温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2020年10月31日

あっぱれ! 半世紀ライダー


 僕は、つい最近まで、ずーーーーーっと、「バッタ」 だと思っていました。
 でも、「イナゴ」 なんですってね(笑)。
 この違い、分かります?
 (なんだか、「『おはぎ』 じゃなくて、『ぼたもち』 だよ」 と言われた感じ)

 大きな赤い目、V字型にのびる触覚、そして、今にもかみつきそうなギザギザの口……
 そうです! 正義の味方 「仮面ライダー」 のことです。

 なんでも来年、テレビ放送開始から50年を迎えるそうです。
 初代仮面ライダー、本郷猛役を演じた藤岡弘さんの第1作から最新作の 「仮面ライダー セイバー」 まで、シリーズは30作を超えるといいます。
 昭和、平成、令和の3つの時代にわたり、子供たちに愛され続けている現役のヒーローは、仮面ライダーだけでしょうね。


 実は僕、仮面ライダー世代ではありません。
 テレビ放送が開始された1971年4月は、すでに中学生になっていたので、まったく興味がありませんでした。
 (ズバリ、僕はウルトラマン世代です)

 でも、仮面ライダーには、2つの思い出あります。


 1つは、中学2年生の時のクラスメート、A君とT君という熱狂的な仮面ライダーファンの存在です。
 必ず休み時間になると2人は、校庭の真ん中で “ライダーごっこ” をしていました。

 「トーッ!」 「キック!」
 の叫び声に、毎度、見物人となったクラスメートたちは、笑い転げていました。
 「中学生にもなって、幼稚だな」
 というのが大半の声でしたが、僕は彼らを温かく見守っていました。

 それは、なぜか?

 「仮面ライダースナック」 を毎日もらえるからです。
 彼らは当時、スナック菓子に入っていたカードが目当てなものだから、大量に購入してはカードだけ抜いて、中身はクラスメートに配っていたのです。

 40年後に同窓会で2人にあった時、その思い出を話しました。
 「ハハハ、そんなこともあったね」
 と笑い飛ばされてしまいましたが、僕はホッとしたのでした。

 だって2人とも、立派な “おじさん” になっておられたのですもの。


 2つ目の思い出は、たびたび、このブログでも紹介した劇団の話です。
 20歳の頃、僕は東京で子供向けの着ぐるみ劇団に在籍していました。
 ウルトラマンショーやルパン三世ショーなど、全国のデパートや商店街のイベント会場を回っていました。
 その中に、仮面ライダーショーもあり、運動神経のにぶい僕は当然、ヒーロー役にはなれず、いつもショッカーの戦闘員の役でした。

 ご存じ、「イー!」 という奇声を発しながら登場する、全身黒づくめタイツ姿のその他大勢の悪役です。
 タイツが薄いため、股間がモッコリとしていて、いつも恥ずかしかったことを覚えています。
 ※(詳しくは、当ブログの2013年4月15日 『ショッカーの「イー!」』 参照)


 数少ない思い出ですが、きっと世代ごとに、それぞれの思い出があるんでしょうね。
 放送開始から半世紀
 3つの時代を走り抜けるヒーロー

 あっぱれ!であります。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:06Comments(0)つれづれ

2020年10月30日

自宅で温泉気分を


 中之条町観光大使からのお知らせです。

 GoToキャンペーンの効果もあり、温泉地はどこも賑わいを取り戻しつつあるようです。
 一方で、「温泉なんて行っている余裕なんてない」 「キャンペーンを利用できる人なんて一部だ」 という声も聞こえています。
 このコロナ禍は、時間とお金のある人と、そうでない人の格差を、より広げてしまっているのかもしれません。


 「温泉に行きたい、でも行けない」
 そんな人に、心ばかりの朗報をお伝えします。
 自宅で温泉気分を味わってみませんか?

 僕が観光大使を務める群馬県中之条町では、このたび、四万温泉と沢渡温泉と六合(くに) 温泉郷の3温泉地の湯を再現した入浴剤セットを発売しました。
 それぞれ単品で販売していましたが、各温泉の違いを自宅で気軽に楽しめるようにとセット販売を始めました。

 中之条町のキャッチフレーズは、『花と湯の町なかのじょう』。
 パッケージには、このロゴや温泉の雰囲気をイメージしたイラストが描かれています。

 観光大使としては、「ぜひ、中之条町に来てください」 と言いたいのですが、このご時世です。
 せめて、少しでも群馬の温泉を感じていただければと思います。


 「花と湯の町なかのじょう BATH SALT」
  1箱3袋入り (1袋25g) 520円
 ※協会事務所、道の駅 「霊山たけやま」、中之条ガーデンズなどで販売。
 ●問合/中之条町観光協会 TEL.0279-75-8814
   


Posted by 小暮 淳 at 12:35Comments(0)大使通信

2020年10月29日

特別番組 『ぐんま温泉ラジオ』 4時間生放送!


 都道府県魅力度ランキングで、40位に躍進した群馬県。
 山本知事は 「うれしくない」 なんて言ってましたが、きっと知事が草津町出身だからではないでしょうか?
 もし、ジャンル別の魅力度ランキングで 「温泉部門」 があったなら、必ずやベスト3に入っていることでしょうね。

 そうです!
 群馬は言わずと知れた全国トップクラスの温泉県なのです。

 そんな温泉県ならではのラジオ番組が、来週放送されます。
 しかも、4時間の生放送!
 題して、
 FM GUNMA 開局35周年記念
 特別番組 『ぐんま温泉ラジオ』


 番組のパーソナリティーは、お笑い芸人 「アンカンミンカン」 の川島大輔さんと歌手のminanさん (lyrical school)。
 そして、ゲスト解説者として温泉ライターの小暮淳さん (僕です) が出演します。

 番組では、レポーターが県内の温泉地から中継をしたり、有名温泉地の女将さんたちが本音で語る座談会の様子なども生中継します。
 また、放送中に届いたリスナーからの 「温泉メッセージ」 に、その都度、僕がコメントしますので、ドシドシ応募ください。
 県内の好きな温泉、思い出の温泉、こだわりの入浴法、おすすめ温泉グッズや温泉グルメ、みやげなど、温泉にまつわるメッセージならば、なんでもOK!
 もちろん、温泉に関する質問も大歓迎です。
 お待ちしています。

 ※FM GUNMA ホームページの 「特設サイト」 から自由にお送りください。
 抽選で、ペア宿泊券など豪華なプレゼントが当たります。


       FM GUNMA 開局35周年
      特別番組 『ぐんま温泉ラジオ』

 ●放送局  エフエム群馬 (86.3MHz)
 ●放送日  2020年11月3日(火・祝) 12:00~15:55
 ●出演    川島大輔 (アンカンミンカン) minan (lyrical school)
 ●ゲスト   小暮淳 (温泉ライター)
   


Posted by 小暮 淳 at 14:00Comments(0)テレビ・ラジオ

2020年10月28日

温泉考座 (41) 「北に名湯 南に薬湯」


 「なーんだ、ここは沸かし湯か!」

 時々、温泉場で、こんなことを言う人を見かけます。
 決まって年配の男性です。
 “沸かし湯” とは、温度の低い温泉を加温して使用していることを指す言葉です。
 この人たちは、本物の温泉は、すべて温かいものだと思い込んでいるようです。

 しかし現在の温泉法では、温度が25度以上あれば無条件に 「温泉」 と認める一方、温度にかかわらず定められた成分が基準値以上含まれている場合も 「温泉」 と認めます。
 このあたりが、年配の人たちには誤解を招きやすいのでしょう。
 なぜなら昔 (戦前) は、地中から湧き出る泉は飲用を除き、すべて 「鉱泉」 と呼んでいました。
 そのうち温かいものを 「温泉」、温度の低いものを 「冷泉」 (冷鉱泉) と呼び分けていたからです。

 群馬県は、赤城山―榛名山―浅間山の火山ラインを境にして、北側の山岳部には温度の高い温泉が湧き、南側の平野部では温度の低い温泉が湧いています。
 例外を除いて、火山帯のない平野部に高温泉が自然湧出することはありません。

 平成以降、ボーリング技術が飛躍的に進歩し、大深度掘削による平野部の温泉が急増しました。
 地温は100メートル深くなるごとに2~3度ずつ上昇しますから、平均地温が15度だとしても1,000メートル以上掘れば、40度以上の温かい温泉を掘り当てることができるのです。
 温泉法では25度以上あれば 「温泉」 と認められますから、日本中どこでも温泉が湧いてしまうことになります。

 そんな現代において、わざわざ加温してまで入る冷鉱泉の存在は見逃せません。

 県の南部には開湯から何百年と経った今でも、その効能を求めて遠方より多くの人が訪れている薬湯が点在します。
 坂口温泉 (高崎市) 、猪ノ田温泉 (藤岡市) などは、昔から 「薬師の湯」 と呼ばれ湯治場として親しまれてきました。

 医学が発達していなかった時代のこと。
 万病を治してくれる薬師の湯は、人々のよりどころだったに違いありません。
 だから私は、冷鉱泉のことを 「沸かし湯」 だなんて言えません。

 群馬は、「北に名湯あり、南に薬湯あり」。
 そう思っています。

 ※坂口温泉は現在、休業しています。


 <2014年3月5日付>
  


Posted by 小暮 淳 at 11:15Comments(4)温泉考座

2020年10月27日

自爆テロと前三百貨店


 新聞の片隅に、なんとも釈然としない記事を見つけました。

 <転落巻き添え 女子学生死亡>

 大阪市梅田の商業施設の屋上から飛び降りたと思われる男子高校生に直撃され、意識不明の重体だった女子大学生が死亡したというニュースです。
 男子高校生は自殺で、女子大生は路上を歩いていただけのようです。
 いわゆる自殺の巻き添え事故です。

 僕は、この “巻き添え” が、どうしても腑に落ちません。

 飛び降り自殺による巻き添え事故は、決して珍しいことではありませんが、二次災難は防げなかったのでしょうか?
 このコロナ禍の中、自殺者が急増しています。
 死にゆく者のモラルが問われる災難です。


 あれは、半世紀以上前の記憶です。
 昭和39(1964)年、僕が暮らす前橋市に県内初の本格的百貨店が誕生しました。
 「前三」 です。
 地下1階、地上6階建て。
 当然、当時の中心市街地では、一番高い建物となりました。

 小学生になりたての僕らにとってデパートは、まさに夢の国の御殿です。
 屋上の遊園地で遊んだ帰りに、最上階の展望レストランで、ライスの上に国旗が立った 「お子様ランチ」 を食べるのが最高の贅沢でした。

 デパートガールのきれいなお姉さんたちを見るのも、楽しみの一つ!
 そのデパートガールの中に、近所のお姉さんを見つけた時の驚きといったらありません。
 デパートガールは当時の花形職業でしたから、羨望のまなざしの中、「僕が知っているお姉さんだ!」 という誇らしい気持ちになりました。


 そんな夢の世界が、急転直下、恐怖の現場に転じる出来事が起きました。
 前三百貨店初の飛び降り自殺のニュースです。

 昔も今も、死を求める人の思考は変わらないのですね。
 県内一高い公共の建物ができれば、そこから飛び降りることを考える人が現れるものです。

 実はこの時、僕のクラスメートが巻き添えに遭いました。
 母親と買い物に来ていたM君です。
 九死に一生、間一髪で彼は助かりましたが、ショックは大きかったようです。

 「目の前に突然、人が降って来たんだ……」
 その恐怖は、想像を絶します。
 もし、あの時、彼を直撃していたら、今、彼は、この世にいないのです。

 実は彼、校内一の頭脳明晰の持ち主だったのです。
 その後の彼の人生は、まばゆい軌跡をたどります。
 現在、某大学教授である彼は、さる分野では日本を代表する研究者であります。
 時々、テレビのニュース番組などで顔を拝見するのですが、そのたびに僕は、半世紀以上前の前三百貨店での惨事を思い出すのです。

 あのとき、あと数センチずれていたら、今の君はいないんだ……


 自殺をするのは自由だ!
 とは言えません。
 できれば、思いとどまってほしい。

 それでも死を選ぶのなら、せめて他人を巻き込むことだけはやめてほしい。
 なぜなら、その行為は、自爆テロによる無差別殺人と、なんら変わらないから。


 二度と、こんな事故が起こらないようにと冥福を祈るばかりであります。合掌
  


Posted by 小暮 淳 at 13:11Comments(0)つれづれ

2020年10月26日

温泉考座 (40) 「不思議な井戸水」


  このカテゴリーでは、ブログ開設10周年を記念した特別企画の第3弾として、2013年4月~2015年3月まで朝日新聞群馬版に連載された 『小暮淳の温泉考座』(全84話) を不定期にて、紹介しています。
 (一部、加筆訂正をしています)


 “温泉だと思ったら水道水だった!”
 
 平成16(2004)年、日本列島をショッキングなニュースが駆けめぐりました。
 長野県の温泉地で発覚した入浴剤投入事件に端を発し、全国で水道水や井戸水を沸かして温泉と称していた事実が、次々と報道された 「温泉偽装問題」 です。

 ところが、この騒動とは、まったく正反対のいきさつを持つ温泉宿があります。

 大胡温泉 「旅館 三山センター」 の女将、中上ハツヱさんが旧大胡町 (前橋市) の農家に嫁いだのは、昭和31(1956)年のこと。
 「いつか商売をしたい」 と思っていた女将は、13年後に飲食店を開業。
 さらに13年後には、宿泊棟を増設して念願の旅館経営を始めました。
 この時、井戸を掘り、井戸水を沸かして大浴場を造りました。

 平成6(1994)年の夏、3人の女性客が4日間滞在し、日に4~5回入浴して帰って行きました。
 1ヶ月ほどした、ある日のこと。
 同じ客の一人が訪ねて来て、「ここの湯のおかげで、神経痛が治った」 と、礼を述べたといいます。
 どうも客は、ここの湯が温泉だと思っていたらしいのです。

 驚いたのは、女将のほうでした。
 「ならば持病のリウマチにも効果があるかもしれない」 と、その日から毎日、2~3回の足湯と朝夕の入浴を続けたところ、2ヶ月後に腕の激痛が治まり、4ヶ月後には完全に痛みが消えてしまったといいます。

 その間にも客からは 「よく温まる」 「湯冷めをしない」 という声が多くなり、「もしかしたら、ただの井戸水ではなく、温泉かもしれない」 と県に検査を依頼したところ、『メタけい酸をはじめとする多くの成分が含有』 する天然温泉であることが判明。
 旅館を始めて、ちょうど13年目のことでした。

 これが口コミで広がり、リウマチや神経痛に苦しむ人たちが、うわさを聞きつけ、県内はもとより東京や埼玉方面からも連日やって来るようになりました。

 「私の人生は、いつも13年ごとに転機がやって来るのよ」
 そう言って女将は笑いますが、世の中には不思議な話があるものです。


 <2014年2月26日付>
  


Posted by 小暮 淳 at 11:41Comments(4)温泉考座

2020年10月25日

『昭和のくらしをのぞいてみよう』展 開催中!


 こんにちは!
 群馬県立歴史博物館 「友の会」 運営委員の小暮です。
 今日は、開催中の展示会のお知らせをいたします。

 現在、群馬県立歴史博物館では、常設展のほか、2つの展示会を同時開催しています。
 1つは、第102回企画展 『空からグンマを見てみよう』。
 国絵図・城絵図・町村絵図により、鳥になった気分で江戸時代の群馬を探訪します。

 もう1つは、第16回テーマ展示 『昭和のくらしをのぞいてみよう』。
 昭和30~40年代を中心に伝統的な道具や高度成長期に登場した家電 (家庭電化製品) など、知っている人には懐かしく、知らない世代には新しい発見となる品々が展示されています。


 今日、僕は役員会議があり、博物館を訪ねました。
 終了後、子どもの頃にタイムトリップしてきました。

 ちゃぶ台を囲んだ一家団らんの茶の間の風景。
 茶だんす、ラジオ、白黒テレビ、黒電話……

 極めつけは、スバル360が納車された日を再現した一家のジオラマです。
 「私のお父さん。はじめて家に車が来たとき、びっくりしたのよ。お兄ちゃんが、大こうふんしちゃってね」
 なーんていう、おばあちゃんの声が聞こえてきそうです。
 そのおばあちゃんは、ブラウスに吊りスカート、おかっぱ頭で、家の中から新車を眺めています。
 「おばあちゃん、おかっぱと赤いスカートかわいい!」  
 孫の声まで聞こえてきました。

 僕個人としては、蚊帳 (かや) の展示が懐かしかった~!
 よく、はずした蚊帳の中で、いとこと遊んだものでした。
 ほかにも練炭や豆炭あんか、湯たんぽ、毛糸の編み機、足踏みミシンなどなど、子どもの頃に目にしていた日用品の数々。
 時を忘れて、見入ってしまいました。

 ぜひ、みなさんも昭和の良き時代に、タイムトリップして来てください。


  『昭和のくらしをのぞいてみよう』 2020年10月3日(土)~2021年2月7日(日)
  『空からグンマを見てみよう』 2020年10月17日(土)~12月6日(日)

 ●会場  群馬県立歴史博物館 (群馬県高崎市綿貫町992-1)
 ●開館  9:30~17:00 (月曜休館日、祝日の場合は翌日、年末年始)
 ●料金  一般300円 (600円) 大高生150円 (300円) 中学生以下無料
        ※ ( ) は 『空からグンマ~』 を含む料金
 ●問合  TEL.027-346-5522
   


Posted by 小暮 淳 at 16:00Comments(0)ライブ・イベント

2020年10月24日

はじめてのデジタルデバイド


 「このたびは快諾していただき、ありがとうございます。つきましては一度、リモートにて打ち合わせをさせていただけますでしょうか?」

 き、き、キターーーーッ!
 ついに、この瞬間が来ました。
 いつ来るんだろうかと、恐れおののいていたのですよ。
 だって、僕は旧人類も旧人類。
 できれば原稿だって、原稿用紙に書いて渡したいと思っている古き良き時代を引きずった “昭和の化石” のような人間ですからね。

 お恥ずかしながら、いまだにスマホは持っていませんし、パソコンにズーム機能もありません。
 それでも現代社会に取り残されまいと、必要最低限の設備だけは整え、仕事先に、なるべく迷惑をかけないように努力はしているつもりです。

 そこへ、このコロナ禍です。
 世の中は 「3密」 を避けて、会議や商談、呑み会までもがオンラインによるリモートで行われ始めました。
 これも時代の流れ、世の常であります。


 その昔、といっても30年以上も前の話です。
 世の中に、“ファクス” という文明の利器が普及したころ。
 ちょうど僕は、雑誌社に勤め出しました。

 「ファクスって、便利ですね。でも無かったころって、原稿の受け渡しや校正って、どうしていたんですか?」
 そう、編集長に尋ねたことがあります。
 編集長、いわく、
 「そりゃあ、先方へ取りに行ってたんだよ」
 「校正は?」
 「それも届けていたよ」
 「ひぇ~、大変でしたね?」
 「だったね。便利な世の中になったもんだ」

 今では、原稿の受け渡しはメールですから、さらに便利になりました。


 閑話休題

 で、今、問題になっているのが 「デジタルデバイド」 です。
 訳すと、“情報格差” という意味のようです。
  I T を使いこなせる人と、そうでない人の間に生じる貧富や機会の格差のことを言うそうです。

 まさに、そのデジタルデバイドを感じる瞬間が、僕にも訪れたのです。


 「あ、あのう……、そうですね。いえ、こちらから伺いしますよ。そのほうが、打ち合わせもしやすいでしょう?」
 「えっ、よろしいんですか? わざわざ来ていただいても?」
 「ええ、日時を指定していただければ伺います」
 「申し訳ありません。ありがとうございます」

 ということで、今回は難なくクリアすることができました。
 が、今後は分かりません。


 「便利になった」 と喜んでいた昭和
 「便利になり過ぎた」 と戸惑っている令和
 いったい、これから、どんな世の中になるんでしょうか?
   


Posted by 小暮 淳 at 12:33Comments(0)つれづれ

2020年10月23日

温泉考座 (39) 「本当の豊かさとは?」


 「お客が変わった」
 戦前から商いを続けている老舗旅館に話を聞くと、必ず返って来る言葉です。
 昔の客は 「泊めていただく」、今の客は 「泊まってやる」 なのだそうです。
 「温泉が、ありがたかった時代の話ですよ」
 そう言ったご主人がいました。

 背景には、高度成長期以降の温泉地の変貌があります。
 その昔、「温泉へ行く」 といえば “湯治” のことですから、客はすべて長期滞在者でした。
 自ら食糧を持ち込み、自炊をしながら何日も過ごします。
 ですから湯と床を提供してくれる宿に対して、「泊めていただく」 という感謝の気持ちがありました。

 しかし、1泊2食の宿泊が主流となった現在、温泉地は日常のストレスを発散する観光地となってしまいました。
 客は “上げ膳据え膳” の食事と、“お殿様あつかい” される過剰サービスに優越感を求めるあまり、「泊まってやる」 という横柄な態度になったといえます。

 平成以降に増えた日帰り温泉施設が拍車をかけました。
 わざわざ遠い山奥まで行かなくても、街の中で温泉に入れるようになったからです。
 「温泉があるだけでは客はやって来ない」 と旅館やホテルは、ますます料理やサービス、設備に力を入れ、温泉以外の付加価値を売り物にするようになりました。

 “湯が神様” だった時代は、はるか昔のこと。
 今では “客が神様” へと主客転倒してしまいました。
 「露天風呂がない」 「貸切風呂がない」 「洗い場にシャワーがない」 「部屋にエアコンがない」 「川の音がうるさくて眠れない」 「館内に虫がいる」 ……。
 そんなクレームの嵐に、秘湯の宿から悲鳴が聞こえてきます。

 「質素な料理でも長期滞在をしながら、のんびりと湯を浴(あ)んでいた時代と、1泊で豪華な料理をお腹いっぱい食べて、翌日には帰ってしまう現代と、どちらが豊かなんでしょうね?」
 そう言った女将さんがいました。

 本当の豊かさとは?
 
 温泉地の変遷を通して、おぼろげながら答えが見えてくるようです。


 <2014年2月19日付>
   


Posted by 小暮 淳 at 11:01Comments(2)温泉考座

2020年10月22日

百害あっても一利あり


 先週、ラジオを聴いていたらゲストコメンテーターの男性が、こんなことを言っていました。
 「今朝、突然、差し歯が抜けましてね。ヤバイ!と思ったんですけど、マスクがあったおかげで助かりました。コロナ禍になって、初めてのいい事ですよ」

 へー、そんな人がいるんだ。
 これも “コロナの効用” のうちかもしれないね。
 なーんて、対岸の火事として聞き流していたのですが……


 今週の月曜日、対岸から火の粉が飛び散って来ました。
 ガリッ! (本当は、ポリッくらい)
 食事の途中に、突然、前歯が半分、欠けてしまいました。

 ヤバッと思い、洗面所に駆け込み、鏡の中の自分に笑いかけました。
 「ほほう、こんなもんか。大きく口を開けなければ、そんなに目立たないな。よし、これなら大したことはない」
 と、きびすを返した瞬間、

 ああああああああああ~!

 「明日は講演じゃないか! 今から歯医者に予約を入れても間に合わないぞ!」
 と、再び、あわてふためいた時でした。
 あの、ラジオの中のコメンテーターの声が、天恵のように舞い降りてきたのであります。

 <あわてるでない。今はコロナ禍じゃ。マスクがあるではないか>


 ということで、難なく講演は終了しました。
 聴講者はもちろんのこと、会場の担当者にも一切、前歯が欠けていることを知られることはありませんでした。

 マスクに感謝!


 きっと世の中には、マスクにまつわる悲喜こもごものエピソードが生まれていることでしょうね。
 女性は口紅を付けなくなったり、男性はヒゲを剃らなくなったり、“口を隠す” ことによる弊害は多々ありそうですが、とりあえず僕の場合、良いほうへ転びました。

 「コロナは百害あっても一利あり」 であります。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:40Comments(0)つれづれ

2020年10月21日

おやま!あれま! ほっこり温泉講座


 ♪ おやま あれま 小山ゆうえんち~ ♪

 なんとも懐かしいメロディーです。
 その昔、昭和の時代に流れていたテレビCMを口ずさみながら、僕は駅前通りを歩き出しました。


 昨日、栃木県小山市へ行って来ました。
 この街を訪ねるのは、なんと、44年ぶりであります。

 44年前とは?
 はい、僕は高校生であります。
 当時、お付き合いしていた女子高生と両毛線に乗って、この街に降り立ち、「小山ゆうえんち」 でデートをしたのです。
 後にも先にも、僕と小山市との関係は、この1回限りでした。
 ※(「小山ゆうえんち」 は、すでに廃業し、現在はショッピングセンターになっているとのことです)


 では今回、なぜ、小山市を訪ねたのか?

 はい、お仕事です。
 小山市立中央公民館で開催された市民講座の講師として招かれました。

 「ほっこり温泉講座」 といい、前編・後編に分けて全2回開催され、その初日が昨日でした。
 第1回目の昨日は、「温泉は楽し ~神様のいる湯~」 と題して、温泉の成り立ちや歴史、令和までの温泉地の変遷の様子をお話ししてきました。

 たっぷり2時間、聴講者と僕のガチ講座です。
 でも、どこへ行っても温泉好きは、いるんですね。
 白熱した講話となり、途中で何度も質問が飛び出しました。
 休憩中や講座終了後も質問の嵐!

 栃木県民の温泉愛を感じたました。


 次回は、11月10日㈫ 10時~12時。
 「続・温泉は楽し ~かしこい湯選び~」 と題して、開催されます。

 基本、2回セットの講座ですが、後編のみの受講も可能とのことです。
 また、小山市民以外の方でも申し込みはできます。
 詳しくは下記まで、お問い合わせください。

 ●小山市立中央公民館 TEL.0285-22-9562・9563
  (栃木県小山市中央町1-1-1)


 では来月、また同じ会場で、お待ちしています。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:01Comments(2)講座・教室

2020年10月19日

温泉考座 (38) 「青い鳥が見つけた魔法の水」


 「古湯 (ことう)」 といわれる歴史のある温泉地には、必ずといっていいほど温泉の発見伝説が残っています。
 いくつかのパターンがあるのですが、その一つに 「動物発見伝説」 があります。

 クマ、シカ、サル、イノシシ、ツル、イヌ、ヘビ、キツネ、タヌキ……。
 傷や病を負った動物が、温泉につかっているのを猟師や村人が見つけたと語り継がれているものです。
 史実かどうかは、はなはだ怪しいのですが、鹿沢温泉 (嬬恋村) や鳩ノ湯温泉 (東吾妻町)、猪ノ田温泉 (藤岡市) のように動物の名が付いている温泉地もあり、調べ出すと興味は尽きません。
 昭和以降に発見された温泉の中には、史実として発見のエピソードが語られている温泉もあります。

 群馬県の最南端、埼玉県と隣接する上野村に野栗沢温泉 「すりばち荘」 という一軒宿があります。
 まさに、すり鉢のようなV字谷の底にある小さな旅館です。
 昭和58 (1983) 年、地元に生まれ育った黒沢武久さん (故人) が、泉の水を引いて旅館を開業しました。

 「とにかく、この水を飲んでみろ! 絶対に二日酔いしないから」 と、最初に泊まった晩に、ご主人にすすめられて飲んだ源泉は、かなり塩辛い塩化物泉でした。
 ところが、この水は、魔法の水だったのです。

 上野村には、昔から青い鳥が飛来していました。
 アジアの限られた地域に分布する、緑色の美しい羽を持つ 「アオバト」 です。
 海水を飲むことで知られ、日本では北海道~四国、伊豆七島などで繁殖し、温暖地で冬を越します。
 上野村に姿を見せるのは、5~10月の半年間。
 海水に似た泉の水を飲みにやって来ます。
 その数、約3千羽!

 「野栗沢の人は昔から、この鳥を捕まえて食べていたんだよ。産後の肥立ちが悪い婦人に食べさせれば、見る見る回復した。また泉の水を飲みながら農作業をすると、不思議と疲れないんだ。水筒に入れて、畑仕事に持って行ったものだよ」
 と、ご主人は話してくれました。

 現在は、アトピー性皮膚炎など皮膚病に効く温泉として、全国から湯治客が訪れています。


 <2014年2月5日付>
  


Posted by 小暮 淳 at 10:50Comments(0)温泉考座

2020年10月18日

今こそ湯治場の復活を


 本来ならば、毎年この時期、NPO法人 「湯治乃邑(くに)」 主催による 「公開パネルディスカッション」 開催のお知らせをしているのですが、コロナ禍であるゆえ、感染拡大を懸念し、今年は中止とさせていただきました。
 楽しみにしていた方、毎年お越しいただいていた方には、お詫びを申し上げます。
 来年、通常開催できることを、主催者としても切に望んでいます。

 「湯治乃邑」 は、2015年に設立した特定非営利活動法人です。
 目的は1つ、“湯治場の復活を考える” です。
 このスローガンは、毎年開催している公開パネルディスカッションのタイトルにもなっています。
 群馬県内の温泉・介護・医療関係者を招き、フリートークにて討論をしていただいています。


 昨日は、年に1回の総会日でした。
 高崎市に借りている事務所の会議室に、役員が集まりました。

 理事長のあいさつから始まり、事業報告、決算の承認、次年度事業計画と予算についての報告がありました。

 設立から5年、改めて 「湯治乃邑」 の活動意義を考えました。
 次年度の事業計画書の中に、「事業実施の方針」 という項目があり、こう記されています。

 <日本の温泉文化を守るため、絶滅危惧される源泉一軒宿を本来の湯治機能とリハビリ・介護機能とのコラボレーションにより事業再生・事業承継を支援する。調査を基に再生のため必要な活動を行う。>


 5年前の志が、よみがえってきます。
 役員、会員一丸となって、コロナ禍の中だからこそ、温泉の力、湯治の必要性を訴えていこうと思います。

 今後とも更なる支援、および叱咤激励、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。


 NPO法人 「湯治乃邑」 代表理事  小暮 淳
   


Posted by 小暮 淳 at 10:51Comments(0)湯治乃邑

2020年10月17日

連載再開 『ほろ酔い街渡』


 <長引きそうな “ウイズコロナ” の世の中だが、読者の期待に背中を押されながらもソーシャルディスタンスを保ち、マスク着用の出で立ちで、久しぶりに高崎駅に降り立った。>
 こんな書き出しで、連載が再び始まりました。


 高崎市民のみなさん、大変お待たせしました!
 月2回、高崎市内に配布されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に、2018年3月より不定期連載されている 『群馬の地酒 ほろ酔い街渡(ガイド)』。
 今年の1月の掲載以来、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けストップしていた取材が、満を持して再開しました。

 そして、昨日発行された 「ちいきしんぶん」 10月16号で、不死鳥のごとく復活したのであります!
 タイトルは、「小栗上野介ゆかりの酒を訪ねて」。
 再開にふさわしく、群馬県最古の酒蔵である牧野酒造 (高崎市) を取材しました。


 このシリーズタイトルには、「公共交通機関で行く」 という副題が付いています。
 以前、同紙で連載し、のちに書籍化された 『里山を行く』 や 『ぶらり水紀行』 同様、あえて車を使わずに、電車とバスを乗り継いで、足で書く取材を続けています。
 ※(書籍は上毛新聞社より 『ぐんまの里山てくてく歩き』 として出版されています)

 それは、なぜか?
 とうぜん! 酒が呑みたいからであります。

 酒蔵を訪ね、酒を呑まずして、文章が書けますか?
 もし、それをやっちまったら、温泉ライターが温泉に入らずに、温泉のうんちくを書いているようなもの。
 フードライターが、料理を食べずして、グルメを気取っているのと同じです。

 ということで今回も、電車とバスを乗り継いで、丸1日かけて “ほろ酔い” ながら街を渡って来ました。
 バスの乗り継ぎ時間があれば、コンビニに駆け込み、缶ビールを買って、バス停で呑み。
 取材が終わって、高崎駅に着けば、そのまま居酒屋へ直行。
 という、のん兵衛による、のん兵衛のための、のん兵衛エッセイを書くために、取材を続けています。


 「ぐんまの地酒大使」 として、群馬県内の全酒蔵を制覇するまで!
 酒好きの方はもちろんのこと、そうでない方でも楽しめる旅エッセイです。

 今後の連載を、ご期待ください!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:54Comments(0)執筆余談

2020年10月16日

がんばれ! 3兄弟


 茨城県は、よろこんでいます。
 栃木県は、落ち込んでいます。
 さて、群馬県は?

 今年も 「都道府県別魅力度ランキング」 の調査結果が発表されました。
 話題は、もっぱら茨城県が最下位を脱出したことのようです。
 42位に浮上しました。

 一方、栃木県が前回の43位から、まさかの47位へ!
 茨城県と入れ替わり、またしても北関東勢が最下位となってしまいました。


 では、我らが群馬県は?
 前回は45位でしたが……
 なななんと!
 5ランクアップして、過去最高の40位となりました!

 山本知事は、「うれしくない」 なんて強がってましたが、とりあえず躍進したのですから、ここは素直に喜びましょうよ。


 さて、気になるのは、その順位の変動理由であります。
 まず最下位を脱出した茨城県は、「地元出身のタレントが農産物などを紹介して認知度を高めた」 とコメントしています。
 不思議なのは、逆に最下位に転落してしまった栃木県の理由です。
 栃木県といえば日光という世界遺産もあり、イチゴや餃子という全国レベルの名物もあります。
 「コロナの影響で、観光地を訪れる人が激減したから」 とのコメントがありましたが、いささか、説得力に欠けます。
 コロナの影響は、日本全国ですからね。

 我が群馬県については、こんなコメントがありました。
 「コロナ禍を背景に健康や自然に関する旅行先として温泉への関心が高まったのでは」
 ほーら、栃木県とは真逆の理由を挙げているんですよ。

 これは、“温泉県ぐんま” の勝利ということですかね!


 とはいっても、北関東3県は47都道府県中、すべて40位以下です。
 目クソが鼻クソを笑っている場合ではありません。
 ここは北関東の3兄弟が、手に手を取って一丸となり、来年は一気に上位を目指そうではありませんか!

 がんばれ! 3兄弟


 ♪ いちばん上は 群馬
   いちばん下は 栃木
   あいだにはさまれ 茨城
   北関東3兄弟 ♪
  


Posted by 小暮 淳 at 12:31Comments(0)つれづれ

2020年10月15日

温泉考座 (37) 「未病のための湯治」


 「温泉は病気には効かないが、病人には効く」
 と言われます。
 これは、どういうことでしょうか?

 温泉には様々な効能があり、その泉質で効果がある症状を 「適応症」 といいます。
 温泉地に掲示されている 「温泉分析書」 の適応症の項目を見ると、神経痛や関節痛、筋肉痛、五十肩などの疾患や症状、または消化器病や皮膚病、婦人病、動脈硬化症、高血圧症といった慢性病のたぐいが書かれています。

 しかし、決して病気や症状が “治る” とは書かれていません。
 日本で温泉療法は、医療としてヨーロッパのようには認められていないからです。

 では、なぜ温泉には効能があるのでしょうか?
 これが 「温泉は病気には効かないが、病人には効く」 と言われるゆえんです。
 言うなれば温泉には、漢方でいうところの “未病 (未然に病気を防ぐ)” 効果があるのだと、私は考えます。

 日本人の平均体温は36.5度前後ですが、最近は35度台の低体温の人が増えているそうです。
 この低体温化は、入浴をシャワーだけで済ます人が増えたことと無関係ではありません。
 シャワーは体の汚れを洗い流すだけで、入浴のように体を温めることができないからです。

 体温が1度上がると体内の免疫力は5~6倍アップし、逆に1度下がると約30%も下がると言われます。
 風邪を引くと発熱するのも、白血球がウイルスと戦うために好条件とされる37.2度以上に体内温度を上げているためです。
 また、がん細胞が最も活発になるのは体温が35度の時という説もあります。
 だとすれば低体温が、いかに病気の温床となるかが分かります。

 昔の日本人が季節や労働の節目に湯治へ出かけたのも、病気を治すだけの目的ではなかったと思います。
 温泉に入ることで、体温を上げて免疫力を高め、予防を心がけていたと解釈する方が正しいかもしれません。
 先人たちは長い間に培われた健康への知恵として、湯治という民間療法を実践していたのです。

 私たち現代人も、未病のための湯治文化を、もっと生活に取り入れるべきだと思います。


 <2014年1月29日付>
  


Posted by 小暮 淳 at 11:00Comments(0)温泉考座

2020年10月14日

我が青春のワカメ


 また芸能界から訃報が飛び込んできました。
 俳優の森川正太さんです。
 12日、胃がんのため亡くなられました。
 67歳でした。

 といっても若い人たちは、ご存じないかもしれませんね。
 最近はテレビに出ていませんでしたから。
 でも劇団を主宰し、舞台では活躍していたようです。


 僕ら世代にとっては、青春ドラマに欠かせない名脇役でした。
 『おれは男だ!』 『飛び出せ!青春』 『われら青春』 『俺たちの朝』 などなど、70年代を代表する青春ドラマには、ほとんど顔を出していましたからね。

 そして、森川正太さんといえば、なんといっても 『俺たちの旅』 で演じたワカメ役です。

 中村雅俊演じる 「カースケ」、津坂まさあき (のちの秋野太作) 演じる 「グズ六」、田中健演じる 「オメダ」 とともに、「なんとかする会社」 を立ち上げて巻き起こす、自由奔放に独立独歩を目指す青春コメディーです。
 ワカメといえば、ヨレヨレのツナギ姿で、ワカメのよなヘアスタイル。
 冴えないけど、どこにでもいそうな親しみの湧くキャラクターを演じていました。

 グズ六だけは一流大学卒ですが、カースケとオメダは二流大。
 ワカメにいたっては、東大を目指してはいるものの万年浪人生。
 それでも夢だけは、でっかいのです!


 当時、僕は高校生。
 ドラマのエンディングに流れる中村雅俊が歌う 「ただお前がいい」 を聴きながら、テロップで映し出される散文詩を夢中になってノートに書き写したものでした。

 そして僕は、「俺もカースケになる!」 と夢を抱いて、大都会へと旅立ったのでした。


 そんな我が青春の1ページを作ってくださったワカメさん……

 ありがとうございました。
 心よりご冥福をお祈りいたします。

 合掌
  


Posted by 小暮 淳 at 10:49Comments(0)つれづれ

2020年10月13日

コロナ・ダイエット


 驚きました!
 久しぶりに体重計に乗ったら、ナント、5㎏も減っていたんです。
 確か、数か月前に乗った時は、2~3㎏減だったような……

 これは、いったい何が起こったのでしょうか?

 考えられる理由は、1つです。
 “コロナの影響”


 ちまたでは、コロナ自粛により巣ごもりが続き、怠惰な生活と運動不足のため太る人が増えていると聞きますが、なぜ僕の場合、逆の現象が起きたのでしょうか?
 考えられる理由を検証してみました。

 ① この半年間、仕事がなかったため、寝たいときに寝て、起きたいときに起きるというルーズな生活をしていた。
 ② そのため食事の時間が不規則になり、面倒くさくなったため、お腹が減った時に食べるようになった。
 ③ すると1日2食となった。
 ④ 暇を持て余し過ぎたため、運動不足解消を兼ねて、夕方1~2時間のウォーキングを始めた。
 ⑤ ご褒美にウォーキングの途中でコンビニに寄って、水分補給のためのビールを呑んだ。

 以上、この半年間の僕の日常です。


 で、思いました。
 この中に、マイナス5㎏減になる要素は、どれなんだろうと?
 かなり怠惰な生活のように思えるのですが、考えられるとすれば要因は1つ!
 カロリーの摂取量と消費量の関係です。

 実は、上記した日常の根底には、“収入減” という大前提があるのです。
 当然、生活はひっ迫します。
 外食がなくなり、食事も質素となり、量も減ります。
 よって、カロリーの摂取量が減ったということです。


 問題は、これからです。
 依然、コロナ禍とはいえ、徐々に日常が帰ってきています。
 ゆえに、コロナ前のような “健全な生活” が戻りつつあるのです。

 しっかり3食を食べ、外食も増え、ウォーキングをする時間もなくなります。

 ああ、コロナって、「百害あって一利なし」 ではなかったのですね。
 リバウンドが怖い!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:48Comments(0)つれづれ

2020年10月12日

コロナに消えた祭り


 30年以上も昔のことです。
 当時、僕はタウン誌の記者になりたてで、グルメ記事を書くために、県内のレストランや食堂を東奔西走していました。
 もちろん、すべて日帰り取材です。

 「やったー! 本当にいいんですか?」
 思わず編集長に、そう問いただしたほどでした。
 「仕方ないだろ、日の出前の早朝取材なんだから前泊しなけりゃ」

 県内なのに、初めての宿泊出張取材の許可が出た瞬間でした。


 川原湯温泉 (長野原町) で約400年前に始まったという奇祭 「湯かけ祭り」。
 その昔、温泉が枯渇してしまった際、湯のにおいがゆで卵に似ていることからニワトリをささげて祈願したところ、再び湯が湧き出したたため、湯をかけあって喜んだのが祭りの起源とされています。

 ふんどし姿の男たちが、1月の大寒の早朝に、紅白に分かれて湯をかけ合います。
 その時のかけ声が、「お祝いだ!」。
 これは、「お湯湧いた!」 が転じたとも言われています。

 当時の僕は、駆け出しの記者です。
 濡れないようにとカメラをビニールでくるみ、自身もフード付きのレインコートに身を包んで臨んだ記憶があります。
 その群衆の最前列で奮闘する姿が、NHKのテレビニュースで流れ、後日、編集長に褒められたことも記憶に残っています。


 30年前のことですから、その頃はまだ湖底に沈む前の旧温泉街での祭りでした。
 現在の代替地に移転してからも伝統ある祭りは、毎年、必ず開催されてきました。

 その祭りが、来年は中止になると発表がありました。
 理由は、「新型コロナウイルス感染症対策が困難なため」 とのことです。
 戦時中の混乱期以降、初めての中止です。
 住民にとっては、苦渋の決断だったと思います。
 それだけに残念でなりません。


 長引くコロナ禍は、まるで津波や土砂崩れのように、二次災害、三次災害へと波紋を広げています。
 無病息災、コロナ退散、世界平和を願いつつ、静かに湯の神様にお祈りをささげたいと思います。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:57Comments(2)温泉雑話

2020年10月11日

温泉考座 (36) 「湯守のいる宿」


 何軒も宿のある温泉地では、一つの源泉から宿へ分湯している場合が多いので、必ずしも宿の主人が湯の管理をしているとは限りません。
 でも、“一軒宿” と呼ばれる小さな温泉地のほとんどは自家源泉を保有しているので、温泉が湧出地から宿の浴槽へたどり着くまでの一切の面倒を宿の主人がみています。
 いわゆる湯守 (ゆもり) のいる宿です。

 いい湯守は、湯に手を加えることを嫌います。
 自然に湧いた湯を、動力を使わずに、そのまま浴槽まで流し入れたいからです。
 これを 「自然流下」 といいます。

 しかし、浴槽内の湯の温度は、季節や天候により微妙に変化します。
 ですから湯守は、窓の開閉や注ぎ入れる湯の量を調節することにより、一年を通じて適温を保っています。

 法師温泉 (みなかみ町) の一軒宿 「長寿館」 は、全国でも1%未満という浴槽直下から源泉が湧く珍しい温泉です。
 足元湧出温泉は、湯が空気に触れる前に直接人の肌に触れるため、熱過ぎても、ぬる過ぎても存在しません。
 ちょうど41~42度の適温が湧出する、まさに “奇跡の湯” です。

 6代目主人の岡村興太郎さんが、湯守の仕事について話してくれました。
 「温泉とは、雨や雪が溶けて地中にしみ込み、何十年もかけてマグマに温められて、鉱物を溶かしながら、ふたたび地上へ湧き出したものです。でも地上へ出てきてからの命は、非常に短い。空気に触れた途端に酸化し、老化が始まってしまう。湯守の仕事は、時間との闘いです。いかに鮮度の良い湯を提供するかなんです」

 そして、こんなことも言いました。
 「湯守は、温泉の湧き出し口 (泉源) だけを守っていればいいのではない。もっとも大切なのは、温泉の源となる雨や雪が降る場所、つまり宿のまわりの環境を守ることです」

 周辺の山にトンネルや林道などの土木工事をされれば、湯脈が分断される恐れがあります。
 またスキー場やゴルフ場などができれば、森林が伐採されて山は保水力を失い、温泉の湧出量が減少するかもしれません。

 いい温泉は、いい湯守により代々守り継がれているのです。


 <2014年1月22日付>
  


Posted by 小暮 淳 at 11:44Comments(0)温泉考座