温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2025年04月30日

釈迦に説法するほど野暮じゃない


 「先生、大変お久しぶりです、覚えていらっしゃいますか?」

 今年の初め、女性の声で、突然、そんな電話がありました。
 ケータイの画面には、某県の温泉関連団体名が表示されていました。

 本当に久しぶりであります。
 どれくらい久しぶりなのかといえば、なんと! 17年ぶりであります。
 よくもまあ、ケータイの電話帳に残されていたものです。


 17年前に何があったのか?
 17年前といえば、僕はまだ40代の後半。
 新聞や雑誌に温泉関連の記事は執筆していたものの、すべて群馬県内のローカル紙です。
 もちろん、著書は一冊も出版していませんでした。

 なのに、どこから、どうやって、県外の、しかも温泉関連団体に僕の名が知られたのか?
 講演会の講師として、招かれてしまったのです。


 今思えば、無謀中の無謀でした。
 だって、まだ著書もない、駆け出しの温泉ライター (しかも自称) が、全国屈指の温泉県の、しかも温泉関連の施設や業者たちを前に、講釈をぶったのですから!
 いま、思い出しても背筋がゾーッとします。
 若気のいたり、だったのでしょうか?

 あれから17年が経ちました。
 当時の担当者が、僕のことを覚えていてくださったのです。


 「また、○○県で講演をしてくださいませんか?」
 そう言われ、一瞬、体が凍り付きました。
 もちろん、うれしいのです。
 でもね、17年前の記憶がよみがえって来たのであります。

 だって、またもや聴講者は全員、温泉関係者なのです。
 17年前は、確かに無知でした。
 無知だから、若さと度胸だけで、何も考えず、大風呂敷を広げて、意気揚々と乗り込んで行けたのであります。


 でも17年が経ちました。
 僕も大人になりました。
 著書も多数出版し、県内外での講演も数を重ねてきました。

 そのうえで、思うのです。
 「釈迦に説法っだって~!」
 野暮、やぼ、ヤボ~!


 さて、引き受けてしまったからには、逃げも隠れもしませんって。
 お釈迦様の前に出て、正々堂々と、僕が見て聞いて感じた仏 (温泉) の道を説いてみせましょう!

 ということで、来月の講演に向けて、日々、温泉のプロたちが喜びそうなマニアックなネタを集めています。


 牛に引かれて……、いえ、新幹線に乗って、いざ、出陣じゃ~!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(2)講演・セミナー

2025年04月29日

スマホがないと便利です


 「スマホを見ていた」
 先日、首都高速道路でトラックが乗用車に追突して、2歳児が亡くなった事故で、運転手が話した事故原因です。

 高速道路でスマホを見ると、どれくらい危険か?
 時速90キロで5秒間スマホを見ると、その間に100メートル以上進んでいることになります。
 一瞬で、便利なはずのスマホが、凶器に変貌するのです。


 「ながらスマホ」 の事故は、自動車だけではありません。
 自転車による 「ながらスマホ」 の事故も、後を絶ちません。
 ついに警視庁は、自転車で交通違反をした際に反則金納付を通告できる交通反則切符制度を、来春に開始すると発表しました。

 自転車の走行中にスマートフォンを使用する 「ながら運転」 には、罰金12,000円が課せられます。

 
 なんなんですかね、スマホの普及するスピードに比べると、後手後手の法整備のような気がしますが……
 ま、依然、スマホを持たない僕には、関係ない話なんですけどね。
 だって、こんな “便利” な生活は手放せませんって!

 スマホって、一度持ったら最後で、持たない生活なんて考えられないんでしょう?
 その逆で、持たない生活を続けていると、スマホを持つ生活なんて考えられなくなるのです。


 その一番の理由は、やはり、スマホがないと “便利” ということ。
 本来、便利とは、暮らしが豊かになることです。
 なのにスマホは、以下の2つを束縛します。

 ①時間
 ②人間関係

 スマホがない生活は、この2つが豊かです。
 ①待ち時間や休憩時間を有意義に使えます。
 僕は、読書に当てています。

 ②SNSを通じた、うわべだけの人間関係を排除することができます。
 本当に大切な友人や知人とは、メールや電話で情報交換をするほうが的確です。


 ということで、スマホに縛られる生活なんて、僕には考えられません。
 もし、今後、僕がスマホを持つような日が来るとすれば、それは他に通信手段がなくなった時でしょうね。

 ま、その時はその時で、臨機応変に対処したいと思います。
   


Posted by 小暮 淳 at 10:54Comments(2)つれづれ

2025年04月28日

どう生きる? どう生きた?


 「人生は、何をするかではなく、どう生きるかだ」
 死んだオヤジの口ぐせでした。

 10代に家を出て、夢を目指して東京へ向かう僕にも、やはりオヤジは、この言葉で見送ってくれました。


 今、この歳になり、やたらとこの言葉が反芻されます。
 「オヤジは、どんな意味を込めて、僕に告げたのだろうか?」

 そして息子として、今になってオヤジの生涯を振り返ることが増えました。


 常にオヤジは、一匹狼でした。
 終戦後、語学力を買われて、進駐軍の通訳として働きました。
 撤収後は、地元の中学校の英語教師になりましたが、校長とトラブルを起こし、わずか数年で退職。
 その後は、たった一人で細々と私塾の経営をしながら、晩年まで暮らしました。

 一見、唯我独尊のオヤジでしたが、正義感も強く、困っている人を放っとけない、やさしさも持ち合わせている一本気の人でした。
 ただ最期まで、世間や他人に流されることなく、長い物に巻かれることなく、“自分” を貫いた一生だったと思います。


 いま僕は、すでに当時のオヤジの年齢を越えています。
 「何をするかではなく、どう生きるか」
 という教えも、過去形として受け止めなくてはならない歳になりました。

 「何をしたかではなく、どう生きてきたか」


 とりあえず60数年間を、生きてみました。
 常に、何かをしながら生きていたと思います。

 では、どう生きたか?

 日々、自問自答をくり返しています、
 何かはしてきたけど……
 その生き方までは、無頓着だったような気がします。


 あと何年、生きられるのでしょうか?
 オヤジの年齢まで生きられるとしたら、まだまだ30年近くもあります。

 残りの人生、何をするかでなく、どう生きるか?
 まさに、これからが真価を問われそうです。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:38Comments(2)つれづれ

2025年04月27日

ショッカー戦闘員の苦悩


 昨日のつづきです。

 昨日現在 (4月26日付)、このブログの記事投稿総数は4,227話です。
 その中でアクセス数の多い 「人気記事ランキング」 というのが日々、発表されています。
 もちろん、読者のみなさんは閲覧することはできませんが、ブログ主の僕はチェックすることができます。

 ちなみに現在のベスト3は下記の記事です。
 ①奈女沢温泉 「釈迦の霊泉」  2012年11月10日
 ②座禅温泉 「白根山荘」  2014年10月9日
 ③老神温泉 「ぎょうざの満州 東明館」  2014年6月18日

 以下、100位くらいまで、ほとんどは温泉地・旅館または温泉関連の記事が占めています。
 その中にあって、温泉関連以外で根強い人気を保っているのが、2013年4月15日に投稿した 『ショッカーの 「イー!」 』 という記事です。

 正しくは、ショッカー戦闘員の 「イー!」 ですね。


 この話は、僕が若い頃に体験した着ぐるみ劇団でのエピソードです。
 そうなんです!
 昨日、お話ししたウルトラマンの話です。
 実は、この劇団の演目はウルトラマンシリーズだけじゃないんです。
 仮面ライダーシリーズも演じていました。

 で、当然ですが、身長が足りない僕は、ヒーローには入れません。
 だからといって仮面ライダーの怪人役は、ウルトラマンの怪獣とは違い、機敏なアクションが求められます。
 ということで、僕の出番は、その他大勢の悪役 「ショッカー」 の戦闘員ということになります。


 僕ら戦闘員は、ショーが始まる前から、会場の陰に隠れています。
 そして、ショーが始まると 「イー!」 と叫びながらステージへと飛び出して行きます。

 一番、恥ずかしい瞬間です。

 だって、知ってますよね?
 戦闘員の格好を!

 全身黒タイツなんですよ。
 体形モロ分かりです。
 乳首の突起も、股間のモッコリも、形状通りにクッキリと見えているんです。

 親や恋人には、絶対に見せたくない姿であります。


 で、なんで、このブログが人気ランキングの上位に来ているのか?
 はい、実は 「検索キーワード」 というものも閲覧することができるのです。
 何という言葉で検索をして、このブログにたどり着いたのか?
 それをチェックする機能があるんです。

 で、ありました!
 一番多かったキーワードです。

 「戦闘員 もっこり」


 やっぱり、みなさん、気になりながら戦闘員の股間を見ていたんですね。
 ああ、今思い出しても、はずかしーーーーいッ!!!!!

 僕の青春の1ページに刻まれた黒歴史であります。
 (黒タイツだけに)
  


Posted by 小暮 淳 at 11:27Comments(4)つれづれ

2025年04月26日

ごめんね、ウルトラマン


 先日、定年退職を迎えた同世代の知人から、こんな話を聞きました。
 退職式でのこと。

 同僚とともに3人で、式に臨んだとのこと。
 退場の際、見送る曲として会場には、一人ひとりの好きな曲が流れたそうです。
 「で、何を流しの?」
 「ウルトラセブン」
 「ウルトラセブン?」
 「そう、ズ―――っと前から決めていたの」

 「で、他の2人は?」
 「自己申告しなかったみたいで、『いい日旅立ち』 でした」
 なんだが、昭和の結婚披露宴のようですね。


 それにしてもウルトラセブンのテーマとは、かなりの変わり者です。
 「俺は職場ではヒーローだったんだ」 という自己顕示欲の現れなんでしょうか?
 それとも、子どもの頃に抱いた将来の夢への再チャレンジという意思表明なのでしょうか?

 いずれにせよ、彼の第二の人生に、幸多かれと願います。


 ウルトラセブンといえば、円谷プロです。
 僕の世代は、なんてったって初代のウルトラマンであります。
 男の子なら誰もが、「シュワッチ」 と言いながらジャンプしたり、スペシューム光線を発する格好をして遊んでいました。

 長じて、好きが高じて僕は、20歳の頃に劇団入りました。
 と言っても、子ども相手の着ぐるみ劇団です。
 それも、円谷プロ系でした。

 だもの、毎週末はデパートの屋上や商店街の催し物会場で、ウルトラマンショーを開催していました。
 えっ、ウルトラマンに入っていたのかって?
 まさか!
 ヒーローの着ぐるみに入れるのは、身長180センチ以上の体育大学生と決まっていました。
 身長160センチ台のその他僕らは、やられる怪獣です。
 (なんと! 僕はあの、ウルトラマンを倒したゼットンにも入ったことがあるんですよ) ←自慢


 で、ショーの最後には決まって、握手会というのがあります。
 ステージに出演したヒーローが整列します。
 ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、アルトラマンエース、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオ
 (当時は、そのあたりまででした)

 実は、握手会に参加したチビッコたちには、プレゼントがありました。
 それは!
 なななんと、サイン色紙であります。

 え―――――っ、ウルトラマンにサインなんてあるの~!?
 と驚くかもしれませんが、
 あります!
 それもウルトラ兄弟全員のサインがあります。


 もう 半世紀近くも前のことなので、時効ですよね。
 誰が書いていたのか?
 はい、劇団員です。

 だから僕らは毎日、家でサインの練習をしていました。
 ウルトラマンからウルトラマンレオまで、全員のサインを覚えさせられました。
 そして、ショーの合間の休憩時間には裏方で、せっせせっせと色紙にサインをしていたのです。


 あの頃、サインをもらった子どもたちも今は50歳以上のおっちゃん、おばちゃんになっていると思います。
 ごめんなさいね、夢を壊してしまって。
 キミが持っているサインは、もしかしたら僕が書いたものかもしれません。

 いい夢を見たと思って、許して!
 シュワッチ! 
  


Posted by 小暮 淳 at 11:19Comments(3)つれづれ

2025年04月25日

いいかんぺー紅白歌合戦


 朝、目覚めると僕は、まず第一に2つの事をチェックします。
 ①スケジュール
 ②天気

 ①取材や打ち合わせ等の外出予定がある場合は、前日の内に準備してありますが、ない場合、急ぎの原稿等があるかどうかのチェックです。
 ②まず新聞の天気予報を見て、さらに詳しくネットで情報を集め、念には念を入れて雨雲レーダーもチェックします。


 で、外出予定もなく、急ぎの原稿もなく、しかも天気が良好だった場合、僕はすぐさま、メールを打ちます。
 <オッハー! 今日、一席空いてますか?>
 送信先は、行きつけの呑み屋のママです。

 昨日は、こんなメールが返ってきました。
 <おつかれさ~ん! 今日は暇だから良かったよ~!>


  “小さな小さな旅” の始まりです。
 昼過ぎ、リュックを背負って家を出て、歩き出します。
 バス停まで約20分。

 市内循環バスは、どこまで乗っても一律100円です。
 昨日は、JRの駅で下車しました。


 まずはコンビニに寄って、新聞を一紙、購入。
 それを持って、近くのレストランへ。
 パスタを食べつつ、新聞を隅から隅まで読破。

 まだまだ時間はあります。
 「そういえば、会期が始まっていたはず」
 と、前々から気になっていた歴史資料館へ立ち寄りました。
 郷土の偉人の企画展です。
 学芸員の解説を受けながら、30分間の閲覧を楽しみました。


 さて、そろそろ店へ向かうか?

 行きつけの呑み屋、酒処 「H」 の営業時間は午後4時からです。
 が、それは建前で、それより前でも常連客らは、お構いなしにやって来て、呑み始めています。
 まだ4時前だけど、呑み始めるか?

 「いや、待てよ、今日は気温も高く、汗をかいたな」
 と思い、歴史資料館を出た僕は、その足で、日帰り温泉施設へ向かいました。


 「カンパ~イ! おつかれさま~!」
 僕とママと、もう一人の常連客と、まずは生ビールです。

 やがて常連客が、もう一人来て、しばらくはにぎやかに談笑していたのですが、やがて、1人帰り、2人目も帰り、気づいたら僕とママの2人っきりになってしまいました。
 「ねっ、今日は暇だって言ったでしょ」 とママ。

 でもね、こんな日は、とっても珍しいんですよ。
 いつもは予約でいっぱいで、立ち呑みが出るくらいの繁盛店なんです。
 1年に1回か2回くらいですかね、僕とママが2人っきりになれる日があるんです。

 こんな日は、決まって2人だけの、とっておきの “ゴールデンタイムSHOW” が始まります。
 題して、「いいかんぺー紅白歌合戦」。
 (「いいかんぺー」 とは群馬の方言で、「いい加減」 のことです)


 「まずは紅組からお願いします」
 と僕は、ママにマイクを渡します。

 何が 「いいかんぺー」 なのか?
 はい、歌詞です。
 なんでもいいから好きな洋楽をリクエストします。
 曲は知っているけど、外国語だから歌えない曲を、適当にデタラメ発音で歌うのです。

 この日、ママが選んだ曲は、70年代にヒットしたフランス語の歌でした。


 「次は白組ね」
 僕は大好きなビージーズの曲をリクエスト。
 まあ、青春時代を思い出しながら、なんとか歌い切りました。

 昨日は、帰りのバス時間の都合もあり、ここまででしたが、余裕がある日は、この後、ミッシェル・ポルナレフなんかを歌うんですけどね。


 ママ、次回はいつになるのかね?
 「いいかんぺー紅白歌合戦」 の続きを楽しみにしています。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(4)酔眼日記

2025年04月24日

至福のテイスティング


 「ぐんまの地酒大使」 としての任務を日々、遂行しています。
 それは、テイスティングです。


 先週、「舞風」 が15本、届きました。
 「舞風(maikaze)」 とは、群馬県農業技術センター開発の酒造好適米 「舞風」、県産酵母、県の仕込み水を使用した “オール群馬の地酒” のことです。
 今年のエントリーは15蔵。
 1蔵1本、180ml (1合) を毎日、1本ずつテイスティングするのが、毎年恒例の僕の任務であります。

 ただ難しいのは、僕も人の子ですからね。
 ごひいきの酒蔵っていうのがあります。
 ということは、銘柄を知ると、ついつい高い点数を付けてしまう恐れがあります。

 ということで、“目隠しテイスティング” を心がけています。


 15本の 「舞風」 は、段ボール箱に入っています。
 あらかじめ、すべてのラベルとキャップには目隠しをしておきます。
 そして、目をつむったまま段ボール箱に手を入れて、無差別に1本を抜き取ります。

 冷酒グラスに注ぎ、まずは一口目の第一印象をメモします。
 二口目は、口の中で酒を回し、味と香り、酸味等を吟味します。
 でも、まだ、ここでは採点をしません。

 酒は呑み続けるうちに、一口目の感想とは異なることがあるからです。
 最初は 「辛い」 と思った酒が、杯を重ねるうちに 「程よい酸味」 に変わることもあります。
 味覚とは、そんなものです。

 僕の場合、「飽きの来ない」 という評価を大切にしています。

 で現在、5日間で5蔵5本、5合分のテイスティングをしました。
 やっと3分の1が終わったところです。


 テイスティング中、手元には 「審査メモ」 と書かれた用紙が置かれています。
 左に蔵元の一覧、真ん中は評価覧、右が評価コメント覧になっています。

 評価は5段階です。
 まず僕は味に対して、「ふつう」 を 「3」 に設定して、「うまい」 と思えば 「4」 以上の採点をします。
 さらに、これに 「好み」 を加えます。

 最終的には、酒は好みの問題ですからね。
 「好き」 と感じたら 「0.5」 ポイント刻みで加点します。

 で現在、すでに呑んだ5本の中に、満点 「5」 を評価した酒がありました。
 しかも採点後に、ラベルを見てビックリ!
 なんと昨年、僕がベストワンに選んだ蔵元の酒だったのです。

 う~ん、まだまだ僕の舌は衰えていなかったのですね!
 ていうか、この味が 「好み」 なんでしょうね。


 残り10日間、至福のテイスティングを味わいたいと思います。


 ※今年の 「舞風」 出品酒と15蔵のエントリー一覧は、2025年4月20日 「ファンが選ぶ今年の舞風 2025」 を、ご参照ください。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:09Comments(2)大使通信

2025年04月23日

赤天狗 黒天狗


 群馬県民は、“天狗” と聞けば、迦葉山(かしょうざん)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
 天狗伝説で有名な沼田市の霊山です。
 過去に僕は、「なぜ沼田は “天狗の町” になったのか?」 というタイトルで、本にまとめました。
 (拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 に収録)

 でもね、何も天狗伝説は、沼田市だけではありません。
 日本全国、もちろん群馬県全域に残されています。

 天狗山、天狗岩、天狗松、天狗の○○……
 地図や観光マップを見れば、いたるところに点在しています。
 また温泉地には、天狗が湯を止めたり、子どもをさらうなどの悪事をはたらく伝説が多々あります。


 その場合、ほとんどの伝説に登場する天狗は、顔が赤くて、鼻が高い、「鼻高天狗」 です。
 まあ、天狗といえば、その風貌ですよね。

 でも、天狗には、もう一種類(?)、いるじゃありませんか!?
 そうです!
 顔のとがった、くちばしを持つ、黒い 「烏(カラス)天狗」 です。
 別名、「木の葉天狗」 ともいいます。

 前々から僕は、この烏天狗が気になっていたんです。


 で、調べてみると、赤い天狗よりも黒い天狗のほうが、歴史が古いことが分かりました。
 赤い天狗は、近世になってからキャラクターが確立され、ブームになったようです。
 だったら黒い天狗がルーツなのか?

 この疑問を追って僕は、また “謎学の旅” に出ました。


 訪ねたのは、県内某所。
 その町にはシンボルとして、大きな烏天狗の銅像が立っています。
 しかも、近くには天狗山もあり、天狗を祀った神社もありました。

 うん?
 天狗って、神様なんだ。
 妖怪じゃないんだ!


 黒い天狗の棲む町を徹底調査したいと思います。
 謎学の旅は、つづく。
   


Posted by 小暮 淳 at 10:51Comments(2)謎学の旅

2025年04月22日

てっぺん、とったど―――!!


 コツコツ、コツコツ……
 日々を、したためています。

 コツコツ、コツコツ……
 ほぼほぼ毎日、したためています。

 ただ、それだけなのです。
 が!

 てっぺん、とったど―――!!


 今日、「グンブロ」 のサイトにログインすると、
 <あなたのブログが総合ブログランキング1位になりました>
 と表示されました。

 久々に、人気ブログランキング1位になりました。
 ありがとうございます。
 これも、ひとえに、飽きもせずにコツコツと日々、ブログを読んでくださっている読者様あっての、ごほうびです。

 改めて、お礼を申し上げます。


 ていうか、なんで今なんでしょうか?

 前回1位になったのは、1年半前の2023年10月でした。
 そう、明石家さんまさんの番組に出演した直後でした。
 そして、その前は、さらに1年前の12月。
 安住紳一郎アナがラジオの生放送で、僕のことを 「師匠」 呼んだ翌日でした。

 前回も前々回も、ランキング1位に引き上げるだけの外的要因があったのです。
 でも、今回は何もありません。
 日々、凡々と日常をつづっているだけです。

 いったい、何があったというのでしょうか?


 このブログサイトには、2,000人以上が登録されています。
 毎日、人気ブログランキングが発表されていますが、僕のブログは、いつも2位か3位です。
 (だって1位には、とんでもない読者登録を保有する化け物ブログが、いつも君臨しているのです)

 今回は、その化け物ブログを外的要因なしに、自力打破したということですから、喜びもひとしおであります。


 読者様には、重ねて御礼を申し上げます。
 今後も末永く、お付き合いのほどを、よろしくお願いいたします。

 いつも、ありがとね!
  


Posted by 小暮 淳 at 10:45Comments(5)執筆余談

2025年04月21日

あの番組がやって来た!


 一昨日、玉村八幡宮にて街頭紙芝居の特別口演を、無事に終えることができました。
 急きょ決まった、緊急開催だったにもかかわらず、たくさんの人が来場してくださいました。
 ただただ感謝!

 この場をもちまして、来場してくださった方々に、厚く御礼を申し上げます。
 本当にありがとうございました。


 さて、いったい、なぜ、緊急開催となったのか?
 来場された人は、すぐに分かりましたよね。
 そうなんです!

 あの、人気テレビ番組の撮影が入ったのです。


 まだ放送日が決定していないので、うかつなことは言えませんが、全国の都道府県民がワクワクしながら観ているあの番組です。
 では、なぜ、そんな有名な番組が紙芝居を撮影に?

 実は番組のテーマは、紙芝居ではありませんでした。
 紙芝居で取り上げているキャラクターだったのです。
 では、その演目は?

 『焼きまんじゅうろう 旅すがた』


 そうです!
 一昨年に亡くなられた絵本作家・野村たかあき先生の遺作であります。
 「アンパンマン」 よろしく、上州名物 「焼きまんじゅう」 を擬人化したヒーローが、悪人をバッタバッタとやっつける痛快時代劇であります。

 勘のいい読者ならば、もう、分かりましたよね!?
 何をテーマに、群馬くんだりまで東京からロケに来たのか!


 実は当日、僕もインタビューを受けました。
 僕だけじゃありません。
 なんと、このブログを見て会場に来てくれた読者たちと一緒にです。

 「みなさんは、どんなお仲間ですか?」
 「はい、ブログ主と、その読者です」
 そんなディレクターの質問から始まり、パネルを見せられながら10分以上も話をしました。


 読者の中には、かなりキャラの濃い人がいましたからね(笑)
 たぶん、ボツにならずにオンエアされると思いますよ。

 では、みなさん、お楽しみに!
 放送日が決定次第、報告します。

 それまでは “ヒミツ” にね。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:04Comments(10)神社かみしばい

2025年04月20日

ファンが選ぶ今年の舞風 2025


 昨日、「群馬の地酒フェスタ」 が、高崎市の 「Gメッセ群馬」 にて開催されました。
 今年は昨年の500人を上回る700人の一般来場がありました。
 なんでも、締め切りをまたずにチケットは完売したそうです。
 よって会場も、昨年の倍のスペースを借りて開催されました。

 参加蔵元は19蔵、フード事業者も5社が出店。
 3時間の地酒呑み放題という、まさに、のん兵衛による、のん兵衛のための夢の祭典です。

 もちろん僕も、のん兵衛として、いえいえ! 「ぐんまの地酒大使」 として参加し、ちゃんと委嘱式では登壇してきました。


 今年で28回目を数える 「群馬の地酒フェスタ」 ですが、ただ群馬県内の酒を呑んでもらおうというだけの祭りではありません。
 そうです!
 今年もオール群馬の酒 「舞風」 が、先日4月18日に解禁となりました。
 毎年、この解禁に合わせてフェスタは開催されています。
 いわば、新酒のお披露目会も兼ねているわけです。

 ちなみに 「舞風(maikaze)」 とは、群馬県農業技術センター開発の酒造好適米 「舞風」、県産酵母、県の仕込み水を使用した酒のことです。
 だから、“オール群馬の地酒” なんです。


 そして 「舞風」 発売を記念して、フェスタを皮切りに 「群馬 SAKE TSUGU CUP 2025 ~ファンが選ぶ今年の舞風 Our Best」 が、同時スタートしました。
 これは、今年の 「舞風」 の出来を競うテイスティングです。

 もちろん僕も毎年、参加しています。
 今年も解禁日に、「舞風」(180ml)」 の小瓶15本が群馬県酒造協同組合から送られてきました。
 これを1日1本、15日かけて試飲し、5段階評価で採点します。

 まあ、趣味と実益を兼ねた、とっても楽しい仕事であります。
 

 ちなみに今年のエントリーは、以下の15蔵です。   

 ①町田酒造店 清嘹 純米生酒 舞風 (火入れVar.)
 ②栁澤酒造   桂川 純米酒 舞風
 ③聖酒造    かんとうのはな 純米酒 舞風
 ④柴崎酒造   船尾瀧 特別純米酒 舞風
 ➄松屋酒造   平井城 純米吟醸 舞風
 ⑥聖徳銘醸   鳳凰聖徳 純米吟醸原酒 舞風
 ⑦浅間酒造   秘幻 純米大吟醸 舞風
 ⑧貴娘酒造   風の詩 純米大吟醸 無濾過原酒
 ⑨大利根酒造 左大臣 純米吟醸 舞風 「舞」
 ⑩永井酒造   谷川岳 純米吟醸 舞風
 ⑪永井本家   利根錦 純米酒 舞風
 ⑫近藤酒造   赤城山 純米吟醸 舞風
 ⑬分福酒造   分福 純米吟醸 館林産舞風 五割五分 G2酵母
 ⑭山川酒造   利根川育ち 純米酒 舞風
 ⑮島岡酒造   群馬泉 山廃純米 舞風


 詳しくはホームページにて、ご確認ください。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:34Comments(2)大使通信

2025年04月18日

思い出と希望の詩人


 昔、といっても20歳の頃だから、半世紀近くも大昔の話です。
 当時、僕は東京のとある私鉄沿線の街に暮らしていました。
 そして、同じ沿線の街にある小さな書店で働いていました。

 60代の老夫婦が営む書店には、通いで来る50代の経理のおじさんと、住み込みの10代の男子がいました。
 僕は、配達だけを任されたアルバイトでした。


 店がヒマになると、決まって主人 (社長) は、僕を向かいの喫茶店に誘いました。
 「小暮君、ちょっと一服しよう」
 そして、決まって主人は、生まれ故郷の話をしてくれました。
 長崎です。

 「小暮君は歌を歌っているんだよね」
 「はい」
 「じゃあ、さだまさしを知っているだろ?」
 「もちろんです」
 「彼は天才だね。長崎の誇りだよ」
 と毎回、必ず、さだまさしの自慢をするのでした。


 もちろん僕も10代の頃には、グレープ (さだまさしのいたグループ名) のレコードを聴いていました。
 ソロになってからも、何枚かは買って聴いた記憶があります。
 特にデビュー曲の 『精霊流し』 には、衝撃を受けました。

 「なんだ、この歌詞は!」
 と、今までの歌謡曲にもフォークソングにもなかった、まるで一編の小説を読んでいるような物語性に、文学を感じたことは言うまでもありません。
 その後も、さだまさしさんは、数々のヒットを飛ばしました。

 さらなる衝撃は、山口百恵さんに書いた 『秋桜』 でした。
 秋桜と書いて、「コスモス」 と読ませたのです。
 詩の内容も、嫁ぐ日の娘と母の心情を歌うという、やはり従来の歌謡曲やフォークソングにはなかったドラマに仕立て上げてありました。


 そんな才能豊かな、さだまさしさんですから、小説を発表した時も驚く人はいなかったと思います。
 2002年に発表した初小説の 『精霊流し』 が、いきなりベストセラーになりました。
 むべなるかな、であります。

 その後も彼は、シンガーソングライターと小説家の二足の草鞋を履き続けています。


 いつか読んでみたいと思いつつ、20年以上の歳月が流れてしまいました。
 最近、新聞記事で、さだまさしさんについての書評を読みました。
 その中で、 『解夏』 を挙げていました。

 解夏(げげ)とは、夏が終わること。
 陰暦の7月15日、季語は秋。

 さださんらしいタイトルです。


 表題作 『解夏』 を含む4編の小説集です。
 もちろん、映画にもなった表題作も胸を打つのですが、他の3篇も秀作です。
 僕的には最後の 「サクラサク」 に涙腺をやられてしまいました。

 日に日に記憶が遠ざかる父親と家族を連れて、父親の幼児期の記憶をたどるエリートサラリーマンの話です。
 認知症の介護に携わった者だけに分かる、辛くやるせない心情描写が胸に迫ります。


 解説を作家の重松清氏が書いています。
 <このひとは思い出と希望の詩人だ。ずっと思っていた。さだまさし氏のことである。>
 から始まる解説文も一読の価値があります。

 うららかな春の宵に、ページをめくってみたらいかがでしょうか。
  


Posted by 小暮 淳 at 15:05Comments(2)読書一昧

2025年04月17日

普通な人大賞


 なぜだか昨日は、不意にA君のことを思い出しました。
 命日でもあるまいに……


 A君は、幼なじみで小中学校の同級生でした。
 A君の 「A」 は、名前の頭文字ではありません。
 ABCの 「A」 なんです。

 誰も面と向かっては言いませんでしたが、陰ではみんな、彼のことを 「A君」 と呼んでいました。


 中学3年生の頃だったと思います。
 仲間内で盛り上がったテーマがありました。
 それは、「ふつう」 について。

 「一番、普通な人って誰だろうね?」
 誰かが言った一言から始まりました。


 みんなで、「普通な人」 の定義を考えました。
 器量も人並み、体形も中肉中背。
 頭も良からず悪からず。
 性格も明るすぎず、暗すぎず。

 日本全国、どこにでもいそうな中学生 “少年A” 探しが始まりました。


 その結果、満場一致で、A君が選ばれました。
 「第1回 どこにでもいそうな普通な人大賞は、A君に決定しました!」 
 以来、誰もが彼のことを陰で、「A君」 と呼ぶようになりました。

 本人は、知るよしもないのですが……


 あれから40年ほど経ったある日のこと。
 同級生からA君の死去が知らされました。
 まだ50代でした。

 僕は大人になった彼を知りません。
 ただ友人らの話を総合すると、A君はその後、高校、大学と普通に進み、地方銀行に就職したといいます。
 結婚をして、子どももいて、何不自由ない普通の生活をしていたようです。

 でも突然、病魔が彼を襲いました。


 残念ですが、彼は寿命だけが、普通ではなかったのですね。
 短命でした。

 今になって思います。
 生前に彼に会っておけば良かったと……
 そして、元気なうちに 「普通な人大賞」 の賞状を授与しておけば良かったと……


 そんなことを昨日、だらだらと思い描いていました。
 楽しかった遠い遠い日々をめぐりなから……

 缶けりをした、あの空き地は、もうないんでしょうね。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:59Comments(0)つれづれ

2025年04月16日

【緊急開催】 特別口演 in 玉村八幡宮


 突然ですが、急きょ、玉村八幡宮にて街頭紙芝居の口演を開催することになりました。
 たった1日、しかも、午後1時からのたった1回だけのスペシャル口演です。

 えっ、なんでまた急に!?
 と、思われるでしょうね。
 はい、今週になって突然、決まりました。

 勘のいい読者なら、きっと、察しがついているでしょうね。
 そうです!
 もしかすると、もしかすることが、現実に起きたのであります。
 (当ブログ2025年4月13日 「石の上にも五年」 参照)


 ということで、報道関係や一般への告知は間に合いませんでした。
 このブログを見た人で、当日、会場に来られる人は、ぜひ、ご参加ください。
 求む、急募!

 たった1回だけの演目は?
 それは、会場に来た人だけのお楽しみです。


 みんな~、待ってるよ~!



      緊急開催!  『玉村かみしばい』
 
 ●日時  2025年4月19日(土)
        13時~ (約20分) ※1回口演のみ
 ●会場  玉村八幡宮 境内 (群馬県佐波郡玉村町下新田1)
        ※雨天など悪天候時は屋内開催
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●協力  玉村町教育委員会
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480
  


Posted by 小暮 淳 at 09:47Comments(7)神社かみしばい

2025年04月15日

ブルーチーズとサザンとオンザロックと


 「春眠暁を覚えず」
 なんて言いますけど、僕の場合、一年中です。
 だって、宵っ張りなんだもん!

 これって、職業病かもしれませんね。
 とにかく一日が、スロースターターなんです。


 宵っ張りのくせして、睡眠時間の確保には厳格です。
 目覚まし時計は、床に就いた時間から8~9時間後にセットします。
 だもの目覚めるのは当然、昼近くになっちゃったりします。

 そんな生活が、何十年と続いています。


 「今日は、ここまで!」
 と自分に言い聞かせて、仕事モードからプライベートモードに切り替えるのは、だいたい夜9時頃です。
 まずは、缶ビールを一本!
 まあ、観るでもなく、つけっぱなしのテレビの前で、ダラダラと……

 次は軽く、ウイスキーの水割りです。
 つまみは、適当です。
 帰りに買ってきたスーパーの半額総菜だったり、乾きものだったり。
 2杯呑んだら、いよいよ、本番です。

 喉も潤ったところで、日本酒を冷でチビチビと、やり始めます。
 相棒は、小説だったり、エッセイだったり。
 テレビは切って、BGMはピアノ音楽にします。


 小一時間も経つと、ちょっと睡魔が襲ってきます。
 「さ、そろそろ寝るか」
 と、歯を磨くと、まるで、それが合図のように、スイッチが入ります。

 「そうそう、ブルーチーズが、あるじゃない!」
 って。
 青カビのチーズは、僕の大好物です。
 ちょっと高いから、量は食べません。
 数かけらを小皿に乗せて、いよいよ、締めのナイトキャップの始まりです。

 もちろん、お相手はオンザロック!
 あの、カラカラ音が、大好きなんですね。
 いかにも 「呑んでるぜ~」 感が、たまりません。


 実は僕、ウィスキーを呑むと、サザンオールスターズの曲を聴きたくなるヘキがあるんです。
 「でも、どうしようかな~。明日は早いし」
 と言うときは、我慢するんですけどね。
 でも通常ならば、禁断症状が出る前に、YouTubeにアクセスします。

 PVもいいけど、やっぱサザンはライブです。
 すると……
 あっという間に、2時間ぐらい経ってしまうんですね。


 ああ、また、やっちゃった!
 って、毎度、あわてて布団の中に、もぐりこむのが常であります。

 それでも、しばらくは頭の中には、サザンが流れています。

 ♪ ジャンヌ・ダルクによろしく~
   


Posted by 小暮 淳 at 11:41Comments(6)酔眼日記

2025年04月14日

人の噂も千七十五日


 昨日は雨の中、朝から町内の 「堀払い」 に参加してきました。
 いわゆるドブ掃除です。
 年に一回、小雨決行で行われます。

 全町民、一世帯一人参加ですからね、そりゃ~、にぎやかです。
 長靴はいて、スコップを手に、ゾロゾロと集まってきます。
 昔と違って、今はドブ川ではなく、側溝ですから清掃作業もラクです。
 ものの30分で解散となりました。


 で、こんだけの数の町民と顔を合わせる機会なんて、この日と納涼祭ぐらいしかありません。
 だから毎年、誰かしらに声をかけられます。
 今年も同年配の男性が近づいて来て、

 「小暮さん、観たよ!」
 「観たって?」
 「ほら、さんまさんの番組」

 ドッヒャー!
 いったい、いつの話ですか!?
 僕が、明石家さんまさんの番組 『ホンマでっか!TV』 に出演したのって、おととしですよ。


 そう言えば先日も、自治会費を班長宅に届けたら、
 「ラジオ、聴いたわよ! 安住さんの」
 と、3年以上前の話をされました。

 この町って、時が止まっているのでしょうか?


 ま、それだけ町内では、ウワサが温存され続けているということなんでしょうね。
 “人の噂も七十五日” と言いますが、とんでもない!
 千日経ったって、消えはしませんって。

 だもの、犯罪になんて手を染めたら絶対に、この町には住んでいられないということです。
 あ~、良かった!
 悪いことでテレビに出たんじゃなくて……(ホッ)
   


Posted by 小暮 淳 at 11:01Comments(0)つれづれ

2025年04月13日

石の上にも五年


 昨日は昼間から美酒に酔いしれました。

 集まったのは、紙芝居師の石原之壽(いしはらのことぶき)君と画家でイラストレーターの栗原俊文君と僕です。
 3人の共通は、紙芝居の制作と口演活動をしているメンバーであること。

 なぜ、その3人が昼間っから酒を酌み交わしたのか?
 理由は、3つありました。


 まず1つ目は、先月、伊勢崎市内の4会場で開催をした紙芝居 『国定忠治』 の口演が、無事に終わったことの打ち上げ会です。
 作文と口演を石原君が、作画を栗原君が、監修を僕が担当しました。

 2つ目は、先週放送されたテレビ東京 『youは何しに日本へ?』 に、石原君が出演した祝賀会です。
 テレビの中で披露した紙芝居は、玉村町を舞台にした 『五料のカッパと妙義のカッパ』 でした。
 作・脚本が僕で、作画を栗原君が担当しました。


 まあ、この2つの出来事だけでも、十分に美酒を浴びるほど吞めるのですが、なななんと! 直前になって一昨日の午後に、ビッグニュースが飛び込んで来ました~!
 あ、あ、あの! 日本テレビの人気番組からのオファーです!

 「なんで?」
 「あの番組と紙芝居って、関係ある?」
 との疑問に、某番組のディレクターは……

 「ああ、なるほど!」
 「そういうことね」

 実は、これまた3人で作った紙芝居の内容に、ヒントがありました。
 もしかしたら、もしかしますよ~!
 決定次第、発表します。


 “神社かみしばい” と銘打った街頭紙芝居の興行が、伊勢崎市の神社で始まったのは、コロナ禍の2020年1月でした。
 僕は、翌年から脚本を担当しています。
 その翌年には、栗原君も作画で参加しました。

 あれから5年。
 石原君は地元の新聞だけではなく、全国放送のテレビ番組にも引っ張りだこです。


 たかが紙芝居?
 昭和の遺産?
 時代遅れ?

 いえいえ、きっと、素朴で温かい紙芝居の世界が、令和の時代には新鮮で画期的に映るのかもしれませんね。


 石の上にも5年。
 やっと、認知されるようになりました。

 街頭紙芝居、バンザーイ! \(^o^)/
  


Posted by 小暮 淳 at 10:52Comments(3)酔眼日記

2025年04月12日

どこかで誰かが ~取材こぼれ話~


 「先生、お久しぶりです。ちいきしんぶんの 『取材こぼれ話』、読んでますよ」
 高崎市の某公民館職員から電話をいただきました。

 「ちいきしんぶん」 とは、高崎市内に配布されているフリーペーパーです。
 「取材こぼれ話」 とは、僕が連載しているコラムのサブタイトルです。
 メインタイトルは、『ちょこっと小耳に』 であります。


 某公民館では過去に、2回の講演をしています。
 9年前と6年前です。
 講演のテーマは、1回目が温泉、2回目が民話でした。

 「そろそろ、またうちで講演をしてくださいませんか?」
 というのが、電話をいただいた理由でした。
 もちろん、快諾しました。


 「で、テーマは?」
 過去に温泉と民話の話はしています。
 地酒かな? それとも牧水ネタかな?
 と思いきや、職員いわく、

 「はい、ぜひ、『取材こぼれ話』 でお願いします!」
 と、即答されてしまいました。
 「こぼれ話ですか?」
 「だって、先生らしくて、楽しいじゃないですか!?」

 ということで、自分史上初のテーマでの講演の開催が決定してしまいました。


 まさに、縁は異なものであります。
 そして、どこで誰が見ているか分かりません。

 昨年5月、ちいきしんぶんの社長から突然、「何か書いてよ」 と無茶ぶりされて、スタートしたコラムです。
 副題の 「小暮淳の取材こぼれ話」 のとおり、過去の取材で出合ったエピ―ソードを1話完結、面白おかしく、つれづれなるままにしたためているだけです。

 おかげさまで、すでに16回の連載を迎えています。


 「えっ、いいんでか? そんなテキトーな話で」
 「はい、みなさん、聴きたいと思いますよ。私も楽しみです」
 とかなんとか、おだれられて、木のてっぺんまで登ってしまいましたとさ。

 それにしても人生って、面白いですね。
 何か新しいことを始めると、勝手にコロコロと転がり始めるのですね。


 さて、何を話しましょうか?
 取材エピソードなら、断捨離するほどありますぞ!
 今から僕も楽しみです。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:30Comments(0)講演・セミナー

2025年04月11日

のん兵衛の神様


 僕は取材が、大好きです。
 取材がしたいがために、ライターになったと言っても過言ではありません。
 資料を調べたり、読んだりすることも好きですが、それ以上に取材にはワクワク、ドキドキ感があるのです。

 取材は、筋書きのないドラマです。
 それは必ずしも、良いことばかりではありません。
 当日、アポ先にドタキャンされることもあるし、悪天候に見舞われることもあります。
 また期待外れのコメントしか取れず、出直し、または企画段階からやり直しなんていうこともあります。

 でも、ちゃんと、取材には “取材の神様” がいるんですね。
 時々、思いもよらぬサプライズを起こしてくれます。


 先日もサプライズが起きました。
 テレビ番組のロケハンに行った帰り道です。

 「ロケハン」 とは、ロケーションハンティングの略で、本番前に現地へ行き、撮影場所の下見と関係者との打ち合わせをすることです。
 まあ、取材と同じです。
 で、僕らはロケハンを済ませ、帰路に着きました。

 「僕ら」 とは、僕と番組のディレクターと放送作家の3人です。
 うち、僕と放送作家のTさんは、のん兵衛です。
 すでに、昼食時にはビールを2瓶、呑んでます。
 さらに、前橋に戻ったら 「呑みに行きましょう」 という口約束が交わされていました。

 若手ディレクターの I 君も毎度のことなので、承知しています。
 「いつもの場所で降ろしてね」
 と言えば、
 「今日も呑みに行くんですか!」
 と笑い飛ばしてくれます。


 帰路の街道筋には、造り酒屋があります。
 そのことをTさんに告げると、
 「寄りましょう! ママにお土産を買っていきましょう」
 ということになりました。

 ところが……
 酒蔵の駐車場に着いて、車から降りて入り口へ向かって歩き出すと、前方には 「本日定休日」 の文字が!


 「残念でしたね」 「定休日だって」 「あきらめて帰りましょう」
 と、車に乗り込もうとした時でした。

 「いいですよ~! どうぞ~!」 の声。

 振り向くと、庭木の陰から男性の姿が……
 見覚えのある顔でした。
 「あれ、○○さん!」
 「小暮さん?」
 そこにいたのは、僕が 「ぐんまの地酒大使」 でお世話になっている酒造組合の会長であり、蔵元の社長でした。


 「今日は月に一度の定休日なんです。店は開けられませんので、どうぞ、裏からお入りください」
 ということになりました。

 「ラッキー! 」 「これで酒を買って帰れますね」
 なんてTさんと話していたら、まさかのサプライズが!
 店内に入ると、いきなり社長は冷蔵ショーケースの中から4合瓶を取り出し、テーブルに猪口を並べ出すではありませんか!
 それも3つ……

 うん?
 「彼は運転手だから吞めません」
 と言おうと思った矢先、1つは社長の目の前に置かれました。

 「さあ、どうぞ! 遠慮なく」


 それからは、ご想像の通りです。
 酒盛りが始まってしまいました。

 まったくもって、取材は筋書きのないドラマです。
 取材に神様がいるように、酒にも 「のん兵衛の神様」 がいるようです。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:52Comments(2)取材百景

2025年04月10日

まだヒメオドリコソウを見ていない


 春です。
 散歩の季節がやって来ました。

 愛犬のマロ君がいた頃は、毎日、散歩をしていたんですけどね。
 最近は、ヒザを痛めたこともあり、めっきり少なくなりました。
 それでも週に1回は、呑み屋に行くためにバス停までは歩いています。

 徒歩約20分。
 冬は北風が強くて、寒くて、難儀なのですが、散歩が楽しい絶好の季節になりました。


 というのも我が家のまわりは、お花畑なのです。
 バス停までの道のりも、住宅街を抜け、鎮守の森を通り、小川の土手を上り、田畑の中を歩きます。

 今は桜が見頃です。
 満開を過ぎ、桜吹雪が舞い、川面には花いかだを浮かべています。
 と思えば、土手沿いの道を菜の花が、まっ黄色に染め上げています。
 ピンクとイエローのコントラストが美しい!

 そして所々に、紫色の群生を見かけます。
 中国原産のショカッサイ(諸葛采)です。
 日本では、ムラサキハナナ(紫花菜)と呼ばれています。
 大根の花に似ていることから別名、ハナダイコンとも。


 田畑の畔には、すでにタンポポが満開です。
 ほとんどが西洋タンポポですが、この辺りには花の白いシロバナタンポポも見かけます。
 赤紫の花をつけるホトケノザ、小さく青い花が可憐なオオイヌノフグリなどは、春を彩るの野花の主役です。

 あっ、トウダイグサだ!

 僕は、トウダイグサ(燈台草)の不思議なデザインが大好きです。
 トウダイグサって、知っていますか?
 燈台といっても、海の灯台ではありませんよ。
 昔の照明に使った燭台のことです。

 茎の上部がお皿のように平たくて、花のまわりの包葉が黄緑色に色づく様子が、ロウソクを立てた燭台に似ているんです。
 本当に不思議な形をしています。
 道の端にしゃがみこんで、ズーッと眺めていられます。

 あわや、バスに乗り遅れそうになってしまいました。


 「雑草という草はない」
 と言ったのは、植物学者の牧野富太郎博士でしたっけ?
 名言ですよね。
 だって、小さな草花の一つ一つには、すべて名前が付いているんですから!

 で、バスに乗ってから思いました。
 「そういえば、今年はまだヒメオドリコソウを見ていないな」 と……


 ヒメオドリコソウ(姫踊子草)は、僕が春の野花で一番好きな花です。
 ヨーロッパ原産の越年草ですが、とにかく、その姿が可愛いんです。

 この子たちは、必ず群生して咲きます。
 その姿が、まるで踊り子たちが並んで踊っているようなんですね。
 (ネーミングの発想が素晴らしい!)
 茎頭の包葉が紫紅色に染まった様子が、まさに “姫” と呼ぶにふさわしい。

 あまりに可愛いので、昔、写真に撮り、今でも額装して家に飾ってあります。


 野花の恋人、ヒメオドリコソウに、いつ会えるのでしょうか?
 散歩が楽しい春です。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:33Comments(2)つれづれ