2021年07月26日
老いては己に従え
土曜日の夕方に、テレビ朝日系で 『人生の楽園』 というドキュメンタリー番組が放送されています。
いわゆる 「第2の人生」 を楽しんでいるシニア世代の日常をカメラが追います。
ほとんどの場合、定年退職後もしくは早期退社して、以前からやりたかった喫茶店やそば屋、農家民宿などを夫婦で始めるといった内容です。
見ていると、とても毎日が楽しそうです。
でも “ほとんどの場合”、自営業を始めるんですね。
「第2の人生」 に、再度サラリーマンを選んだ人は、番組では紹介されません。
もしかしたらサラリーマンにとって自営業は、憧れなんでしょうか?
他人に指図されず、自分の好きな時間に、自分の好きなことをできる人生だと思われているのかもしれませんね。
長年、自営業で生きて来た人から見たら、「そんな生やさしい、甘いもんじゃない!」 と苦言を言われそうですが、『人生の楽園』 では、その辺の厳しさはスルーされています。
だって、登場する主人公たちは、「第1の人生」 で 立派に勤め上げて、潤沢な蓄えもあり、悠々自適の 「第2の人生」 を送っている人たちなのですから!
苦しい事や辛いことは、すべてスルーした “人生の楽園” をエンジョイしているのです。
とはいえ、そんな人たちは、世の中の一握りのはず。
ほとんどの場合、「第2の人生」 を模索しているか、持て余しています。
「定年退職して時間に余裕ができたら、妻と旅行をして、孫と遊んで、残りは好きな趣味の時間に……」
なーんて、誰もが一度は夢を見るようですが、“それだけ” で過ごすには、残りの人生は、あまりにも長過ぎます。
たぶん、1、2年で飽きてしまうことでしょう。
いえいえ、1年でもできれば、良いほうです。
妻が一緒に旅行に行ってくれるとは限りませんよ。
孫が都合がいいように遊んでくれますかね?
趣味だって、仕事の合間にするから楽しんですって!
毎日するんなら、それは、もう趣味じゃない。
なんだかんだ、“人生100年時代” の 「第2の人生」 は至難の業のようであります。
そんなことを考えていたら先日、ユニークなセカンドライフを始めた人の話を聞きました。
その人の娘さんによれば、
「父は還暦を機に 『独立する』 と家族に宣言をして、家を出ました」
とのこと。
職業などの詳細や事情は不明なのですが、前々から、いずれ家を出ることを計画していたようです。
そして家族と離れ、一人暮らしを始めたそうです。
これぞ、「第2の人生」。
しかも自分で考え、自分で選んだ、まさに “人生の楽園” を探す旅に出たのです。
<老いては己に従え>
これからの人生の教訓にしたいと思います。
Posted by 小暮 淳 at 12:28│Comments(0)
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