温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2023年03月31日

島が増えた!?


 目の前に、一冊の分厚い本があります。

 『日本の島ガイド SHIMADAS(シマダス)』
 編集・発行/財団法人 日本離島センター
 (2004年9月30日発行)

 厚さにして約5㎝もある辞典です。


 なぜ、こんな本を僕が持っているのか?
 それは20年前に、さかのぼります。

 僕は2年間、取材で愛知県知多半島沖の離島に通いました。
 それをきっかけに、日本の離島に興味を持ったからです。
 ※(当ブログのカテゴリー 「島人たちの唄」 参照)


 この本の中に、「島の数」 という項目があります。

 これによると、<『昭和62年版海上保安庁の現況』 において同庁は6,852島と発表した。> とあります。
 このときの同庁の数え方は、関係する最大縮尺海図と2.5万分の1陸図を用い、
 ①周囲が0.1㎞以上のもの。
 ②何らかの形で本土とつながっている島について、それが橋、防波堤のように細い構造物でつながっている場合は島とし、それより広くつながっていて本土と一体化しているようなものは除外し、
 ③埋立地は除外、
 とあります。


 発表から36年後の今年、驚くべきニュースが飛び込んできました!

 「正確性に欠ける」 と国会で指摘され、電子地図や航空写真を使って数え直してみたところ、なななんと! 日本には島が14,125島あったといいます。
 間違った数が、長年放置されていたという事実が、暴露されました。

 6,852と14,125では、2倍の誤差があったということです。
 “正確さに欠ける” にも、ほどがある数です。


 目に見えるものですら人間は把握できないのですから、地底や海底、はたまた宇宙なんて、分からないことだらけなんでしょうね。

 せめて僕は、群馬県内の数にだけはこだわって、取材を続けたいと思います。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:17Comments(0)読書一昧

2023年03月30日

新作 『五料のカッパ』 近日公開!


 <玉村町五料のカッパは、利根川で人を引きずり込んで悪さをしていた。ある日、馬の尻に飛びつき、いたずらをしようとしたところ、馬がたまげて飛び跳ねたため、カッパは振り落とされ、その拍子に頭の上の皿の水がこぼれてしまった。カッパは皿の水をこぼすと神通力がなくなってしまうため、たちまち人間に捕まってしまった。>
 (『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 より)


 「どこかで、誰かが、見ている。そのためには、アクションを起こす」

 そう、心に命じて生きてきました。
 仕事も遊びも、分け隔てなく。


 2年前からお手伝いをしている伊勢崎神社での街頭紙芝居。
 すでに、伊勢崎市を舞台にした2作のオリジナル紙芝居を発表しました。

 すると、お隣の玉村町からも声がかかり、今月、玉村八幡宮にて第1回の口演を開催することができました。
 すると、すると……
 どこかで、誰かが見ていました!


 このたび、玉村町教育委員会の協力を得まして、第2回 「玉村かみしばい」 の開催が決定しました。
 会場は、重田家住宅 (国登録有形文化財) です。

 近くには、五料という場所があり、古くからカッパ伝説があります。
 だったらと、『五料のカッパ』 という紙芝居に仕上げました。


 文/小暮淳 (フリーライター)
 画/栗原俊文 (デザイナー、イラストレーター)
 演/石原之壽 (壽ちんどん宣伝社 座長)

 栗原氏は紙芝居初作画となりますが、彼の名前に見覚えはありませんか?
 そうです!
 僕の著書 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 の表紙画を担当した作家であります。
 前橋や高崎で原画展を開催したので、彼の絵を見たことがある人は大勢いると思います。

 ぜひ、迫力ある紙芝居で、魑魅魍魎たる “栗原ワールド” を体験しに来てください。
 乞う、ご期待!



      「玉村かみしばい」 第2回口演
 
 ●日時  2023年5月5日(金・こどもの日)
        11時、12時、13時、14時
        ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  重田家住宅 (群馬県佐波郡玉村町小泉)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●協力  玉村町教育委員会
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(0)神社かみしばい

2023年03月29日

温泉本、入荷しました。


 僕は今までに、9冊の温泉関連本を出版しています。
 すべて群馬県内の温泉地です。
 内訳は、以下のようによります。

 ①全県本
  『ぐんまの源泉一軒宿』 や 『群馬の小さな温泉』 など、群馬県全域に点在する一軒宿や小さな温泉地を集めた本です。

 ②エリア本
  『みなかみ18湯』 や 『西上州の薬湯』 など、特定のエリア内にある温泉地を紹介した本です。

 ③温泉地本
  『あなたに教えたい四万温泉』 や 『金銀名湯 伊香保温泉』 のように、1つの温泉地の全宿を徹底取材した本です。


 これらの本は、書店で販売されているため、著者自らが在庫を所有することはありませんでした。
 よって講演会やイベントなどで販売する本は、その他の自費出版本などがメインでした。

 ところが最近、イベントに訪れた人たちから 「温泉の本はないのですか?」 との声が、多く聞かれるようになりました。
 その都度、申し訳ない気持ちで 「書店でお買い求めください」 と答えるしかありませんでした。
 せっかく来ていただいたのに、著者としては心苦しいばかりです。


 イベント会場の販売スペースには限りがあり、温泉本すべてを用意することは不可能です。
 でも少しでも読者の要望に応えたい!
 という切なる願いから出版元に相談したところ、出荷してくださることになりました。

 ということで現在、僕の手元には3冊の温泉本の在庫があります。
 『尾瀬の里湯』 『西上州の薬湯』 『金銀名湯 伊香保温泉』


 次回、4月9日(日) に伊勢崎神社で開催する 「神社かみしばい」 の会場より販売いたします。
 もちろん、サインもいたします。

 ご来場、お待ちしております。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:37Comments(0)著書関連

2023年03月27日

趣味と実益


 質問です。
 あなたは今の仕事を、なぜ選びましたか?

 ①好きだから ②得意だから ③たまたま ④仕方なく


 僕の場合、ライターという職業にたどり着いたのは、①~④すべてだったんです。
 家庭の事情で “仕方なく” 勤めた会社が、“たまたま” 出版関係でした。
 でも、子どもの頃から文章を書くことは “好きだった” ので、取材を続けるうちに “得意なこと” になりました。

 どんな理由で仕事を選び、どんな職業に就くかは人それぞれでしょうが、一つだけハッキリしていることがあります。
 それは、“嫌いなこと” “苦手なこと” は、はなから選択肢には入っていないということです。

 スポーツが苦手な人はアスリートにはならないし、動物が嫌いな人が飼育員になることはありません。
 “仕方なく” “たまたま” だった人も、多かれ少なかれ、どちらかと言えば “好き” な世界を選んでいるのだと思います。


 「好きこそものの上手なれ」
 といいますが、趣味が仕事にできる人は、稀です。
 「小暮さんは、いいですね。好きなことが仕事で」
 と言う人がいますが、誤解です。
 前述のように、“仕方なく” “たまたま” 選んだ仕事が、“好きなこと” で “得意になれた” だけです。

 だから、仕事を趣味にしてしまった僕は、仕事以外に趣味を持っている人が、大変うらやましく思います。
 温泉へ行っても、山を歩いても、酒を呑んでも……
 みんな仕事になってしまうわけですからね。

 今、僕が一番欲しいものは、仕事にならない趣味です(笑)。


 さて、僕のようなフリーランスは別として、一般の勤め人には定年退職があります。
 いわば、強制的に仕事を取り上げられてしまうわけです。

 僕と同世代の人たちは、再雇用を選んだ予備軍も含め、現実問題として抱えています。
 フリーランスからすれば、潤沢な資金があり、悠々自適の生活が送れて、うらやましい限りなのですが、どうも彼らの本音は違うようです。

 「何をして過ごそうか?」
 と、有り余る時間の訪れに、おびえているようです。


 だから僕は提案します。
 もう、“仕方なく” 働く必要がないのなら、“たまたま” の選択もやめ、“好きなこと” と “得意なこと” に専念した人生を送ったらいかがですか?

 好きなことは、趣味となり、人生に潤いを与えてくれます。
 得意なことは、実益を生み、身を助け、人を助けます。


 そこまで考えて、ため息が出ました。
 やっぱり、うらやまし~い!

 でも、僕は宣言します。
 生涯現役を貫くぞ!
 (負け惜しみかもしれないけど)
  


Posted by 小暮 淳 at 12:17Comments(0)つれづれ

2023年03月26日

満開の桜の樹の下で


 離れて暮らす長女から、メールが届きました。
 2葉の写真が添付されていました。

 1葉目には、満開の桜の樹の下で、少し緊張気味の少年が立っています。
 ネクタイをして、胸には真っ赤なコサージュを付けています。
 そして手には、青いファイルのようなものを持っています。

 マウスをクリックして、拡大してみました。

 “卒業証書”


 うっかりしていました。
 もう、そんなに大きくなったのですね。
 決して忘れていたわけではないのですが、日々の雑多に追われ、今日という日を失念していました。

 卒業式だったのですね。


 長女は17年前、高校を卒業と同時に家を出て、数年後に結婚。
 その後、男児を出産。
 まだ乳飲み子だった頃は、実家にも頻繁に連れてきましたが、孫が成長するにしたがい顔を合わせるのは、盆と正月と冠婚葬祭の時ぐらいになってしまいました。

 今年の正月は会えなかったので、最後に長女一家に会ったのは、いつだったのか……


 2葉目の写真には、孫を挟んで長女夫婦が写っていました。
 やはり同じ、満開の桜の樹の下です。

 やっぱり僕も人の親なんですね。
 中心に映っている孫よりも、娘に目が留まってしまいます。

 あどけない目元は、僕の後ろを追って、ヨチヨチ歩きをしていた子どもの頃のままですが、そこに写っているのは、どこからどう見ても、立派に子どもを育てている自信に満ちた母親の顔でした。

 婿の顔にも、見入ってしまいました。
 初めて我が家に来て、「娘さんをください」 と言ったときの、ひ弱な青年とは似ても似つかない貫禄がありました。
 父親の顔です。


 K (孫の名)、卒業おめでとう!
 いよいよ、来月からは中学生だね。
 何部に入るのかな?
 どんな将来の夢を抱くのかな?

 何も力になってやれないダメ祖父だけど、陰ながらKの人生を応援しています。


 長女のメールによれば、孫は声変わりもして、身長も娘をもうすぐ越すぐらいだといいます。
 そして最後は、こう締めくくられていました。

 ≪じぃじと温泉に行きたいって、何年も言ってるから行ってあげてね≫


 ふと、死んだオヤジの顔が浮かびました。
 まだ元気だった頃、僕と息子と3人で温泉施設に行ったことがありました。
 その時、息子に背中を洗ってもらっているオヤジが、「ああ、しあわせだ」 と何度も何度も言っていたことを……

 時は、めぐっているんですね。
 ついに、僕が孫に背中を洗ってもらう番が来たようです。


 満開の桜の樹の下の3人が、ピカピカに輝いていて、ただただ愛おしくて、いつまでも写真を眺めていました。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:26Comments(0)つれづれ

2023年03月25日

おかげさまで3,600話


 昨日の投稿で、このブログの記事総数が3,600話に達しました!
 これもひとえに、辛抱強くお付き合いいただいている読者様のお陰と、感謝申し上げます。

 ブログの開設が2010年2月ですから満13年になります。
 我ながら続いていると、感心しています。
 だって13年と言ったら、オギャーと生まれた赤ん坊が中学生になっている年月ですからね。
 (書いている本人も歳を取るはずです)


 開設当時は、“1日1話” を目指していましたけど、さすがに、それは無理でした。
 取材や出張などもありますからね。
 それでも少しでも自宅に居られるときは極力、パソコンに向かい、ブログを更新するように努めました。

 おかげで、1.3日に1話のペースで今日まで書き続けることができました。


 今日は少し、このブログの “読み方” について話したいと思います。
 まず、記事のカテゴリーは現在、32のテーマ別に分かれています。

 最多は 「つれづれ」 の1,032話です。
 日々の出来事やプライベート話を、つれづれなるままに綴っています。

 2番目に多いのは 「温泉地・旅館」 で、561話。
 温泉ライターとして、新聞や雑誌、著書では書けなかった、こぼれ話などを投稿しています。

 3番目は 「温泉雑話」 の297話。
 こちらは温泉にまつわるエピソードやうんちなど、温泉全般について述べています。

 4番目と5番目は、「著書関連」 225話と 「執筆余談」 193話。
 このカテゴリーでは、ライターという仕事についてや著書に関係した話がまとめられています。

 ぜひ、他のカテゴリーも気になる項目があったらクリックしてみてください。


 13年間の過去記事も、すべて読むことができます。
 読みたい年の月をクリックしてください。
 1カ月分の記事が、すべて表示されます。
 (ブログ内検索で、キーワードを入れて過去記事を探すこともできます)

 また新着記事を、すぐに読みたいという方は、「読者登録」 してください。
 僕が記事をアップすると、お知らせメールが届きます。


 以上、ブログの “読み方” でした。
 今後とも、ご愛読いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 
  


Posted by 小暮 淳 at 11:35Comments(2)執筆余談

2023年03月24日

本は買ってください


 僕の職業は、ライターです。
 日本語で分かりやすく表記するなら、“売文業” であります。
 読んで字のごとく、文章を売ることを生業としています。

 収入源は、大きく分けて2つ。
 新聞や雑誌などに寄稿、連載をした「原稿料」 と、書き下ろした著書の 「印税」 です。
 (連載が書籍として出版されることもあります)


 「印税」 と聞くと、誰もが必ず口にする言葉があります。
 「よっ、夢の印税生活!」
 でも、文字通り、そんなことは “夢” であります。
 いや、シビアに言うなら、夢のまた夢です。

 その夢がかなう人は、出版界でも、ほんの一つまみ。
 何百万部と売れるベストセラー作家だけです。
 印税は、本体価格の数~十数%ですから、たかが知れています。

 しかも無名な作家ならば、初版は数千冊の印刷がいいところです。
 たとえ増刷されて、数万冊売れてたところで……(計算してみてください)
 その作り上げるまでの手間ひまを時給で計算してみると、よっぽどコンビニでアルバイトをしたほうが収入になります。

 だから著者にとって著書は、血と汗と涙の結晶であり、一冊でも多く売れてほしいのです。


 「小暮さんの新刊、さっそく図書館にリクエストしました」
 以前、そんなコメントを読者からいただいたことがありました。

 ありがたいことです。
 嬉しいんですよ。
 でもね、本音を言えば、「書店で買ってよ~」 なんであります。

 確かに、図書館が購入すれば、そこで1冊分の印税は著者に入ります。
 でも、その後、何人に読まれても1円も入っては来ないのです。


 「ブックオフで買いました」
 という人もいます。
 こちらも図書館同様、本を買って手放した人の印税は入りますが、その後に古書店で買っていただいても入っては来ません。

 ま、僕も図書館と古書店は、よく利用していますから、大きな声で文句は言えませんけどね。
 利用する側と本を出版する側では、立場が変わってくるということです。


 えー、読者のみなさんに、お願いがあります。
 図書館で借りていただいても、古書店で買っていただいても、読んでいただければ著者は大変うれしいのです。
 もー、そりゃあ~、感謝以外の何ものでもありません。

 が、もし、少しでも慈悲の心がおありでしたら、新刊を書店にて、お買い上げください。
 そのことにより、我が家の夕飯のおかずが一品、増えるかもしれないのであります。

 わがままなお願いであることは、重々承知しております。
 そのうえで、お願い申し上げます。
 どうか、恵まれない売文業者を助けると思って、本は新刊を買ってくださ~い!m(__)m
    


Posted by 小暮 淳 at 12:00Comments(2)著書関連

2023年03月23日

スマホ ・ ラーメン ・ オオタニサン


 「巨人・大鵬・玉子焼き」
 といえば昭和の時代、高度成長期の日本人が好きなものを挙げた流行語です。

 プロ野球の巨人軍 (ジャイアンツ)、力士の大鵬、そして当時は、まだ高かった卵を贅沢に使った玉子焼き。
 子どもから大人まで、国民みんなが大好きでした。


 令和の現代、これに替わる3つって、何でしょうね?

 まず、ツイッターやユーチューブなどSNS関連ですかね。
 アナログ人間の僕は、まだガラケーですが、周りはみんなスマホです。
 気が付けば、子どもから年寄りまで、スマホだらけ。

 食べ物は、やっぱりラーメンです。
 寿司、焼き肉、カレーライスなんかも候補に挙がりそうです。

 そして、ヒーローならば絶対に、この人!
 “大谷翔平”
 なんで、あんなにカッコいいんですかね?
 一挙手一投足が、すべて絵になるスーパースターなんて、今まで見たことがありません。


 そういえば、今回のワールド・ベースボール・クラシック (WBC) の観客席で、「妻より大谷」 「妻より翔平」 というプラカードを掲げていた人が話題になりました。
 思わず笑ってしまいましたが、人を虜にするということは、こういう事なんですね。

 熱狂心というのは、「好き」 や 「愛している」 といった平易な言葉では、表現できないということ。
 自分の一番大切なものと比較してこそ、伝わるのです。


 そういう野球オンチの僕も今回は、オオタニサンの魅力に骨抜きにされました。
 なんで今回は、こんなにも夢中になって、野球を観ているんだろう?
 と自問自答した結果、野球を観ているのではなく、大谷翔平を観ていることに気づきました。

 ヘルメットを脱ぎ捨てて、全力で走る姿。
 塁に出ると、ベンチを鼓舞するように雄たけびを上げるパフォーマンス。
 そして、優勝が決まった瞬間には、グローブと帽子を放り投げて、チームメイトに駆け寄る姿には、60歳過ぎたオッサンでも胸がキュンとしました。


 テレビのコメンテーターが、「同じ時代を生きてて良かった」 と言ってましたが、決して大げさではないと思います。
 こんなスーパースターが日本にはいるんだ!

 と喜んでみたものの、一抹のさみしさも……
 オオタニサンは、日本にはいません。

 日本の宝は、世界の宝となって、手の届かないところへ行ってしまったという寂莫感。
 それでも日本のために世界と戦ってくれた大谷翔平に感謝!

 そして、共に戦った侍ジャパンの全メンバーに、心よりお礼を申し上げます。
 感動と幸福な時間を、ありがとうございました。

 (今日からは野球嫌いの以前の僕に戻ります)
   


Posted by 小暮 淳 at 12:51Comments(0)つれづれ

2023年03月22日

「街頭紙芝居の町」 構想


 「ブログ、見ました!」
 「驚きました!」

 会場で、数人の読者から声をかけていただきました。
 昨日、開催した 「玉村かみしばい」 でのことです。


 先日書いたブログが、波紋を広げています。
 ※(3月20日 「“紙芝居王国ぐんま” の復活」 参照)

 戦前 (昭和11年) のデータによれば、「全国の街頭紙芝居業者数」 の1位は東京都、2位は大阪府。
 人口比で圧倒的な二都府に続いて、3番目が群馬県だったという事実!

 なぜ、群馬に街頭紙芝居師が多かったのか?


 新たな “謎学の旅” に出ることになった僕は、仲間と新たな挑戦を始めました。
 毎月恒例の伊勢崎神社 (伊勢崎市) で開催している 「神社かみしばい」 に続いて、今月から玉村八幡宮 (佐波郡玉村町) で 「玉村かみしばい」 の公演を始めました。

 昨日が、その初お披露目日でした。


 4回の上演時間には、たくさんの来場者がありました。
 歴史と由緒ある大きな神社だけあり、一般の参拝者も途切れることなくやって来ます。

 以前から玉村町は、「街頭紙芝居体験」 を催すなど、紙芝居には力を入れている町です。
 今回も積極的に僕らにアプローチをしてくださり、晴れて開催に漕ぎつきました。
 その熱心さは、会場にいて伝わってきました。

 町長をはじめ、副町長や教育委員会の方々、また介護施設や子ども食堂に携わる町民が、こぞって会場にみえました。
 そして我々スタッフに、おにぎりや焼きまんじゅうの差し入れまでしてくださいました。
 ありがとうございました。


 そこで出た話題が、「紙芝居の町」 構想です。
 もちろん、かつて群馬県が全国3位の紙芝居県だった話にもおよびました。

 「まず玉村町から復活させましょう!」
 と町長も大の乗り気であります。

 「だったら、玉村の民話を片端から紙芝居にしますよ!」
 と意気投合。
 どこまで実現できるかは未定ですが、“やれることは、やってみる” のが、僕の信条です。


 ということで、次回は国登録有形文化財の 「小泉重田家」 で5月に開催を予定しています。
 カッパ伝説をもとに制作した、新作のご当地紙芝居の上演をします。
 詳細は、近日公開いたします。

 また、伊勢崎市、玉村町に続いて、「街頭紙芝居の町」 に名乗り出たい自治体があれば、ご連絡ください。
 ご当地紙芝居を制作して、上演いたします。

 ぜひ、群馬を “日本一の街頭紙芝居の町” にしましょう!
   


Posted by 小暮 淳 at 13:36Comments(2)神社かみしばい

2023年03月20日

“紙芝居王国ぐんま” の復活


 興味深いデータを見つけました。

 石川幸弘・著 『紙芝居文化史 ~資料で読み解く紙芝居の歴史~』 (萌文書林) という本の中に、昭和11(1936)年 「日本劇画教育協会」 調査による、「全国の街頭紙芝居業者数」 の一覧があります。

 当時の業者数は約1万人。
 都道府県別に見ると、もちろんダントツは東京都で1,587人。
 2番目に多いのも、納得の大阪府930人。

 そこまでは、誰でも予想が付きますよね。
 では、3番目に多いのは、どこだったと思いますか?

 なんと!
 群馬県だったのです。
 726人もの街頭紙芝居師がいました。

 群馬県は全国屈指の “紙芝居王国” だったのです。


 娯楽の少なかった戦後、さらに街頭紙芝居師は増えます。
 昭和30年代には、約5万人もいたといいます。
 が、その後、高度経済成長の波に乗り、テレビの普及とともに子どもたちは屋外から屋内で遊ぶようになり、街頭紙芝居師の数も次第に減少していきました。

 時はめぐり、時代は令和へ。
 現在、プロの街頭紙芝居師は全国に数えるほどしかいません。


 でも、群馬県にはいます!

 石原之壽(いしはらのことぶき) 君です。
 彼は 「壽ちんどん宣伝社」 の座長であり、僕の高校時代の同級生でもあります。
 現在、彼は茨城県に在住しながら全国を飛び回っていますが、活動の拠点は故郷に置いています。

 彼の地元、伊勢崎市で開催している 「神社かみしばい」 の活動も4年目に入りました。
 僕も微力ながら、ご当地民話紙芝居の制作を手伝っています。


 そんな彼の地道な活動は、メディアにも紹介され、県内の自治体から視察に訪れるようになりました。
 まさに “紙芝居王国ぐんま” の復活が始まったのであります。

 そして、いよいよ明日、街頭紙芝居は伊勢崎の地を離れ、お隣の玉村町で初お披露目をします。
 玉村町を舞台にしたオリジナルヒーローが活躍する、ご当地紙芝居を上演しますので、お越しください。

 スタッフ一同、お待ちしております。

 

        「玉村かみしばい」 第1回口演
 
 ●日時  2023年3月21日(火・春分の日)
        10時、11時、12時、13時
        ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 12:02Comments(0)神社かみしばい

2023年03月18日

潜在意識は告げる


 また、リアルで不思議な夢を見ました。

 場所は、スーパーマーケットの駐車場。
 一台の軽自動車が暴走して、突っ込んできました。
 駐車してあるクルマに、次々と衝突していきます。
 さらに、バックと前進を繰り返し、見るからに故意的に暴走しています。

 そこで、僕は正義感まる出しに、その軽自動車の前に立ちふさがりました。
 クルマを止め、運転席の犯人を引きずり出すと、周囲にいた数人の男性客とともに、取り押さえました。

 やがてパトカーが来て、警察官に犯人を引き渡しました。


 たぶん、ニュースやドラマで見たことのある場面を組み合わせて作ったストーリーなんでしょうね。
 それにしても、夢の中の僕は、勇気がありました。
 現実ならば、110番通報をするだけかもしれません。

 さて、これは何を暗示しているのでしょうか?


 夢占いによれば、「知らない人を逮捕する夢」 は吉夢だそうです。
 気分が充実していて、非常にポジティブな状態。
 心に迷いやあせりがなく、進むべき方向がはっきりと見えているとき。
 目標へ向かって、しっかり前進していることを暗示しているとのことでした。

 ここまでだと、良いことづくめなのですが、実は、僕の夢には続きがあります。


 このあと、なぜか僕は警察官となって、犯人を護送しているのです。
 「えっ、一般市民が犯人を取り押さえただけじゃなかったの?」
 と、夢の中の僕でさえ、戸惑っています。

 「警察官になる夢」 は、正義感が強くなっている証拠。
 身近に社会的ルールを守らない人がいると感じているのかもしれません。

 ただし同時に、自分の強引な面が、他人から信頼や信用を失う出来事が起こる暗示ともいえます。
 知らないうちに、自分の言動が威圧的になっている可能性があります。
 相手の立場や状況を踏まえた思いやりのある態度をとるように心がけたほうが良いようです。


 “唯我独尊”
 確かに若い時は、自分を信じるあまり、周りの人たちを振り回したことが多々ありました。
 歳を重ねるうちに、だいぶ和らいだと思っていたんですけどね。
 もしかすると、知らず知らずのうちに 「俺が俺が」 という傲慢さが現れてきているのかもしれません。

 反省!

 夢のお告げに従い、もっと謙虚に生きていくよう心がけたいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:21Comments(0)夢占い

2023年03月17日

まだ田中実に会っていない


 ギネス世界記録には、面白い保持者がいるものです。

 先日、セルビアという国のイベント会場に、大勢の女性が集まりました。
 その数、256人。
 驚くべきことに、彼女らの名前は全員 「ミリツァ・ヨブァノビッチ」 さん。

 イベントは、「同姓同名の最大の集まり」 ということで、ギネス世界記録に認定されました。


 あれ?
 似たような話を以前、聞いたことがあります。
 そうそう、日本でもありましたよね。

 昨年10月、渋谷区の会場に178人の 「タナカ ヒロカズ」 さんが集まり、「同姓同名の最大の集まり」 として、ギネスに認定されたというニュースです。
 でも、この記録は、数カ月で破られてしまったということです。


 で、僕は思いました。
 日本ならば、「タナカ カズヒロ」 さんより、もっと多い同姓同名の人たちがいるのでは? と……
 この人たちが集まれば、必ずや記録を日本へ奪回できます。

 ということで、「同姓同名全国ランキング」 なるものを調べてみました。
 すると!

 1位は 「田中実」 で約5,300人いるそうです。
 ちなみに2位は 「佐藤清」 約4,900人、3位は 「佐藤正」 約4,800人、4位は 「佐藤進」 約4,700人、5位は 「高橋清」 約4,600人でした。

 やっぱり多い名字の人が、上位を占めています。
 10位までは全員、田中、佐藤、高橋、鈴木でした。


 では、女性は?
 上位3人は、「佐藤和子」 「佐藤幸子」 「鈴木和子」 でした。

 なんだか、男性も女性も昭和を感じる名前ですね。
 それも、戦後間もなくの頃の高度経済成長期の昭和です。

 だって僕ら世代ですらクラスメートに、田中実君も佐藤和子さんもいませんでした。

 いずれ昭和ネームからキラキラネームへと変わっていくのかもしれませんね。


 僕は、いまだかつて 「田中実」 さんにも 「佐藤和子」 さんにも、お会いしたことがありません。
 みなさんの周りには、いらっしゃいますか?
  


Posted by 小暮 淳 at 13:13Comments(0)つれづれ

2023年03月15日

野球オンチのにわか観戦


 まだテレビが一家に一台だった昔。
 テレビ番組のチャンネル権は、世帯主のものでした。

 まあ、だいたいの家庭では、テレビ正面の特等席には、お父さんが座っていました。


 ご多分にもれず、我が家もオヤジが座っていました。
 しかも、オヤジは大の野球好き。
 それも巨人フォンで、長嶋茂雄命という、もう絵に描いたような典型的な “昭和のおやじ” だったのであります。

 当然、毎晩、ゴールデンタイムのテレビ番組は、野球放送となります。


 令和の今ならば、見たい番組は別の部屋のテレビで観るか、録画をして後で観ればいいだけのことですが、当時には考えられないことです。
 一台のテレビを、家族全員で観るのが当たり前。
 しかも、子どもにはチャンネル権はありません。

 「ちょっとだけ、マンガ観せてよ」
 と言いたいのですが、“昭和のおやじ” の権力は絶対的なものですから、僕もアニキも何も言えません。
 こっそり、オフクロに言ったことがありました。
 「かーちゃんから話してくれないかな? ちっとだけでいいんだ。チャンネル替えていいか訊いてくれよ」
 すると、ピシャリと返されました。

 「お父さんが買ったテレビです」


 きっと、僕の野球嫌いは、そんな環境で育ったからだと思います。
 「あんなスポーツのどこが面白いんだろう?」
 と思ったのはアニキも同じだったようです。
 中学生になり、アニキはテニス部に、僕は卓球部に入りました。


 時はめぐり、令和5年3月。
 第5回ワールド・ベースボール・クラシック (WBC) が開幕中です。
 日本代表の 「侍ジャパン」 は、1次リーグB組を4連勝で1位通過と、快進撃を続けています。

 テレビでも呑み屋でも、話題はWBC一色。
 野球オンチの僕の耳にも、否応なしに情報が入ってきます。
 ついつい引き込まれて、野球通の人たちの話を聞き入ってしまいます。


 やっぱ、今年の 「侍ジャパン」 は役者がそろっているからなんでしょうね。
 大谷翔平、ダルビッシュ有、佐々木朗希、村上宗隆という選手の名前ば、野球ファンでなくとも知っています。
 知っている選手がいるということは、野球オンチでも観戦しやすくなります。

 で、気が付いたら、まったく野球に興味のない僕も、テレビの前に釘付けになっていました。
 (プロ野球も高校野球も観ない僕にとっては、初体験なのです)
 もちろん、酒を呑みながらなのですが、気づいたことがありました。

 「野球は、日本酒に合う!」
 ということ。

 走り続けるサッカーやラグビーと違い、先攻と後攻があり、攻撃と守備が入れ替わるという “節目” があるのがいい。
 さらに、投手と打者のかけ引きの “間” が、日本酒を口に運ぶスピードと合っています。
 (サッカーだと、目を離した瞬間に点が入っていることがありますから)

 何より吞兵衛にありがたいのは、チェンジの際にコマーシャルが入ること。
 安心してトイレへも行けます。


 さて、いよいよ明日は準々決勝です。

 オータニさん! 村神様! たっちゃん!
 お酒を美味しくしてくださいな。
    


Posted by 小暮 淳 at 12:57Comments(0)つれづれ

2023年03月14日

情けないハナシ


 「奥歯が無いから、前歯に負担がかかっているんですよ」
 「あ゛い゛」
 「根っこが残っているか、レントゲン写真を撮りますね」
 「あ゛い゛」

 立て続けに、2本の差し歯が抜けました。
 ともに上の前歯です。


 以前は、すべて自前の歯が揃っていることが自慢だったんですけどね。
 ところが還暦を過ぎてから、次々と歯が抜けて、差し歯のオンパレードになってしまいました。

 確実に、老化の波が押し寄せています。


 「残っていますね。大丈夫そうですよ」
 「よ゛がっだ」
 「もう一度、芯を入れなおして、新しく作り直しましょう」
 「よ゛ろ゛じぐお゛ね゛がい゛じま゛ず」
 「では、型を取りますね」
 「あ゛い゛」

 なんとか、再生可能なようでホッとしました。 


 ところが、型を取り終わった後、歯科医は、こんなことを言いました。
 「今回は、なんとかなりましたが、これ以上進むと、入れ歯になりますよ」

 ぎっ、ぎきぎぎぇーーーー!
 いっ、いいい入れ歯ーーー!

 まさか、我が人生に “入れ歯” という文字が登場するとは、思いもよりませんでした。
 「入れ歯」 = 「老人」
 いやだ!いやだ!いやだ~!


 老いは、知らず知らずのうちに、忍び寄って来るのですね。
 みなさ~ん、歯は大切にしましょうね。

 ハナシのハナシでした。
    


Posted by 小暮 淳 at 11:39Comments(0)つれづれ

2023年03月13日

絹の国の人だもの


 『繭と生糸は日本一』

 ご存知、「上毛かるた」 の 「ま」 の読み札です。
 現在でも繭の生産量は、群馬県が日本一だといいます。
 でも若い人は、ピンとこないかもしれませんね。

 僕が子どもの頃 (昭和30年代) は、まだ我が家の周りも一面の桑畑でした。
 クラスの中にも何人か養蚕農家の子がいました。
 どの子も蚕(かいこ)のことは、「おかいこさん」 とか 「おかいこさま」 と大切に呼んでいました。


 蚕のことを 「おこさん」 と呼ぶ地方もあるんですね。
 昨日、初めて知りました。

 高崎市箕郷文化会館で上演された養蚕演劇 『蚕影様物語 (こかげさんものがたり)』 を観てきました。


 舞台は明治期の相馬村 (旧箕郷町) の養蚕農家。
 家族みんなで大切にお蚕を育てています。
 しかし、ある日、突然、晴れていた空が急に暗くなり、雷鳴がとどろき、雹(ひょう)が降り積もり、あたり一帯は氷の海と化し、桑畑が大打撃を受けました。
 桑の葉がないと、お蚕の飼育を続けることはできません。
 村人たちは、涙ながらに生きたままのお蚕を土の中に埋め、その供養と、この時の惨状を後世に伝えるため 「蚕影碑」 を建てました。

 物語は、この 「蚕影碑」 を元養蚕教師の夫婦が訪ねる現代のシーンから始まります。


 脚本・演出の岡本優子さん (高崎市箕郷町在住) は、この物語の劇化について、こう語っています。
 <私は養蚕農家に生まれ、子供の頃は蚕影碑の近くで育ちました。そして当時の大人から 「地の底で蠢くお蚕様の叫び声、そして必死に這い出して来ようとする、夥しい数のお蚕様の姿を想像してごらん」 と言われ、胸が苦しくなった思い出があります。(中略) 忘れてはいけない過去の歴史を演劇により未来へと語り継いでいきたい、という願いを込めて本日皆さまにお届けします> パンフレットより

 まさに、知られざる養蚕国群馬の歴史を垣間見ました。
 “絹の国” として発展した影には様々な困難と、それを乗り越えてきた農民の並々ならぬ苦労があったのです。


 今回、なぜ僕は、この演劇を知り、観覧したのか?
 それは、出演女優と知り合いだったからです。

 その女優とは?
 このブログにも、たびたび登場する紙芝居仲間の画家・須賀りすさんであります。
 とにかく、彼女は多彩な才能の持ち主です。

 本業は画家でありイラストレーターですが、アマチュアちんどん屋のメンバーでもあり、ラジオなどで小説の朗読もしています。
 そんな彼女のもう一つの顔が、役者です。

 今回も兄を落雷で亡くす、貧しい農家の娘役を見事に演じ切っていました。
 素晴らしい!

 次は、どんなジャンルに挑戦するのでしょうか?
   


Posted by 小暮 淳 at 12:09Comments(0)ライブ・イベント

2023年03月11日

春だ! 紙芝居だ! in 玉村八幡宮


 いや~、めっきり春めいてまいりました!
 春は、絶好の街頭紙芝居の季節です。

 今月は、なんと! 2カ所の神社で紙芝居を上演します。


 毎月恒例の伊勢崎神社 (伊勢崎市) で上演している 「神社かみしばい」 は、18日(土)、19日(日) の両日開催します。
 ※(詳しくは当ブログの2023年3月7日 「神社かみしばい 3月口演」 参照)

 そして今回、初開催となるのが、玉村八幡宮 (群馬県佐波郡玉村町) での 「玉村かみしばい」 です。

 玉村八幡宮は鎌倉時代初め、鎌倉幕府初代将軍の源頼朝公が上野奉行の安達藤九郎盛長公に命じ、鎌倉・鶴岡八幡宮の御分霊を勧請(かんじょう)なされたと伝わる由緒ある神社であります。
 その荘厳な佇まいは、見る者を圧倒します。
 正面の 「随神門」、御神前の 「神楽殿」、「拝殿」 「幣殿」 は町の重要文化財に。
 また 、英霊を祀った 「国魂神社」 は国の登録有形文化財に、「本殿」 は国の重要文化財に登録・指定されています。


 そんな立派な神社の境内で、紙芝居ができるなんて!
 主催者冥利に尽きるというものです。

 当日は、絵本作家・野村たかあき先生の作・画による 『焼きまんじゅうろう旅すがた』 3部作を上演いたします。
 第1作 「おきりとおこみの巻」、第2作 「宿場につめてぇ風が吹く」、第3作 「上州のおっかさんの巻」。
 ちなみに第2作の舞台は、玉村宿 (現・玉村町) です。

 縁もちまして、玉村宿の街道筋に鎮座されます八幡宮の境内にて、演じさせていただくことになりました。


 僕も当日はスタッフとして、一日在社いたします。
 会場では僕の著書販売のほか、 画家・須賀りすさんのイラストやグッズ、昔なつかしい駄菓子屋コーナーも併設されます。

 ぜひ、家族や友だちと誘い合わせのうえ、お越しください。
 お待ちしていま~す!



     「玉村かみしばい」 第1回口演
 
 ●日時  2023年3月21日(火・春分の日)
        10時、11時、12時、13時
        ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 12:56Comments(0)神社かみしばい

2023年03月10日

湯道から酒道へ


 昨日の続きです。

 映画 『湯道』 を観た僕は、脚本家の小山薫堂氏が提唱する “入浴” の精神と様式を突き詰めることで完成する 「湯道」 の所作を入浴施設にて、さっそく実践することにしました。


 一、合掌
  すべては感謝の気持ちから始まります。

 二、潤し水
  入浴前の水分補給は大切です。

 三、衣隠し
  脱いだ衣服には、生きる姿勢が現れます。丁寧にたたみました。

 四、湯合わせ
  いわゆる 「かけ湯」 ですが、見かけだけのかけ湯は厳禁です。しっかりと体を洗い流し、「湯を汚さない」 ことを心得ます。

 五、入浴
  ゆっくりと右足から浴槽に入ります。もちろん、手ぬぐいは頭の上に置きます。

 六、縁留 (ふちどめ)
  湯に体を沈め、おしりをつき、ゆっくりと体を後ろに倒し、縁の頂点でピタリと止めます。

 七、湯三昧 (ゆざんまい)
  湯に投入すれば、自ずと心の垢(あか)が剥がれ、汚れのない穏やかな気持ちになります。その到達地点を 「洗心無垢」 と呼びます。

 八、垢離 (こり)
  汗がじんわりと出てきたら、一度湯から上がり、水をかぶります。これを繰り返すことで、自律神経が整い、全身の血行が促進されます。「垢離」 とは神仏に祈願する際、水を浴びて心身を清め、一切の雑念を払って精神の集中をはかる 「水ごり」 のこと。

 九、近慮 (きんりょ)
  入浴を終えたら、椅子を正位置に戻し、使用した湯桶をきれいに洗い、逆さまにして残った水を切ります。「近慮」 とは、次に入浴する人が不快にならないよう慮(おもんばか)る行為のこと。

 十、風酔い
  湯の余韻に身を任せ、かすかな風の揺らぎにも幸せを感じます。「風酔い」 とは、湯上りに覚醒すること。

 十一、合掌
  感謝に始まり、感謝に終わります。


 無事、整いました!

 時計を見れば、まだ午後の3時半です。
 「湯道」 が整えば、次は、我が吞兵衛家が提唱する 「酒道」 の所作が待っています。
 心地よく春風を肩で切りながら、家元のいる酒処 「H」 の暖簾をくぐりました。


 一、合掌
  すべては感謝の心から始まります。

 二、潤し酒
  「とりあえずビール」 と言って呑む湯上りのビールは、至福の一杯となります。

 三、酒合わせ
  「湯道」 のかけ湯と同じ。いきなり日本酒に行くのではなく、ビールや焼酎を2、3杯呑んで体を慣らします。

 四、呑酒 (どんしゅ)
  いよいよメインの酒に口を付けます。僕の場合は、冷の地酒を切子細工のグラスでいただきます。

 五、酒三昧 (さけざんまい)
  作法はありません。好きな酒を好きなだけ呑み続けます。

 六、ほど酔い
  いくら酒が好きでも、酒に吞まれてはいけません。程よい酔い方 「ほど酔い」 にて、店を切り上げます。

 七、合掌
  「湯道」 と同じく、感謝に始まり、感謝に終わります。ママの美味しい手料理と、気の置けない常連客にも手を合わせて感謝!


 以上、一日にして、2つの道が整いました。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:15Comments(4)酔眼日記

2023年03月09日

温泉という名の銭湯


 その昔、まだ僕が温泉本を出版していない頃。
 JR東日本が発行している 『駅からさんぽ 両毛線』 という冊子の取材で、両毛線沿線の銭湯をすべてめぐったことがありました。

 新前橋駅 (群馬県)~栃木駅 (栃木県) まで、当時、営業していた全駅の全銭湯を調べ上げ、何カ月もかけて入浴してきました。
 当然、取材ですから風呂に入るだけではなく、経営者に苦労話なども聞いて書きました。


 その後、僕は温泉へと惹かれ、平成21(2009)年に初の温泉本 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社)、翌年に 『群馬の小さな温泉』(同) を出版しました。
 すると時を同じくして抜井諒一さんが、『群馬伝統 銭湯大全』(クレインダンス) を出版しました。

 抜井さんはWebサイト 「めっかった群馬」 の編集長で、当時 (平成22年2月現在) 群馬県内に29軒あった銭湯を、すべて取材して、一冊の本にまとめました。


 “温泉” と “銭湯”
 似て非なる、非して似ている2つの伝統文化。
 その本を書いた2人の対談を企画した新聞社があり、初めて抜井さんとお会いしました。

 僕よりは、かなりお若い方でしたが、並々ならぬ銭湯愛にあふれていました。
 2時間以上にわたる対談でしたが、温泉と銭湯に共通していたのは、日本人の “湯” へのこだわり。
 まさに、そこには柔道や剣道、茶道や華道に相通ずる 「湯の道」 があったのです。


 と、いうこで、今話題の映画 『湯道』 を観てきました。
 湯の道と書いて、「ゆどう」 と読みます。

 監督は、「HERO」 や 「プリンセス トヨトミ」、「本能寺ホテル」 などの鈴木雅之。
 企画・脚本は、「おくりびと」 でアカデミー賞外国映画賞を受賞した小山薫堂。
 そして主演は、生田斗真と濱田岳。
 その他、小日向文世、吉田鋼太郎、柄本明ら豪華キャストが脇を飾ります。

 ストーリーは、亡き父が残した実家の銭湯 「まるきん温泉」 に突然帰ってきた長男と、跡を継いだ次男とのマンション建て替えをめぐるドタバタ劇。
 そこに下町人情たっぷりのお節介な面々が加わり、さまざまな人間模様が繰り広げられます。


 まだ観ていない人のために、内容の解説はここまでにしますが、特筆すべきは、とにかくリアル!
 僕は完全に、現存する銭湯でのロケだと思っていたのですが、すべて一から作り上げたセットだったんですね (観終わってから知りました)。

 でもね、確かに違和感はあったんです。
 まず、風呂場のデザイン。
 浴槽が洗い場の中央にありました。
 ということは、設定は関西?
 (関東では、ふつう浴槽は奥にあります)

 それとタイル絵の富士山。
 こちらは、関東の定番です。
 (東西折衷のようです)

 極めつきは、屋号の 「まるきん温泉」 です。
 (関東ならば、「○○湯」 ですもの)
 銭湯のことを “温泉” と名乗るのは、完全に関西です。


 まあ、映画の楽しみ方は、いろいろです。
 温泉ファンも銭湯ファンも、また両方好きな方も、みんなが楽しめミュージカル仕立てのエンターテインメントお風呂ムービーです。

 ぜひ、ご覧ください。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:08Comments(2)シネマライフ

2023年03月08日

死に急ぐ子どもたち


 <これまで以上に自殺リスクが高い状態が続く可能性が高い>

 そう、さる大学教授が発表したのは、2年前のことでした。
 何についてのコメントかといえば、コロナ禍で急増した18歳以下の子どもたちの自殺についてです。
 ※(当ブログの2021年2月20日 「コロナに惑う子どもたち」 参照)


 その推測は、残念ながら的中してしまいました。

 昨年、2022年に自殺した小中高生は暫定値で512人となり、初めて500人を超え、過去最多となる見通しであることが、文部科学省などのまとめで判明しました。
 年々、右肩上がりに子どもたちの自殺が増えています。

 我が国を憂うことは多々ありますが、“世界一の自殺国” というレッテルだけは、受け止めることができません。
 いったい、いつから日本という国は、こんなにも子どもたちにとって、生きづらい国になってしまったのでしょうか?


 先日、さらにショッキングな新聞記事を目にしました。

 コロナ禍直前の2020年1月、自民党の参議院議員がSNSで 「あなたのために政治ができることを教えてください」 と質問したところ、20~30代の若者から 「苦しまずに自殺する権利を法制化してほしい」 という要望が殺到したといいます。

 「死ねなかった子どもたちは、大人になっても死ぬことを考えている」 ということですか?

 子どもや若者が死にたくなる国に、未来はあるのでしょうか?


 きっと毎日の中に、ワクワクやドキドキが、無くなってしまったんでしょうね。
 生きていることを楽しめなくなってしまっているようです。

 原因は?
 分かりません。
 でも、世の中が便利になりすぎたことも無関係ではないように思います。

 便利になったぶん、人と人が手をかけてコミュニケーションを取らなくなったということです。


 例えば、家電製品の普及により、手料理を囲んだ一家だんらんの食事から、レトルトや冷凍食品を温めて一人で食事をすることが増えました。
 通信機器の普及により、人と人が直接会う機会が大幅に減りました。

 何日も前から約束をして、待ち合わせの場所で友人や恋人に、やっと会えた時のワクワク感やドキドキ感は、今はもうありません。

 自殺は、孤独の成れの果て……?


 もう、“便利” をやめません?
 不便を楽しめれば、もっと人は人に興味を抱くと思うのです。

 震災の時、日本人は、あんなにも不便な環境に対して、手を差し伸べることができたじゃないですか?


 全体的に子どもたちの数が減っている少子化の世の中で、子どもたちの自殺が過去最多だなんて……
 悲しすぎます。

 政治家のみなさん!
 もっと本気を出してください!

 さもないと、この国は滅びますよ。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:58Comments(3)つれづれ

2023年03月07日

「神社かみしばい」 3月口演


 ♪ 雪が解けて 川になって 流れていきます
   土筆の子が はずかしげに 顔を出します
   もうすぐ春ですね
   ちょっと神社に行きませんか? ♪


 春が来ました!
 だいぶ暖かくなりましたね。

 春と言えば、神社です!
 そう、「神社かみしばい」 の季節です。


 おかげさまで、僕らの興行も3年目を迎えました。
 先月の2月口演では、新作紙芝居 『女堀と桜姫』 を披露することができました。

 「女堀」 とは、今から約800年前に掘られた農業用水路の跡です。
 伊勢崎市に残る 「赤堀花しょうぶ園」 は、国の史跡に指定されています。
 僕らは、この 「女堀」 に伝わる民話を紙芝居にしました。

 今後は、市内各所で上演する予定です。


 ぜひ、お越しください。



     「神社かみしばい」 3月口演
 
 ●日時  2023年3月18日(土)、19日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は19日のみ在社いたします。
   会場では著書の販売をいたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:34Comments(0)神社かみしばい