2023年03月29日
温泉本、入荷しました。
僕は今までに、9冊の温泉関連本を出版しています。
すべて群馬県内の温泉地です。
内訳は、以下のようによります。
①全県本
『ぐんまの源泉一軒宿』 や 『群馬の小さな温泉』 など、群馬県全域に点在する一軒宿や小さな温泉地を集めた本です。
②エリア本
『みなかみ18湯』 や 『西上州の薬湯』 など、特定のエリア内にある温泉地を紹介した本です。
③温泉地本
『あなたに教えたい四万温泉』 や 『金銀名湯 伊香保温泉』 のように、1つの温泉地の全宿を徹底取材した本です。
これらの本は、書店で販売されているため、著者自らが在庫を所有することはありませんでした。
よって講演会やイベントなどで販売する本は、その他の自費出版本などがメインでした。
ところが最近、イベントに訪れた人たちから 「温泉の本はないのですか?」 との声が、多く聞かれるようになりました。
その都度、申し訳ない気持ちで 「書店でお買い求めください」 と答えるしかありませんでした。
せっかく来ていただいたのに、著者としては心苦しいばかりです。
イベント会場の販売スペースには限りがあり、温泉本すべてを用意することは不可能です。
でも少しでも読者の要望に応えたい!
という切なる願いから出版元に相談したところ、出荷してくださることになりました。
ということで現在、僕の手元には3冊の温泉本の在庫があります。
『尾瀬の里湯』 『西上州の薬湯』 『金銀名湯 伊香保温泉』
次回、4月9日(日) に伊勢崎神社で開催する 「神社かみしばい」 の会場より販売いたします。
もちろん、サインもいたします。
ご来場、お待ちしております。
2023年03月24日
本は買ってください
僕の職業は、ライターです。
日本語で分かりやすく表記するなら、“売文業” であります。
読んで字のごとく、文章を売ることを生業としています。
収入源は、大きく分けて2つ。
新聞や雑誌などに寄稿、連載をした「原稿料」 と、書き下ろした著書の 「印税」 です。
(連載が書籍として出版されることもあります)
「印税」 と聞くと、誰もが必ず口にする言葉があります。
「よっ、夢の印税生活!」
でも、文字通り、そんなことは “夢” であります。
いや、シビアに言うなら、夢のまた夢です。
その夢がかなう人は、出版界でも、ほんの一つまみ。
何百万部と売れるベストセラー作家だけです。
印税は、本体価格の数~十数%ですから、たかが知れています。
しかも無名な作家ならば、初版は数千冊の印刷がいいところです。
たとえ増刷されて、数万冊売れてたところで……(計算してみてください)
その作り上げるまでの手間ひまを時給で計算してみると、よっぽどコンビニでアルバイトをしたほうが収入になります。
だから著者にとって著書は、血と汗と涙の結晶であり、一冊でも多く売れてほしいのです。
「小暮さんの新刊、さっそく図書館にリクエストしました」
以前、そんなコメントを読者からいただいたことがありました。
ありがたいことです。
嬉しいんですよ。
でもね、本音を言えば、「書店で買ってよ~」 なんであります。
確かに、図書館が購入すれば、そこで1冊分の印税は著者に入ります。
でも、その後、何人に読まれても1円も入っては来ないのです。
「ブックオフで買いました」
という人もいます。
こちらも図書館同様、本を買って手放した人の印税は入りますが、その後に古書店で買っていただいても入っては来ません。
ま、僕も図書館と古書店は、よく利用していますから、大きな声で文句は言えませんけどね。
利用する側と本を出版する側では、立場が変わってくるということです。
えー、読者のみなさんに、お願いがあります。
図書館で借りていただいても、古書店で買っていただいても、読んでいただければ著者は大変うれしいのです。
もー、そりゃあ~、感謝以外の何ものでもありません。
が、もし、少しでも慈悲の心がおありでしたら、新刊を書店にて、お買い上げください。
そのことにより、我が家の夕飯のおかずが一品、増えるかもしれないのであります。
わがままなお願いであることは、重々承知しております。
そのうえで、お願い申し上げます。
どうか、恵まれない売文業者を助けると思って、本は新刊を買ってくださ~い!m(__)m
2023年01月08日
なぜ今 『ヨー!サイゴン』 なのか?
「今日、小暮さんに会えるというので、改めて 『ヨー!サイゴン』 を読み返してきました」
Tさんにお会いすると開口一番、そう言われました。
Tさんは70代前半の男性。
現在は定年退職され、悠々自適な生活をされています。
『ヨー!サイゴン』 とは、24年前に僕が自費出版したベトナム旅行記です。
なぜか今になって、この本が、たびたび話題に上がります。
昨年暮れにも、某アナウンサーとの電話で、この本が話題になりました。
※(当ブログの2022年12月30日 「こいつぁ~、暮れから縁起がいいわい!」 参照)
「コロナが終息したら、ベトナムへ行こうと思います。ぜひ現地で、生のアオザイを見てみたくなりました」
アオザイとは、ベトナム女性の民族衣装です。
僕は著書の中で、こう記しています。
<アオザイは完全オーダーメイドである。バスト、ウエスト、ヒップ以外にも、数十箇所を採寸して作られる。体のラインおよび下着のラインまでもシルエットとして強調されるこの衣装は、余程のボディラインの持ち主でなければ着こなせない。>
「いゃ~、読んでいて興奮しました。絶対にベトナムへ行きます!」
Tさんは定年退職後、日本語教師の資格を取り、60代は中国へ渡り、日本語学校で働いていました。
「私の人生はね、クソみたいな60年間だったんですよ。ただ生活のために働き、上司に頭を下げ続けた人生でした。『いつか辞めてやる』 と、いつも思って生きていましたが、ついに定年まで勇気がなかった」
そして、こうも言います。
「こんな意気地なしの自分と、残りの人生を過ごすのかと思ったら死にたくなったんです。でも、そこで初めて気づいたんですよ。死ぬくらいなら、もう一度、人生をやり直してみようって。だから家族に反対されても、中国へ行ったんです」
70歳を前に帰国。
また、「元のありふれた毎日が戻ってきてしまった」 といいます。
そんな時、知人に誘われ入った居酒屋で、僕の本と出合ったといいます。
「読み返して、改めて思いました。実によくできている小説です」
「これはエッセイですよ!」
「いや、私は小説として読みました。特にラストシーンが素敵です」
「ラストシーン?」
すでに書いた本人は忘れています。
「プンさんとの別れのシーンですよ」
「プンさんって、誰でしたっけ? ……ああ、見送りに来た旅行会社の女性ね」
おぼろげに、最後の場面を思い出しました。
「出迎えてくれた時はTシャツとジーパンだったのに、見送りの時はアオザイを着ていたんですよね。あのシーン、グッときました」
<今日は目が覚めるような鮮やかなブルーのアオザイを着ている。入国初日に出迎えてくれたときは、確かTシャツとジーンズ姿だった。その気配りに感謝するとともに、つくづくアオザイという衣装は女性をより美しく引き立てる魔法の衣装だと思った。今日のプンさんは、あの日の百倍は美しい。>
Tさんは、ビールのグラスを手に取り、かかげました。
「ヨー!」
ベトナム語で “乾杯” のことです。
「ヨー! 今年もよろしくお願いします」
と僕も応えました。
『ヨー!サイゴン』 (でくの房/500円) は、一般書店では販売されていません。
毎月、伊勢崎市で開催している 「神社かみしばい」 の会場にて、販売しています。
ご希望の方は、ぜひ伊勢崎神社へお越しください。
今月の開催は、22日(日) です。
2023年01月06日
ただ今、八合目!
山登りをする人なら分かると思いますが、登頂した瞬間よりも、下山後に振り返り、たった今登ってきた山の全景を仰ぎ見た時のほうが、感慨は無量になります。
登頂は行程の途中であり、下山後にこそ制覇の喜びを味わえるものだからです。
以前から僕は、 “本の出版は登山に似ている” と言い続けています。
また新たな出版という、長い長い山登りが始まりました。
取材をして、文章を書き、原稿にする。
ここまでが登山でいえば、山頂を目指す上りです。
原稿が出そろった時点が、登頂といえます。
現在、僕は八合目付近にいます。
もう、ひと息で原稿がそろい、山頂に立てるところまで来ています。
でも登山は上りよりも、下りのほうが慎重になります。
危険も伴いますから、ここからはチームプレーとなります。
足元を確かめながら、声を掛け合い、ルートを間違えないように、細心の注意を図ります。
ということで昨日、第1回目の出版会議が開かれました。
いわば、登頂前に下山ルートの確認を始めたことになります。
何ページになるのか?
本文は何章に分けるのか?
どのようなページ割になるのか?
グラビアは付けるのか?
まだ今の段階では、そこまでです。
すべての原稿がそろった時点で、タイトルや装丁、帯コピーの制作に入ります。
早くも活気が沸いてきました。
ワクワク、ドキドキする新年のスタートです。
春かな? 夏かな?
順調に進めば、そんなに待たずに、読者のみなさんのもとへ届けられると思います。
がんばります!
2022年12月30日
こいつぁ~、暮れから縁起がいいわい!
「『ヨー!サイゴン』 から読んでます」
「えっ!」
開口一番の、その言葉に絶句しました。
暮れも押し詰まった一昨日、突然、フリーのアナウンサーを名乗る女性から電話がありました。
なんでも東京のラジオ番組で、僕の著書や僕のことを紹介したいのだと言います。
もちろん快諾したのですが、その読書歴に驚きました。
『ヨー!サイゴン』 とは、僕が平成11 (1999) 年に自費出版した紀行エッセイです。
自費出版ですからね、書店では販売されませんでした。
友人知人および親類縁者に配ったり、イベント等で販売したくらいのものです。
そんな本を、なんで彼女は持っているのだろうか?
「20年以上前に出した本ですよ? しかも自費出版です。どうして、お持ちなんですか?」
僕の驚きに対して、アナウンサーらしく筋道を追って、丁寧に話してくれました。
『ヨー!サイゴン』 は、僕と友人である画家の久保繁とのベトナム珍道中を、面白おかしくつづった旅行記であります。
帰国後、彼の個展に合わせて僕が書き下ろし、本にして、販売しました。
彼女の話によれば、僕の本との出合いは、それ以降に開催された久保繁の個展会場だったそうです。
たまたま入った会場で、彼の絵画を見て一目惚れし、即日、購入したとのこと。
その時、粗品 (?) として、僕の著書をもらったようです。
「素晴らしい本だったので、著者名を覚えていたんです」
と、その後に出版した僕の温泉本や民話本も購入してくださっているとのことでした。
いゃ~、正直、感動しました。
23年も前に書いた本をですよ!
しかも流通に乗らない、超マニアックなレア本であります。
どこで誰が読んでいるか、分からないものですね。
たった一本の問い合わせ電話です。
本来なら承諾返事だけで終わる内容なのに、思わず長電話をしてしまいました。
お電話いただき、ありがとうございました。
ライター冥利に尽きる知らせでした。
こいつぁ~、暮れから縁起がいいわいの~!
来年の展開が、とても楽しみになりました。
2022年11月26日
落款は楽観の印
「あっ、これ、見たことあります」
先日の講演会終了後のこと。
著書にサインを求められ、いつものように応じていた時でした。
僕は必ず、サインの下に似顔絵のスタンプを押しています。
書家や画家が作品に押印する落款(らっかん) とは、ちょっと違うんです。
そんな大それたものではありません。
だって似顔絵ですからね。
クスッと笑っていただければ、というサービス精神から押しています。
でも、この似顔絵、けっこう人気があるんですよ。
もちろん僕の名刺にも印刷されていますが、僕が代表理事を務めるNPO法人 「湯治乃邑(むら)」 のマークにもなっています。
でも、講演会で 「見たことある」 と言った方は、高崎市在住だったのでしょうね。
高崎市のフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に、『小暮淳のはつらつ温泉』 というコラムを連載しています。
このコラムのタイトル下には毎回、僕が温泉に入っているスタンプと同じ似顔絵が描かれています。
だから高崎市在住の読者なら、見たことがあるはずなんです。
サインを求められた方は、大変よろこんでくださり、「家宝にします」 とまで言ってくださいました。
実は、このイラストは11年前のコンテストから誕生した作品なんです。
「小暮淳キャラクターデザインコンテスト」 なるイベントが、地元の出版業界内で開催されました。
その時のグランプリ作品が、この似顔絵でした。
作者は、その後、僕の温泉本の装幀を手がけることになったデザイナーの栗原俊文氏です。
彼は、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 の、あの妖怪変化の表紙画を描いてくれたイラストレーターでもあります。
そんなわけで、サインを求められるであろう講演やセミナーの時は、このゴム印を持ち歩いています。
先日も講演会の主催者スタッフの女性が、駐車場まで追いかけて来て、こんなことを言いました。
「先生のサインを拝見しました。かわいいですね。ぜひ、私の本にもサインしてください」
いいですね。
たかがサインなのに、初めて会った人をほっこりさせるなんて!
これも、ひとえに栗原氏の画力の賜物であります。
才能に感謝!
ということで、僕のサインに押されているのは “落款” ではなく、「物事の成り行きが、うまく行きますように」 と願う “楽観” なのであります。
出会った人すべてに、福が来ますように!
2022年06月13日
読者様は神様です
数年前のさる会合の席でのこと。
年配の男性に声をかけられました。
「私は小暮さんの文章が好きでしてね。表現がいい」
唐突に褒められると、こちらも構えてしまいます。
「はっ? ……ああ、ありがとうございます」
とりあえず、お礼を言いました。
すると男性は、なんと20年以上前に書いた処女エッセーのタイトルを言いました。
それ自体が驚きだったのですが、さらに男性はエッセーの中の一節をそらんじました。
「『小さな雨が降っていた』、あの表現は感動しました」
そう言われても、書いた本人が忘れています。
後で読み返してみると、その言葉が収録されているのは、女子少年院をルポした章でした。
重苦しい取材を終えて、建物の外へ出た時の描写です。
「読んでいて、“小さな雨” が見えたもの。“小雨” ではなかった」
御見それしました!
著者が気づいていない所に、読者は気づいていたんですね。
深い! 深すぎる!
ピーンと背筋が伸びた瞬間でした。
これは、さる講演会でのこと。
講演終了後、何人かの著書を持参した読者に、サインをしている時でした。
30代とおぼしき男性は、手にしたバッグを開けて、中を見せてくれました。
おったまげーーー!!!
ビッシリと僕の著書で埋まっています。
「すごいね」
「ええ、全部持っています」
そして、こんなことを言いました。
「先生の本には、たびたび同じ温泉宿が出てきます。その宿を見つけて、読み比べるのが好きなんです」
ゲッ、マニアック~!
そんな読み方をしているの?
読者の深層心理とは、複雑で奥が深いものですね。
これまた、ピーンと背筋が伸びてしまいました。
いやはや、なんとも、著者冥利に尽きるエピソードではあります。
ただただ、感謝!
そして、読者様は神様です。
2022年03月14日
来展御礼 ~著書フェア終了~
先月中旬から1ヶ月間にわたり、紀伊國屋書店前橋店で開催された 『小暮淳 著書フェア』 が昨日、終了しました。
期間中、たくさんの方々に来店 (来展) していただき、誠にありがとうございました。
フェア関係者を代表して、厚く御礼申し上げます。
本日午前中、書店長立ち合いのもと、著者、出版元担当者、デザイナーが集まり、撤収作業を行いました。
展示・販売された著書は10点。
その在庫確認をしたところ、50冊以上もの本が売れていました。
お買い上げ、ありがとうございます。
店長いわく、
「在庫を完売して、追加発注をした本もあります」
とは、どの本かといえば、なんと! 温泉関連ではなく登山本でした。
『ぐんまの里山 てくてく歩き』(上毛新聞社)
出版元の担当者によれば、
「毎年この時季、暖かくなるとゴールデンウイークにかけて売れるんですよ」
とのこと。
そのこころは? と問えば、
「リタイヤ組のバイブルなんでしょうね」
定年退職後、何か趣味を持ちたい。
そうだ、健康を兼ねて山歩きをしょう!
とはいっても、いきなり高い山は無理だ。
身近で手軽なハイキング程度から始めよう!
里山なんて、入門編に最適じゃないか!?
といったところでしょうか。
理由はどうあれ、拙著を手に取り、お買い上げいただき、ありがとうございます。
ついでに里山の行き帰りに、温泉はいかがですか?
温泉地には、民話がつきものですよ。
「ぜひ次回は、温泉本と民話本もお買い求めください。フェアが終わっても紀伊國屋書店では、常設ブースにて販売しております」
と、店長も言っております(と思う)。
このフェアは、今後、群馬県内の他の書店での巡回展も予定しています。
お近くの書店で開催されましたら、ぜひ、お立ち寄りください。
今後とも小暮淳の著書をご愛読してくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
2022年03月06日
フェア残り一週間
「イラストレーターやデザイナーを志す若い人たちに見てほしいですね」
現在、紀伊國屋書店前橋店で開催中の 「小暮淳 著書フェア」。
このフェアの会場では、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の表紙画展も同時開催されています。
フェア開催初日、友人のイラストレーター・飯塚裕子氏が会場に駆けつけてくれました。
彼女は、拙著 『ぐんまの里山 てくてく歩き』(上毛新聞社) の表紙絵を描いてくれた作家です。
(絵といっても実際は紙粘土による立体画です)
その彼女が開口一番、発したのが冒頭の言葉でした。
彼女は同じイラストレーターとして、今回、出展した栗原俊文氏の展示物に大いに共感したようです。
会場には、栗原氏が手がけた原画のみならず、「表紙ができるまで」 と題して、その制作過程も事細かに図解入りでパネル展示されています。
依頼→会議→立案→ラフ→推こう→作画→推こう→デザイン→サンプル→決定
といった仕事の流れを、一般の人でも分かりやすく説明しています。
「これ、パクってもいいかしら?(笑) 私も今度、作品展で使わせてもらいます」
飯塚氏は、こうも言います。
「一番見えない部分で、一番見てほしい所なんですよね」
さてさて、泣いても笑っても残り一週間となりました。
すでに行かれた人は、ぜひ、もう一度会場へ!
まだの人は、今すぐ会場へ!
早く行かないと、売り切れちゃいますよ~!!
(なわけないか)
小暮 淳 著書フェア
同時開催 『民話と伝説の舞台』 栗原俊文 表紙画展
●会場/紀伊國屋書店前橋店
(けやきウォーク前橋1階 けやきコート側入口)
●会期/開催中~3月13日(日)
10:00~22:00
2022年02月26日
紀の国からの贈り物
依然、「過去占い」 を続けています。
過去占いとは、新聞に掲載されている 「きょうの運勢」 などの占い欄を、その日に読まず、あえて後日に読み、その的中率を楽しむという、僕独自の占い方法です。
※(当ブログの2021年12月11日 「過去占い」 参照)
一昨日、その前日の新聞を広げたら、こんな運勢が載っていました。
《福運舞い込む強運》
あれ、昨日、なんか良いことあったっけ?
この “あったっけ探し” が、過去占いの楽しみなんです。
えーと、えーと、イイ事、イイ事……
探したら、ありました!
強運? とまではいきませんが、ホッコリ心が温まる出来事がありました。
一本のショートメールが届きました。
その送信主は、なんと! 30年前にお世話になったコンビニのオーナーさんでした。
30年前といえば、僕が会社勤めを辞めて、フリーランスのライターになった直後です。
当然、すぐには収入が得られなかったため、当時、コンビニを経営していた知り合いを頼って、短期間でしたがアルバイトをさせていただきました。
その後、何度かコンビニに寄ったことがありますが、オーナーには会えたり会えなかったりで、やがて疎遠になっていました。
そのオーナーから突然、メールが届いたのです。
<お久しぶりです。紀伊国屋書店に寄ったら小暮さんの著書が集合陳列されていました。もちろん数冊買わせていただきました。すっかり大先生ですね。>
たった数行のショートメールです。
なのに読んだ途端、ウルウル、ウルウル……
ダメです、見る見るうちにケータイの画面が歪んでしまいました。
「ご無沙汰しています。その節は大変お世話になりました」
そう、心の中でつぶやくのが精一杯でした。
オーナーは、立ち寄った本屋で、偶然、僕の著書フェアを見かけたんですね。
そして、その著書フェアが、昔、自分の店で働いていた僕だと気づいたんですね。
ありがとうございます。
あの時の御恩は、いまだに忘れてはいません。
だって、あの時の僕がなかったら今の僕は存在しないのですから ……
こんな短い文章なのに、長い年月が走馬灯のように次から次へとよみがえって来ました。
もちろん、すぐに返信しました。
すると、またメールが返って来て、何度か行ったり来たりを繰り返すうちに、「だったら今度、吞みましょう」 ということになりました。
著書フェアが、人生の恩人との再会を引き合わせてくれた一日でした。
紀伊國屋書店に、感謝!
小暮 淳 著書フェア
同時開催 『民話と伝説の舞台』 栗原俊文 表紙画展
●会場/紀伊國屋書店前橋店
(けやきウォーク前橋1階 けやきコート側入口)
●会期/開催中~3月13日(日)
10:00~22:00
2022年02月11日
著書フェアに著者はいらない
いや~、やっぱりジッとなんて、していられません。
とは言っても、僕なんかが会場へ行っても、足手まといになることは分かっています。
それでも、自分の名前が付いた著書フェアですからね。
せめて顔ぐらい出して、展示スタッフに労いの言葉くらいかけなくてはと思い、馳せ参じたのであります。
昨日夕方。
けやきウォーク前橋 (前橋市文京町) 1階。
けやきコート側通路から紀伊國屋書店の入口を見ると、
「おっ、おおおおおーーーーっ!!」
鮮やかな緑色のポスターに、“小暮淳 著書フェア” の文字が!
事前に、店長さんが用意してくださったようであります。
「ごくろうさま」
展示ブースでは、このフェアの主催者で著書の出版元である 「ちいきしんぶん」 編集長のYさんと、今回のフェアのもう一人の主役で、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 の表紙画および装丁、デザインを手がけた栗原君が、黙々と会場づくりの作業をしています。
すでに上毛新聞社から著書が届いているようで、テーブルの上にズラ~リと 「群馬の温泉シリーズ」 が並んでいます。
そこに、Yさんが納品した 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 が6面平積みという破格のスペースを占め、鎮座いたしました。
圧巻!のひと言に尽きます。
<展示・販売著書一覧>
『群馬の小さな温泉』 (上毛新聞社)
『あなたにも教えたい四万温泉』 (上毛新聞社)
『みなかみ18湯 【上】』 (上毛新聞社)
『みなかみ18湯 【下】』 (上毛新聞社)
『新ぐんまの源泉一軒宿』 (上毛新聞社)
『尾瀬の里湯』 (上毛新聞社)
『西上州の薬湯』 (上毛新聞社)
『金銀名湯 伊香保温泉』 (上毛新聞社)
『ぐんまの里山 てくてく歩き』 (上毛新聞社)
『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 (ちいきしんぶん)
いかがですか?
読者のみなさんは、何冊持っていますか?
えっ、全部持っているって~!
そんな人は、ぜひ、2冊目をご購入ください。
というのも、同じ本でも初版と増刷本では、微妙に異なる箇所があるのです。
奥付を見て、確認してみてください。
それがコアなファンというものです。
また、お友達へのプレゼントに、いかがですか?
群馬大好きなあなたから、群馬を好きになってほしい大切な人へ、群馬愛にあふれた温泉や民話や里山の本を贈りましょう!
何冊かは持っているけど……というあなたへ
これは、コンプリートするチャンスです!
ぜひ、この機会をお見逃しなく。
そして、まだ1冊も持っていないあなた!
“大人買い” をお勧めします。
「ここからここまで全部ください」
そう店員におっしゃってください。
著書フェアは、本日から開催です。
会場で(著書が)、みなさんのお越しをお待ちしております。
よろしくお願いいたします。
小暮 淳 著書フェア
同時開催 『民話と伝説の舞台』 栗原俊文 表紙画展
●会場/紀伊國屋書店前橋店
(けやきウォーク前橋1階 けやきコート側入口)
●会期/2022年2月11日(金・祝)~3月13日(日)
10:00~22:00
2022年02月10日
明日から開催! 著書フェアin紀伊國屋
なんだかワクワクしてきました。
自分事なのに、まるで待ちに待ったイベントを見に行くような気分です。
日に日に、気分が高まっています。
昨年暮れに決まった、紀伊國屋書店での著書フェアの開催です。
すでにラジオや新聞などの事前告知もあり、ネットやSNSでも情報が拡散されているようで、うれしい限りです。
では、なぜ、今、「著書フェア」 なのでしょうか?
発端は、2019年夏からスタートした巡回展でした。
これは、その前年に出版した 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の表紙画を描いたイラストレーター・栗原俊文氏の原画展示会です。
彼はイラストレーターとしてだけではなく、デザイナーとしても長年、僕の著書のデザインを担当してきた唯一無二の “相棒” であります。
そんな彼が、僕の著書のために描き下ろした表紙画と、本の装丁が出来上がるまでの過程を解説したパネルの展示を戸田書店高崎店にて行いました。
予想以上の来客と販売があったため、翌2020年冬には、同書店の前橋店でも開催されました。
そして昨年夏、同書が増刷されたことを記念して、再度、戸田書店高崎店にて、「増刷記念」 と題した表紙画展が開催されました。
この流れで、主催者(出版元) が他の書店にも巡回展の話を持ち込んだところ、このたび、紀伊國屋書店が会場の提供に快諾してくださったということです。
ところが、打ち合わせで同店を訪ねたところ、以前より増して会場のスペースが広いことに気づきました。
当然、表紙画展だけでは、会場が埋まりそうもありません。
ということで、これまでの僕の著書をすべて展示し、企画を拡大して開催することになりました。
これに、「群馬の温泉シリーズ」 の出版元である上毛新聞社も賛同していただき、晴れて、「著書フェア」 の開催を迎えることになりました。
各関係者のみなさま、ご協力ありがとうございます。
たくさんの方のご来店、ご来場をお待ちしております。
『小暮 淳 著書フェア』
●会場/紀伊國屋書店前橋店
(けやきウォーク前橋1階 けやきコート側入口)
●会期/2022年2月11日(金・祝)~3月13日(日)
【同時開催】 『民話と伝説の舞台』 栗原俊文 表紙画展
2021年12月07日
紀伊國屋書店 “著書フェア” 続報!
以前、紀伊國屋書店で 「小暮淳 著書フェア」 の開催が決定したことを報告しましたが、その続報です。
昨日、出版元との打ち合わせがあり、会期や販売書籍の詳細が決まりましたので、お知らせします。
<会場>
紀伊國屋書店前橋店 (けやきウォーク前橋 1階)
けやきコート側入口
<会期>
2022年2月11日(金・祝)~3月13日(日)
10:00~22:00 (コロナ感染拡大の場合は短縮あり)
<予定販売著書>
『群馬の小さな温泉』 (上毛新聞社)
『あなたにも教えたい四万温泉』 (上毛新聞社)
『みなかみ18湯 【上】』 (上毛新聞社)
『みなかみ18湯 【下】』 (上毛新聞社)
『新ぐんまの源泉一軒宿』 (上毛新聞社)
『尾瀬の里湯』 (上毛新聞社)
『西上州の薬湯』 (上毛新聞社)
『金銀名湯 伊香保温泉』 (上毛新聞社)
『ぐんまの里山 てくてく歩き』 (上毛新聞社)
『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 (ちいきしんぶん)
<同時開催>
『民話と伝説の舞台』 栗原俊文 表紙画展
以上のことが決定しました。
また会期が近くなりましたら、詳細を報告します。
2021年11月27日
紀伊國屋書店 “著書フェア” 開催決定!
コロナにも負けず、冬の北風にも夏の猛暑にも負けず、世間の好奇な目と身内の白い目にも負けず、北に温泉があれば行って湯に入り、南に民話があれば行って話を聞き、貧しさに耐え、差し押さえにおののきながらも、いじけもせず、ただひたすらに自分の信じる道を歩き続けていると、時には良い事があるものです。
なんと!
あの紀伊國屋書店様が、僕の著書を一堂に集めた “著書フェア” を開催してくださることになりました。
思えば、振り返ること苦節ウン十年……
世に出した著書は十と数冊……
とはいえ、地方出版によるローカルな本ばかり……
売れたところで、高が知れています。
借金の催促と家族の愚痴で、耳に大きなタコができながらも、今日まで、こうして生きながらえて来られたのは、ただただ、この仕事が “好き” だから。
そして、いつも必ず、まわりには僕を支えてくれる素敵な仲間たちがいてくれました。
本当に本当に、ありがとうございます。
感謝しかありません。
ということで、来年2022年2月中旬から1ヶ月間、紀伊國屋書店前橋店 (けやきウォーク1階) にて、「小暮淳 著書フェア」(仮) が開催されることになりました。
紀伊國屋書店でのフェア開催は、2017年5~6月に 『金銀名湯 伊香保温泉』(上毛新聞社) の出版を記念した 「群馬の温泉シリーズフェア」 以来、5年ぶりとなります。
でも前回は温泉本のみのフェアでしたが、今回は出版元のちいきしんぶん様と上毛新聞社様がコラボしてくださり、温泉に限らず、民話や里山の著書もすべて展示・販売してくださることになりました。
会場では、一昨年から県内書店で巡回展を行っている拙著 『民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の表紙画展も併設される予定です。
コロナ禍に苦しんだ2年間、2年目の歳の瀬になり、やっと明るいニュースが入って来ました。
今後、書店側との3社合同による企画会議が行われ、詳細が話し合われます。
正式なタイトル、会期が決まり次第、読者のみなさんには報告いたします。
乞う、ご期待!
2021年09月01日
「表紙画展」 終了! 御礼申し上げます
7月下旬より高崎市の戸田書店で開催していました 「増刷記念!『民話と伝説の舞台』 表紙画展」 が38日間の会期を終え、無事最終日を迎えました。
会期中には、地元新聞社からの取材も受け、たくさんの方々に来店していただきました。
主催者、店長も大変喜んでいます。
著者からも重ねて、お礼を申し上げます。
ありがとうございました。
この 「表紙画展」 は2019年の夏から巡回展を行っています。
きっかけは前年、拙著の 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) を出版した際、各方面から 「表紙の絵が怖い!」 「リオルすぎる!」 という声が多数寄せられたためでした。
表紙絵を担当したのは前橋市在住のイラストレーター、栗原俊文氏。
彼は長年、僕の著書の装丁を手がけているデザイナーでもあります。
そんな彼の “力作” を 「印刷された表紙だけで見せるのは、もったいない!」 との声が上がり、出版元の社長および編集長の協力を得て、戸田書店高崎店での巡回展第1弾の開催に漕ぎつけました。
昨年2~3月には、戸田書店前橋本店にて第2弾が開催されました。
しかし、その後、新型コロナウイルスの感染拡大により巡回展の話は、立ち切れとなっていました。
ところが!
突然、災いが福と転じました。
自粛生活の中、書店での本の売り上げが伸びたのです。
その結果、注文が急増し、増刷することになりました。
増刷を知った戸田書店高崎店の店長が、「だったら、うちで増刷記念をやりませんか?」 と声をかけてくださったという次第です。
店長さん、本当にありがとうございました。
そして、大変お世話になりました。
現在、主催者は次の書店との交渉に入っています。
開催が決定次第、ご報告いたします。
今回、会場に足を運んでくださった読者の皆さま、ありがとうございました。
今後とも 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 をご愛読くださるよう、よろしくお願いいたします。
2021年08月20日
「増刷記念 表紙画展」 開催中!
一昨日、取材を受けました。
そしたら早くも昨日の上毛新聞、社会面に記事が掲載されました。
<「ぐんま 謎学の旅」>
<増刷記念し表紙絵展示>
<高崎で著者の小暮さん>
と、見出しが付きました。
そうなんです!
“高崎で” と書かれているように、展示会場である高崎市の書店で取材を受けました。
現在、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) の増刷を記念して、高崎市下小鳥町の戸田書店高崎店にて、本書の 「表紙画展」 が開催されています。
<書店では、表紙にも描かれているカッパやオオカミ、てんぐといった伝説の生き物など12点の絵を展示。前橋市のイラストレーター、栗原俊文さんが手がけた。ほかに、表紙の制作過程を時系列で追ったパネルも展示している。>
本の表紙絵および装丁を担当した栗原氏は、長年、僕の著書を手がけてくれている “相棒” であります。
温泉本のシリーズのほとんどは、彼のデザインによるものです。
展示期間は、今月の30日まで。
お近くまで、お出かけの際は、ぜひ、気軽にお立ち寄りください。
増刷記念!
『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』
栗原俊文 表紙画展
●会期 2021年7月24(土)~8月30日(月)
●会場 戸田書店 高崎店 (高崎市下小鳥町438-1)
●時間 10:00~23:00
●問合 ちいきしんぶん TEL 027-370-2262
2021年08月09日
昨日は何の日?
『渓谷残し 八ッ場ダム』
(「新ぐんまカルタ」 より)
昨日8月8日は、「八ッ場の日」 なんですってね。
知っていましたか?
八ッ場 (やんば) とは、令和2(2020)年春に完成した八ッ場ダム (群馬県吾妻郡長野原町) のことです。
利根川の支流、吾妻川の中流域に造られた群馬県内で最も新しいダムです。
たぶん、県外の人でも温泉ファンならば、ご存じだと思います。
そうです! 湖底には、旧川原湯温泉がありました。
昭和27(1952)年、のどかな温泉街に突然、ダム建設の計画が持ち上がりました。
いったんは中止となりましたが、同40年に国は計画を再開。
計画から60余年、紆余曲折の長い闘争と翻弄の日々を経て、やっと完成したダムです。
水没地区は5地区、合計340世帯。
うち川原湯地区は、約3分の2を占めています。
平成26(2014)年、共同浴場の 「王湯」 の移転と共に、温泉街も高台の代替地へと引っ越しました。
冒頭のカルタは、平成20(2008)年に僕を含め有志8名で発足した 「ぐんまカルタ制作実行委員会」 により、“21世紀の群馬の子どもたちのために” という思いから制作・発行されました。
制作を開始した頃は、名勝である吾妻渓谷もダム湖に沈むという報道がなされていたため当初 「け」 の札は、
『渓谷沈め 八ッ場ダム』
と詠まれていました。
それが発行直前になり、「一部、渓谷は残す」 との報道がされたため、急きょ、読み札を変更したいきさつがあります。
そんな八ッ場ダム周辺の地域振興施設などでつくる 「八ッ場の日実行委員会」 が、今年から8月8日を 「八ッ場の日」 とすることを決定しました。
この日を記念日として、ダム湖 (正式名は 「八ッ場あがつま湖」) 周辺では、さまざまなイベントが開催されるとのことです。
実行委員長の樋田省三さんは、川原湯温泉協会長でもあります。
過去には、取材等で大変お世話になりました。
彼は以前、僕のインタビューで、このように語っていました。
<次世代を担う若い後継者が、帰って来ています。私たちは過去を引きずっていますが、彼らには未来しかない。新しい川原湯温泉に期待しています>
(『グラフぐんま』 2018年1月号 「小暮淳のぐんま湯けむり浪漫」 より )
新天地での新しい川原湯温泉が歩み始めました。
これからも開湯800年の歴史を、さらに刻んで行ってほしいものです。
これは余談ではありますが、実は昨日8月8日は、僕の誕生日でもありました。
ご丁寧に、お祝いメールをくださった友人知人のみなさん、ありがとうございました。
2021年07月22日
増刷記念! 『民話と伝説の舞台』 表紙画展
≪増刷御礼!!≫
≪ここから謎学の旅は始まった。≫
本の帯にも、書店に貼られたポスターにも、このコピーが躍っています。
2018年8月に出版した 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) 。
コロナ禍の影響を受け、この1年で急に売れ出し、書店での欠品が相次ぎ、出版元の在庫が底を尽き、読者の方々には大変ご迷惑をおかけしましたが、今月、なんとか増刷に漕ぎ着けました。
すると、堰を切ったように大手書店チェーンからの大量発注があり、早くも出版担当者は 「3刷り、決定だ!」 と嬉しい悲鳴を上げているとか、いないとか……!?
そんな折、またまた嬉しいニュースが飛び込んで来ました!
高崎市の戸田書店様が、増刷を記念したフェアを開催してくださることになりました!
戸田書店の高崎店といえば、ちょうど2年前にも出版を記念して、1ヶ月半にわたり 「表紙画展」 を開催してくださいました。
今回、増刷の一報を受けた店長さんのご厚意により、また今週末より “アンコール展示” を開催してくださることになりました。
店内中央の特設スペースをお借りして、本の装丁を担当したデザイナーでイラストレーターの栗原俊文氏の原画や装丁が出来上がるまでの工程を分かりやすくイラストで展示いたします。
すでに本を購入していただいた読者も、ぜひ、この機会にご高覧ください。
※会期は24日(土)~と公表していますがディスプレーは完了していますので、それ以前でも閲覧は可能です。
増刷記念!
『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』
栗原俊文 表紙画展
●会期 2021年7月24(土)~8月30日(月)
●会場 戸田書店 高崎店 (高崎市下小鳥町)
●時間 10:00~23:00
●問合 ちいきしんぶん TEL 027-370-2262
2021年07月13日
『民話と伝説の舞台』 が増刷されました!
♪ 晴れた空 そよぐ風
港出船の ドラの音愉し
(中略)
ああ 憧れの重版出来 ♪
うれしくて、思わず歌ってしまいました。
お待たせいたしました~!
ついに、『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) が増刷されました!
発表から4ヶ月、その後、出版元の在庫も底を尽き、欠品する書店が続出しました。
出版担当者はドギマギ、著者はヤキモキ、店長はアタフタ……
このコロナ禍です。
さまざま事情が重なり、スッタモンダがありまして、作業は一旦停止。
再開したものの遅々として進まず、スタッフおよび関係者は “忍の一字” で耐え、こらえました。
そして、待ちに待ったその日が、ついに訪れました!
<重版出来>
いや~、何度聞いてもいい言葉ですね~!
「じゅうはんしゅったい」
業界用語です。
「重版」 とは、書籍などの出版物が初版の発行部数を上回って、刷り版を重ねること。
「出来」 とは、その製品ができあがり、発売されること。
まあ、業界では、最高の誉め言葉と言えるかもしません。
実際、初版を祝う出版記念パーティーでは、必ずや乾杯の後に、「目指せ、重版出来!」 って雄叫びを上げますもの。
もちろん僕らも叫びました。
それが、こうやって現実となったわけです。
昨日、出版元のミーティングルームにて、スタッフと共に印刷所から届いたばかりの増刷本の包みを開封いたしました。
ブ~ンと漂う印刷の香り……
これこれ、これですよ!
手にした時に感じる本の重み……
これこれ、これですよ!
これって、電子書籍では味わえません!
これぞ、著者にとっての人生最高の至福を感じる瞬間であります。
増刷ということですから、本文は初版と変わりがありません。
ただ、読者へのスペシャルプレゼントとして、表紙まわりの装丁がマイナーチェンジされました。
また増刷を記念して、新たに帯が付きました!
その帯には、こんなコピーが書かれています。
<ここから謎学の旅は始まった。>
今週から順次、書店の店頭に並びます。
「注文しても、なかなか届かない」
と、お叱りの言葉をいただいた読者のみなさん、お待たせいたしました!
今度は、確実に入手できると思います。
そして、すでに初版本をお持ちの読者さん。
装丁が変わりましたので、ぜひ、コレクションに加えてください。
では、書店でお待ちしていま~す!
※来月より県内書店にて、増刷フェアの巡回展を行います。
2021年06月14日
未完の温泉シリーズ
何気に、自分の著書をネット検索していました。
本当に便利です。
どこの図書館に在庫があるとか、貸出中とか、直接、著者本人には入ってこない情報が、ネットの世界では探ることができます。
「中には、誹謗中傷の類いもあったりして……」
なんて、ドキドキしながら検索を続けていると、思わぬ書き込みに出合いました。
<小暮淳さんの温泉評価目線が好きです。何時間でも読んでいられます。>
おおおー、うれしいことを書いてくれちゃって!
ツイッターの主は、コアな温泉ファンのようです。
画面には、拙著 『あなたにも教えたい四万温泉』(上毛新聞社) が添付されています。
しかも主は、文面から察するに、僕の著書をすべて読破している様子。
こんな一文もありました。
<草津~万座について執筆していないので続刊が待たれます。>
おいおい、そこまで詳しい!
と、思わずツッコミを入れてしまいました。
そのことに気づいているなんて、これはこれは、かなりの上得意の読者様であります。
そこまで読み込んでいただき、ありがとうございます。
さて、ツイッターの主のおしゃるとおり、僕はまだ、万座温泉と草津温泉の本を書いておりません。
これには理由があります。
僕は2009年の 『ぐんまの源泉一軒宿』(※) から2017年の 『金銀名湯 伊香保温泉』 までの8年間に、群馬県内の温泉関連の本を9冊出版しました。
※( 『ぐんまの源泉一軒宿』 は絶版となりましたが、2014年に 『新ぐんまの源泉一軒宿』 として改訂版が出版されています)
群馬県内には約100カ所の温泉地がありますが、この9冊で、ほぼ網羅しています。
もちろん、ツイッターの主さんがおっしゃる万座温泉と草津温泉を除いては……
では、なぜ、その2カ所の温泉地だけが未完なのでしょうか?
それには2つの理由があります。
制作サイドの事情です。
実は 『金銀名湯 伊香保温泉』 を出版した翌年、次回作の出版は決定していました。
その中には、万座温泉も含まれていました。
ただ、コアな読者ならばご存じだと思いますが、僕の取材方法は、かなり変わっています。
温泉地を取材する場合、すべての宿泊施設を取材し、紹介することにしています。
このこだわりは何でか?
と問われれば、「宿によって湯が違う」 からに他なりません。
一軒宿は別として、複数軒宿のある温泉地では、源泉が同じでも宿により、その湯の扱い方が異なるからです。
よって、すべての宿泊施設を取材することになります。
ただし、軒数が少ないと、“一冊の本” として成り立ちません。
これが出版の際のネックとなります。
勘のいい読者はもう、お分かりですね。
四万温泉や伊香保温泉などは宿泊施設が多いため “一冊の本” として成り立ちますが、小さな温泉地や一軒宿の温泉地は、“エリア本” として軒数をまとめなくてはならないということです。
この作業に難航したことが、続刊がストップしている理由です。
そして、もう1つ、草津温泉の場合は、その逆の理由が発生します。
現在、草津温泉には旅館協同組合に加盟しているだけでも100軒以上の宿泊施設があります。
それ以外の温泉を利用している施設を含むと200近い軒数となります。
この数字を、どう処理するか?
『みなかみ18湯』(2012年、2013年) のように 「上」 「下」 2巻にするのか?
いえいえ、2巻では収まらないので 「中」 も必要かも?
なんていう論争が、当然、企画会議ではされてきたわけであります。
世は、依然、コロナが猛威を奮っています。
温泉地は、どこも大打撃を受けているのが現状です。
できることなら応援するような本を書いてあげたい。
歯がゆいながら、いつも僕は温泉地のことを考えています。
必ず、このコロナ禍は明けます!
そしたらまた温泉地を訪ね歩き、新たな本を読者のみなさんに届けたいと思います。
それまで、もうしばらくお待ちください。