温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2017年11月30日

ブリっと、シャブっちゃいました!


 “贅沢” とは、稀にあることだから 「ぜいたく」 なんですね。
 6年ぶりに、寒ブリが届きました。
 ※(前回の贅沢は、当ブログの2011年12月11日「ブリを食い月を食う」参照)


 そもそも海なし県に暮らす僕らにとって “海鮮物” は、贅沢以上のものでした。
 現在のように流通経路も冷凍技術も未発達の時代のこと。
 子どもの頃に食べたことのある魚なんて、塩ジャケとタラコくらいのものです。

 大人になってからだって、大差はありません。
 山で出されるマグロの赤身を食べて、喜んでいるレベルですからね。
 だもの、寒ブリだなんて……

 6年前のあの日、誰もが初体験をしました。
 「こんな、うまいものが、この世にあったのか!」
 「50年以上生きてきて、初めて食った味だ!」
 ってね。
 その場にいた誰もが、度肝を抜かれたものでした。


 あれから6年。
 生涯2度目の贅沢が、富山湾からやって来ました。

 今回も仲買人は、建築家のY氏であります。
 そして、集まったメンバーも6年前と同じ貧乏な面々。
 全員が、フリーランスのクリエーターたちです。
 とっくに忘れちまっている “贅沢” を求めて、10人が結集しました。

 ただ、今回は6年前と1つだけ異なることがあります。
 それは会場です。
 前回は、メンバーの家でホームパーティー形式で行いましたが、今回は、なななんと! 飲み屋に寒ブリを持ち込んだのであります。

 これは、スゴイ!
 他の客には絶対に出せない、特別メニューですからね。
 僕らのテンションだって、上がりっぱなしです。


 「カンパーイ!」
 のかけ声も終わらぬうちに、誰もが我先にとブリの切り身に箸を伸ばします。

 「うーーーーめーーーー!!」
 「うわぁ~、この味だよ」
 「とろける~!」

 喚声の中、Y氏がうんちくを述べます。
 「えー、刺身としゃぶしゃぶでは、部位が違いますからね。食べ比べてみてください」
 言われてみれば、確かに違います。
 しゃぶしゃぶのほうが、たっぷりと脂がのっています。

 「どのくらい、しゃぶしゃぶすればいいの?」
 イラストレーターの I 女史の質問に、にわか “ブリしゃぶ” 評論家を買って出たのは、カメラマンのS氏でした。
 「8秒ね、8秒! これ以上でも以下でもダメです」
 これに対してY氏いわく、
 「レアでも、ミディアムでも、その人の好みでいいんじゃないですか?」

 ドッと場に笑いが起こったものの、その後は
 「イチ、ニイ、サン……、シチ、ハチ」
 と、あちらこちらから声が響いたのでした。

 「ね、8秒が一番おいしいでしょう!」
 と、悦に入るS氏。
 それほどに、夢中になれる “食の祭典” でした。


 カニを食べると、人は無口になるといいます。
 でも、ブリは人を饒舌にするようであります。

 次に寒ブリを食せるのは、いつのことでしょうか?
 どうか神様、死ぬまでに、もう一度……
 貧乏人の願いをかなえたまえ!
 アーメン
   


Posted by 小暮 淳 at 11:58Comments(0)酔眼日記

2017年11月29日

下仁田温泉 「清流荘」⑩


 <紅梅が咲いていた。冬木立の中で、そこだけ明かりが灯っているようだった。橋の向こうに、宿が見えた。田舎の親戚を訪ねるみたいで、なんだか懐かしい気持ちになった。>


 なぜか、このところ下仁田温泉づいています。
 9月、10月と訪ねたばかりなのに、昨日また行って来ました。
 でも今回は取材ではありません。
 僕が講師を務めるNHKカルチャーの野外温泉講座です。
 この講座で下仁田温泉を訪ねるのは、8年ぶりのことでした。


 冒頭の一文は、2005年の冬に、初めて下仁田温泉の一軒宿 「清流荘」 を訪ねたときに、雑誌に書いた記事の書き出しです。
 あれから何度となく、いえいえ、何十回と訪ねているかもしれません。
 春夏秋冬、さまざまな彩りで旅人を迎えてくれる西上州の秘湯です。

 季節は晩秋。
 今年は遅く色づいたというモミジが、今が盛りとばかりに目が覚めるようなグラディーションを見せています。


 「先生、見てください。こっちの景色を!」
 露天風呂から受講生の一人が、宿を見下ろすようにそびえる里山を指さしました。
 燃えています。
 過ぎ行く季節を惜しむかのように、全山紅葉の絶景を描いています。

 「先生、こちら側の景色もいいですよ」
 もう一人の生徒さんが、中庭の大きなモミジの木を指差しました。
 「綺麗ですね。ちょうど光がさして、色が鮮やかです」
 「これって、“インスタ映え” って言うんでしょう!」
 オジサンたちが、ドッと湯舟の中で笑いました。


 湯上がりは、地産地消の山里料理をいただきました。
 もちろん、ビールもいただきました。
 「先生、どうぞ。やっぱり、この景色には熱燗でしょう!?」

 あららら、いつの間に頼んだのか、徳利がズラリ並んでいました。
 「ほら、キレイどころ、先生にお酌して!」
 そう言われて、隣の席に座っていたYさんは、
 「あら、気づきませんで。先生、おひとつ、どうぞ」
 と、シナを作って、徳利の首をつまんでくれました。

 う~ん、確かに40年前ならば、キレイどころだったかも知れませんね(失礼)。


 午後は、みんなで7000坪を誇る敷地内を散策。
 風もなく、天高く青天の小春日和。

 笑い声が、こだまのように山あいに響いていました。
 のどかな、のどかな、湯けむり散歩を楽しみました。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:53Comments(0)温泉地・旅館

2017年11月27日

一周年を祝う


 世の中には、殊勝な人たちがいるものです。
 「温泉が好き」 というだけで、僕のことを “師匠” “先生” と呼んでくださり、定期的に酒宴を開いて、招いてくださるのです。

 通称、「弟子の会」 といいます。


 発足は、ちょうど1年前の11月でした。
 3人の温泉好きが、僕を介して、ひょんなことから出会い、意気投合して、団結しました。
 ※(出会いの詳細は、当ブログの2017年2月2日「魅惑の会合」を参照)

 この会は、2ヶ月に1回、奇数月に集まるのですが、1つだけルールがあります。
 それは、貧乏人の僕を気遣ってのことなのですが、「会費は3,000円以内とする」 というもの。
 飲んで食べて、3,000円ですぞ!
 しかも、「チェーン店の居酒屋を除く」 です。

 でも、そこは、師匠ゆずりの飲兵衛な弟子たちであります。
 毎回、毎回、「よく、こんな店を知ってるねぇ~!」 と驚くほどに格安で、うまい、穴場の飲み屋を探してくるのであります。
 1回目は、おでん屋でした。
 2回目は、ホルモン焼き屋。
 その後、すき焼き屋、寿司屋、焼き肉屋など、毎回持ち回りの幹事が会場を押さえ、料金の交渉をしてくれています。


 先日、発足一周年を記念する7回目の会合が、前橋市内の焼き鳥屋で開催されました。
 「一周年、おめでとう!」
 「カンパーイ!」

 「じゃあ、焼き鳥を頼みますか?」
 と、生ビールを飲み干した僕が言えば、
 「先生、ここは焼き鳥じゃないんですよ。おまかせください」
 とTさん。
 なんでも、焼き鳥屋なのに、揚げ物や他の料理がうまい店なんだといいます。
 ま、いつも、こんな調子で料理も、幹事にまかせっきりなのであります。


 「えー、ちょっと僕から、ひと言、ごあいさつを、よろしいですかね?」
 この日に合わせて、僕は弟子たちに、心ばかりのプレゼントを用意していました。
 「本当に、毎回、楽しい会をありがとうございます。これからも末永く、よろしくお願いいたします」
 と告げ、一人ひとりに手渡しました。

 “冥利” っていうやつですかね。
 たかが温泉ですが、こんなに楽しい仲間たちに会えました。
 されど温泉、そして温泉……。

 今回も、延々と尽きない温泉夜話が続いたのであります。

 みんな、ありがとう!
  


Posted by 小暮 淳 at 13:42Comments(0)酔眼日記

2017年11月24日

川原湯温泉のゆくえ④


 「5年後には “旧七軒” と呼ばれていた旅館が、すべて揃います。そうすれば、もう少し温泉街らしくなると思います」


 前回、「川原湯温泉のゆくえ」 というタイトルでブログを書いたのは2011年11月でした。
 あれから丸6年が経ちました。
 今週、僕は久しぶりに新しくなった川原湯温泉(群馬県吾妻郡長野原町) を訪ね、温泉協会長の樋田省三さんにお会いしてきました。

 樋田さんは “旧七軒” の1軒、「やまきぼし旅館」 のご主人でもあります。
 「やまきぼし旅館」 といえば、温泉好きで知られる作家、嵐山光三郎氏が命名した露天風呂 「崖湯」 があることで有名な宿でした。
 もう20年以上も昔ですが、僕は 「崖湯」 入りたさに泊まり、奇祭 「湯かけまつり」 を取材したことがありました。


 「以前は温泉街の中だったので、風はしのげていたのですが、新しい会場は標高600メートルの山を切り開いた所なので、吹きっさらしなんです。マイナス10℃以下になるので、ふんどしも凍ります(笑)」

 毎年1月20日の早朝5時に開催される祭りです。
 土地の男衆が紅白に分かれて、ふんどし一丁の裸で、湯をかけ合います。

 その昔、突然温泉が出なくなってしまいました。
 困り果てた村人たちは、温泉の匂いが、ゆで卵に似ていたことから、ニワトリをいけにえにしてお祈りしたところ、お湯がふたたび湧いたといいます。
 「お湯わいた、お湯わいた」 と言って喜んでいましたが、そのうち 「お祝いだ、お祝いだ」 と言って、みんなで湯をかけ合うようになったのが、奇祭のはじまりとされています。


 昭和27(1952)年、そんな自然豊かで、のどかな温泉地に突如、衝撃が走りました。
 川原湯温泉を水没させる八ッ場(やんば) ダム計画です。
 65年経った現在も、まだダムは完成していません。

 “去るも地獄、残るも地獄”
 そう言われた長い長い闘争と翻弄の日々が、もうすぐ終焉を迎えます。

 すでに代替地には、温泉街のシンボル 「王湯」(共同湯) と5軒の宿が移転しています。
 でも周辺は、ダム湖も道路もまだまだ工事中で、温泉街の体は成していません。


 「正直、私たちは過去を引きずっています。でも、次世代の後継者たちが帰ってきています。彼らが新しい川原湯温泉をつくってくれるはずです」


 ダムの完成は、2020年の春だといいます。
 東京オリンピックの年です。
 湖を見渡しながら、湯舟に浸かれる日も、もうすぐです。
    


Posted by 小暮 淳 at 12:27Comments(0)温泉地・旅館

2017年11月22日

野外温泉講座 冬期受講生募集


 おかげさまで、2009年に開講したNHK文化センター前橋教室の温泉講座も、9年目を迎えています。
 現在、秋期講座を開講中ですが、来期の受付が本日(11月22日) から開始しました。
 僕が講師を務める 「名湯・秘湯めぐり」 の冬期講座です。
 若干名ですが空席がありますので、ご案内いたします。

 2018年冬期は、下記の温泉地を予定しています。
 1月 薬師温泉(群馬県)
 2月 猪ノ田温泉(群馬県)
 3月 大沢山温泉(新潟県)
 ※毎回、JR前橋駅と高崎駅からバスが発着します。


     『名湯・秘湯めぐり』

 ●開催日  第4火曜日 8:00~18:00 (予定)
 ●講師名  小暮淳 (温泉ライター)
 ●受講料  10,368円 (3回) ※入会金、当日参加費別途
 ■申込・問合は、NHK文化センター前橋教室
           TEL.027-221-1211 検索→NHKカルチャー前橋
  


Posted by 小暮 淳 at 15:04Comments(0)講座・教室

2017年11月20日

暮れ展、はじまる。


 みなさんは、“年の瀬” を何で感じますか?
 僕は毎年、1通のDMが届くと、「ああ、今年も残り少なくなったなぁ~」 と思うんです。

 『でくの房 暮れ展』

 でくの房とは、木彫家であり版画家である作家・野村たかあきさんの工房の名前です。
 野村さんは、講談社絵本新人賞や絵本にっぽん賞を受賞した絵本作家としても著名な方です。

 僕は20代の頃に氏と出会い、表現することの楽しさや生きることの面白さを享受しました。
 いわば、“人生の師” といえるかもしれません。
 ※(野村さんとの出会いは、当ブログの2013年6月19日「真笛(まこぶえ)の響き」を参照)


 そんな野村さんの作品展を兼ねた、恒例のカレンダー原画展と販売が今年も開催されています。
 自称 “一番弟子” の僕は、毎年初日の開館時間を待って、一番乗りしてカレンダーを購入しています。
 もちろん、昨日の午前11時に行ってきました。

 今年は2種類のカレンダーの原画、木版画や木彫、多数の絵本のほかに、話題となっている最新作の 「落語絵本」 も展示・販売されています。
 興味のある方は、ぜひ、お出かけください。



       『でくの房 暮れ展』

 ●期間  平成29年11月19日(日)~12月3日(日)
        午前11時~午後5時
 ●場所  「でくの房」 群馬県前橋市朝日町4-1-18
        TEL.027-243-7061
  


Posted by 小暮 淳 at 14:12Comments(0)ライブ・イベント

2017年11月18日

憧憬と焦燥


 「ジュンちゃんはさ、お父さんを尊敬しているんだよね」
 話を聞いていたママが、カウンターの中から声をかけてきました。
 馴染みの酒場での1コマです。
 僕は常連客らと、両親の介護話をしていました。

 「えっ、……そうかなぁ~……」

 するとママは、言いました。
 「だって、世の中には親を介護する人と、しない人がいるじゃない。自分の親だっていったって、感謝や尊敬の気持ちがなけりゃ、できないわよ」
 含蓄のあるママの言葉に、しばし、うつむいてしまったのであります。


 先週末から今週にかけて、僕は久しぶりに実家に泊まりこんで、両親の介護をしてきました。
 ふだんはオヤジを我が家に連れてきて面倒を看ているのですが、アニキが不在のため余儀なく、“ダブル介護” をすることになったのです。

 実家のオヤジのベッドの壁には、大きな額が飾られています。
 その昔、国からいただいた賞状です。
 環境庁長官賞、長年の自然保護活動に対して、その功績が讃えられました。
 ※(詳しくは、当ブログの2013年8月17日「オヤジ史② キャサリン台風」参照)

 実家に泊まる時は、いつも目にしていたので、そこに、それがあるのは、当たり前の光景でした。
 あらためて、まじまじと見入ることなんてありません。
 でも、今回、見てしまったんです。
 そして、僕は愕然としました。

 授与された日付けです。
 昭和54年と記載されています。
 「しょうわ、ごじゅうよねん!」

 昭和54年といえば、僕は21歳です。
 当時は東京で、ライブハウスやストリートでパフォーマンスをしていた時代です。
 確かに覚えています。
 「お父さんが名誉ある賞をいただいたから、帰っておいで」 とオフクロに呼び戻された記憶が……
 市内のホテルで盛大に行われた祝賀会の様子さえ覚えています。

 「私は子供たちに財産を残してあげることは、できませんでした。でも、孫やひ孫の代まで、赤城山の自然を残してあげることができました」 と語ったオヤジのスピーチ。
 隣で、まるで子供のように嗚咽を上げ、しゃっくり泣きをしているオフクロの姿まで、ありありと思い出します。
 そのとき、マイクを向けられたオフクロの言葉さえも。

 「お父さんは、とっても才能のある人です。でも、私なんかと結婚しちゃったから、生きることで精一杯で、なかなか世の中に認めてはもらえませんでした。やっとこれで、お父さんの人生が報われました」
 と言って、泣きくずれた姿は、忘れることができません。


 でも、それは遠い遠い記憶です。
 自分の年齢は覚えていても、親の歳までは記憶にありません。

 昭和54年……

 オヤジは大正13年生まれですから、55歳だったんですね。
 今の僕より、4歳も若いんです。


 寝息を立てているオヤジを見ていて、無性に悔しさが込み上げてきました。
 どうして、もっと早く、オヤジに話を聞かなかったんだろう!
 もっともっと、教えてほしいことがあったのに!

 今では認知症状が進んでしまって、僕が誰かもわかりません。

 オヤジ、目を開けて、話してくれよ!
 男の生き方っていうやつをさ!
 もっともっともっと、俺に教えてくれよ!
   


Posted by 小暮 淳 at 23:25Comments(2)つれづれ

2017年11月16日

マロの独白(33) くっつき虫に御用心!


 こんばんワン! マロっす!!
 ここんちの飼い犬、チワワのオス、11才でやんす。

 読者のみなさん、お元気でしたか?
 ついこの間まで首に保冷剤を巻いて、ハアハア言っていたと思ったのに、もう、すっかり晩秋の気配です。
 朝夕は、めっきり寒くなりました。

 「秋の日はつるべ落とし」 とは、よく言ったもんですね。
 夕方も5時を過ぎたら、真っ暗ですもの。
 オイラの散歩の時間も、日に日に早くなっています。

 今日も行ってきましたよ。
 でも寒かった~!
 ご主人様なんて、今年初めて毛糸の帽子をかぶってました。
 オイラですか? オイラは一年中、同じ格好です。
 真っ赤なタンクトップでやんす!
 大主人様の言うところの 「赤ちゃんこ」 っていうやつです。

 「おお、なんだい、この犬は? 赤いちゃんこを着ているぞ! 犬が服を着ているぞ、ハハハ」
 て、会うたびに笑うんですよ。
 大主人様にとって、犬とは、屋外で飼う番犬と野良犬以外は考えられないらしいんですね。
 だから、オイラみたいに家の中で飼われている座敷犬という存在も理解できません。
 「うわっ、うわ~! 家の中になんか動物が入ってきた~!」
 って、いつも野良猫か野良犬あつかいなんです。


 さてさて、散歩が楽しい季節となりましたが、全国の愛犬のみなさんは、きっとオイラ同様、散歩のたびにご主人様に怒られているんでしょうね。
 何かって、「くっつき虫」 ですよ。くっつき虫!

 知らない人のためにご説明すると、くっつき虫とは、植物の種や実のことです。
 トゲトゲやイガイガが付いていて、動物や人間の服にくっついて運ばれる、頭のいい植物(雑草) です。
 一般的には長さ1~2センチほどのイガ(果苞) を付ける 「オナモミ」 という北アメリカ原産の一年草のことを呼ぶらしいんですけどね。
 でも、オイラの散歩コースには、くっつく虫の仲間がウジャウジャいるんですよ。


 「ほれ、マロ! そっちへ行くな!」
 と、ご主人様に大声で叫ばれては、リードを思いっきり引っ張られています。
 でも、道路の端を歩いているだけなんて、つまりませんものね。
 時々、オイラは草むらの中に突進して、遊んじゃうんでやんす。

 すると、ご主人様はオイラを草むらから引きずり出して、「バカマロ!」 と頭をコツンと叩いた後、「あああ、あああ、これ、取るの大変だぞ~!」 と、全身トゲトゲだらけのオイラを見て、ガックリと肩を落とすのでやんす。
 「ご主人様、ごめんなさい。もうしませんから、許してください」
 と、その時だけは反省をするんですけどね。
 これが、面白くって、やめられないんだワン!

 ちなみに、このトゲトゲの正体は、「センダングサ」 といいます。
 センダングサは、線状の種が放射線状に集まっていて、種の先端にはカギ状のトゲがあり、これがかたまりとなってドバッと毛にくっ付くんです。
 オイラ、チワワでも毛の長いロングコートっていう種類なんすよ。
 だから、くっ付く、くっ付く!

 「マロ、今度、草むらに入ったら、坊主にするからな!」
 ですって。
 ご主人様、それだけは勘弁してください。
 たまにしか入りませんから(テヘへへ)


 愛犬のみなさん、くっつき虫には、くれぐれも用心ですぞ!
  


Posted by 小暮 淳 at 18:49Comments(2)マロの独白

2017年11月15日

温泉が足りないんじゃないの?


 「芸術は爆発だ!」
 と言ったのは、岡本太郎氏ですが、なんだか最近は、“感情が爆発” する事件や事故が多いですね。

 高速道路でカッとなって、追い回して、進路妨害して、難癖つけるとか。
 仕事にストレスを感じていたからと、母親を乗せたまま車で商店街を暴走したりとか。
 と思えば、タクシーの中では、酒に酔った弁護士が暴れて、金を払わずに逃走しました。

 いったい、何が、そんなに、気に食わないのですか?
 何が、そんなに、プライドを気づけたのでしょうか?
 きっと、大した事ではないんでしょうね。

 たぶん、我慢の沸点が低いのだと思います。 
 いわゆる、“キレやすい” のです。


 タクシーの件でいえば、この状態を 「仮想的優越感」 というのだそうです。

 “俺は客だ” “今、俺は金を払って、お前を雇っているのだ”
 という 「一時的雇用関係」 が 「支配欲」 を招き、それに従わなかったことにより、“感情が爆発” して暴力に走るようです。
 でも、この弁護士は、結局、金を払ってないのだから “雇用関係” は成立していないんですけどね。


 これは温泉ライター的、極端なこじつけ論ですが、現代人がキレやすくなったのは、“本物の温泉” に入らなくなったからじゃないですかね。
 あくまでも “本物の温泉” ですよ。

 戦前から商いを続けている老舗旅館に取材に行くと、ご主人や女将さんから決まって同じ言葉が返ってきます。
 「お客が変わった」 と。
 昔の客は 「泊めていただく」、今の客は 「泊まってやる」 なのだそうです。
 温泉に対しても、同じだといいます。
 “湯が神様” だったころは、湯は 「いただくもの」 だったといいます。
 ところが今は、「湯が熱い」 だの 「ぬるい」 だの、「露天風呂がない」 だの 「貸切風呂がない」 だの、不平不満ばかりです。
 いつしか“客が神様” になってしまったんですね。

さる秘湯の宿のご主人は言いました。
 「今の時代、温泉なんて珍しいもんじゃないからね。大都会の真ん中でも入れるんだもの、あって当たり前。温泉の良し悪しなんて、誰も気にしない。だもの感謝なんて気持ちは、生まれないんだよ」


 やっぱ、“感謝の気持ち” なんですよ!
 “あることが当たり前” になると、人は我慢の沸点が低くなってしまうのかもしれません。
 便利になればなるほど、人の感情は、爆発しなやすくなるようです。

 現代人のみなさん、本物の温泉に入って、我慢の沸点を上げましょうね。
  


Posted by 小暮 淳 at 13:14Comments(2)温泉雑話

2017年11月13日

特殊任務遂行指令 「HHS」


 11月11日は、「介護の日」 だったんですってね。
 そんな日があるとは、知りませんでした。
 ま、僕にとっては毎週末が 「介護の日」 でありますから、取り立てて、その日に特別な親孝行をしようなんて思いませんでしたけれど。

 それよりも問題は、「11.12 HHS」 の日だったんであります。
 今年最大の介護任務遂行日です。


 オヤジは満93歳、身体は元気ですが重度の認知症で、要介護認定は2。
 オフクロは満90歳、脳梗塞と脳出血を患い車イス生活で、要介護認定は3。
 2人とも平日の4日間は、デイサービスとショートステイを組み合わせて、施設で看てもらっていますが、残りの3日間は在宅介護となります。

 僕は男だけの2人兄弟です。
 土~月曜日の3日間は、基本、アニキがオフクロを実家で看て、僕がオヤジを我が家に連れて来て看ています。
 が、今回は、アニキが東京の自宅へ帰ったため、僕が実家に泊まり込んでの “ダブル介護” となりました。

 それも、ただのダブり介護ではありません。
 日曜日に、なんと! 父方の本家にて、伯父の7回忌と伯母の1周忌を兼ねた小暮家の一大イベントが開催されることになったのです。
 その法要に、「どうしても出たいと」 とオフクロが言うのです。
 だからといって、オヤジを1人で実家に残すわけにはいきません。

 と、いうことで、特殊任務遂行指令 HHS (本家法要参席) が発令されたのであります。


 午前7時、起床
 1階リビングで寝ているオフクロと、2階和室で寝ているオヤジを叩き起こす。
 この日は、折りしも地元町内の廃品回収日。
 各部屋に暖房を入れた後、古紙を集め、玄関先に出す。

 午前7時30分、朝食
 朝は、2人ともパンとミルクと決まっています。
 オフクロは、どんなパンでも食べてくれるが、オヤジはやわらかいカステラ系か蒸しパン系でないと食べてくれない。
 オヤジは10分で完食。オフクロは1時間以上かかる。

 午前8時30分
 オヤジに血圧の薬1錠、オフクロは、あれやこれや9種類の錠剤を飲ませる。
 オフクロが、まだ完食しないので、オヤジの着替えを先行することに。
 「ほら、手上げて。次は足。ボタンは自分で止められるだろう。ネクタイは締められるの?」
 とかなんとか言いながら、15分で礼服を着せられた。

 午前9時
 立つこともままならないオフクロに服を着させるのは、至難の技。
 寝たきり生活のため、身体が硬直していて、思うようには動かない。
 「イタイ、痛いよう。イタタタターーーー!!」
 車イスに乗ったまま、なんとかオフクロにも上下礼服を “装着”。

 午前9時30分
 「オヤジもオフクロも、そこでジッとしててくれよな! オレはまだやることがあるんだからさ!」
 2人を各部屋に残して、僕は台所で洗い物を済ませ、2階のオヤジ専用トイレの掃除と、オフクロの簡易トイレの汚物処理に奔走すること20分。
 時計を見ると、もう、10時じゃないか!
 法要は11時からです。
 あわてて、自分も礼服に着替える。

 午前10時
 「トイレは? オシッコは出ないの?」
 オヤジを先に車に乗せようと、手を引いて駐車場へ。
 「出ない。さっきしたから」
 「じゃあ、オフクロを連れて来るから、ここで待っててくれよ。絶対、車から降りるなよな!」
 そう言って、オヤジを後部座席に乗せ、オフクロを助手席に乗せて、車イスをたたんでトランクに納めた時です。
 「オシッコ出る」 とオヤジ。
 「えっ、さっき出ないって言ったじゃない」
 「だって、出たくなっちゃったんだもの」
 「もーう、ったく!」

 ということで、出発したのは、だいぶ10時を過ぎてからでした。
 でも、小暮家の菩提寺は前橋市内なので、なんとかギリギリ、セーフ!

 僕の車が境内に着くと、いとこたちが駆け寄ってきてくれました。
 「ジュンちゃん、ご苦労さま」
 「私が叔母さんを看ます」
 「じゃあ、俺が叔父さんを看るよ」
 そう言って、みんなで両親を本堂まで連れて行ってくれました。


 ふーーーうううううう!!!

 車を降りた僕は、青空を見上げて、大きなため息をひとつ。
 特殊任務は、始まったばかりなのである。
   


Posted by 小暮 淳 at 19:37Comments(0)つれづれ

2017年11月10日

温泉で美しくなれ!


 ちょうど去年の今頃でした。
 某テレビ局からコメントの取材を受けました。

 「群馬県には、いい温泉がたくさんあるのに、どうして美肌ランキングで最下位なんでしょうか?」

 “美肌ランキング” とは、毎年この時期に某化粧品会社が行っている 『ニッポン美肌県グランプリ』 のことです。
 全国の店舗で20~100歳の顧客から集めた肌データを分析しているようです。
 「毛穴が目立たない」 「キメが整っている」 「シワができにくい」 などの項目から偏差値を出して、都道府県別のランキングを発表しています。

 先日、今年のランキングが発表されました。
 1位は富山県、2位は石川県、3位は秋田県です。
 日本海側の北陸、東北エリアが上位を占めています。

 で、最下位は……、今年も群馬県でした!(残念)

 同社の分析によれば、最下位の理由は、
 「水蒸気密度と気温が低く、日照時間が長い。秋冬には乾燥する風が強く吹き、肌にとって大変厳しい環境」
 とのことです。
 いわゆる、空っ風に吹かれて、紫外線にさらされやすい“過酷な環境” ということです。


 でも、群馬には温泉があるじゃないか!

 そうです、だからテレビ局の人は、不思議がっているのです。
 「群馬の人は、温泉に入らないのですか?」 って。
 だから僕は、こう答えました。
 「灯台もと暗し、宝の持ちぐされ、なんでしょうね。身近に温泉があり過ぎて、ありがたみを感じていないのかもしれませんね」 と。

 ああ、もったいない、もったいない。
 群馬には、“美肌の湯” “美人の湯” といわれる温泉が、たくさんあるのにね。


 ちなみに 「三大美人泉質」 と呼ばれる温泉がありますが、県内にはすべてあります。

 炭酸水素塩泉は、石けんのように肌の汚れを落とし、肌表面の古い角質を取り除く作用があります。
 ※鹿沢温泉(嬬恋村)、赤城温泉(前橋市)、滝沢温泉(前橋市) など

 硫酸塩泉は、保湿力に優れ、化粧水のような仕上がり効果があります。
 ※伊香保温泉(渋川市)、四万温泉(中之条町)、沢渡温泉(中之条町)、上牧温泉(みなかみ町)、川中温泉(東吾妻町) など

 硫黄泉は、紫外線を防ぎ、シミの原因であるメラニンの排出を助ける効果があります。
 ※草津温泉(草津町)、万座温泉(嬬恋村)、老神温泉(沼田市)、尾瀬戸倉温泉(片品村)、高原千葉村温泉(みなかみ町) など

 ほかにもアルカリ性や弱アルカリ性の単純温泉なども、美肌の湯といわれます。


 さあ、群馬の女性のみなさん!
 このままでは “湯の国ぐんま” の名が泣きますぞ!
 来年こそは、汚名を返上いたしましょう!

 温泉で、美しくなれ!
 目指せ、湯上がり美人!!

   


Posted by 小暮 淳 at 12:51Comments(2)温泉雑話

2017年11月09日

それぞれの出発(たびだち)


 ♪ サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ! ♪

 といわれたのは、高度経済成長に浮かれていた50年も昔のことです。
 もし、今でも、そうだったら、僕はサラリーマンを続けていたことでしょうね。
 でも現実は、そうじゃなかった。
 努力、忍耐、根性……なかでも、忍耐には我慢が効かず、早々にフリーランスの道を選んでしまいました。


 酒処 「H」 のカウンター。
 「一番乗りかな?」
 「だね」
 カウンターの中から、ひょこっと顔を上げたママは、いつものように手に数字パズルとペンを持っています。

 時計を見れば、まだ午後5時を少し回ったところ。
 昨日は突然、仕事がキャンセルとなり、午後から時間を持て余していました。
 そんなとき、僕は迷わず 「H」 に向かいます。

 まずは生ビールで喉を潤し、焼き魚と湯豆腐をつつきながら、日本酒の一升瓶に手を伸ばした頃でした。
 Mちゃん、Kさんと、常連が顔を出し始めました。

 「Mちゃん、転勤だって?」
 「ええ、静岡です」
 「大変だね」
 「いえ、転勤は慣れっこですから」
 「さみしくなるね」
 「たまには、H のみんなに会いに来ますよ」

 Mちゃんは、40代半ば、独身。
 金融関係に勤めています。
 2年に1度の転勤をくり返し、日本中を転々としています。

 いくら独身だからといっても、その労力は多大なものだと思います。
 僕だったら、最初の転勤命令で、辞表を出しているかもしれません。


 「小暮さん、お久しぶりです」
 隣の席に座ったKさんは、県内有名企業に勤めるエリートサラリーマンです。
 歳は50代後半で、僕とは同世代。
 あと数年勤めれば、悠々自適の人生が待っています(うらやまし~い!)。

 「お久しぶりです。元気でしたか?」
 そう僕は、ふつうに言葉を返しました。
 通常ならば、社交辞令として次に、「ええ、変わりなく」 とか 「元気ですよ」 と言葉が返って来るはずですが、彼の口から出た言葉は違いました。

 「私、会社を辞めました」

 ええ、えええええええええーーーーっ!!!!

 ママもMちゃんも、そして僕も一斉に驚きの声を上げました。
 絶句とは、こういうことなんですね。
 二の句を継げません。

 「ど、ど、どうして?」
 「会社の方針に我慢ができなくて」
 さらに絶句であります。

 あと2年、たった2年の我慢じゃないの?
 でも、その2年の我慢ができなかったといいます。
 「奥さんは、なんて言ってた?」
 「あなたは、そうすると思ったって」
 それは、良かった。

 聞けば、先のことは、まだ何も考えていないといいます。
 「とりあえず、細々と切り詰めて生きて行こうと思います」
 「だね、オレと同じだ」
 「唯一のぜいたくが、H に来ることかな」
 「それも、オレと同じだ」


 晩秋の酒処 「H」 は、悲喜こもごもの事情を抱えたオジサンたちが、今宵も酔いしれています。
 サラリーマンにもフリーランスにも、世間の風が冷たい年の瀬であります。

 「では、それぞれの出発(たびだち) に、カンパーイ!」
    


Posted by 小暮 淳 at 12:09Comments(2)酔眼日記

2017年11月08日

群馬定食&オリジナルスタンプ


 ロングライフデザインの大切さを伝える活動を続けるD&DEPARTMENT(東京都世田谷区) が、47都道府県にそれぞれ1冊ずつ発刊を目指すトラベルガイド 『d design travel』。
 その最新刊 『群馬号』(1,900円+税) の全国発売を記念した関連イベントが、東京と群馬で開催中です。


 渋谷ヒカリエ8階にある 「d47 MUSEUM」 にて、群馬県の新しい魅力をプレゼンテーションしています。
 会期中、館内では、『群馬号』 の取材で出会った “群馬らしいデザイン” や、お土産が買える期間限定のストアもオープンしています。

 d47食堂では、食堂の料理人が開発した 「群馬定食」 が登場!
 甘辛いしょう油ベースのカツ丼+家庭の味おっきりこみ+生芋こんにゃくの味噌田楽+焼きまんじゅうのセットです。
 定食以外にも、群馬の地酒やビールなども用意されています。

 そして、展示ブースには、取材中に出会った 「観光」 「食事」 「買物」 「喫茶」 「宿泊」 「人物」 の6つのカテゴリーにゆかりの品々が集められました。
 もちろん、“小暮淳コーナー” もありますぞ!
 はたして、何が展示されているのかは、見てのお楽しみ!


   d desig travel GUNMA EXHIBITION

 ●会期  ~11月26日(日) 11:00~20:00
        会期中無休 入場無料
 ●会場  d47 MUSEUM (渋谷ヒカリエ8階)
 ●問合  TEL.03-6427-2301 (d47 MUSEUM)


 また、群馬県内では、取材中に出会った場所や店、宿など、ゆかりのスポットをめぐるオリジナルスタンプラリーを開催中です。
 もちろん、“小暮淳オリジナルスタンプ” もありますぞ!
 えっ、小暮淳ゆかりのスポットって、どこかって?
 ハイ、それは 「日本で最初の温泉大使」 となった、みなかみ町です。
 「みなかみ町観光センター」(TEL.0278-62-0401) に設置されてますので、ぜひ、ゲットしに行ってくださいね!


 ※『d design travel 群馬』 の出版を記念した関連イベントの詳細はWEBをご覧ください。
    www.d-depertment.com/jp/d-design-travel/gunma
       


Posted by 小暮 淳 at 11:38Comments(0)ライブ・イベント

2017年11月06日

「いまに見ていろ!」 の今


 歳を重ねるということは、涙もろくなるということのようです。
 それも、くやし涙が止まりません。

 この秋にスタートしたTBS系列のテレビドラマ、日曜劇場 『陸王』。
 原作は、『半沢直樹』 や 『下町ロケット』 シリーズで人気の作家・池井戸潤さんです。
 主人公は、老舗足袋業者の4代目社長。
 演じるのは、群馬県民には映画 『眠る男』 で主演を演じた馴染みの俳優、役所広司さん。
 足袋の需要が減少の一途をたどる中、会社の存続を賭けてランニングシューズの開発に挑みます。

 役所さんの演技に、やられっぱなしです。
 目を潤ませて語る、一語一句。
 「今やらずして、いつやるんだ!」
 「俺は、社員を信じている」
 語るたびに、涙がこぼれます。


 オレって、こんなに涙もろかったっけな?

 テレビを見ていて、何度も自問しました。
 悲しいからじゃありません。
 くやしいから、その、くやしい思いが主人公から伝わってくるんですね。

 たぶん、自営業やフリーランスで生きてきた人ならば、分かると思います。
 多かれ少なかれ、くやしい思いを飲み込んで生きていますからね。
 幾度となく、「いまに見ていろ!」 という捨てゼリフを吐いたことでしょう。

 でもね、僕が一番感情移入をするのは、主人公ではないんです。
 主人公に思いを寄せて、開発に力を貸す飯山という人物。
 名優、寺尾聰さんが演じます。

 彼は過去に、繭で作られた特殊素材の開発のために私産を投じて、会社を潰したことがある町工場の元社長。
 くやしさは、人一倍持っている人です。
 でも年齢を考えると、自力での再起は不可能でした。
 そんな時、主人公と出会い、心を動かされます。
 「いまに見ていろ!」 の再燃です。

 この飯山という男、原作では前橋生まれなんですね。
 そして、作中でポイントとなる新素材の開発は、群馬の産業である養蚕と製糸に深く関わっています。
 また先日は、群馬県庁前でエキストラ7,000人を集めたドラマのロケも行われました。
 よりドラマが身近に感じられ、熱い思いが伝わってきます。


 実は僕、若い頃から 「いまに見ていろ!」 が口ぐせなのです。
 若い時は先が長いので、いくらでも口にできたんですけどね。
 還暦間近になると、だんだん臆病になって、言葉にするのをためらってしまいます。

 「いまに見てろ、いまに見てろって、いったい今って、いつなのよ! そのうち死んじゃいますよ」
 何度、家人に言われたことか……

 でも、このドラマは教えてくれました。
 それは、「今でしょ!」 ってね。

 さあ、自営業およびフリーランスの中高年のみなさん!
 ネバー・ギブアップですぞ!
 いま一度、情熱の炎を燃やしましょう!
   


Posted by 小暮 淳 at 12:13Comments(0)つれづれ

2017年11月04日

編集の考え方。


 凄惨かつ猟奇な連続殺人事件が起きてしまいました。
 そして、またしても “ネット社会の闇” が露呈されました。

 「自殺募集」 だなんて……

 現代社会では、“死” すらも 「いいね」 の承認を欲しがるのでしょうか?
 僕には、理解ができません。


 そもそも僕は、自他共に認めるネット音痴ですからね。

 パソコンはあるけど、原稿とブログを書くのと、メールのやり取りにしか使いません。
 スマホを持たないので、「検索」もしません。
 調べごとは、すべて辞書か図書館です。
 車には、ナビが付いていませんので、今でも道路地図が必需品です。

 それでも別段、不自由はありません。
 いえいえ、逆に、知識は身に付くし、場所は覚えるし、いいことのほうが多いと思います。
 自分で答えを導くことは、とても楽しいことなんです。
 ただ、時間と手間がかかります。

 現代社会では、それを “不便” というのかもしれませんね。


 先日、紹介した 『d design travel 群馬』(D&DEPARTMENT PROJECT)。
 デザインの視点で全国47都道府県の魅力を発信している観光ガイドブックです。
 実際に編集部が現地に暮らすように滞在して、取材して、原稿を書くという、業界の常識では考えられない手間をかけた編集をしています。

 この本の表紙を開くと、最初に書かれているのが 『編集の考え方。』 です。
 ・必ず自費でまず利用すること。実際に泊まり、食事し、買って、確かめること。
 ・感動しないものは取り上げないこと。本音で、自分の言葉で書くこと。
 <中略>
 ・写真撮影は特殊レンズを使って誇張しない。ありのままを撮ること。
 ・取り上げた場所や人とは、発刊後も継続的に交流をもつこと。

 同感です。
 まさに僕の取材方針と同じです。
 “共感” や “感動” は、実際に見て、聞いて、体験し、表現したモノに対してのみ与えられる称賛であります。

 安易に 「いいね」 を欲しがるものではありません。
  


Posted by 小暮 淳 at 16:16Comments(0)取材百景

2017年11月02日

好評につき 第2弾発売!


 2016年4月に発売された 『ぐんまの源泉パスポート』(上毛新聞社)。
 おかげさまで発売後、すぐに増刷となり、すでに1万部を販売しています。

 ところが、利用できる入浴割引クーポン券の期限が、2017年12月末と迫っています。
 そこで好評につき、急きょ第2弾が明日、緊急発売されることになりました。

 『ぐんまの源泉パスポート 2018-19年版』(定価 800円+税) です。


 今回もクーポン券が20枚ついています。
 大人のみ1回、1枚100円引きで利用できます。
 ということは、8回利用すれば、本代はタダになるということです。

 しかも! 利用する入浴施設の指定がありませんから、お気に入りの温泉で、何回でも利用ができます。
 なかには “2枚利用” “3枚利用” が可能な施設もあるんですよ。
 これは、お得です!


 前回は真っ赤な表紙のパスポートでしたが、今回はホワイトです。
 書店、コンビニ、入浴施設(一部旅館でも利用できます) で見かけたら、ぜひ一度、手に取ってみてください。
 いえいえ、見ているだけでは得になりませんので、お買い上げくださいね。

 ※本書には群馬県内の96温泉157施設が掲載されています。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:11Comments(0)温泉雑話