の内風呂へ。
 源泉の温度は、約60度。
 でも適温に加水されているため、ここの湯は難なくクリア!

 昼食をはさんで、有志を募り、いよいよ午後は外湯へ。
 一番近い 「窪湯」 は清掃中とのことなので、その先の 「小滝の湯」 へと攻め入ったのであります。
 が、その顚末が冒頭のような情けない有り様でした。

 なんとか肩まで沈むことはできましたが、やはり熱い!
 「先生、これって罰ゲームの熱湯風呂ですよ」
 
 でもね、熱くなけりゃ湯宿の湯じゃないんですよ!
  


Posted by 小暮 淳 at 21:25Comments(2)温泉地・旅館

2016年05月23日

「温泉考座」 in みなかみ


 ひょうたんから駒、棚からぼた餅……。
 時として、予期せぬ思わぬことが、降って湧いて来るものです。

 理由は、よく分からないのですが、このたび、みなかみ町(群馬県利根郡) の 「温泉大使」 に任命されることになりました。
 「えっ、僕ですか? いいんですか?」
 と連絡を受けた時は笑ってしまいましたが、思えば僕は過去に 『みなかみ18湯』 という上下2巻の本を書いているんですよね。
 そんな縁もあってか、初の温泉大使という大役をおおせつかうことになりました。


 ということで、来たる5月28日に任命式が開催されることになり、その任命式終了後に一般参加もできる 「みなかみ温泉考座」 が同時に開催されることになりました。
 参加無料ですので、ご興味のある方はお申し込みください。


   「みなかみ温泉大使」 任命式&小暮淳の 「温泉考座」

 ●日 時   2016年5月28日(土) 13:00~14:00
 ●会 場   みなかみ町観光センター 2階
         (群馬県利根郡みなかみ町月夜野1744-1)
 ●参加費   無料 (先着50名 要予約)
 ●申 込   みなかみ町観光協会 TEL.0278-62-0401
   


Posted by 小暮 淳 at 18:36Comments(4)講演・セミナー

2016年05月21日

湯端温泉 「湯端の湯」④


 僕が理事長を務めるNPO法人 『湯治乃邑(くに)』 が、設立から2年目を迎え、2度目の総会が開催されました。

 「どうせやるなら 『湯治乃邑』らしく、温泉でやりませんか?」
 という役員の発案に、
 「いいですね。そうしまょう! で、どこでやりますか?」
 「それは理事長が決めてください。専門家なんですから」
 と言われ、
 「分りました。だったら 『湯治乃邑』 らしく、湯治場でやりましょう!」
 「湯治場?」

 そうです。
 観光温泉がはびこる現代において、かたくなに湯に入ることだけにこだわった宿は、温泉大国群馬といえども数えるほどもありません。

 「湯端にしましょう! あそこは、完全なる現代の湯治場です」


 ということで昨日は、牛伏山のふもとで明治時代から地元の人たちに愛されてきた湯端温泉 「湯端の湯」(高崎市) に、メンバーが集まりました。

 「こんにちは、お久しぶりです」
 といっても、3代目主人の桑子済(とおる) さんには、半年前に新刊 『西上州の薬湯』(上毛新聞社) の取材でお会いしています。
 「その節はありがとうございました。本が届きました!」
 「それは良かった。書店には、まだ並んでいませんからね」


 部屋には、すでに副理事のAさんが到着していました。
 「とりあえず、乾杯しましょう!」
 と、来る途中で買い込んできた缶ビールで景気づけの一杯を。

 そうなんです。
 ここは、素泊まり専門の宿なんです。
 だから飲食は、すべて客が用意するのです。
 廊下には、各部屋用の冷蔵庫があり、電子レンジで食材を温めることもできます。

 まさに、現代の湯治宿であります。


 ひと息ついて、A氏は離れの 「湯端の湯」 へ。
 僕は本館の 「ホタルの湯」 へと、分れて向かいました。

 浴室は2つ、どちらも貸切です。
 宿泊者は空いていれば、いつでも入れますが、日帰り入浴の場合は事前に予約が必要です。

 湯は、ゆで玉子のような匂いのする塩化物冷鉱泉。
 塩辛い、弱アルカリ性の湯は、肌にしみ入るようなやさしい浴感があります。
 100年以上の昔から、あせもなどの皮膚病に特効があり、飲用すれば胃腸病に効くといわれてきた西上州を代表する薬湯です。


 「ほかの人たちは、遅いですね?」
 「まだ仕事が終わらんのでしょう」
 「では、来るまでやってますか?」
 と、ビールのロング缶をブシュ。

 時刻は、午後5時。
 初夏の太陽が、まだサンサンと輝いています。
 でもここは、牛伏山系の渓流を渡る風の通り道……。

 緑の風を湯上がりの肌に感じながら、総会開始までのひと時を過ごしたのでありました。
   


Posted by 小暮 淳 at 14:43Comments(2)温泉地・旅館

2016年05月20日

湯守との出会い


 昨晩、前橋市大友町にある群馬県公社総合ビルでイベントがあり、ゲストスピーカーとして講演をしてきました。
 いただいていたテーマは 「出会い」。

 ということで、湯守(ゆもり) の仕事についてお話をさせていただきました。


 湯守とは、読んで字のごとく、湯(温泉) を守っている人のことです。
 昔は、どこの温泉地にもいました。
 でも昭和の高度成長期以降、温泉地が湯治場から観光地へと変貌する過程で、湯の質は二の次三の次へと価値が降格され、湯守の存在すら認識されなくなってしまいました。

 でも、いるんですよ!
 何百年という長い年月を、何代にもわたって湯を守り続けている職人肌の湯守が!
 そんな人たちの仕事を、短い時間でしたが紹介しました。


 では、どうやったら湯守のいる宿を探し当てることができるのでしょうか?
 その目安となる条件は3つあります。

 「自然湧出」 「自然流下」 「完全放流」 です。

 人の手が加わらずに自噴している湯を、地形の高低差だけを利用して浴槽へ流し込み、そして、かけ流している湯のことです。
 これら一連の湯の流れを管理するには、相当に腕の良い、熟練された湯守でないとできません。
 これに対して、真逆の温泉があります。

 「掘削揚湯」 「動力給湯」 「循環ろ過」 です。

 機械で掘って、くみ上げ、給湯装置により湯を一定の温度に管理して、ろ過しながら浴槽の中で循環させている湯のことです。
 こちらは、すべてコンピューターにより制御されていますから、湯守の存在はいりません。
 マニュアルにしたがい従業員が操作しています。


 ただし前者のように一切、人の手を加えずに自然のままで湯を提供している宿は、全国でも10%未満だといわれています。
 では、どうしたら、そんな極上の湯を提供する宿を探せるのか?
 これには、ちょっとした経験と知識が必要なんですけどね。
 でも、なかなか新聞や雑誌、ブログ等では公表できないのが現状です。

 講演やセミナーなどで、機会がありましたら、またお話しします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:36Comments(2)講演・セミナー

2016年05月19日

伊香保温泉 「あかりの宿 おかべ」


 伊香保で一番小さい旅館、「おかべ」。
 客室は、わずか4部屋。
 一度、泊まってみたいと思っていました。


 ご主人の岡部克己さんに、お会いするのは2度目。
 1回目は、もう10年近く前だったと思います。
 お会いした記憶はあるのに、いつ、どこで、だったかは思い出せません。
 ただ、強烈に覚えていることは、手渡された名刺のデザイン!

 ニつ折りの名刺は、表紙が格子窓になっていて、裏には障子紙を模した半透明の和紙が貼られていました。
 「確か、コンテストで賞をとられた名刺だとか?」
 「ええ、そうです、そうです。もう、だいぶ昔ですね」
 聞けば、群馬名刺コンテストで最優秀賞を受賞したのは平成17年だったとか。
 ん~、やっぱり10年ぶりくらいの再会だったのであります。


 宿は、温泉街を走る県道から北へ、「かみなり坂」 と呼ばれる急坂を保科美術館方面へ向かって下ります。
 「塚越屋七兵衛」 「香雲館」 といった老舗旅館の前を通り過ぎると、右手に小さな木造の旅館が見えてきます。
 名刺に描かれていた格子戸を開けると、出迎えてくれたのは、なんとも落ち着きのある囲炉裏の間と、噂どおりの美人の女将さん。
 もう、これだけど、ふんわり、ほっこりと旅装が解かれていくのでした。

 4室ある部屋は、それぞれコンセプトが異なり、まったくデザインも違います。
 和室あり、和洋室あり。
 毎回、同じ部屋を予約する人もいれば、違う部屋に泊まるリピーターもいるとのこと。
 少なくとも4回は泊まらないと、「おかべ」 の魅力は分らないということです。

 で、今回は「夕星(ゆうづつ)」 の間に泊めていただくことに。
 ベッドにソファー、それに座卓の置かれた和洋折衷の空間は、旅なれた者が一番くつろげると感じる造りです。
 実際、常連客のほとんどは、大きな旅館やホテルを行き尽くした人たちだそうですよ。

 小さい宿だからこそ、できることって多いんですよね。


 ひと風呂浴びた後、囲炉裏の間で、脱サラして旅館を始めた波瀾万丈なご主人の一代記を、たっぷりと聞かせていただきました。
 なぜサラリーマンだった男が、老舗旅館のひしめく有名温泉街で、突然、旅館業を始めたのか?

 いずれ書物にして、みなさんにもお伝えします。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:01Comments(0)温泉地・旅館

2016年05月17日

バカになりたい


 「群馬の男の人は、すぐ 『バカ』 って言うよね」
 昔、東京で暮らしていた頃に、そう他県の女性から言われたことがありました。

 「バカ、気をつけろよ!」
 「バカ、危ないじゃいないか!」
 「バカ、雨が降ってきたぜ!」
 ってね。
 確かに言われてみれば、何かに付けて、驚いた時や相手を注意する時などに、知らず知らずのうちに 「バカ」 という言葉を発しているのです。

 でも、この場合の 「バカ」 は、決して、相手を見下した <おろか> とか <頭が悪い> という意味じゃありません。
 どちらかと言えば、「ああ」 とか 「おお」 とかと同じ感嘆語に近い使い方なのであります。


 この 「バカ」 という言葉、実に広い意味を持っています。
 広辞苑によれば、【馬鹿・莫迦】 とは、
 ① おろかなこと。社会的常識に欠けていること。また、その人。
 ② 取るに足りないつまらないこと。無益なこと。また、とんでもないこと。
   例=「バカを言うな」 「バカなことをしたものだ」
 ③ 役に立たないこと。 例=「ネジがバカになる」

 ま、ここまでは通常の 「バカ」 の解釈であります。
そして、どれも、あまり良い意味では使われません。
 でも 「バカ」 には、まったく真逆の称賛する意味で使われることがあります。

 バカ正直、バカ丁寧、バカ陽気、バカ真面目など、「並はずれた」 「度を超した」 ときに接頭語的に使われる “バカ” です。
 これは、ある意味、ほめ言葉でもあります。

 「なんでもいいから、一つのこと一心に取り組みなさい。他人からバカと呼ばれるようになりなさい」
 子どもの頃、そう親や教師に言われた記憶があります。

 野球バカやサッカーバカに、あこがれた友人はたくさんいました。
 さしずめ僕の10代は、フォークソング狂いの音楽バカでしたけど…。
 でも、人は誰も、そう呼んではくれませんでした。

 いつしか僕は、大人になる過程で 「バカ」 は、永遠のあこがれとなっていました。
 「ああ、バカと呼ばれたい」 「バカになりたい」ってね。


 月日は流れ流れて、2012年の秋。
 生まれて初めて、僕のことを 「バカ」 と呼んでくれた人がいました。
 その人は、ジャーナリストの木部克彦氏であります。

 著書 『続・群馬の逆襲』(言視舎) の中で、彼は僕のことを、こう記しています。
 <ここまで 「人生のすべて」 を温泉につけこんでしまう人は、なかなかいません。まさに 「温泉バカ一代」。>

 うーーーーん! バカバカバカ!
 苦節ウン十年、夢に見たバカと呼ばれた瞬間でした。

 しかも言葉ではなく、今でも活字として残っている 「バカ」 であります。
 木部さん、ありがとうございました。
 この言葉に恥じることのないよう、さらに “バカ道” を極めたいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:17Comments(2)つれづれ

2016年05月16日

アンチ上毛かるた


 カルタといえば?
 群馬県民ならば、迷わず 「上毛かるた」 と答えるでしょうね。
 僕も10年前までは、そう答えていました。

 でもね、野球ファンに “アンチ巨人” が存在するように、どんなジャンルにも “アンチな人たち” は、いるのです。
 ある日ある時、積年の思いをつのらせたアンチな男たちが顔を会わせたとき、新たな歴史が生まれたのであります。
 出会ってから2年後の2008年、僕らは 『新・ぐんまカルタ』(ぐんまカルタ制作実行委員会) を世に送り出しました。
 ※(制作の経緯は、当ブログの2010年12月18日 「3分の1は敵」 を参照)


 あれから8年。
 一昨晩、ぐんまカルタ制作実行委員会の年に一度の定期総会が開かれ、久々に戦友たちが顔を合わせました。
 といっても、僕が最年少なんです。
 他のメンバーは、ひと回り以上、ふた回り近く年上の方たちです。

 「8人が5人になってしまいましたが、これからも生きている限り、総会を続けましょう。では、乾杯!」
 平成27年度の収支決算報告の後、親睦会の開宴となりました。

 8人が5人……。
 はい、この8年の間に、3人の同志が旅立ってしまったのであります。

 「このところ総会のたびに、人数が減ってしまうね。小暮君が一番若いんだから、後を頼んだよ」
 と発起人で代表のI氏。
 この日、I氏は術後ということで、ノンアルコールでの乾杯でした。

 10年経ったということは、40代だった僕は50代になり、60代だった人は70代になっているということです。
 月日とは残酷なようですが、万人に平等に訪れるものなのであります。

 「80歳になったら、車の運転はやめようと思うんだ」
 「もう、すぐじゃないの?」
 「ああ、次の免許の書き換えはないよ」
 先輩たちの会話を聞きながら、なにげに僕は20年後の自分を想像していたのです。

 残った4人の先輩たち。
 大丈夫ですよ!
 10年後だって、20年後だって、こうやって集まって、カルタ制作の苦労話を何回でもしましょうよ!


 ※『新・ぐんまカルタ』 は、県内主要書店にて販売中です。問い合せは、ぐんまカルタ制作実行委員会 TEL.090-9387-5484 (池田) まで。
   


Posted by 小暮 淳 at 15:06Comments(0)著書関連

2016年05月14日

公開講演会のお知らせ⑤


 高崎市民のみなさ~ん、こんにちは!
 今日は、地域限定のお知らせです。

 僕は、温泉地や温泉宿を取材してめぐりながら、新聞や雑誌、著書などに文章を書くライター業を生業(なりわい) にしていますが、一方で、その経験と知識を生かしてカルチャーセンターなどの講座や教室、また企業や団体、自治体などからの依頼による講演やセミナーの講師をしています。

 年間20~30回の活動をしていますが、そのほとんどは特定の人たちを対象にした講座であったり、有料のセミナーだったりします。
 本当は不特定多数の人たちに、もっともっと広く温泉の魅力を知ってほしいのですが、そういう企画は年に数えるほどもありません。

 ということで、久々に一般公開される無料の講演会が開催されることになりましたので、お知らせします。
 ただし、高崎市内在住の方に限ります。
 また会場が狭いため人数に制限があります。
 定員になり次第、締め切りとなりますので、お早めにお申し込みください。


      旅講座 『群馬は温泉パラダイス』
     ~あなたにも教えたい!温泉の魅力~

 ●日 時   2016年5月31日(火) 午前10時~正午
 ●会 場   高崎市新町公民館 2階 集会室
 ●対 象   高崎市内在住の方 (先着50人)
 ●費 用   無料
 ●講 師   小暮 淳 (温泉ライター)
 ●申 込   午前9時~午後5時(土日祝除く)
         新町公民館窓口または電話
         TEL.0274-20-2300
         高崎市新町2271-1
  


Posted by 小暮 淳 at 16:57Comments(2)講演・セミナー

2016年05月13日

出版記念祝賀会 in 安中


 今日の上毛新聞に大きく記事が掲載されたので、すでにご存知の人もいるかもしれませんが、昨日、最新刊 『西上州の薬湯』(上毛新聞社) の出版を記念した祝賀会が、安中市観光協会主催により安中市の東軽井沢温泉 「峠の湯」 にて開催されました。

 もちろん、僕も著者として出席してきました。
 ていうか、祝賀会は2部構成でして、2部は通常の立食形式のパーティーなのですが、今回、1部では会場を替えて、著者による基調講演が行われたのです。
 (新聞記事では、この時の様子が紹介されました)


 群馬の温泉シリーズ第8弾!
 ということもあり、会場には地元、安中市や富岡市の商工および観光関係者らのほか、取材した旅館関係者など約50人が集まってくださいました。
 なかには、県のお偉い方々もいたりして、ちょっぴり緊張もしつつ、無事に1部の講演を終了しました。

 たっぷり話して、ノドもカラカラです。
 とにかく、飲みた~い!
 そんな僕の切なる願いが司会者には届いたようで、パーティーでは来賓の安中市長のあいさつの後、早々に乾杯が行われました。

 1杯、2杯、3杯……、まるで砂に染み入るように、何杯でもビールがノドの奥へ消えていきます。
 「おめでとうございます。さあ、どうぞ」 と注がれては1杯、「わたくしは、こういう者でして」 と名刺を出されては1杯、「お話を聞いて、温泉の奥深さを知りました」 と注がれて1杯、2杯、3杯……。
 あっという間にお開きの時間となりました。

 気が付いたら、ビールでいっぱいのはずなのに、お腹がペコペコであります。
 ごあいさつばかりで、全然、食事に手を出せていなかったのです。
 来場者が帰られたあと、バンドスタッフの片付けを手伝いながら、改めてゆっくりと食事をいただきました。

 そうなんです。
 ちゃっかり著者自らマイクを握って、歌まで披露してしまったのであります。
 やっぱり、このキャラでは、文豪にはなれませんなぁ~。


 安中市観光協会のみなさん、大変お世話になりました。
 そして取材でお世話になった温泉旅館の皆さん、ありがとうございました。

 群馬の魅力は温泉です!

 これからも一緒にPR活動を続けていきましょうね。
   


Posted by 小暮 淳 at 17:44Comments(3)著書関連

2016年05月11日

この一瞬のために生きている


 「カンパーイ!」

 いったい僕は、この言葉を今までに何回、口にしたことでしょうか?
 何千回? 何万回?

 1年365日、ほぼ毎日酒は飲んでいますから、その回数だけ唱えていることになります。
 もちろん、一人で飲むときだって 「今日は頑張ったね、ではカンパイ!」 って、ちゃんと心の中で言っていますよ。
 そして、すべて楽しくて、おいしい酒です。

 僕は、ヤケ酒は飲みません。
 その昔、サラリーマンをしていた頃には、数回あったかもしれませんが、この仕事に就いてからは毎回楽しい酒ばかりです。

 でもね、そんな飲兵衛の僕でも、一生に何回もない、最高にウマイ酒というのがあるのです。
 それは、大きな仕事を成しとげた時に飲む酒です。
 その酒の味といったら、どんな高級なワインや日本酒を出されてもかないませんって!

 決して、これは言い過ぎではなく、この美酒を飲む一瞬のために僕は生きているのです。


 昨日5月10日は、前回報告させていただいたとおり、新刊本の発行日でした。
 どんなに忙しくても、他の用が入っていても、この一瞬を味わうために、本の制作に関わったスタッフは、何はともあれ集まります。

 まだ外は明るい午後5時半。
 前橋市内の安居酒屋に、4人の男たちが顔を揃えました。
 ディレクター、デザイナー、カメラマン、そして著者であります。

 4人の手には、つい先ほど印刷所から出版元へ届いたばかりの、出来立てホッカホカの本が、それぞれ1冊ずつ握られています。
 そして目の前には、生ビールが……。

 でも、誰もビールには手をのばしません。
 全員が、ページをめくりもせず、ただジッと表紙を眺めています。
 それぞれが、それぞれの感慨に浸っているのです。

 「そろそろ、いいですかね?」
 ディレクター氏の発声で、やっと本をテーブルの上に置き、ジョッキを握りしめました。

 「大変お疲れさまでした。おめでとうございます」
 「カンパーーーーイ!!!!」

 この瞬間、気分は絶頂を迎えます。
 この世に存在する快楽のなかで、最高の快感が足の先から頭のてっぺんまで全身を貫いていきます。

 <ああ、この一瞬のために生きているんだ!>

 そう思ったら僕は、全員と握手をせずにいられませんでした。
 「ありがとう」
 「ごくろうさま」
 「また、よろしく」

 同じ釜の飯を食べた戦友たちに、言葉では表しきれない感謝をこめて……。
   


Posted by 小暮 淳 at 18:47Comments(0)酔眼日記

2016年05月09日

最新刊 『西上州の薬湯』 明日発行!


 読者のみなさま、大変お待ちどうさまでした。
 いよいよ、シリーズ第8弾目となる最新刊が、発売されます!

 昨年5月に出版した 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) から、ちょうど1年。
 満を持して、温泉ファン待望のコアなローカル温泉本が今年も世に出ることになりました。
 タイトルは 『西上州の薬湯』。

 ちょっとマニアック過ぎて、県外の人には意味が分かりづらいですかね?
 えっ、群馬県民でも、よく分からないって?
 では、説明しましょう。

 たびたび講演などでは話しているテーマなのですが、群馬県は全国でも稀な山岳部と平野部がハッキリと分かれている地形をしています。
 そう、関東平野は群馬県から始まるのです。

 浅間山~榛名山~赤城山、これを群馬の “火山ライン” といいます。
 このラインを境に、北側と南側では温泉の温度と泉質が極端に異なります。

 北は温度の高い 「温泉」 や 「高温泉」、南は温度の低い 「低温泉」 や 「冷鉱泉」 が主流となります。
 そして泉質は、北はサラリとした単純温泉や硫酸塩泉が多いのに対して、南はトロンとした塩化物泉(食塩泉) が目立ちます。
 ということは、漁場で例えるならば、群馬県は暖流と寒流が出合う場所。
 多種多様な温泉が湧く、まさに、“温泉の宝箱” なんであります。

 なによりも、何百年という長い間、冷たい泉を温めて入っているって凄い事だと思いませんか!?
 そして、日本全国どこでもボーリングにより温泉が湧き出る現代でも、昔ながらの自然湧出する “霊泉” や “神泉” をわざわざ温めてまで、我々に提供してくださっているのです。

 古湯を守り続ける 「湯守(ゆもり)」 に、感謝!


 ということで、長年のテーマであった西上州の薬湯と呼ばれる霊験あらたかな湯を求めて、また1年間、旅をしてまいりました。
 16温泉地の25軒の宿と10ヶ所の入浴施設、すべての湯に入り、その歴史や効能、湯守人たちを取材しました。

 書店に並ぶのは、1週間~10日後になると思いますが、興味のある方は、ぜひ手にとってご覧ください。
 定価1,000円+税と、大変お買い求めやすいお値段になっています。
 懐具合とご相談の上、もし余裕が多少おありでしたら、お買い上げくださいますようお願い申し上げます。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:16Comments(9)著書関連

2016年05月08日

キジも鳴かずば


 ♪ ハトとトンビとヤマドリとキジと
   カリガネとウグイスが一緒に鳴けば
   ククピン、ククピン、ピンカラショーケン
   ソーリャーケンケン、ケンチャラチャンの
   ホーホケキョ ♪


 「えっ」 と驚かれるかもしれませんが、我が家の隣にはキジが棲んでいます。
 といっても、隣の家で飼われているわけではありません。
 隣の空き地に、つがいで暮らしているのです。

 以前、隣の敷地にはビニールハウスがありましたが、2年前の大雪で大破してからは、更地になっていました。
 今では、草ぼうぼうの草原になっています。
 どうも2年前の夏あたりから、夫婦で引っ越してきたようです。


 「キジも鳴かずば射たれまい」

 まさに、そんなに大きな声で鳴かなくてもいいのにと思うほどの大声を上げて、朝となく昼となく夜となく鳴き叫んでいます。
 でもね、一般に言われているような 「ケン」 とか 「ケーン」 とは鳴きませんよ。

 「キャーン」 とか 「ギャーン」 という耳をつんざくような金属音に近いんです。
 だから夜中に鳴かれた日には、ビクッ!とベッドから起き上がってしまうこともあります。

 ことわざにされるくらいですからね、キジは自ら余計なことをして、人間に見つかってしまうわけです。
 でも、これって人間もやってしまいますよね。
 つい余分なことを言ってしまい、相手を不機嫌にしてしまったり、親切のつもりでしたことが、アダになってしまったり……。

 「キジの振り見て我が振り直せ」


 それにしてもキジは、いつ出合ってもオスとメスが一緒で、仲が良いんですよね。
 うらやましいような、気の毒なような……。
 僕は、キジの真似はできませんね。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:47Comments(0)つれづれ

2016年05月06日

「で」 と 「を」 と 「が」 と 「は」


 昨日は、「こどもの日」 でした。
 この日を前に、総務省は人口推計を発表しました。
 これによると(外国人も含めた)14歳以下の子どもの数は、前年と比べて15万人も減少しているそうです。
 しかも35年連続の減少で、過去最低を更新したことになります。

 ますます少子化に拍車がかかり、歯止めがかからない状態が浮き彫りにされました。
 おまけに現状は、待機児童や児童虐待の問題もあり、まさに子育ては “戦国時代” の世を呈しています。


 そんな平成の世に、我が家も3人の子どもを育てました。
 正確に言えば、“育って” くれました。
 というのも、我が家は完全なる “放任” だからです。
 だからといって、“放任主義” だったわけではありません。

 フリーで不安定な生活を送っている親に育てられているわけですからね。
 放任せざるを得なかったのであります。

 ふり返れば、子どもたちには親の勝手で、ずいぶんとツライ思いをさせました。
 塾や習い事など、満足な教育をさせてやれなかったばかりか、世間様のようにオモチャなどの欲しいものを買って与えられませんでした。
 お小遣いすら与えられず、高校生からはアルバイトをしてもらった次第です。

 それでもね、これといった問題もなく、人の道をそれる事もなく、3人の子どもたちは大人になってくれました。
 これはひとえに、本人の努力と家内のサポートがあったからに他なりません。


 かつて、そんなダメ親父の僕を救ってくれた言葉がありました。
 それは某作家が言った 「子どもにオモチャを与えるのではなく、自分がオモチャになればいい」 という、なんとも単純な発想でした。
 金が無かったら、知恵を出せということです。


 今から20年以上も前のこと。
 当時、小学生だった長女が、夏休みに粘土細工の宿題をもってきました。
 学校が指定した紙粘土を購入して、好きなモノを作って提出するというものです。

 でも我が家には、お金がありません。
 (というのは大げさで、たぶん、紙粘土を買うくらいの金はあったと思います。でもアマノジャクの僕は…)
 「うちには紙粘土を買うお金がないから、紙粘土を作ろう!」
 と、子どもをさとしたのであります。

 家族で古新聞紙をちぎり、バケツに入れて繊維質を棒で突いてほぐし、紙粘土を作りました。

 このことは学校でも話題となり、娘は先生にほめられ、自由研究のテーマとして学年代表として発表することになりました。


 でも話は、ここで終わりませんでした。
 僕が、この話を酔った席で、誰彼となしに話したところ、当時のミニコミ誌が “心あたたまる” エピソードとして掲載したのです。

 すると反響があり、ついには東京のラジオ局から 「放送で、紙粘土のエピソードを紹介したい」 との連絡がありました。


 放送当日、パーソナリティーは、こんなコメントをしました。
 「この小暮さんという人は、紙粘土 “で” 何かを作るのではなく、子どもと一緒に紙粘土 “を” 作ってしまったのですね。この発想、すごいですね」

さらに、こう続けました。
 「お金 “が” ないのではなく、お金 “は” ない。でも、それ以外のものはあるんですよ。見習いたいものですね」
 と……。


 あれから20年が経ちましたが、相変わらず、お金 “は” ありません。
 残念!
  


Posted by 小暮 淳 at 12:12Comments(5)つれづれ

2016年05月04日

マロの独白⑭ 誰がジイサンじゃい!?


 こんにちワン!
 マロっす。
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、9才です。

 しっかし、お久しぶりでやんした。
 最近、オイラの出番が少ないと思いませんか?

 ご主人様ったら、このところ家を空けないんですよ。
 (だからオイラが、こっそりパソコンを拝借するチャンスがないんだ)
 なんでも 「ひと仕事終えた」 とか言っちゃって、部屋にこもって、本を読んだり、書き事をしていることが多いんです。
 世間は、ゴールデンウィークだっていうのにね。

 うちのご主人様、このゴールデンウィークっていうのも、昔からキライなんです。
 だって毎年、「どこかへ行きましょうよ?」 ってオイラや家族が誘っても、
 「俺は、人ゴミと人マネが嫌いなんだ!」
 のひと言で、一蹴されてしまいます。

 “人が働いているときに遊んで、人が遊んでいるときに働く” のが、ご主人様のモットーのようですよ。


 その代わり、散歩には毎日、連れて行ってもらっているワン!

 でもね……。
 最近、散歩のコースが変わっちゃったんですよ。
 というのも……。

 1週間ほど前のこと。
 いつものように、オイラが来るのを毎日楽しみにしている子どもたちがいる学童保育所の前を通りました。

 「あ、マロちゃんだ!」
 「マロー!こっち来て~!」
 って、オイラは人気者なんです。
 庭で遊んでいた子どもたちは一斉に駆け寄って来て、オイラの体を触ります。

 いつものことですからね。
 ご主人様だって、愛想を振りまいていましたよ。
 でもね、一人の男の子が言った言葉が、気に入らなかったようで、急に不機嫌になって、
 「さ、マロ、行くぞ!」
 って、急にリードを強く引っ張られてしまったのです。

 その言葉というのが、
 「おじいさん、僕にも触らせてください。まだ触ってません」
 でした。


 「ご主人様、急にどうされたんですか?」
 「失礼なガキだ! 何が “おじいさん” だ!」
 「そんなことを気にしているのですか?」
 「当たり前だ」
 「でも、実際、K君(孫) のおじいちゃんじゃありませんか?」
 「バカもん! それとこれは別だ! 俺はあの子のジイサンじゃない!」

 ということで、その日以来、学童保育所の前は通らなくなってしまったのです。
 ご主人様って、ああ見えてプライドが高いのですよ。
 て、いうか、本人は年齢のわりには若いと思っているんですね。
 ま、なんとなく、ご主人様が傷つく気持ちも分かりますけど。

 でも残念だな~。
 オイラ、子どもたちが大好きなのにな~。

 ご主人さま~、早く機嫌を直してくださいよ~!
   


Posted by 小暮 淳 at 18:14Comments(3)つれづれ

2016年05月03日

ぐんまちゃんは知ってても


 昨日の読売新聞に、群馬県出身のフリーライター、北村ヂンさんが、とっても気になる記事を書いていました。

 <毎年、ブランド総合研究所(東京都) が実施する 「地域ブランド調査」 で、最下位近辺をウロウロしている我らが群馬県だが、先日発表されたあるランキングでは見事に3位にランクインしていた。>

 さて、そのランキングとは?
 「どこにあるのかよく知らない都道府県」
 というから笑っちゃいます。

 ちなみに2位は栃木県、1位は島根県。
 1位の島根県は、なんとなく納得であります。
 「あれ、右だっけ? 左だっけ?」 と鳥取県とごっちゃになりますからね。
 でも、その鳥取県は、群馬県より知られているということです。

 2位の栃木県……、笑えません。
 またしても北関東勢で、知名度の低さを争そっています。
 それこそ他県民から、「あれ、どっちだっけ? 群馬って右? 左?」 なーんて、言われているのかもしれませんね。


 北村さんは、こんなことも言っています。
 <そもそも群馬県は鶴の形をしているから、日本地図を見ればすぐに見つかるはず!……県民としてはそう思ってしまうところだが、県内では常識の 「群馬=鶴」 も、他県民には全く通用しないらしい。>

 その通り!です。
 県の形がツルに見えるのは、上毛かるたの 『つる舞う形の群馬県』 の札に洗脳されているからであって、他県民に言わせると、「どこがツルなの?」 ということになります。
 しかも、「群馬にツル、いないじゃん!」 と手厳しいことを言われたこともありました。


 最後に北村さんは、県の形を全国の人に知ってもらうPRをして成功した例として、千葉県の 「チーバくん」 を挙げています。そして、
 <一方、群馬県のゆるキャラ・ぐんまちゃんは、ポニーをモチーフにしたキャラ。これが鶴のキャラだったら 「群馬=鶴」 という認識も、もっと広まっただろうに。> と……。

 でも、群馬にはツルがいないんですよ!
 この際、県の鳥 「ヤマドリ」 を前面に押し出しませんか?

 『つる舞う形の群馬県』 改め、『やまどり舞う形の群馬県』。
 そして新キャラクター、「ヤマドリくん」 を起用して、ぐんまちゃんとのWキャストで群馬県をPRしてはいかがでしょうか?
  


Posted by 小暮 淳 at 12:17Comments(0)つれづれ