2017年09月03日
される側の心理②
「小暮さんの本は、5冊持っています」
「ありがとうございます。温泉が、お好きなんですね?」
「いえ、小暮さんが好きなんです」
なーんて言われてしまえば、もう訊かれたことは、なんでも話してしまいますって!
いえいえ、訊かれないことだって、みーんなしゃべっちゃいますよ。
ということで、昨日、某誌から取材を受けました。
しかも、東京から前橋くんだりまで、わざわざ僕を訪ねて来てくれたのです。
それも、3人で!
通常、新聞や雑誌の取材って、記者やライターが1人でやって来ます。
昔はカメラマンが付いてきましたけど、今はカメラの性能が良くなりましたからね。
たいがい1人できます。
なのに、3人ですよ!(ビックリしました)
ライターと担当編集者、と、なんと編集長さんまで!
事前に、「うちの編集長が、ぜひ、お会いしたいと言っています」 とは聞いていたものの、本当に現場に来られるとは、驚きました。
だって編集長のN氏は、業界では、かなりの著名人であります。
そんな方が、僕のために、しかも群馬まで来てくれるなんて……(恐縮であります)
で、名刺交換のあいさつの席で、冒頭の会話が交わされたというわけです。
「この本にも小暮さんのことが、書かれていますね」
と開口一番、N氏がテーブルの上に置いたのは、木部克彦さんの著書 『続・群馬の逆襲』(言視舎) でした。
そうなんです。
友人でもある元新聞記者でジャーナリストの木部さんが、この本の中で僕のことを “温泉バカ一代” と称し、「いかにも世界屈指の温泉大国・群馬らしいオジサンがいます」 と書いているのです。
「よく調べていますね」
「たまたま読んでいたら、小暮さんのことが書かれていたもので……」
開かれたページには、赤い線が何本も引かれていました。
僕の職業は、ライターです。
フリーになる前の雑誌記者時代を入れれば、もう、かれこれ30年も取材活動をしています。
たぶん、お会いして話を聞いた人の数は、何千人にもおよぶと思います。
いわば、僕は取材を “する側” の人間なのです。
それが、なんだか、ここ数年は、立場が逆転する現象が起きています。
“される側” になっているのです。
ライターが取材を受けるって、とっても不思議です。
でも、こうやって、僕の本や記事を熱心に読んでくれて、さらに会いに来てくれる人がいることに、大変感謝します。
本当に、ありがたいことだと思います。
“される側” になって、初めて分かることって、あるのですね。
2時間にわたる、長い取材でした。
編集長のNさん、編集者のSさん、ライターのSさん、ありがとうございました。
今から10月の発行日を楽しみにしています。
Posted by 小暮 淳 at 17:16│Comments(0)
│取材百景