2010年07月05日
温泉法の温泉
僕は良く、講演やセミナーのつかみの部分で、こんなことを訊きます。
「温泉は、すべて温かいと思う人?」
手を挙げる人は、全体の1割です。
ほとんどの人が、ぬるくても“温泉”と呼ぶことを知っているのですね。
でも、手を挙げた1割の人には、共通点があります。それは年配の方ということ。
そう、この方たちは、冷たい温泉のことを“鉱泉”と呼んでいたことを知っている人たちなのです。
ですから、僕は「手を挙げた人も、挙げなかった人も、正解です」と言います。
現在の温泉法では、25℃以上あれば、すべて「温泉」。また25未満でも、特定された成分が一定以上含まれていれば「温泉」と認められています。
でも、これは広義です。
さらに、25℃以上34℃未満を「低温泉」、34℃以上42℃未満を「温泉」、42℃以上を「高温泉」と呼び分けています。ですから、狭義では、やっぱり温泉は温かいのです。
では25℃未満の温泉は何と呼ぶかというと、これが“冷鉱泉”です。
温泉法の施行は昭和23年ですから、それ以前(戦前)は、冷たい温泉のことは“鉱泉”と呼んでいたわけです。
磯部鉱泉、藪塚鉱泉、高崎観音山鉱泉(古くは清水鉱泉)と、言いました。
僕は今、この鉱泉に注目しています。
古来より、温めてまで入った霊泉が多いからです。
平成以降、ボーリング技術が進歩して、大深度掘削による温泉が数多く街中に出現していますが、すべて25℃以上の温泉です。これは、熱い湯が湧くまで掘り続けるからです。
よって、新しい“冷鉱泉”というのは、滅多に存在しません(わざわざ沸かすのでは、ボイラー費が高くつきますから)。
と、いうことで、現在でも冷鉱泉ながら頑張っている温泉は、昔から効能があり、人々が守り続けてきた古湯が多いのです。
ただ、どうしてか冷鉱泉の宿も“温泉”と名のるようになってしまったため、一般の人には分からなくなってしまいました。
とても残念なことです。堂々と「鉱泉宿」と、胸を張って名のって欲しいものです。
そのほうが、これからの時代、差別化ができて、レトロ感もあり、受けると思うのですが……
ちなみに、群馬県内でただ1軒だけ、昔から変わらずに「鉱泉宿」と名のっている湯宿があります。
富岡市にある大島鉱泉です。
源泉は硫黄の匂いがする冷たい水ですが、これを沸かして入ります。
いつか鉱泉宿だけ集めた本を出版できたらと、考えています。
「温泉は、すべて温かいと思う人?」
手を挙げる人は、全体の1割です。
ほとんどの人が、ぬるくても“温泉”と呼ぶことを知っているのですね。
でも、手を挙げた1割の人には、共通点があります。それは年配の方ということ。
そう、この方たちは、冷たい温泉のことを“鉱泉”と呼んでいたことを知っている人たちなのです。
ですから、僕は「手を挙げた人も、挙げなかった人も、正解です」と言います。
現在の温泉法では、25℃以上あれば、すべて「温泉」。また25未満でも、特定された成分が一定以上含まれていれば「温泉」と認められています。
でも、これは広義です。
さらに、25℃以上34℃未満を「低温泉」、34℃以上42℃未満を「温泉」、42℃以上を「高温泉」と呼び分けています。ですから、狭義では、やっぱり温泉は温かいのです。
では25℃未満の温泉は何と呼ぶかというと、これが“冷鉱泉”です。
温泉法の施行は昭和23年ですから、それ以前(戦前)は、冷たい温泉のことは“鉱泉”と呼んでいたわけです。
磯部鉱泉、藪塚鉱泉、高崎観音山鉱泉(古くは清水鉱泉)と、言いました。
僕は今、この鉱泉に注目しています。
古来より、温めてまで入った霊泉が多いからです。
平成以降、ボーリング技術が進歩して、大深度掘削による温泉が数多く街中に出現していますが、すべて25℃以上の温泉です。これは、熱い湯が湧くまで掘り続けるからです。
よって、新しい“冷鉱泉”というのは、滅多に存在しません(わざわざ沸かすのでは、ボイラー費が高くつきますから)。
と、いうことで、現在でも冷鉱泉ながら頑張っている温泉は、昔から効能があり、人々が守り続けてきた古湯が多いのです。
ただ、どうしてか冷鉱泉の宿も“温泉”と名のるようになってしまったため、一般の人には分からなくなってしまいました。
とても残念なことです。堂々と「鉱泉宿」と、胸を張って名のって欲しいものです。
そのほうが、これからの時代、差別化ができて、レトロ感もあり、受けると思うのですが……
ちなみに、群馬県内でただ1軒だけ、昔から変わらずに「鉱泉宿」と名のっている湯宿があります。
富岡市にある大島鉱泉です。
源泉は硫黄の匂いがする冷たい水ですが、これを沸かして入ります。
いつか鉱泉宿だけ集めた本を出版できたらと、考えています。
Posted by 小暮 淳 at 12:32│Comments(0)
│温泉雑話