2020年08月18日
温泉考座 (19) 「まず宿に着いたら」
宿に着くと、すぐに浴室へ向かう人がいますが、ほめられた行動ではありません。
はやる気持ちは分かるのですが、宿に着いたら、まずは一服して体を休めてください。
温泉地に着くまでに、長時間のドライブ、もしくは電車やバスを乗り継ぐ長旅で、体は疲れています。
心拍数も上がっていることでしょう。
温泉では、さらに体力を消耗することになります。
1回の温泉浴で、約16キロカロリーを消耗するといわれています。
これは縄跳びを5分間続けた消費カロリーに相当します。
旅館の客室には必ず、お茶とお菓子が用意されていますが、これには理由があります。
お客様への健康を気づかった 「お疲れさまでした。旅装を解いて、ひと息ついてください」 という宿側の心配りなのです。
甘いお菓子は、血糖値を上げて、疲れを癒やしてくれます。
お茶は、これからの温泉浴での発汗に備えた水分補給になります。
また空腹のまま温泉に入ると貧血を起こしやすく危険なため、小腹を満たすという役割も果たしています。
ひと息ついたら、いよいよ入浴です。
でも、ここでも注意してほしいことがあります。
空腹時だけでなく、食後すぐの入浴も避けてください。
これは入浴時の発汗により体内の塩分が失われ、胃液の分泌が減少するためです。
血液が体の表面に集まってしまい、内臓への血液量が減ってしまうために消化器官の働きが鈍くなり、消化不良を起こす原因となります。
これは目安ですが、入浴は食事の1時間前、または2時間後と覚えておいてください。
そして、1日の入浴は健康な人でも2~3回。
1回の入浴時間は、熱めの湯で約10分、ぬるめの湯で約30分くらいが適当です。
また、動脈硬化症や高血圧症、心臓病の人は、42度以上の高温浴は避けてください。
入浴中は血管が拡張し、急激に血圧が下がります。
入浴前の降圧剤の服用も控えてください。
そして入浴後は、水分補給を忘れずに!
できれば生ビールよりも、体を冷やさないために温かいものか、常温のものをおすすめします。
しかし残念ながら、これだけは私も守れていません。
<2013年8月14日>
Posted by 小暮 淳 at 11:30│Comments(0)
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