2014年08月02日
夏でも涼しい ぬる湯温泉②
温泉ファンのみなさ~ん!
元気に温泉をめぐっていますか?
「温泉は好きだけど、夏はちょっと……」
なんて、二の足を踏んでいる人も多いんじゃありませんかね。
実は、僕もそのうちの1人です。
とはいっても、僕の場合、温泉へ行くのが仕事ですからね。
行かないわけには、いかないのです。
だもの、猛暑が続くこの時季は、かなりバテ気味であります。
のんびり、ゆっくり、仕事を忘れて入れる温泉ならばまだしも、
「はい、もう一枚、写真撮ります」 「次は、○○温泉です」 なんて日に何ヶ所も移動して、何回も入浴すると、意識はだんだん遠のいていきます。
ズバリ! “湯あたり” “湯ただれ” “湯疲れ” を起こします。
でも、これは職業病ですから仕方がありませんけど・・・
で、暑い夏には、涼しい温泉がおすすめです!
別に標高の高い、気温の低い温泉地のことではありませんよ。
温度の低い温泉です。
一般的には40℃以下の温泉のことを 「ぬる湯」 といいます。
通常は、源泉の温度が低い(42℃以下) と加温してしまうことが多いのですが、温泉の泉質や効能にこだわった湯守(ゆもり)のいる宿では、温度の低い源泉を、そのまま湯舟に注ぎ入れています。
ぬるい湯は長時間入浴ができることから、「微温浴」や「持続浴」と呼ばれ、昔から湯治場として栄えた温泉に残っています。
ぬるい湯ですから長時間入浴しても、のぼせません。
しかも薬効成分が肌から吸収されやすいため、皮膚病に効能がある温泉が少なくありません。
また、ぬるい湯には精神をリラックスさせる作用がありますから、入っていると眠くなるんですね。
だから不眠症に効くともいわれています。
さらに鎮静作用があるため、ヒステリーやストレスにも効果があるといわれます。
ま、僕にとってはこの時季、ぬる湯取材は 「ありがたい!」 のひと言です。
できれば、35~6℃の体温くらいのぬる~い湯に、ゆったり、のんびりと浸かりたいものです。
仕事を忘れてね。
と、いうことで、僕がコメンテーターを務める次回、群馬テレビ 「ニュースジャスト6」 では、この “ぬる湯温泉” を特集します。
群馬は温泉の宝庫です。
まだまだ知らせざる秘湯の宿が、たくさん眠っていますよ。
ご期待ください!
●放送局 群馬テレビ(地デジ3ch)
●番組名 「ニュースジャスト6」
NJウォッチのコーナー
●放送日 8月4日(月) 18:00~18:30
●ゲスト 小暮 淳 (温泉ライター)
●テーマ 「夏でも涼しい ぬる湯温泉」
2014年08月01日
摺渕温泉 「山十旅館」②
前回、摺渕(すりぶち)温泉の 「山十(やまじゅう)旅館」(片品村) を訪ねたのは、去年の12月。
雪が舞っていたことを思い出します。
あれから8ヵ月。
季節はめぐり、今回は真夏です。
下界のような猛暑ではないにしろ、片品川を見下ろす高台に建つ一軒宿には、サンサンと真夏の太陽がふりそそいでいました。
「こんにちは!お久しぶりです」
息を切らし、汗を拭きながら坂道を登ると、ちょうど2代目主人の篠原徹則さんと、3代目(継ぐ予定)の息子、利一くんが犬の散歩から戻ったところでした。
「うちはさ、学生の合宿を取らないからね。夏は、ヒマだよ」
と、恰幅の良い体躯を揺らしながら、彼もまた額の汗を拭うのであります。
僕は、前回訪ねたときに、ご主人と約束したことがありました。
それは、「夏に来たら、畑を見せてほしい」 ということ。
「畑は、遠いのですか?」
と訊くと、
「そこ」
と指さしたのは、宿の敷地続きの土地でした。
いつ来ても庭がきれいに手入れされていて、花々が咲き、緑に囲まれているものですから、こんなに近くに畑があるとは知りませんでした。
ビニールハウスと露地栽培の畑には、今が旬とばかりにトマトやキュウリ、ナス、トウモロコシ、ピーマン、シシトウなど、ざっと数えても10種類は下らない野菜が作られていました。
さすが、「肉と魚以外は、地産地食の宿」 を自慢するだけのことはあります。
ここ以外も、少し離れた村内に田んぼと果樹園があり、先代夫婦とともに一家で農業と旅館を営んでいます。
「もともと百姓育ちだからね」 と笑う篠原さん一家は、今から10年前に八ッ場(やんば)ダムの水没予定地(長野原町) から移り住んで来ました。
それまでは、農業のかたわら民宿を営んでいました。
べつに畑仕事を手伝ったわけではないのですけどね。
歩き回ったら、また、たっぷり汗をかいてしまいました。
だもの、篠原さん一家が惚れ込んだ温泉も、しっかりいただいてきました。
この地を移転先に選んだ一番の理由が、地元で 「アトピーに効く」 といわれている温泉が湧いていたことでした。
「湯の効能は、うちの子供で実証済みです」 と太鼓判を押します。
泉質は、アルカリ性単純温泉。
ツルツル、スベスベの浴感は、健在でした。
ご主人、ありがとうございました。
利一君、また来るからね!
2人は、とっても仲の良い親子なんですよ。
※(親子のエピソードは、拙著 『新ぐんまの源泉一軒宿』上毛新聞社刊 をご覧ください)