温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2024年12月03日

流行語は 「ちょこみ」


 今年の流行語大賞が発表されました。
 年間大賞は、「ふてほど」。

 えっ、なんのこと?
 と思えば、TBS系ドラマ 『不適切にもほどがある!』 のことでした。
 僕も観てましたけどね、「ふてほど」 と言うとは知りませんでした。

 ドラマ関係者でも 「ふてほど」 とは言わないそうです。
 これもまたSNS上の若者言葉なんでしょうか?
 何でもかんでも縮めてしまうんですね。

 「あけおめことよろ」 (あけましておめでとう。今年もよろしく) とか。

 元祖は 「キムタク」 (木村拓哉) ですかね?
 当時、意味の分からない年配者は 「キムチとたくあん」 のことだと思っていたとか?
 言葉は生き物だと、つくづく感心します。


 で、個人的な今年の流行語を発表します。
 「ちょこみ」 です!


 高崎市民の皆さ~ん、こんにちは~!
 月2回配布されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 は、ご覧になってますか?

 僕は、今年5月からコラムの不定期連載を始めました。
 タイトルは、『ちょこっと小耳に』。
 こんなサブタイトルが付いています。

 <小暮淳の取材こぼれ話>


 そーなんです!
 長いライター人生を振り返ると、取材の目的以外で発生した面白エピソードが、たくさんあるんですね。
 それらのネタは、ラジオや講演で話すことはあっても、一度も活字にはなっていません。
 未使用のまま廃材として、捨て去られていました。

 「これは、もったいない!」
 ということで、ドラマのスピンオフのように、脇に追いやられたエピソードたちを、まとめたのが 『ちょこっと小耳に』 です。
 おかげさまで読者には好評のようで、講演会などでも 「読んでます」 と声をかけていただいています。

 また昨日なんかは、行きつけの薬局の薬剤師さんから 「11月1日号の話は本当なんですか? 笑っちゃいました」 と声をかけていただきました。
 11月1日号では、「島の不文律」 と題して、取材で訪れた離島で目撃した、目を疑うような衝撃の出来事について書きました。


 ということで、今年の流行語は 『ちょこっと小耳に』 → 「ちょこみ」 であります。

 不定期連載という割には掲載頻度が高く、今週号 (12月6日) で早くも第10回を数えます。
 さて、今回のこぼれ話は?


 高崎市外の人でも、「ちいきしんぶん」 のHPからバックナンバーが読めますので、ぜひ、検索してみてください。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:23Comments(0)執筆余談

2024年11月23日

今日の読売新聞 「温泉と伝説 密接な関係」


 今年2月からスタートした読売新聞群馬版での不定期連載。
 今日 (11月23日) の読売新聞に、4回目のエッセイが掲載されました。

 今回のテーマは 「温泉と伝説」。

 なんで温泉ライターの僕が、民話や伝説に興味を持ち、著書まで出版したのか?
 その出合いと、温泉との密接な関係について書かせていただきました。


 実は民話や伝説には、先人たちの知恵が、いっぱい詰まっているんですね。
 妖怪や化け物が登場する怖い話もありますが、温泉の伝説には、現代人が学ぶべきことが多々あります。
 エッセイでは、「なおし湯」 や 「上がり湯」 「仕上げ湯」 、また2つ以上の泉質の異なる温泉に入る 「合わせ湯」 を紹介しました。

 何気なく、観光目的で訪ねている温泉地や入っている温泉には、たくさんの伝説や民話が隠れています。
 ぜひ、今度、温泉地へ行ったら、ちょっと地元の人に聞いてみてください。

 きっと、その温泉が、何倍にも好きになると思いますよ。


 新聞離れが加速しているといいます。
 それでも 「されど新聞」 です。
 まだまだ、たくさんの人が読んでいます。

 だって、講演会場では 「新聞、読んでますよ」 と声をかけてくれる人が、結構いますもの。
 中には、新聞の切り抜きを持参して、会場に来る人もいます。

 そんなとき僕は、「ああ、ライターという仕事をしていて、良かったなぁ~」 と、つくづく思います。


 次回の掲載は、いつでしょうか?
 年内かな? 年明けかな?

 さて、何について書きましょうか?
 楽しみにしていてください。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:37Comments(0)執筆余談

2024年10月27日

拾活


 拾活を始めました。

 えっ? 「終活」 じゃないのかって?
 いえいえ、僕の場合、「拾活」 なんです。


 僕は若い頃から自分の人生を、農業に例えてきました。

 10代は、土地探し。
 20代は、開墾。
 30代は、土壌づくり。
 40代は、種まき。
 50代は、発芽、生育。
 そして、60代は収穫です。

 まさに、そのように僕の人生は推移しています。
 では、なぜ、そんなにもロングスパンで、人生を捉えるようになったのか?


 多分ですが、若い頃から周りの人に 「君は大器晩成だ」 と言われ続けていたからかもしれません。
 親や兄からも言われた記憶があります。
 きっと、刷り込まれていたんでしょうね。

 自分は天才じゃない。
 人並優れた才能もない。
 だったらコツコツと生きるしかない。

 そう、のんびりと構えるようになり、「一生をかけて、この人生を完成させればいい」 と思うようになりました。


 まあ、本音を言えば、予定より “発芽” と “生育” の時期が大幅に遅れてしまったのですが……
 それでも、なんとか還暦を過ぎた頃から少しずつですが、実った作物を収穫することができるようになりました。

 収穫量は普通の人 (定年退職をしたサラリーマン) に比べると、まだまだ少ないのですが、なんとか食べていけるだけの収穫は維持しています。


 で、収穫した際に、本来ならば廃棄してしまう商品価値のない作物 (僕の場合、原稿にならなかった事柄等) というのが、必ず残るんですね。
 捨ててしまうには、もったいないし、しのびない。
 どうにか、これらに命を吹き込んで作品として世に出してあげられないものか?


 そして、考えたのが、地球にも優しい 「拾活」 です。
 人生を振り返って、今までは捨てていた無駄だと思った事柄を掘り起こし、それらに命を与え、世に出す作業です。

 たとえば、若い頃のストリートライブなど。
 たとえば、バックパッカーとしてアジアの国々を歩いたことなど。
 たとえば、原稿には書けなかった取材先でのエピソードなどなど……


 それらは、講演のネタにもなるし、コラムやエッセイにも成り得るのです。
 料理で言えば、野菜の根っこやヘタ、皮の部分です。
 調理法一つで、新たな一品料理へと変身します。

 現在僕は、高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に、『ちょこっと小耳に』 というコラムを連載しています。
 サブタイトルには、「小暮淳の取材こぼれ話」 と付いています。
 これなどは、まさに土壌づくり→種まき→発芽→生育の過程で、学んだり、失敗したことなど、本来の仕事とは関係ない副産物を掘り起こし、拾い集め、素材として調理して改めて世に出すという、まさに SDGs な試みなんですね。

 でも、これがとっても楽しいんです。
 この手法なら年齢に関係なく、いくつになっても活用ができます。
 たとえ足腰が立たず、寝たきりになったとしても、できるわけですから。


 ということで、僕は 「拾活」 を始めました。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:04Comments(0)執筆余談

2024年10月15日

只今、連載記録更新中!


 高崎市在住で上毛新聞を購読している皆さん、こんにちは!
 「スタジオJ」 の小暮です。

 えっ、何のことかって?
 はい、「スタジオJ」 とは、僕の屋号であります。
 唯一、屋号で執筆しているのが上毛新聞の生活情報紙 『TAKATAI (タカタイ)』 (高崎タイムス) なんです。
 しかも、パズル!


 僕は2000年2月から毎週、『熟語パズル』 を連載しています。
 漢字のパズルで、二字熟語と四字熟語の問題を隔週交互に連載しています。

 で、気が付いたら連載開始から今年で24年も経っていたんですね!
 週刊ですから、その掲載数も半端じゃありません。
 今週の掲載で、なななんと! 1,135回を数えます。

 只今、最長連載記録を更新中であります。


 ということで現在も、来月以降のパズルネタを探しながら、鋭意制作中であります。 
 ネタなら尽きることはありませんが、その言葉をパズルに仕上げるのに悪戦苦闘していいます。

 でもね、パズルを解くのも頭の体操になりますが、パズルを考えて作るのもボケ防止になるんですよ。


 目指せ! 連載2,000回!
 今後とも 「スタジオJ」 の熟語パズルを、末永くよろしくお願いします。


 ※ 「タカタイ」 は毎週金曜日の発行です。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:55Comments(0)執筆余談

2024年09月23日

牧水に魅せられて


 <静岡県沼津市。風光明媚な千本松原の入り口にある乗運寺に行ってきました。ここに歌人の若山牧水 (1885~1928) が眠っています。墓参は長年の夢でした。>
 これは9月14日の読売新聞群馬版に掲載されたエッセイの書き出しです。

 <牧水と弟子のK-君 (門林兵治) は四万温泉に別れを告げ、中之条駅から電車に乗り、正午に渋川駅に着いた。2人はここで別れることになっていたため、駅前の小料理屋にて別杯を挙げた。>
 これは9月20日発行された高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に掲載された 『令和版みなかみ紀行 牧水が愛した群馬の地酒と温泉』 の第4話の冒頭部分です。


 依然、僕の牧水熱は冷めやみません。
 いえいえ、以前よりヒートアップしている感じです。

 では、なぜ、そこまで牧水は僕を魅了し続けるのでしょうか?


 群馬県を訪れた文人墨客たちは、あまたといます。
 しかし、その中でも若山牧水は異例中の異例、別格の存在だからです。
 彼は8回も来県し、延べ約60日間も滞在しています。
 そして13編の紀行文と約400もの歌を世に残しました。

 僕は短歌のことは、よくわかりません。
 それでも牧水に惹かれるのは、彼の人となり、人間性、そして何よりも “温泉” と “酒” をこよなく愛したところです。


 群馬県内の温泉大使と地酒大使を務める僕が、牧水に興味を持ち続けるのも当然なことなのかもしれませんね。
 温泉に入って、酒を呑む……
 ただそれだけで、人生を語ることができますもの。

 たぶん僕は牧水に対して、同じ穴のムジナを感じているのかもしれません。


 「ちいきしんぶん」 の 『令和版みなかみ紀行 牧水が愛した地酒と温泉』 では、名紀行文 「みなかみ紀行」 で牧水が訪れた全温泉地をめぐり、たぶん、その晩に牧水が呑んだであろう酒を造った酒蔵を訪ねています。

 牧水と同じ湯に入り、牧水と同じ酒を呑めば、おのずと牧水の心境になれるのではないか?
 そして、時代を大正から令和に移し、令和版の 「みなかみ紀行」 を書いてみたくなったのです。


 シリーズは、いよいよ後半に突入します。
 法師温泉を後にした牧水は、笹の湯 (現・猿ヶ京) ~湯宿温泉 (みなかみ町) ~老神温泉 (沼田市) とめぐり、県境を越えて日光を目指します。

 ご期待ください。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:25Comments(0)執筆余談

2024年09月06日

二度おいしいエコ記事


 「キツネの話、読みましたよ!」
 さっそく電話をくれた知人がいました。

 今日(9月6日)発行の 「ちいきしんぶん」 を見てくれたようです。
 「ちいきしんぶん」 は高崎市内に配布されているフリーペーパーです。
 僕は、この新聞に、ちょっと変わった記事を連載しています。


 小暮淳の取材こぼれ話 「ちょこっと小耳に」

 いわゆる裏話で、取材中に起こった出来事や失敗談などを紹介しています。
 料理で言えば、本来、廃棄されてしまう根っこやヘタなどの部分を調理して、新たな料理として提供しているようなもの。
 無駄のないエコな記事です。

 また筆者としては、一度の取材で2本の記事が書けるのですから、「一粒で二度おいしい」 グリコのキャラメルのようなお得感があります。


 さて、今日掲載された第5話のタイトルは 「浴室に現れたキツネ」。
 座敷わらしが現れるという温泉宿を取材で訪ねた時のこと。
 宿泊客が自由に書き込むノートの中に、キツネの絵を描いた女性がいました。
 そこには、こう書かれていました。

 <浴室の窓にキツネが現れました>

 僕は主人に案内され、キツネが現れるという浴室へ。
 すると……


 このエピソードは以前、ブログにも書きましたので検索してみてください。
 (2024年3月28日 「浴室に浮かぶキツネの姿」 参照) 


 「ちょこっと小耳に」 は、毎月1回のペースで掲載されています。
 また記事のバックナンバーは 「ちいきしんぶん」 のホームページでも閲覧することができます。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:36Comments(0)執筆余談

2024年08月03日

おかげさまで第4話


 高崎市民のみなさ~ん、こん、にち、はー! (錦鯉風)

 昨日発行の 「ちいきしんぶん」 は、ご覧になりましたか?
 「ちいきしんぶん」 は、旧高崎市内の約9割の家庭や事業所に無料配布されているフリーペーパーです。
 僕は、不定期でいくつかの連載を担当しています。

 その一つに、「小暮淳の取材こぼれ話」 があります。
 文字通り、長年の取材活動で出合った失敗談や珍事などのエピソードをエッセイ風に紹介しています。
 不定期連載ですが、5月の開始以来、コンスタントに毎月掲載されています。


 エッセイのタイトルは、『ちょこっと小耳に』。

 このタイトル、結構、気に入っています。
 自慢するような話ではないけれど、クスっと笑えたり、「あらら」 と眉をひそめたり、ちょっぴり泣けるような小ネタを毎回書いています。

 第1話は 「一升瓶のゆくえ」 と題して、取材帰りにバス停で日本酒を飲み干した話です。
 第2話の 「神々の配剤」 では、取材先のアクシデントに、捨てる神があれば拾う神もあるというエピソード。
 第3話の 「拒絶する位牌堂」 は、霊感のない僕が、霊に取りつかれてしまった不思議な体験を書きました。


 そして今月(8月2日号)の 『ちょこっと小耳に』 は?

 「記録より記憶」 と題して、タウン誌の記者時代の大失敗について書きました。
 あの失敗がなかったら、今の僕は存在しなかったかもしれないという、運命を変えた一世一代の大ピンチをくぐり抜けた話です。


 ということで、早くも第4話が掲載になりました。
 すでに、お手紙をいただいたり、講演会場に記事の切り抜きを持参してくださる読者もいます。
 筆者としては、冥利に尽きる、この上ない喜びであります。

 今後とも 『ちょこっと小耳に』 を末永くご愛読くださるよう、お願い申し上げます。


 ☆「ちいきしんぶん」 のバックナンバーがホームページで読めます!
   https://www.kubaru.jp
  


Posted by 小暮 淳 at 12:03Comments(0)執筆余談

2024年07月27日

『ちょこっと小耳に』 来週掲載


 ライターという仕事は、新聞や雑誌などの媒体主から依頼を受け、テーマに沿って取材をして、記事を納めるのが基本です。
 無記名記事は、もちろんのこと、筆者の記名であっても “一人称” を用いないのが通常です。

 一人称の記述が避けられてきたのには、理由がありました。
 記者の主観が混じると、事実を客観的に伝えるという報道の原則に反すると考えられてきたからです。

 でも近年の新聞や雑誌記事を見ると、だいぶ記名記事が増えてきたように思われます。
 一人称の記名記事には、臨場感や親近感があるからでしょうか?
 記名により、記者個人が文責 (文章の責任) を負うという、媒体側の思惑もあるのかもしれませんね。


 僕は、だいぶ前から記名で記事を書かせてもらっています。
 理由は、一人称で文章を書きたいからです。

 テーマが温泉にしろ、民話にしろ、僕は必ず現場へ行きます。
 そこで見たもの、聞いたことを、感じたままに書きたいのです。
 その場合、やはり “一人称” という文体が有効になります。


 それでもライターの場合、好き勝手に文章を書けるわけではありません。
 やはり、依頼されたテーマに沿う必要があります。

 同じ文筆業でも、小説家や評論家やエッセイストのように、自分の好きなことを自由に書くことが出来たら……
 きっと、ライターを名乗る人たちは、みなさん同じ思いだと思います。


 が、苦節ウン十年、やっと、この歳になって、願いが叶いました。
 今年の5月から連載がスタートした 『ちょこっと小耳に』 です。
 高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」(ライフケア群栄) に、不定期 (ほぼ毎月) で掲載されています。

 サブタイトルは、「小暮淳の取材こぼれ話」。
 そうなんです、ウン十年間のライター生活で出合った出来事を、好き勝手に書いたショートエッセイであります。


 先日、高崎市内で開かれた講演会では、わざわざ、このエッセイの切り抜きを持参してくださった聴講者がいました。
 「これ、毎回、楽しみにしているんです」
 と、声をかけてくださいました。

 実は僕も、毎回、書くのが楽しみなんです。
 「次は、何を書こうか……」
 と、悩んでいる時が一番楽しい!

 書き手が楽しければ、その楽しさは読み手にも伝わるはずです。
 次回、第4話は来週、8月2日号に掲載されます。
 お楽しみに!
  


Posted by 小暮 淳 at 12:39Comments(0)執筆余談

2024年07月26日

おかげさまで4,000話


 一昨日、このブログの記事投稿数が、4,000件を突破しました!

 今日のブログが4,002話となります。
 いやいや、まさか4,000回も投稿していたとはね。
 書いている本人も、ビックリです。

 これすべて、ひとえに読者様のおかげであります。
 改めまして、御礼を申し上げます。

 いつもいつも、ご愛読いただき誠にありがとうございます。


 さて、このブログを開設したのが2010年2月ですから、14年と半年あまりが経ちました。
 日数にすると約5,290日です。
 これを4,000で割ると……

 1.32日に1話の投稿をしていることになります。
 これは4日に3回の割合です。


 で、この投稿率というのを、過去と比べてみました。
 前回、3,000件を突破したのは、2021年5月でした。
 当時のブログに、投稿率が記されていました。

 1.35 でした。
 すると、この3年間で、0.02ポイントもアップしたことになります。

 これは、老いてますます “筆まめ” 化が進んでいるということでしょうか?


 いずれにせよ、今日もまた、こうやってブログを書けている幸せ。
 健康であればこその日常です。

 丈夫な体に産んでくれた母親に感謝、日々の仕事に感謝、そして、なによりも読者様に感謝であります。

 引き続き、今後とも末永く、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:00Comments(2)執筆余談

2024年07月20日

知らぬが仏のホールインワン


 「えっ、行ったの!?」
 僕には信じられませんでした。
 待ち合わせの呑み屋に遅れて来た彼は、朝から雨だったこの日、ゴルフをしてきたというのです。
 しかも、合羽を着て回ったといいます。

 趣味に夢中になるって、そういうことなんでしょうね。
 興味のない人には、まったく理解できませんが、好きな人にとっては、その日が、たとえ雨でも嵐でも、やらずにはいられないのでしょう。


 僕は、生まれてこの方、一度もゴルフをしたことがありません。
 なのに、その昔、ゴルフ雑誌の記者をしていた時期がありました。
 群馬県と埼玉県にある系列ゴルフ場の会員向け広報誌です。

 
 30年以上も前のこと。
 当時、僕はタウン誌の編集者でした。
 会社の都合で、この広報誌を請け負うことになりました。
 「小暮君、頼む」
 の編集長のひと言で、僕が担当になってしまいました。

 でも前述のように、僕はまったくゴルフをしたことがありません。
 それどころか、ゴルフのゴの字も興味がありません。
 置いた球を打って、穴に入れる。
 知っていることといえば、それくらいのこと。

 さあ、大変だ!
 あわててゴルフ関連の本を買い集め、にわかで用語やルール等の基礎知識を叩き込みました。


 各ゴルフ場をまわり、レストランや売店などの施設情報を紹介。
 最初は、その程度の取材でしたが、やがてコンペやトーナメントに同行して、コースを会員と一緒に回る記事を書かされることに。

 「記者さん、次は何番アイアン?」
 なんて、参加者から聞かれることも、たびたび。
 まさか、ゴルフ記者が 「ゴルフをしたことがないんで、わかりません」 とは言えず、そのたびに聞こえなかったふりをしてごまかしたものです。


 そして、ついに絶体絶命のピンチが訪れました。
 プロに同行して、レッスンの模様を解説する記事を書くことになったのです。

 「ダメです。僕には書けません」
 と言っても、
 「大丈夫、大丈夫! 見たままを書けばいいんだから」
 と編集長は、無責任に僕を突っぱねます。


 我がライター人生で、最悪の取材となりました。
 当日、肩から録音機を下げて、プロの後ろに立ち、ただマイクを向けるだけ。
 「プロ、今のショット、ご説明願います」
 「ここで注意することは?」
 なんて、あたりさわりのない質問をして、ただただ時が過ぎゆくのを耐えるしかありませんでした。

 ところが記事になって掲載されると、反響がありました。

 「小暮君、いいね。この調子で頼むよ」
 「えっ、どういうことですか?」
 「好評につき、シリーズ化だってよ。頑張ってくれたまえ」

 ガーーーーーーーーーーーーン!!!


 苦痛以外の何物でもない仕事が、評判がいいだなんて!
 知らぬが仏の無知ゆえのホールインワンであります。

 その後、バブルがはじけ、ゴルフ場は斜陽に。
 広報誌も廃刊となりました。


 今となっては、ライター稼業の血となり肉となり骨となった忘れえぬ経験です。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:33Comments(0)執筆余談

2024年07月06日

拒絶する位牌堂


 高崎市民のみなさ~ん、こんにちは!
 昨日 (7月5日号) 発行の 「ちいきしんぶん」(ライフケア群栄) は、もう、ご覧になりましたか?
 「ちいきしんぶん」は、旧高崎市内の10万戸に配布されているフリーペーパーです。

 僕は 「小暮淳の取材こぼれ話 『ちょこっと小耳に』」 というミニエッセイを連載しています。
 そう、以前、この記事を読んだ読者からファンレターをいただいたことを書きましたから、覚えている人もいるかもしれませんね。
 (2024年6月29日 「ファンレターはカンフル剤」 参照)


 昨日は、そのシリーズ第3話の掲載日でした。
 今回のこぼれ話のタイトルは……

 「拒絶する位牌堂」


 えっ、その話、知ってるって!?
 そう思ったあなたは、このブログの熱烈な読者様ですね。
 そうなんです!
 以前、このエピソードはブログにも書いたことがありました。
 (2022年11月21日 「霊感なんてないはずなのに」 参照)

 舞台は、群馬県北部の古寺です。
 地元テレビ局でリポーターをしている僕は、番組のロケとロケハンに出かけました。


 ロケ (ロケーション) は、本番の撮影。
 ロケハン (ロケーションハンティング) は、現地の下見と関係者との打ち合わせのことです。
 つまり、2度は現地を訪れることになります。

 ロケハンではディレクターと放送作家とともに、ロケではディレクターとカメラマンと音声さんとともに、現地に入りました。
 ところが!
 2回とも僕だけに、予期せぬ災難が襲いかかりました。

 そう、それは、まるで 「お前は、ここへ来るな!」 と言っているような侵入を阻止する出来事でした。


 さて、その結末は?


 ※「ちいきしんぶん」 のバックナンバーは、ホームページから閲覧することができます。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:18Comments(0)執筆余談

2024年06月29日

ファンレターはカンフル剤


 1通のメールが届きました。
 送信者は、僕が日頃から仕事でお世話になっている 「ちいきしんぶん」(ライフケア群栄) の社長です。
 たった一言、こう記されていました。

 <うれしいハガキが届きました>

 添付画像を開くと、ハガキの写真が現れました。
 差出人は、読者のようです。


 <6月7日号 小暮淳の取材こぼれ話>
 そう大きく見出しが付いていました。

 『小暮淳の取材こぼれ話』 は、今年5月から高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 で連載が始まった僕のショートエッセイです。
 タイトルの通り、今までのライター人生の取材先で体験したアクシデントや悲喜こもごものエピソードを、面白おかしく紹介しています。
 いわば、取材で拾った副産物のようなネタです。
 原価ゼロの廃棄食材の再利用のような、地球にやさしいエコな記事なのであります。


 もちろん、こんな発想はライターの僕にはありませんでした。

 この記事の連載を提案してくださったのが、何を隠そう 「ちいきしんぶん」 の社長でした。
 「小暮さん、今までに、どこにも書いていないようなネタってない? たとえば取材先での出来事とか?」
 そのひと言で、連載が決まりました。


 まさに盲点でした。
 考えてみたこともありません。
 言われてみれば確かに、雑誌の編集者や記者時代を含めれば、35年以上も取材活動を続けてきました。
 当然ですが、現場は常にシナリオのない舞台です。
 アクシデントは、付きものです。
 予想外のいいこともあれば、絶体絶命のピンチも訪れます。

 でも、それらは取材目的とは関係ありませんから、記事になることはありません。
 「それを書いてみたら?」
 とは、まさに目からウロコが落ちました。

 そして始まった連載が、「小暮淳の取材こぼれ話 『ちょこっと小耳に』」 です。


 ハガキには、こう書かれていました。
 <毎号楽しみにしています。足しげく、あるいは心優しく、地元に愛されている方である事を今回もつくづく感じました。「日々、徳を積んでいる私には、こういう時に手を差し伸べてくれる神々がいるのだ。」 との結びは、正にその通りです。全く恐れ入りました。と付け加えて、大いに賛美致します。>

 M子さんという70代の女性からでした。
 ありがとうございます。
 本当に、うれしい!


 こんな廃材を寄せ集めて作ったような小さなエッセイを、ここまで読み込んでくださっていることに、ただただ敬服いたします。
 読者って、僕にとっては神様です。 
 その神様のひと言で、ライターは書き続けることができるのです。

 ファンレターは、何よりも勝るカンフル剤です!


 M子さん、シリーズは、まだまだ続きますよ。
 次号も楽しみに待っていてくださいね。
 (次回は7月5日号に掲載の予定です)
  


Posted by 小暮 淳 at 12:41Comments(0)執筆余談

2024年06月22日

<令和版 みなかみ紀行> 第3話 花敷~沢渡~四万


 高崎市民のみなさん、こんにちは!
 かつ牧水ファンのみなさん、お待たせしました!

 昨日発行(6月21日号) の 「ちいきしんぶん」(ライフケア群栄) は、もう読みましたか?
 旧高崎市内の10万世帯に配布されているフリーペーパーです。
 僕は昨年より不定期で、<令和版 みなかみ紀行> という紀行エッセイを連載しています。


 「毎回、掲載されると読者から問い合わせがありますよ」
 と編集者から連絡がありました。
 「続きが読みたい。次の発行日はいつか?っていう」

 筆者としては、うれしい限りであります。
 世の中には、けっこう牧水ファンって多いんですね。


 歌人・若山牧水(1885~1928)は、宮崎県日向市(現在)の生まれ。
 晩年は静岡県沼津市に暮らしましたが、全国を旅して多くの歌と紀行文を世に残しました。
 ただそれだけだったら、たぶん、文学ファン以外の人を魅了しなかったでしょうね。

 牧水は、のん兵衛だったのです。
 さらに温泉大好き人間でした。
 となれば、自称 「令和の牧水」 を名乗る僕は黙ってはいません!


 牧水は、群馬にもたびたび訪れています。
 中でも大正11(1922)年に長野県から群馬を横断して栃木へと抜ける旅 『みなかみ紀行』 は、牧水ファンならずとも多くの旅好きや温泉好きにも読まれている名著であります。
 その15日間の足取りを令和の現代に訪ね、牧水が入った温泉と牧水が呑んだであろう酒を探す紀行エッセイが、<令和版 みなかみ紀行> です。

 サブタイトルは、「牧水が愛した群馬の地酒と温泉」。


 最新号の第3話では、花敷(はなしき)温泉から暮坂(くれさか)峠を越えて、沢渡温泉に立ち寄り、四万温泉に投宿するまでを追いました。
 各温泉地でくり広げられるトラブルやエピソードを紹介するとともに、牧水が呑んだであろう酒の蔵元も訪ねました。

 歌人・牧水としてだけではなく、人間・牧水のお茶目で破天荒な生き方を通して、今後も群馬の温泉と地酒の魅力を伝えていきたいと思います。
 ご期待ください。


 ※「<令和版 みなかみ紀行> 牧水が愛した群馬の地酒と温泉」 は、「ちいきしんぶん」 のホームページよりバックナンバーを閲覧することが出来ます。

   


Posted by 小暮 淳 at 11:49Comments(0)執筆余談

2024年06月08日

取材こぼれ話② 「神々の配剤」


 高崎市民のみなさ~ん、こんにちは~!
 旧高崎市内の約9割のご家庭や事業所に配布されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 は、お読みですか?

 昨日(6月7日)発行の 「ちいきしんぶん」 に、先月から始まった新連載 「小暮淳の取材こぼれ話 『ちょこっと小耳に』」 の第2話が掲載されました。
 この連載はタイトルどおり、僕が取材先で体験した出来事を、面白おかしく紹介するエッセーです。


 今回のテーマは、『神々の配剤』。
 県北部の温泉地で起きたハプニングについて書きました。

 共同浴場で、湯上りのビールを飲もうとすると、売店もなく、自動販売機にもビールが売っていません。。
 僕にとって、湯上りのビールは必須アイテムです。

 「許せん!」
 と駄々をこねる僕の前に、一人の男性が現れます。
 「小暮さんですか?」

 その後、次々と神々が降臨し、奇跡の大逆転劇が起こります。

 さて、その結末は?


 タウン誌の記者から37年。
 このシリーズでは、様々な取材現場でのエピソードを取り上げていきます。

 次回、第3話では、摩訶不思議な霊体験について紹介します。
 お楽しみに!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:40Comments(0)執筆余談

2024年06月01日

今日の読売新聞 「県内温泉 3つの日本一」


 おはようございます!
 今日の読売新聞群馬版は、ご覧になりましたか?

 今年2月からスタートした不定期連載の第2回目が掲載されました。
 こんな見出しが付きました。

 ≪県内温泉 3つの 「日本一」≫


 書き出しは、昨年10月に出演したフジテレビの 『ホンマでっか!TV』 について。
 そこでの明石家さんまさんとのやり取りからです。

 あの時、僕は、群馬県の温泉日本一について話しました。

 実は台本には、草津温泉しか書かれていませんでした。
 でもね、事前にディレクターからは、「アドリブで、どんどんチンを鳴らして結構ですよ」 と言われていたものだから、あと2つ、付け加えてしまいました。
 番組を観ている人なら分かると思いますが、チンとは呼び鈴のことで、評論家は発言するときには、「チン!」 とベルを鳴らしてから話すルールなんです。

 なので無理やりに、あと2つ、アドリブで付け加えました。


 新聞記事では、さらにテレビでは言えなかったそれ以外の温泉日本一を紹介しています。

 まさに群馬は、温泉のデパート!
 温泉といえば群馬です。

 今後とも群馬の温泉をよろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 10:08Comments(3)執筆余談

2024年05月23日

おかげさまで中学2年生


 3,952

 この数字は、なんだかわかりますか?
 答えは、このブログの昨日までの記事総数です。

 開設が2010年2月ですから、14年と3カ月が経ちました。
 ざっと計算すると、約1.3日に1回の投稿をしていることになります。

 ほぼほぼ毎日です。
 (かなりヒマな人間だと思われそう)


 ちなみに、アクセス数は138万を超えました。
 読者登録数は現在、118人。
 コメント総数は、5,279件。

 カテゴリー数も年々増えて、35になりました。


 最初は、軽い気持ちで始めたブログでした。
 「面倒くさかったら、すぐにやめればいい」 
 と思っていました。

 が、開設すると、すくに反響がありました。
 「ブログ読んでます」
 講演やセミナー、取材先で声をかけてくれる人が、何人にもいたのです。

 ライターとは因果な商売で、悲しいかな、読まれると頼まれなくても書いてしまうのです。
 そんな日々が積もり積もって、14年が過ぎました。

 14年って、一口で言いますが、オギャーと産まれた赤ちゃんが、中学2年生になる歳月なんですね。
 そう思うと、我が子を育てて来たようで、愛着もひとしおであります。
 (ちなみに僕の孫も中学2年生になりました)


 ところで、読者様の中には、14年前からお読みくださっている方もいるのでしょうか?
 もし、いましたら、この場をお借りして、厚く厚く御礼申し上げます。(お互い、ヒマですね)

 今後とも、末永くご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:02Comments(4)執筆余談

2024年05月10日

新連載 『ちょこっと小耳に』


 高崎市民のみなさ~ん、こんにちは!
 今日発行 (5月10日号) の 「ちいきしんぶん」 (ライフケア群栄) は、もう、ご覧になりましたか?
 「ちいきしんぶん」 は、旧高崎市内の約9割の家庭や事業所に無料配布されているフリーペーパーです。


 このフリーペーパーに、今日から僕の新連載がスタートしました。
 タイトルは 『ちょこっと小耳に』。
 サブタイトルには <小暮淳の取材こぼれ話> と付いています。

 そうなんです!
 フリーライター歴30年の僕が、今までに訪れた取材先で拾った不思議な体験やユニークな出来事を、ミニエッセー風に仕立て上げたエピソード集です。
 ゆえに、新聞や雑誌には未発表のレアでコアなネタばかりです。


 たとえば、今日掲載された第1回は 「一升瓶のゆくえ」 と題して、取材中のハプニングについて書きました。

 酒蔵を取材した帰り道。
 当然、飲酒をするため車ではなく、電車とバスと徒歩で移動しています。
 立ち寄った温泉宿で、湯をいただき、礼を言って旅館を出ようとした時でした。

 「小暮さん、これ、持って行きなよ」
 顔見知りの主人から、日本酒の一升瓶をもらってしまいます。
 まさか、「徒歩で来ているから」 と断れず、ありがたくいただくことに。

 一升瓶を抱えてバス停まで歩くことになってしまった僕と同行のカメラマン。
 さて、この後、2人は思わぬ行動に出ます。
 その結末は……


 「ちいきしんぶん」 はウェブ版でも閲覧することができます。
 今後とも1号1話のエピソード集 『ちょこっと小耳に』 を、ご愛読くださいますようお願い申し上げます。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:40Comments(0)執筆余談

2024年03月09日

晴れ、ときどき牧水


 牧水は、群馬で何という地酒を呑んだのだろうか?

 最初は、そんな疑問と好奇心からでした。
 昨年11月、高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 にてスタートした不定期連載 『牧水が愛した群馬の地酒と温泉』。
 副題には ≪令和版 みなかみ紀行≫ と付いています。


 歌人の若山牧水 (1885~1928) は、群馬県を8回訪問して、延べ約60日間滞在しています。
 中でも著書にもなった有名な紀行文が 『みなかみ紀行』 (大正13年初版) です。
 この間、15日滞在して、群馬県内の9つの温泉に入っています。

 しかも牧水は、桁違いの酒豪です。
 毎晩、一升の酒を呑み明かしました。


 自称 “令和の牧水” を名乗る僕としては、その疑問を解き明かさないわけにはいきません。
 どこが “令和の牧水” なのかって?
 はい、群馬の温泉と地酒をこよなく愛しております。

 その証拠に、僕は県内4温泉地の温泉大使と、「ぐんまの地酒大使」 を仰せつかっております。
 ということで、僕が書かずして、誰が書く!?
 という使命感に駆られたのであります。


 前回の第1話では、スタート地点の沼津 (静岡) ~佐久 、軽井沢 (長野県) までの足取りを追いました。
 そして、牧水が呑んだであろう地酒にもたどり着きました。

 ズバリ!
 僕の推理は、武重本家酒造 (佐久市) の 「御園竹(みそのたけ)」 であります。

 『よき酒とひとのいふなる御園竹 われもけふ飲みつよしと思へり』 
 と、牧水自身が詠んでいますから、ほぼほぼ間違いないと思います。


 ということで昨日、第2話の取材に行ってきました。
 牧水は、軽井沢から草軽軽便鉄道に乗って、いよいよ嬬恋 (群馬県) へ。
 そこから草津温泉 (草津町) ~花敷温泉 (中之条町) ~沢渡温泉 (中之条町) ~四万温泉 (中之条町) へと向かいます。

 どの宿に泊まったのか?
 何という銘柄の地酒を呑んだのか?

 その足取りを追いました。


 掲載は4月5日号の予定です。
 乞う、ご期待!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:55Comments(0)執筆余談

2024年02月26日

絶対王者の証し


 「まさに灯台下暗し、でした」
 「群馬と温泉、言葉が入れ替わるだけで、こんなにも意味が変わるんですね」

 2月17日に読売新聞群馬版に掲載されたコラム 「レンゲツツジ」 を読んだ方々から、コメントが寄せられています。
 記事に付いた見出しは、「温泉といえば群馬です」。


 僕は文中で、県内外での群馬に対する評価の違いに触れました。
 群馬の人にとって、「群馬といえば温泉」 だが、他県民から見ると 「温泉といえば群馬」 と、とらえていること。

 A=B
 は、必ずしもB=Aではありません。
 でも、もし、逆も真になったら?

 これは最強のコンテンツとなり、絶対王者の証しとなるはずです。


 かつて僕は、この現象を体感しています。
 2000年に四万温泉 (中之条町) で開催された 『探四万展(さがしまてん)』 というシンポジウムです。
 パネリストの一人として参加しました。

 この時、議題に上ったのが 「内から見た四万、外から見た四万」 というテーマでした。
 四万温泉で暮らす人たちは、四万温泉をどう見ているのか?
 また、四万温泉を訪れる人たちは四万温泉をどう見たのか?

 もし双方が、ずれているのであれば、修正しようという試みでした。


 ところが、この時、双方の目は見事に合致しました。
 しかし、そこには解釈の違いがありました。

 “何もないところ”

 前者は、自虐的であり、負い目を感じていました。
 「信号機もコンビニもない」 「不便な田舎の温泉」 だと。

 ところが後者の意見は、違いました。
 「このままの自然を大切にしてほしい」 「不便が四万の良さ」 「地元の人とのふれあいがある」
 そしてアンケートで一番多かったのが、「何もない良さ」 でした。

 言い換えれば四万は、大温泉地のような歓楽施設やコンビニなどがなく、自然と環境を邪魔するものがないから、純粋に湯を楽しめる温泉地だということです。
 だから僕は2011年に出版した 『あなたにも教えたい四万温泉』(上毛新聞社) という著書の帯に、直筆の言葉を載せました。

 ≪何もないとは、なんて素敵なことだろう≫


 その後、四万温泉がマスコミやメディアからも注目され出したことは、みなさんもご存知だと思います。
 だから 「群馬といえば温泉」 が 「温泉といえば群馬」 になった時、絶対王者になれると信じています。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:01Comments(0)執筆余談

2024年02月17日

今日の読売新聞 連載スタート!


 ≪温泉といえば 群馬です≫

 いい見出しが付きました。


 今日の読売新聞群馬版 「Saturday ぐんま」 のページ。
 「レンゲツツジ」 というコーナーに、僕のコラムが載りました。

 連載の初回ということで、今回は自己紹介です。
 「なぜ温泉ライターになったのですか?」
 そんな書き出しから始まります。

 だって世の中に、そんな職業なんて存在しませんものね。
 “温泉ライター” は、仕事のジャンルであって、職業ではありません。
 では、なぜ、そう名乗るようになったのか?

 コラムでは、20~30年前にさかのぼり、雑誌の編集人をしていた頃のエピソードに触れました。


 「群馬といえば温泉」
 長年、僕は、そう言い続けてきました。

 <群馬には温泉以外にもたくさん誇れる特産品や観光名所があることは承知しています。でも都道府県魅力度ランキングでは、依然下位に低迷しています。ならば、いっそのこと 「群馬には温泉しかない」 と言ってしまった方がインパクトが強いのではないか。そんな意味を込めて 「群馬といえば温泉」 と言い続けてきました。> 


 ところが数年前から異変が起きました。
 「温泉といえば群馬」
 という声が聞かれ出したのです。

 これは、どういうことでしょうか?
 興味のある方は、ぜひコラムをお読みください。


 このコラムは、不定期連載です。
 次回掲載日が決まりましたら、お知らせします。
  


Posted by 小暮 淳 at 09:37Comments(8)執筆余談