2024年05月31日
老神温泉 「亀鶴旅館」③
「ハーイ、時間のある人は、帰りに亀鶴旅館の湯に入って行ってくださ~い!」
先日の幡谷温泉(片品村) 「ささの湯」 に泊まった翌日、朝食の席でのこと。
(2024年5月27日 「祝!復旧 『ささの湯』 ファンの集い」 参照)
「純温泉協会」(大阪府) 代表の山口貴史さんが、叫んでいました。
純温泉とは?
山口さんが命名した造語ですが、「源泉をそのまま利用している温泉」 のこと。
彼は全国の純温泉を探して、日夜、東奔西走している情熱の塊のような男です。
今回泊まった 「ささの湯」も純温泉の加盟宿です。
また彼が叫んでいた 「亀鶴(きかく)旅館」 も老神温泉(沼田市) にある小さな温泉宿で、純温泉の加盟宿。
なんでも彼は、前日に亀鶴旅館に宿泊して、女将さんから了承を得たといいます。
午前10時から11時までの1時間限定のスペシャル入浴タイムを設定したのだと、得意満面でした。
なかなか粋な計らいをする男であります。
それにしても彼は、純温泉協会を立ち上げるだけあり、全国の “いい湯” を知っています。
「ささゆ湯」 の湯もぬるめでサラッとしていていいが、「亀鶴旅館」 の湯も個性的で実にいい。
僕は拙著 『尾瀬の里湯』(上毛新聞社) の中で、こう表現しています。
<湯が良いかどうかは、宿の前に立ってみれば分かるものである。決して華美な外観ではないが、奇をてらわず、昔ながらの風情でひっそりとたたずんでいるところがいい。>
本の出版が2015年ですから、9年ぶりに訪ねたことにあります。
「ジュンジュンですね!?」
女将にお会いすると、開口一番に言われてしまいました。
「大変ご無沙汰しています」
と無礼を詫び、浴室へ。
あの日と変わらぬ、上質の湯が浴槽からあふれていました。
泉質は、アルカリ性単純硫黄温泉。
ほのかな温泉臭が漂い、白い湯の花が浮遊する老神温泉の源泉の中でも個性派です。
何より温度がいい。
源泉の温度は約60度と高めだが、浴槽に届くまでには、だいぶ冷めているはず。
が、それでも熱い!
なのに不思議です。
沈んでいると、やがて数分で熱さを感じなくなります。
そして、うっとりする眠気に包まれました。
いい湯に出合うと、誰もが幸せそうな顔になりますね。
まさに温泉は、地球からのプレゼントです。
山口さん、これからもたくさんのプレゼントを探して、みんなに教えてあげてくださいね。
2024年05月30日
純米酒 「牧水の詩」
上野(かみつけ)の草津の湯より
沢渡(さわたり)の湯に越ゆる路
名も寂し暮坂峠(くれさかとうげ)
〈若山牧水 『枯野の旅』 より〉
歌人の若山牧水 (1885~1928) は利根川水源の山や渓谷などの自然に魅せられて、群馬県に8回ほど来ています。
延べ約60日間滞在して、13編の紀行文と400ほどの歌を残しました。
牧水は無類の酒好きでした。
一人でも日に一升、相手がいれば平気で2升の酒を呑んだといわれる酒豪です。
ならば当然、群馬の旅でも毎晩、浴びるほど酒を呑んだに違いありません。
どこで、何という酒を呑んだのか?
これが僕の “謎学の旅” となりました。
牧水は大正11(1922)年10月14日~28日までの15日間、長野から群馬を横断して栃木へ抜ける旅をしました。
ご存じ、『みなかみ紀行』 であります。
この旅で、牧水は県内9つの温泉地に立ち寄っています。
当然、その晩は酒を呑んだことでしょう。
ということで僕は、牧水が訪れた当時には創業していて、現在も営業を続けている酒蔵をめぐり、“牧水が呑んだであろう酒” を探す旅を続けています。
題して、令和版 『みなかみ紀行』。
~牧水が愛した群馬の地酒と温泉~
この紀行エッセイは、昨年11月から高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 (ライフケア群栄) 紙上にて、不定期連載しています。
次回は、その第3話。
花敷温泉から暮坂峠を越え、沢渡温泉、四万温泉へと、牧水の足取りを追います。
では、牧水が四万温泉に泊まった晩に呑んだ酒は?
中之条町で現在も営業を続けている酒蔵は一つ。
明治5(1872)年創業の貴娘酒造です。
ただ創業当時の屋号は 「高澤(たかざわ)」 といいました。
そして酒銘は 「三友(さんゆう)」。
「貴娘(きむすめ)」 が造られたのは、明治の中頃とのこと。
ちなみに酒銘の由来には、女の子の誕生を祝い、誰からも愛され貴(とうと)ばれる心やさしい娘に育つようにとの願いが込めらりています。
ということで昨日、貴娘酒造を訪ね、話を聞いてきました。
はたして牧水は、ここの酒を呑んだのでしょうか?
でも、ショールームには、そのものズバリ!
「牧水の詩(うた)」 とラベルが貼られた純米酒が売られていました。
ということは……
牧水をめぐる謎学の旅は、まだまだ続きそうです。
2024年05月28日
いちめんのなのはな
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平(いはきたひら)の方までゆくんか
(山村暮鳥 『雲』 より)
詩人・山村暮鳥(ぼちょう)のことは知らなくても、この詩を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
特に我々世代には、強烈に記憶に残っているフレーズです。
では、どこで聞いたのか?
この詩に触れたとき、僕はすぐに思い出しました。
アニメ 『巨人の星』 です。
主人公・星飛雄馬の初恋の相手、看護師の日高美奈が2人の時にそらんじていました。
子どもの頃、学校でもはやり、みんなで 「おーい、雲よ」 なんて空を眺めながら大声を出した思い出があります。
僕が山村暮鳥という詩人を知ったのは、それからずっと経った大人になってからでした。
暮鳥は明治17(1884)年、群馬県西群馬郡棟高村(現・高崎市棟高町)の生まれです。
同じく、郷土の詩人・萩原朔太郎 (1886年、前橋市生まれ) に興味をいだき、資料を読み解くうちに、暮鳥の存在を知りました。
大正3(1914)年、室生犀星 (1889年、石川県金沢市生まれ) と共に3人で、「人魚詩社」 を設立します。
と、まあ、その辺までが僕が知っていた事前知識でした。
今回、群馬県立土屋文明記念文学館で開催中の企画展を見て、さらに興味が湧きました。
一番の驚きは、その名前です。
「暮鳥」 って、何よ?
その疑問が、解けたのです。
山村暮鳥の本名は、木暮八九十(はっくじゅう)といいます。
名字に 「暮」 の字があったのです。
しかも、「こぐれ」? いや 「きぐれ」 かも知れませんが、急に親近感が湧いてきました。
でも、展示資料の中には、一切、ルビがふられていないので、読み方が分かりません。
ということで、学芸員に尋ねました。
すると……
「“こぐれ” なのか “きぐれ” なのかは、不明なんです」
残されている資料には、すべて読み仮名がふられていなかったとのことです。
いずれにせよ、遠い遠い先祖が一緒のような気がします。
朔太郎同様、暮鳥についても今後は、関連本を探して読み深めていこうと思います。
興味のある方は、ぜひ、企画展を覗いてみてください。
第122回企画展
『いちめんのなのはな』
教科書で出会った詩人 山村暮鳥
●会期/会期中~2024年6月9日(日)
●時間/9:30~17:00 (観覧受付は16:30まで)
●休館/火曜日
●料金/一般500円、大高生250円
●問合/群馬県立土屋文明記念文学館 (高崎市保渡田町2000)
TEL.027-373-7721
2024年05月27日
祝!復旧 「ささの湯」 ファンの集い
呑んだ、呑んだ、呑んだ~!
語った、語った、語った~!
ノンストップ12時間、飲酒マラソンを完走してきました。
読者のみなさんは、覚えていますか?
幡谷温泉 (群馬県利根郡片品村) の一軒宿 「ささの湯」 が、今年の初めに温泉ポンプが故障してしまい、お湯が出なくなってしまったというニュースを?
(2024年3月1日 「【緊急】 「ささの湯」復旧支援のお願い」 参照)
その後、全国の温泉ファンからの募金やクラウドファンディングにより資金が集められ、無事に復旧しました。
ということで、みんなでお祝いに駆けつけました。
県内外から 「ささの湯」 を愛する温泉ソムリエや温泉関係者など、温泉ファンの面々が22人も集まりました。
埼玉、長野、東京、神奈川、遠くは大阪からも参加してくれました。
みなさんコテコテの温泉マニアたちで、話の内容もコアで、ただただ感心。
初対面の人も多く、それぞれの人が、それぞれのジャンルに卓越していて、温泉ワールドのスケールの大きさを知りました。
昼過ぎに到着し、まずは、ひと風呂。
泉温約43度、毎分約260リットルという恵まれた湯が、ドバドバとかけ流されています。
浴槽内の温度は、もう少し低いため、ゆっくりと長い時間入っていられるのがいいですね。
「再雇用でなくて、再就職ですよね(笑)」
「昼飯を腹十分も食べてしまいました(笑)」
先客たちは、どうも僕のブログの読者のようで、数日前のブログネタで、笑いを誘ってくれました。
一夜明けて、朝風呂に入りに行くと、奇妙な行動をとる先客がいます。
しきりにスマホを浴槽奥の湯口 (湯の注ぎ口) に向けている若い男性です。
「湯口スト」 の小松歩君です。
彼は昨年、テレビの 『マツコの知らない世界』 にも出演した湯口のスペシャリストです。
僕も長年、温泉には携わっていますが、湯の鮮度や量は気になっても、湯口自体に興味をいだいたことはありません。
何が、どう、違うんでしょうか?
「種類とか、パターンってあるの?」
「はい、僕は大きく4つに分類しています」
①ドバドバ型 ②析出物型 ③オブジェ型 ④複合型
とのことです。
①は、湯量が豊富で豪快に注ぎ込まれているタイプ。
②は、カルシウムやナトリウムなどの成分が湯口のまわりに付着して、鍾乳石のように変形したタイプ。
③は、ライオンなどの彫刻の口から湯が注がれているタイプ。
④は、1~3の複合タイプ。
と、教えてもらいました。
ん~、確かに言われてみれば、いろいろあり、興味深い存在ではあります。
今後は、彼の言葉を思い出しながら温泉を楽しみたいと思います。
とにもかくにも、とりあえず、復旧して良かった!よかった!
女将さん、これからも頑張って、湯を守り続けてくださいね。
全国には、こんなにもファンがいるんですよ。
2024年05月24日
腹五分で行こう!
つくづく、食が細くなったと思います。
ラーメン1杯食べ切るのがやっとで、もう、お腹いっぱいです。
食堂で、隣の席の若い男性が、ラーメンにチャーハンと餃子のセットを頼んでいました。
ただただ、その食いっぷりに、見惚れてしまいました。
食欲って、美しい!
自分もあんな時代があったなと……
なんて懐かしく思っていたら、その隣の席に僕と同年配の男性が座りました。
注文を聞いていたら、「大盛り」 の声が!
さらに 「ギョーザ」 を付けていました。
ああ、うらやましい。
この男性は、胃袋が若いんですね。
きっと、「腹八分」 なんていう言葉は、無縁なんだろうな。
カウンターの隅で、僕は、たまたま数日前に読んだ本の一節を思い浮かべていました。
五木寛之・著 『大河の一滴』
その昔、大ベストセラーになりました。
久しぶりに手に取り、読み返してみました。
<腹八分(ぶ)、という表現がある。これは正しいが、人間の一生を通じての数値ではなかろうと感じてきた。私の直感では、三十代の人間が腹八分である。>
さらに五木氏は、こう分析します。
<十代は、腹十分。腹いっぱい食べればいい。二十代ですでに免疫の中核である胸腺は成長を止める。すなわち二十代とは腹九分の年齢だ。三十代を腹八分とすれば、四十代にさしかかった人間は腹七分がいい線だろう。五十代では腹六分、六十代になれば腹五分で十分ではないか。>
当時の五木氏は、ちょうど今の僕の年齢です。
そこで食事の量を半分にしました。
1日3食をやめて、1食半を心がけるようにつとめたといいます。
ほほう、腹五分ね。
ちょっと少ないんじゃないの?
なんて、その時は思ったのですが、よくよく考えてみたら、すでに僕も食事量は若い頃の半分になっていました。
朝は、パン1枚 (個) とコーヒー
昼は、麺類か丼物 (単品)
夜は、つまみ2品
ほらね、こんだけで1日のエネルギーが足りるようになっていました。
でも、一抹のさみしさはあります。
もう二度と、麺類+丼物のWオーダーができないんだと……
死ぬまでに一度、挑戦してみたいものですが、無謀ですかね?
2024年05月23日
おかげさまで中学2年生
3,952
この数字は、なんだかわかりますか?
答えは、このブログの昨日までの記事総数です。
開設が2010年2月ですから、14年と3カ月が経ちました。
ざっと計算すると、約1.3日に1回の投稿をしていることになります。
ほぼほぼ毎日です。
(かなりヒマな人間だと思われそう)
ちなみに、アクセス数は138万を超えました。
読者登録数は現在、118人。
コメント総数は、5,279件。
カテゴリー数も年々増えて、35になりました。
最初は、軽い気持ちで始めたブログでした。
「面倒くさかったら、すぐにやめればいい」
と思っていました。
が、開設すると、すくに反響がありました。
「ブログ読んでます」
講演やセミナー、取材先で声をかけてくれる人が、何人にもいたのです。
ライターとは因果な商売で、悲しいかな、読まれると頼まれなくても書いてしまうのです。
そんな日々が積もり積もって、14年が過ぎました。
14年って、一口で言いますが、オギャーと産まれた赤ちゃんが、中学2年生になる歳月なんですね。
そう思うと、我が子を育てて来たようで、愛着もひとしおであります。
(ちなみに僕の孫も中学2年生になりました)
ところで、読者様の中には、14年前からお読みくださっている方もいるのでしょうか?
もし、いましたら、この場をお借りして、厚く厚く御礼申し上げます。(お互い、ヒマですね)
今後とも、末永くご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。
2024年05月22日
「三竦み」 の美学
【三竦(すく)み】
[ヘビはナメクジを、ナメクジはカエルを、カエルはヘビをと互いに恐れる所から] 三つのものが互いに牽制(ケンセイ)し合って、積極的に行動出来ないこと。 [三者の勢力が一線に並び甲乙がつけ難い意にも、また、一種の均衡がとれる意にも用いられる]
(新明解国語辞典より)
いわゆるジャンケンの話です。
グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つ。
逆に、グーはパーに負け、パーはチョキに負け、チョキはグーに負ける。
でも……
みんな一緒に出したら、あいこでしょ。
みんな、なかよし、あいこでしょ。
そんな心温まる絵本が発売され、全国の 「ダイソー」 で販売が開始されました。
昨年7月に亡くなった前橋市在住の絵本作家・野村たかあきさんの遺作です。
生前、野村さんが承諾していた鈴木出版とダイソーとのコラボ絵本です。
(2024年4月27日 「天国からの贈り物」 参照)
通常、絵本は1,000~2,000円します。
それがダイソーだから、なんと! 100円(税別)
この価格ならば、迷うことなく手に取り、子どもに買ってあげることが出来ます。
「たくさんの人に読んでほしい」
野村さんのそんな思いが込められているのかもしれません。
小さな絵本です。
ほっこりする絵本です。
みんながやさしくなれる絵本です。
ぜひ、お近くのダイソーでお求めください。
(扱っていない店舗もありますので、店員にお尋ねください)
こどものくに 『あいこでしょ』
すずき出版×ダイソー 100円(税別)
2024年05月21日
あこがれのセカンドライフ
「再雇用はダメよ」
「ダメなの?」
「ダメ、ダメ! 再就職ならいいけど」
さる会合でのこと。
隣の席の男性2人の会話が気になり、聞き耳を立ててしまいました。
2人は60代前半と70代後半。
ともに自営業者です。
どうも、定年退職後のサラリーマンについて話しているようです。
定年後も同じ会社に残るのか、新しい仕事を探して再就職の道を選ぶのか。
最後、2人の意見は、同じところにまとまりました。
再雇用は、守り。
再就職は、攻め。
「人生、守りに入ったらおしまいよ」
「無駄に執行猶予を延ばしているだけだからな」
そう言われてみれば、僕のまわりの同級生や知人たちも、2つに分かれています。
大多数は、そのまま会社に残って、今までと変わらない人生を送っています。
一方、さっさと退職して、新たに資格を取って、第二の人生を歩み出した人もいます。
趣味だった世界を極めるために、起業した人もいます。
確かに、前者は現状維持を続けていますから “守り” です。
なるほど後者は、人生に再度チャレンジしているわけですから “攻め” ています。
どちらが正解、なんてことは言えません。
その人の人生ですからね。
幸せの価値観だって、人それぞれです。
はたと思いました。
自分は、転職を考えたことがあっただろうか?
ありません。
というのも、今の仕事に消去法でたどり着いたからです。
あれもダメ、それもダメ、これもダメ……
いくつもの仕事にチャレンジしたけど、悲しいかな結局、ライターという仕事しか身に付き、続けられるものがなかったのです。
ああ、あこがれのセカンドライフ!
第二の人生を選べる人が、うらやましい!
2024年05月20日
あなたの職業なんてーの?
知り合いの新聞記者に訊いたことがありました。
「新聞記事で、“自称” っていう肩書きを見かけるけど、あれって何?」
逮捕された容疑者の名前の前に、「自称・会社員」 「自称・ユーチューバー」 などと付いている “自称” のことです。
記者いわく、「記事の掲載時では、裏が取れてない状態」 とのことでした。
時間的な問題のようで、逮捕から記事掲載までの間に、証明する物を確認できていない場合に付けるようです。
現行犯逮捕の場合が多いとのことでした。
自称とは、字のごとく、「自分で称している」 だけなんですね。
「おれ、なんて肩書きが付くんだろう?」
以前、フリーランスで仕事をするカメラマンやイラストレーターの仲間と、新聞記事の “自称” について雑談をしたことがありました。
「“自称” が付いちゃったりして」
「一応、何十年と本業としてやってるのに、自称が付いたら情けないよな」
とかなんとか話したのですが、結論は、こうでした。
「新聞記事になるような不祥事は起こさないこと」
ところで先日、フジテレビ系で放送された 「THE SECOND ~漫才トーナメント~」 は、ご覧になりましたか?
結成16年以上のベテラン漫才師たちによる漫才賞レースです。
優勝すれば、賞金1000万円と 「THE SECOND 2代目王者」 の称号を手にします。
どのコンビもベテランぞろいですからね、上手いし、面白い。
どのコンビが優勝しても問題ないレベルの高さでした。
個人的には、群馬出身の 「タイムマシーン3号」 を応援していたんですけどね。
残念ながら、1回戦で敗退してしまいました。
優勝したのは 「ガクテンソク」 というコンビでした。
(ごめんなさい、初めて彼らを見ました)
でも、文句なしに面白かったので、納得です。
で、番組中、出演者が言った言葉が、今でも耳にこびりついているんですね。
ある漫才コンビが、決勝トーナメントに出場する意気込みを語るシーンで、こんなことを言いました。
「優勝すれば、職業=漫才師で死ねる」
苦節ウン十年、今まで日の目を見ることなく、まだ何物でもない自分たち……
食えなくても、あきらめず、アルバイトをしながら漫才にしがみついている姿に、胸が熱くなりました。
出演者の中には、妻子がいる芸人もいました。
世の中には、トントン拍子でスターになる芸人もいます。
でも彼らは、まだ名前すら覚えられていません。
「優勝すれば」
世間から “漫才師” と認めてもらえるわけです。
新聞記事になった場合、“自称” の文字が取れるわけです。
残念ながら、そのコンビは途中敗退してしまいましたが、僕は名前と顔を覚えました。
ファンになりました。
応援しています。
がんばれ! タモンズ!
2024年05月19日
チャリンポのすすめ
【チャリンポ】
婦人用自転車 (ママチャリ) に乗って、ゆっくりとペダルを漕ぎながら散歩するように目的もなく、ただ町を散策すること。 (と僕が命名しました)
以前にも書きましたが、僕は自動車での移動が苦手です。
運転することは嫌いではないのですが、点 と点 (出発地~到着地) を結ぶだけの移動手段であることに、物足りなさを感じてしまいます。
もっと景色が見たい! もっと寄り道がしたい! もっと町の様子が知りたい!
という欲求から、仕事と悪天候時以外は、自転車で移動することにしています。
なので僕にとって自転車は、消耗品です。
もう何十台と乗りつぶしています。
過去には、スポーツタイプの自転車に乗って、颯爽と町を駆け抜けたこともあったんですけどね。
でもスピードが出ると、いけません。
景色を見過ごしてしまうのです。
「あっ、今の何? 気になる!」 と思っても、スーッと通り過ぎてしまいます。
それが、チャリンポならば、キュッとブレーキをかけるだけで、一旦停止することができます。
住宅地では、変わった名字を探しながら “表札めぐり” も楽しめます。
現在、愛用中のママチャリは、2年前に次女から譲り受けました。
いわゆる “お上がり” です。
彼女が独立して、この家から出て行くときに、譲渡されました。
「だいぶ、ボロだよ」
「大丈夫、修理するから」
タイヤもチューブもベルもワイヤーの類いも、カスタマイズして、新品同様に仕立て上げました。
あれから2年、僕との息もピッタリで、市内10キロ以内なら、どこへでも一緒に行きます。
たとえば、映画館。
直線距離なら20分もあれば、たどり着く場所です。
でも、2時間前に家を出ます。
映画館は、我が家から北にありますが、あえて東や西に進路をとります。
先日は東に向かって、ペダルを漕ぎました。
まずは、公民館に立ち寄ります。
公民館の中には図書室があり、そこで新聞を閲覧。
コンビニで、缶コーヒーを買って、一服。
川沿いのサイクルロードをゆっくりと走り、犬の散歩をしている人と立ち話。
住宅街に入り込むと、庭先で洗車をしている人がいます。
道を訊くふりをして、声をかけます。
中心市街地に入ると、広場でイベントを開催していました。
立ち止まって見ていると、
「あれ、小暮さん?」
なんて、関係者から声をかけられました。
知り合いだったんですね。
「何しているの?」
「映画を観に行く途中なんだ」
「時間あるなら寄ってってください」
なーんて、予期せぬ出会いもあったりして、チャリンポの旅は飽きることがありません。
いかがです?
みなさんも、歩く速さで自転車を漕いでみませんか?
2024年05月18日
救命酒
<酒はこれ忘憂の名あり> 親鸞
たびたび酒の話で恐縮です。
行きつけの呑み屋でのこと。
カウンターで、初老の男性と隣同士になりました。
初めてではありません。
何度か、お会いしています。
でも、このところ見かけませんでした。
「お久しぶりです。お元気でしたか?」
僕としては、いたって普通のあいさつのつもりでした。
「久しぶり」 =しばらくお会いしていませんでしたね。
「元気?」 =その後、お変わりありませんか?
という意味です。
なのに、その男性は、こう応えたのです。
「酒が呑めて、よかった。もし、酒が呑めなければ、私は死んでいました」
なんとも意味不明な、ご挨拶です。
でも、お顔を拝見すれば、確かに以前よりやせたような。
顔色も、あまりよろしくありません。
なによりも、声が小さい。
「大丈夫ですか? 何か、あったのですか?」
すると、こう言いました。
「なにもないのです。毎日、何もすることがないのです」
聞けば、いわゆる世間でいわれている 「定年五月病」 のようであります。
定年退職後、毎日家にいるけど、新聞を読んで、テレビを観ること以外にやることがなく、やがて、生きている意味が見いだせなくなり、うつ病のような状態になってしまう。
でも男性は、定年を迎えてからだいぶ経ちます。
以前、お会いした時には、その後も忙しく働いているような話をしていました。
でも今は……
週に2回、臨時職の仕事に出かけるだけだといいます。
「ほかの日は、何をしているんですか?」
「庭を見ています」
「庭?」
「はい」
それはそれで優雅な人生のように思えます。
俳句を詠んだり、詩を書いたりと……
でも違いました。
「庭を見ているとね、死にたくなるんです。このまま死んじゃいたいと」
そして、冒頭のセリフにつながるわけです。
「酒が呑めて、よかった」
男性いわく、週に1回、こうやって、この店に酒を呑みに来ることで、また1週間生き延びられるのだと。
まさにこれ、“救命酒” であります。
でもね、フリーランスで死ぬまで働き続ける僕らにしたら、それって 「ぜいたく病」 ですよ。
老後を心配することなく、潤沢な資金があり、悠々自適な生活を送っている証拠です。
酒よ、酒!
あわれな民は、ここにもいるのですぞ!
我の命も救いたまえ。
働けど働けど、我が暮らし楽にならず。
今日も一人、じっと酒を呑む。
2024年05月17日
祝! 「須賀りす 絵画展」 20日まで
つくづく 「画家って、すごい!」 と思います。
生まれ変わっても、絶対になれない職業です。
だって、僕には “絵画コンプレックス” があるんです。
子どもの頃から、絵を描くのが苦手でした。
犬や猫を描いても、馬やトカゲと間違えられるほど、センスがありません。
だから画家は、あこがれの職業なのであります。
友人であり、仕事のパートナーでもある画家・須賀りす氏の個展が始まりました。
初日の昨日、お祝いに駆けつけました。
会場には、50点余りのアクリル画が展示されていました。
小さいものは数千円~、大きいものになるとウン十万円の値札が付いていました。
やっぱり圧巻は、代表作の 「水のまつり」 (アクリル・72.7×116.7cm) です。
大海原に立つ白波の上を飛び跳ねる白兎たちの華麗で優雅な姿は、観る者の心に豊潤なるやすらぎを与えてくれます。
「お金があったらな……」
と思える作品でした。
これぞ氏の真骨頂!
“令和の北斎” ここにあり。
会場では、ポストカードやマグカップ、トートバッグなど、オリジナルグッズも販売されています。
芳名帳に記入すれば、もれなくオリジナルポストカードがもらえますよ!
また19日(日) には、氏による朗読会も開かれます。
ぜひ、ご参加ください。
須賀りす 絵画展
●日時/2024年5月16日(木)~20日(月) 11:00~18:00
●会場/画廊 「あ・と」
群馬県渋川市渋川(辰巳町) 1827-41 メンズショップミユキ2F
TEL.0279-22-0464
<朗読会>
●日時/2024年5月19日(日) 16:30頃~(約30分)
●入場/無料
●会場/画廊 「あ・と」 絵画展会場内
●演目/太宰治・作 「葉桜と魔笛」
●出演/須賀りす
2024年05月15日
文豪たちの酒宴
<なんとも酒は、魔物である> 太宰治
以前、自分は活字中毒患者であり、かつアルコール依存症予備軍であることを告白しました。
(2024年5月2日 「中毒と依存症」 参照)
ゆえに、この世で一番の至福は、この2つが同時に満たされた時。
そう、酒を呑みながら本を読んでいる時にほかなりません。
もし、その時読んでいる本が、“酒” の本ならば……
さらなる極上のひと時となります。
僕は 「ぐんまの地酒大使」 を委嘱されている都合上、酒の本は読みます。
でも、それらは蔵元や醸造、銘柄に関する資料です。
いうなれば、これは読書ではなく、仕事の一環であります。
残念ながら、至福の境地には至りません。
読み物としての “酒” はないものか?
と探していたら、ありました!
これぞ、極みであります。
『文豪たちが書いた 酒の名作短編集』 彩図社文芸部 編 (彩図社)
坂口安吾、夢野久作、小川未明、林芙美子、岡本かな子、芥川龍之介、福沢諭吉、宮沢賢治、太宰治……
名だたる文豪たちの酒にまつわるエッセイや短編集が掲載されています。
まあ、みなさん、よく呑みます。
やはり文豪と呼ばれる人たちは、凡人とは酒の呑み方までもが一味も二味も違います。
読んでいて、酒のみならではの文章に出合え、惚れ惚れとしました。
太宰治のエッセイも2編、収録されています。
とても興味深い話なので、一部を紹介します。
<「新宿の秋田(※1)、ご存じでしょう! あそこでね、今夜、さいごのサーヴィスがあるそうです。まいりましょう」>
<その前夜、東京に夜間の焼夷弾(しょういだん)の大空襲があって、丸山君(※2)は、忠臣蔵の討入のような、ものものしい刺子(さしこ)の火事場装束で、私を誘いに来た。ちょうどその時、伊馬春部(※3)君も、これが最後かも知れぬと拙宅へ鉄かぶとを背負って遊びにやって来ていて、私と伊馬君は、それは耳よりの話、といさみ立って丸山君のお伴をした。> (『酒の追憶』 より)
※1 新宿にある呑み屋
※2 丸山定夫 大正~昭和の俳優
※3 劇作家、放送作家
いやいや、凄いでしょう!
大空襲の翌日に、戦火をくぐりぬけて、酒を呑みに行くんです。
その酒呑み根性が、文豪が文豪たるゆえんなんでしょうな。
嫉妬しながら、酒のピッチを上げながら、読みふけってしまいました。
他にも、福沢諭吉のらしからぬ酒のエピソード、宮沢賢治の摩訶不思議な酒の話など、珠玉の短編集です。
2024年05月14日
バンドの季節
「小暮さん、バンドまだやってます?」
先日、県内温泉地の行事に参加した際、観光協会の方から声をかけられました。
「やってますよ」
「また、夏祭りに出てもらえますかね?」
「メンバーに確認してみます」
なんだかんだ、バンド活動を始めて30年になります。
メンバーは、すべて業界人です。
出版、編集の世界には、元ミュージシャン志望だったという人が多いんですね。
声をかけたら、あっという間にメンバーがそろいました。
最初は、懐かしのグループサウンズやフォーク、ニューミュージックのコピーバンドでした。
やがて、僕が温泉地の取材を始めたことで、オリジナルのご当地ソングを制作して、演奏するようになりました。
(『GO!GO!温泉パラダイス』 は、その代表曲です)
いつしか僕らは、温泉地の御用達バンドとなっていました。
祭りやイベントには、必ず呼ばれるようになりました。
ただし、僕らには出演条件があります。
「ギャラはいりません。その代わり、メンバー全員を泊めていただき、酒を呑み放題にしてください」
大体の温泉地は、この条件で通りましたが、中には、こんなことをいう主催者も。
「いゃ~、よっぽど高くつきますな~。みなさん、本当に、よくお呑みになりますから(汗)」
でも、ここ数年はコロナ禍の影響で、どこの温泉地でもイベントは中止続きでした。
それが、やっと今年からは解禁になったなったようです。
やったー!
夏だ! 祭りだ! バンドの季節がやって来た!
温泉地のみなさん、また大いに盛り上がりましょうよ。
呑んで、歌って、踊って、群馬の温泉の底力を見せてやろうじゃありませんか!
2024年05月13日
六十路の風景
90歳を過ぎたオフクロに、訊いたことがありました。
「人生って、長いんかい? 短いんかい?」
するとオフクロは、こう答えました。
「長いっていえば長いけどね、あっという間だった気もするよ」
気が付けば僕も、六十路を折り返してしまいました。
人生100年だとしても、残りの方が少なくなりました。
気力や体力のことを考えれば、人生の効率は今までよりも、かなり低下します。
今までのようには生きられません。
でも悲観しているわけではありません。
必ずしも 「気力と体力の低下=不幸」 ではありませんからね。
歳を重ねて良かったことも、たくさんあります。
何よりも “六十路歩き” は、気持ちがいい!
三十路よりも四十路よりも五十路よりも、道がなだらかで歩きやすい!
勾配も緩やかで、凹凸や起伏も穏やかで、何よりも視界が開け、景色がいいんです。
さらに、出会う人間がいい!
利害関係もないし、損得勘定もない。
気が合い、馬が合う人しか寄って来ません。
これが今の僕が見ている、六十路の風景です。
ある日、ふと、気づいたんですね。
「あっ、嫌いな人がいない」 って。
50代までは、気を遣ったり、苦手だったり、避けていた人たちが少なからず居ました。
でも還暦を過ぎてから、まるで霧が晴れるように、みんな居なくなってしまったんです。
気づいたら、好きな人たちだけに囲まれていました。
これって、年を重ねたからこそ見えた風景だと思うんですね。
当然ですが、人間関係がうまくいくと、ストレスもなくなります。
金もないけど、ストレスもない。
気力とか体力は減退したけど、精神のゆとりが生まれました。
あと数年ですが、今しか見ることのできない “六十路の風景” を楽しみたいと思います。
2024年05月12日
幻のスーパーウルトラジャイアント大蛇
昨日の地元紙の一面に、大きくカラー写真で掲載されました。
老神温泉 (沼田市利根町) で開催された 「大蛇まつり」 の記事です。
写真には、全長約20メートルの白蛇みこし2基を担ぐ、はっぴ姿の子どもたちが写っています。
「大蛇まつり」 は、5月10日・11日に開催されました。
昨日、僕も老神温泉大使として、赤城神社例祭に出席してきました。
神事には、関係者を始め、議員や市町村長方が臨席しました。
僕も末席ながら、ご指名を受けましたので、ひと言ご挨拶をさせていただきました。
スピーチでは、今週14日(火) 21時~群馬テレビ 『ぐんま!トリビア図鑑』 で放送される老神温泉の話題に触れました。
番組では、老神温泉観光協会長の萩原忠和さんと共に “老神温泉の謎” を追います。
その協会長が、こんなあいさつをしました。
「いよいよ来年は、12年に1度の巳年がやってきます。この祭りが終わったら、すぐに準備にかかりたいと思います」
この意味、わかりますか?
老神温泉へ行ったことのある人なら分かりますよね。
観光会館前の朝市広場に展示されている 「大蛇みこし」 のことです。
全長108.22メートル 重量2.0トン
「最も長い祭り用の蛇」 として、ギネス世界記録に認定されています。
このみこしが祭りに登場するのは 「巳年」 だけなんです。
だから12年に1度しか動きません。
それが、来年なんです。
毎年登場しているのは、子どもみこしの白蛇と、全長25メートルの若衆みこしです。
この若衆みこしが、来年は4倍以上の超巨大な “スーパーウルトラジャイアント大蛇” に変身するのです。
担ぎ手も300人以上が必要となるため、警備体制も含め、1年前から準備を始めなくてはなりません。
今からワクワクします!
だって僕は12年前、その祭りに参加した経験があるんですもの!
いつもの祭りも勇壮だけど、そのスケールがハンパないって!
しかも練り歩きながら、一升瓶をラッパ呑みするんですぜ!
いゃ~、来年が今から待ち遠しい!
みなさ~ん、来年の 「大蛇まつり」 は必見ですよ。
いや、“必験” です!
2024年05月10日
新連載 『ちょこっと小耳に』
高崎市民のみなさ~ん、こんにちは!
今日発行 (5月10日号) の 「ちいきしんぶん」 (ライフケア群栄) は、もう、ご覧になりましたか?
「ちいきしんぶん」 は、旧高崎市内の約9割の家庭や事業所に無料配布されているフリーペーパーです。
このフリーペーパーに、今日から僕の新連載がスタートしました。
タイトルは 『ちょこっと小耳に』。
サブタイトルには <小暮淳の取材こぼれ話> と付いています。
そうなんです!
フリーライター歴30年の僕が、今までに訪れた取材先で拾った不思議な体験やユニークな出来事を、ミニエッセー風に仕立て上げたエピソード集です。
ゆえに、新聞や雑誌には未発表のレアでコアなネタばかりです。
たとえば、今日掲載された第1回は 「一升瓶のゆくえ」 と題して、取材中のハプニングについて書きました。
酒蔵を取材した帰り道。
当然、飲酒をするため車ではなく、電車とバスと徒歩で移動しています。
立ち寄った温泉宿で、湯をいただき、礼を言って旅館を出ようとした時でした。
「小暮さん、これ、持って行きなよ」
顔見知りの主人から、日本酒の一升瓶をもらってしまいます。
まさか、「徒歩で来ているから」 と断れず、ありがたくいただくことに。
一升瓶を抱えてバス停まで歩くことになってしまった僕と同行のカメラマン。
さて、この後、2人は思わぬ行動に出ます。
その結末は……
「ちいきしんぶん」 はウェブ版でも閲覧することができます。
今後とも1号1話のエピソード集 『ちょこっと小耳に』 を、ご愛読くださいますようお願い申し上げます。
2024年05月09日
令和の北斎 「須賀りす 絵画展」
画家・須賀りす氏との出会いは、四半世紀近くも前になります。
2000年に群馬県内の温泉地で開催されたイベントでした。
県内外から作家やアーティストたちが集まり、温泉地をテーマとした作品を制作・展示しました。
氏は画家として、僕はコピーライターとして参加。
その時に描いた氏の絵は観光ポスターとなり、群馬県知事賞を受賞しました。
氏の活躍は目覚ましく、温泉地にギャラリーが常設され、ポストカードや日本酒のラベルにもなりました。
あれから長きにわたり、公私ともに、お付き合いをさせていただいています。
共著で絵本も出版しました。
現在は、紙芝居を共同制作しています。
実は、バンドを組んだこともありました。
僕はギターとボーカル。
氏は、なななんと! あの華奢な体でドラムを担当しました。
そのギャップに、誰もが 「萌え~!」 と熱狂しました。
さるイベント会場で、ご一緒した時のこと。
ファンという女性が、氏に話しかけた言葉が印象的でした。
「私は、りすさんの波の絵が大好きなんです」
大海原に立つ、白波の絵は、氏の真骨頂であります。
ひと目見て、誰もが 「あっ、りすさんの絵だ」 と分かる独特の画風です。
だから僕は氏のことを、ひそかに 「令和の北斎」 と呼んでいます。
近々、そんな須賀りす氏の個展が開催されます。
アクリル画を中心に、約20点の作品を展示するほか、オリジナルグッズの販売もされます。
ぜひ、この機会に、唯一無二の “りすワールド” をご堪能ください。
須賀りす 絵画展
●日時/2024年5月16日(木)~20日(月) 11:00~18:00
●会場/画廊 「あ・と」
群馬県渋川市渋川(辰巳町) 1827-41 メンズショップミユキ2F
TEL.0279-22-0464
<朗読会>
●日時/2024年5月19日(日) 16:30頃~(約30分)
●入場/無料
●会場/画廊 「あ・と」 絵画展会場内
●演目/太宰治・作 「葉桜と魔笛」
●出演/須賀りす
2024年05月08日
4つの謎を解く
毎週火曜日放送の群馬テレビ 『ぐんま!トリビア図鑑』。
観てますか?
僕は、この番組のスーパーバイザー (監修人) および、ときどきリポーターをしています。
リポーターは、温泉や民話などの謎学ネタの回に出演します。
一昨年からスタートしたシリーズ 「温泉王国ぐんま」。
おかげさまで、好評につきシリーズを重ねています。
来週の放送で、7回目を数えます。
今回のトリビアなる温泉地は、老神温泉です!
「ろうじんおんせん」 ではありませんよ。
「おいがみおんせん」 です。
①では、なぜ、「老神」 という温泉名が付けられたのでしょうか?
さらに国道から温泉街に入る途中には、こんな案内板が立っています。
「老神温泉郷」
②なぜ、1つしかない温泉地に 「郷」 の字が付いているのでしょうか?
さらに温泉街の中心に鎮座する赤城神社をはじめ、周辺には、なぜか数字の 「108」 にまつわるモノが多く存在しています。
③偶然? なぜ 「108」 の数字がそろったのでしょうか?
そして片品川対岸に建つ2軒の旅館、「東明館」 と 「東秀館」。
一族や系列経営の宿ではありません。
➃なのに、なぜ、同じ 「東」 の漢字が使われているのでしょうか?
さて、その答えは?
来週放送の 『ぐんま!トリビア図鑑』 をご覧ください。
『ぐんま!トリビア図鑑』
温泉王国ぐんま Vol.7
「老神温泉 『郷』 の謎」
●放送局 群馬テレビ (地デジ3ch)
●放送日 2024年5月14日(火) 21:00~21:15
●再放送 3月18日(土) 10:30~ 20日(月) 12:30~
2024年05月07日
15分の10 ~至福の審査~
<なぜ酒をのむかと云えば、なぜ生きながらえるかと同じことであるらしい>
坂口安吾
1日1本、まじめに、かつ厳粛に酒を吞んでいます。
僕は 「ぐんまの地酒大使」 としして、オール群馬の酒 「舞風」 のテイスティング審査を依頼されているのです。
(詳しくは2024年4月26日の 「群馬SAKE TSUGU CUP 2024」 参照)
手元に届いたのは、群馬県内の15蔵から、今年の「舞風」 (180ml) が15本。
これを1日1本ずつ飲酒しながら採点しています。
評価は5段階。
上位5銘柄、「My Best 5」 を選定します。
昨晩、やっと10本目の評価を終えました。
審査方法は、以下の通りです。
①段ボール箱に入った15本の中から、毎回無差別に1本を引き出します。
②この場合、銘柄が分からないように、ラベルは隠してあります。
やはり、僕も人間だもの。
ごひいきの蔵元というのがあるので、ラベルを見てしまうと、ついつい査定が甘くなってしまいます。
なので、ラベルは隠しています。
③まずは、小さな紙コップに少しだけ注ぎます。
④口に含み、第一印象をメモします。
たとえば 「酸味あり」、「辛い」、「水っぽい」 など。
➄コップの半分まで酒を注ぎ、ふだんのペースで口に運びます。
ここで評価が変わる酒が、いくつもあります。
第一印象を覆して、グッと呑みやすく、自分好みの味に変わることもたびたび。
不思議なものですね。
これがテイスティングの難しさです。
呑み方によって、味が変わってしまうのです。
⑥1本を呑み切った時点で、5段階の評価を採点します。
現在のところ 「5」 は1本、「4」 が4本、「3」 が 5本です。
ただし、5段階だとアバウト過ぎるので、さらに僕は 「0.5」 の+-を加点しています。
これが最終ジャッジの際に、目安となります。
残りは5本!
あと5日間、至福の審査をつづけます。
あ~、のん兵衛に生まれてきて良かった~!!