2024年01月12日
愛と性と生の物語
食べ物に対して、その見た目や素材の味から 「食わず嫌い」 というのがあるように、本に対しても 「読まず嫌い」 があります。
僕の場合、仕事として読む本は、すべて資料なので、好き嫌いに関係なく目を通していますが、やはり娯楽としての読書となると、好き嫌いがハッキリしてしまいます。
小説は、時代劇やSF物が苦手です。
翻訳物も登場人物のカタカナ名前が覚えられなくて、ついつい敬遠してしまいます。
ビジネス書、実用書の類いも、滅多に手に取ることがありません。
その本の存在は知っていました。
一時、話題になり、漫画化やドラマ化されたことも知っています。
でもね、やっぱりタイトルが……
書店で見かけても、手に取ることさえためらってしまった記憶があります。
こだま著 『夫のちんぽが入らない』 (講談社文庫)
誰だって、手に取るのを戸惑いますよね。
読むまでもなく “キワモノ” だと、はなから決めつけてしまっていました。
ところが……
先日、時間つぶしで入った古書店で、また、そのタイトルを見かけました。
「ああ、キワモノね」
と何気なく手に取り、ペラペラとめくり、解説文にチラチラと目を通すと、こんな言葉がありました。
<いじらしいほど正直な愛と性の物語>
ほほほう、ただのキワモノじゃないのね。
感動の物語なんだ。
でも、それにしてもタイトルがね。
なんて思いながら 「あとがき」 を読み出した僕。
そこには著者と編集者のやりとりが書かれていました。
<さすがにこの題名で世に出すのは難しいだろうと思っていたが、編集者の高石智一さんに 「このタイトルがいいんです。最高のちんぽにしましょう」 と力強く言われた。>
それにしても、なぜ、「ちんちん」 でも 「ちんこ」 でもなく、「ちんぽ」 なのでしょう?
その辺についても、書かれていました。
ということで、“読まず嫌い” を克服するために購入しました。
そして読んで思ったことは、世の中には “普通” という呪いにかかった人たちが、なんて多いことか。
“みんな違って、みんないい” のにね。
人も本も、見た目やタイトルで判断してはいけないということです。
これは、性と生をめぐる健気な夫婦の愛の物語です。
そして、「なぜ入らないのか?」 という謎解きミステリーでもあります。
まだの人は、ぜひ一読をおすすめします。
ただし、本をレジに差し出す勇気のある人に限ります。
あしからず。
Posted by 小暮 淳 at 12:33│Comments(4)
│読書一昧
この記事へのコメント
このブログを読んで
数日後には私の書棚に一冊
増えることになりました笑
来週あたりには
完読出来るかな。
数日後には私の書棚に一冊
増えることになりました笑
来週あたりには
完読出来るかな。
Posted by みわっち at 2024年01月12日 16:34
みわっちさんへ
えっ、数日後?
今日アップしたブログですよ!?
もしかして予知能力ですか?
えっ、数日後?
今日アップしたブログですよ!?
もしかして予知能力ですか?
Posted by 小暮 淳 at 2024年01月12日 19:12
いえいえ、ブログ見て即買いしただけです
勇気がないわけではないですがネットで買いました(-_-;)
勇気がないわけではないですがネットで買いました(-_-;)
Posted by みわっち at 2024年01月13日 07:42
みわっちさんへ
納得です(笑)
納得です(笑)
Posted by 小暮 淳 at 2024年01月13日 10:45