2025年04月11日
のん兵衛の神様
僕は取材が、大好きです。
取材がしたいがために、ライターになったと言っても過言ではありません。
資料を調べたり、読んだりすることも好きですが、それ以上に取材にはワクワク、ドキドキ感があるのです。
取材は、筋書きのないドラマです。
それは必ずしも、良いことばかりではありません。
当日、アポ先にドタキャンされることもあるし、悪天候に見舞われることもあります。
また期待外れのコメントしか取れず、出直し、または企画段階からやり直しなんていうこともあります。
でも、ちゃんと、取材には “取材の神様” がいるんですね。
時々、思いもよらぬサプライズを起こしてくれます。
先日もサプライズが起きました。
テレビ番組のロケハンに行った帰り道です。
「ロケハン」 とは、ロケーションハンティングの略で、本番前に現地へ行き、撮影場所の下見と関係者との打ち合わせをすることです。
まあ、取材と同じです。
で、僕らはロケハンを済ませ、帰路に着きました。
「僕ら」 とは、僕と番組のディレクターと放送作家の3人です。
うち、僕と放送作家のTさんは、のん兵衛です。
すでに、昼食時にはビールを2瓶、呑んでます。
さらに、前橋に戻ったら 「呑みに行きましょう」 という口約束が交わされていました。
若手ディレクターの I 君も毎度のことなので、承知しています。
「いつもの場所で降ろしてね」
と言えば、
「今日も呑みに行くんですか!」
と笑い飛ばしてくれます。
帰路の街道筋には、造り酒屋があります。
そのことをTさんに告げると、
「寄りましょう! ママにお土産を買っていきましょう」
ということになりました。
ところが……
酒蔵の駐車場に着いて、車から降りて入り口へ向かって歩き出すと、前方には 「本日定休日」 の文字が!
「残念でしたね」 「定休日だって」 「あきらめて帰りましょう」
と、車に乗り込もうとした時でした。
「いいですよ~! どうぞ~!」 の声。
振り向くと、庭木の陰から男性の姿が……
見覚えのある顔でした。
「あれ、○○さん!」
「小暮さん?」
そこにいたのは、僕が 「ぐんまの地酒大使」 でお世話になっている酒造組合の会長であり、蔵元の社長でした。
「今日は月に一度の定休日なんです。店は開けられませんので、どうぞ、裏からお入りください」
ということになりました。
「ラッキー! 」 「これで酒を買って帰れますね」
なんてTさんと話していたら、まさかのサプライズが!
店内に入ると、いきなり社長は冷蔵ショーケースの中から4合瓶を取り出し、テーブルに猪口を並べ出すではありませんか!
それも3つ……
うん?
「彼は運転手だから吞めません」
と言おうと思った矢先、1つは社長の目の前に置かれました。
「さあ、どうぞ! 遠慮なく」
それからは、ご想像の通りです。
酒盛りが始まってしまいました。
まったくもって、取材は筋書きのないドラマです。
取材に神様がいるように、酒にも 「のん兵衛の神様」 がいるようです。
Posted by 小暮 淳 at 11:52│Comments(2)
│取材百景
この記事へのコメント
はつはつはつ!呑み助。
Posted by ごんちゃん at 2025年04月11日 20:56
ごんちゃんへ
はつはつはつ!呑み助。
今日も昼から呑み会であ~る
はつはつはつ!呑み助。
今日も昼から呑み会であ~る
Posted by 小暮 淳
at 2025年04月12日 10:22
