2024年04月16日
温泉もいいけど民話もね
「なぜ民話の本を書かれたのですか?」
最近、とみに訊かれる質問です。
みなさん、僕のことは、温泉専門のライターだと思われているようです。
読売新聞のコラムにも書いたのですが、温泉ライターを名乗るようになったのでさえ、“たまたま” だったのです。
フリーライターとして取材を重ねるうちに、温泉地の取材が増えていき、気が付いたら何冊も本を出版していたというだけのことです。
そして、いつしか 「温泉ライター」 という肩書きが、付けられていました。
先日のイベント会場で、こんな出来事がありました。
僕らは、伊勢崎市の神社で街頭紙芝居の口演を行っていました。
僕らとは、興行主 「壽ちんどん宣伝社」 の座長で、紙芝居師の石原之壽(いしはらのことぶき)くんと、作画担当の画家・須賀りすさんです。
僕は、地元の民話を題材とした紙芝居の物語の作成を担当しています。
口演中に紙芝居師が、そのことを伝えたからだと思います。
終了後、年配の男性が、僕の所へやって来ました。
「小暮さんって、温泉の小暮さんですか?」
「はい」
「ああ、お会いできて光栄です。いつもお世話になっています」
お世話?
不思議なことを言うものだと思い訊ねると、なんてことはありません。
僕の読者で、著書を参考にして温泉めぐりを楽しんでいるのだといいます。
この男性は、この日、たまたま神社に参拝に来たといいます。
すると境内で、街頭紙芝居を行っていた。
何気なく見ていると、「小暮淳」 という名前が出た。
「あれ? 知っている名前だ」
と思い、声をかけたようです。
「小暮さんは、民話の本も書いているんですね。なぜ、民話なのですか?」
さて、困りました。
温泉同様、特別な理由なんてありません。
しいて言うならば、やはり “たまたま” なのであります。
ただし温泉同様、きっかけならあります。
それは、古湯と呼ばれる何百年という歴史を持つ温泉地には、必ず 「いで湯発見伝説」 があるのです。
動物であったり、偉人であったり、湯の数だけ奇想天外、摩訶不思議な伝説が語り継がれています。
その一つ一つを調べていくうちに、いつしか民話の世界に、どっぷりと浸かっていたということです。
そんなエピソードをいくつか話すと、男性は至極納得されたようで、「今日はありがとうございました。貴重なお話をありがとうございます」 と深々と礼を言って、帰って行きました。
もちろん、民話の著書をお買い上げいただきました。
ありがとうございました。
温泉もいいけど、民話もね!
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 小暮 淳 at 11:38│Comments(2)
│著書関連
この記事へのコメント
ちいきしんぶんにお書きになっていた遠野と猿ヶ京の共通項の話、興味深く拝見しました。
私自身、柳田国男さんの著書を読むほどの読解力はありませんが、下記井上ひさしさんの「新釈遠野物語」は、大変大白く感じています。
https://ebook.shinchosha.co.jp/book/E013011/
私自身、柳田国男さんの著書を読むほどの読解力はありませんが、下記井上ひさしさんの「新釈遠野物語」は、大変大白く感じています。
https://ebook.shinchosha.co.jp/book/E013011/
Posted by 反保敏彦 at 2024年04月16日 12:09
反保敏彦さんへ
お久しぶりです。
早くも 「ちいきしんぶん」 の最新号を読んでいただいたのですね。
ありがとうございます。
井上ひさしの 『新釈 遠野物語』 は存じていますが、まだ読んでいません。
ぜひ、読んでみたいと思います。
ありがとうございました。
お久しぶりです。
早くも 「ちいきしんぶん」 の最新号を読んでいただいたのですね。
ありがとうございます。
井上ひさしの 『新釈 遠野物語』 は存じていますが、まだ読んでいません。
ぜひ、読んでみたいと思います。
ありがとうございました。
Posted by 小暮 淳
at 2024年04月16日 13:47
