2011年07月22日
節目、節目に酔う
「毎月、毎月が祭りだと思え!」
昔、月刊誌の編集人をやっていた頃、そんなことをスタッフに言い続けていました。
雑誌を1号作り上げるという作業は、まさに毎回 “祭り” をやっているような感覚なんですね。
企画、取材、制作、営業を経て、印刷、発行までの作業は、実に祭り(イベント) に似ています。
当然、祭りが終われば、フィナーレは “打ち上げ” です。
「校了ー!」
を合図に、スタッフらと夜の街へ、くり出して行きます。
「お疲れさま~!」 「また来月も、頑張ろーな!」
これを毎月毎月、くり返します。
僕らの業界は、常に “打ち上げ” が付いてまわります。
時には、スパンの長い仕事になると “中打ち” なる途中で、陣中の労をねぎらう酒盛りなんかもします。
ま、役者にとっての舞台やミュージシャンにとってのコンサートと同じで、苦労を共にした仲間たちと達成感を共有しながら祝い合う慣習があるんです。
で、昨夜は、“中打ち” をやってきました。
朝日新聞に連載している温泉エッセー 『湯守の女房』 が、今週の水曜日で、ちょうど10回目の掲載となりました。
で、僕の担当記者兼カメラマンのワタちゃんと、「あっという間に10回ですね。節目ですから……」ということになったわけです。
「節目」っていう言葉、好きです。
節目があってこそ、いい仕事ができるってーもんです。
もし、節目がなくて、のんべんだら~りと仕事をしていたら、マンネリ化してしまい、作る側だって飽きてしまいます。
何よりも、作る側が楽しめない仕事は、観る側、聴く側、読む側へ、その楽しみは伝わりません。
とか何とか、理由をつけて、いざ、いつもの飲み屋へ!
「カンパーイっ!」
ワタちゃんは、しっかり掲載新聞を持ってきています。
連載記事の“10” という数字を眺めつつ、キューッと冷えた生ビールを喉へ流し込む幸せ。
アーティストたちは、自分の作品を前にして、美酒に酔うといいます。
わかります、ねー! その気持ち!
酔えるんですよ。
仕事に、自分に、そして仲間に……。
この連載がスタートしたのが、今年の2月。
隔週というハードスケジュールの連載でしたが、なんとか続けられてきました。
途中、震災の影響があり、お休みした週が何度かありましたが、担当記者のワタちゃんはじめ、新聞社のデスクや局長らの理解、そして何よりも読者の方々に支えられながら、ここに第10回の掲載を迎えることができました。
みなさん、本当にありがとうございます。
この場をお借りして、お礼を申し上げます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳 at 20:31│Comments(0)
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