2019年10月30日
おかげさまで2,500話
このブログの記事投稿数が、前回で2,500話に達しました!
たかが2,500、されど2,500であります。
2010年2月からコツコツとしたためてきた雑文ですが、こうやって9年8ヶ月の歳月を重ねると、積もりに積もるものです。
なんとも感慨深いものがあります。
思えば、これはひとえに、読者あっての数字です。
“相撲取り 相撲を取らなきゃ ただのデブ” にならえば、ライターも読まれなければ、ただの使い捨てライターであります。
読まれてナンボの商売ですからね。
まあ、ブログは商売ではあれませんけど、それでも書いている以上、読まれなければ、ひとり言の日記と同じです。
やっぱり、読まれてこそ、ブログなのであります。
ひと口に2,500話といっても、膨大な数ゆえ、筆者本人でさえ書いた内容を、すべて憶えているわけではいません。
でも、この10年間は、我が人生の中でも激動の10年間だったと思っています。
ブログを開設した前年に、初の温泉本 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) を出版しました。
翌年から毎年、出版を続け、2017年5月の 『金銀名湯 伊香保温泉』(同) まで計9冊の温泉本を執筆しました。
また、著作では登山本の 『ぐんまの里山てくてく歩き』(同) 、昨年出版した 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) という温泉以外を題材とした本も出版しました。
その他、下仁田ネギや日帰り温泉ガイドなどの共著や共編の出版物を合わせれば、14~5冊の本を世に出したことになります。
忙しかったはずです。
そして、この10年は、介護に明け暮れた10年間でもありました。
認知症のオヤジと寝たきりのオフクロとの、笑えないけど笑っちゃうエピソードの数々をブログに書きつづってきました。
たぶん、僕にとってブログが、ストレスのはけ口だったのだと思います。
両親のことを、おもしろおかしく書くことによって、自分が置かれている現状をオブラートに包んでいたのでしょうね。
そして、その都度、あたたかい言葉で返してくださる読者からのコメントに、どんだけ救われたことか!
でも、終わりのない介護なんて、ありません。
おかげさまで、無事、今年の2月と5月に両親を見送ることができました。
長かったけど、後悔のない介護生活でした。
ありがとうございました。
あらためて、お礼を申し上げます。
見送ったといえば、マロも今年、あの世に旅立ちました。
思えばマロは、とっても読者に愛されていましたね。
なんと幸せな犬生だったのでしょう!
僕の代わりにマロが書いた 「マロの独白」(カテゴリー) も、全50話となりました。
ぜひ、読み返してあげてください。
人生は、いろんなことがあるから楽しいのですね。
今日 (2,501話) から始まる日々も、つれづれなるままに、したためていきたいと思います。
今後とも末永く、よろしくお願いいたします。
2019年10月29日
満員御礼に感謝!
「以前、講演を聴いたことがあり、ずっと機会を探していました」
「これで、お話を聴くのは3回目です。また来ます」
「昨日から○○温泉の××館に泊まっていました。女将さんに、これから小暮さんの講演を聴きに行くのだと話したら、よろしくと言ってました」
みなさん、次から次へと声をかけてくださいました。
講演終了後の著書販売&サイン会でのことです。
昨日は高崎市新町公民館で、一般公開の 「県民の日講座」 が開催され、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台~』 をテーマに、講師として2時間の講演をしてきました。
「今日の朝まで申し込みの電話がありましたよ。大盛況です」
と開口一番、公民館の職員。
一般公募ということもあり、地元のメディアが情報を載せてくれたのが、功を奏したようです。
定員をはるかに超える申し込みがあったといいます。
案の定、開演時間になり会場に入ると、場内は満席でした。
満員御礼に、ただただ感謝であります。
過去には、数名しか観客がいない講演会も経験しているだけに、感慨もひとしおです。
やっぱり、満員は気持ち良いものです。
今回は公募の条件として、年齢も地域も限定していないため、幅広い層の方々が集まりました。
“民話と伝説” というテーマが良かったのでしょうか?
なんだか、いつもの “温泉” よりも、若い方が多かったように思います。
聴講者のウケも良かったということもあり、あっという間の2時間でした。
話しているこちらのほうが楽しんでしまったくらい、終始、和気あいあいとした雰囲気の中で講演を終えることができました。
すべては、スタッフのみなさんのおかげであります。
館長をはじめとする職員のみなさん、ありがとうございました。
大変お世話になりました。
~99%の嘘と1%の真~
でも舞台がある限り、必ず謎は解ける!
これからも僕の謎学の旅は続きます。
2019年10月26日
謎を解く館
新たな謎に、出合ってしまいました。
寝ても覚めても、毎日毎日、頭の中は、その事でいっぱいです。
なんでだろう? どうしてだろう?
ネットで検索しても、確信に触れた記述はありません。
あったとしても、歴史的背景も学術的解説もない、素人が書き込んだ情報ばかりです。
昔に比べたら、だいぶ世の中は便利になりましたが、まだまだネットでは用が足りません。
こんな時、僕は図書館へ足を運びます。
県立か市立か?
調べる内容によって使い分けていますが、すでに探していた本が、県立では “貸出中” ということが分かっていましたから、迷わず市立へ直行しました。
※(家に居ながらにして、在庫の確認ができるネットは便利ですね)
まずはロビーの検索機で、キーワードを入力します。
すると、出るわ!出るわ!
何ページにもわたって、関連図書が表示されました。
1冊1冊プリントして、書架を探していたら、日が暮れても終わりそうにありません。
こんなときは、神様仏様、司書様に頼るしかありません。
さすが、本のプロは違います。
お医者さん同様に、僕から探したい本の情報を聞き出します。
まさに、問診です。
「○○の××について調べてるんですけど……」
若い女性司書さんが、素早く、端末機のキーボードを叩いてくれます。
「できれば、それに付随する△△についても知りたいんです」
途端、キーボードを打つ手が止まりました。
すると隣で聞いていた年配の女性司書さんが、
「こちらでも調べてみますね」
と言ったと思うと、
「ありました! どうですか?」
とモニターの画面を、クルリと回転させて、こちら側に向けてくれました。
「はい、そうです! これです!」
と、やや興奮気味に返事をする僕。
「プリントしてください。探してみますから」
と言えば、
「いえ、置かれている場所がバラバラなので、持ってきますよ」
と言い終わらないうちに席を立ち、スタスタと歩き出しました。
すぐに、僕も後を追いました。
結局、求めていた本は、すべて別の部屋の書架にあったのです。
図書一般、郷土資料室、書庫、禁帯出区分の4ヵ所です。
禁帯出区分の本は、借りることができないので、その場で閲覧し、必要な箇所だけコピーをとりました。
それにしても本のプロとはいえ、迅速な動きは見事です。
餅は餅屋、蛇の道はヘビであります。
図書館なくして、今の僕の仕事は成り立ちません。
司書様に、感謝であります。
秋深し……、必ず我は謎を解き明かすなり。
2019年10月25日
第4回 公開パネルディスカッション
僕が代表理事を務めるNPO法人 「湯治乃邑(くに)」。
開設して丸4年が経ちました。
毎年、温泉や医療、介護関係者をゲストにお呼びして開催している公開パネルディスカッションも、今年で4回目を迎えます。
メインテーマは一貫して、“湯治場の復活を考える” です。
消えゆく一軒宿の温泉を守りたいという一心で、ディスカッションを続けています。
さて今回のサブテーマは、大型観光企画 「群馬デスティネーションキャンペーン」(DC) を来年にひかえ、“外から見た群馬の温泉” について考えたいと思います。
ゲストパネラーに、僕が温泉大使を務める伊香保温泉より観光協会会長の大森隆博氏をお迎えして、2時間のトークバトルを行います。
群馬を代表する伊香保温泉の今昔、観光地としての顔と湯治場としての顔、インバンド対策などなど、歴史ある温泉地の素顔に迫りたいと思います。
当日は、もう1人、群馬DC関連のゲストを予定しています。
ぜひ、お出かけください。
終了後に、懇親会も用意しています。
※(昨年とは会場が異なりますので、ご注意ください)
第4回 パネルディスカッション
消えゆく群馬の一軒宿
「湯治場の復活を考える」
●日時 2019年11月17日(日) 15時~17時
●会場 高崎白銀ビル 第2会議室 (高崎市白銀町9)
●料金 無料
●申込 ファクスまたはメールにて
fax.027-212-8822 E-mail:toujinokuni@gmail.com
<パネラー>
小暮 淳 温泉ライター・NPO法人「湯治乃邑」代表理事
大森 隆博 一般社団法人 渋川伊香保温泉観光協会 会長
その他、出演予定あり
※終了後、高崎駅前にて懇親会を準備しています。
会費3,000円 18時~
2019年10月23日
増富温泉 「増富の湯」②
「先生の神通力は、大したものですね」
「さすが、“天気の子” です」
「いや、天気のオジサンですね!?」
バスの中は、笑いに包まれました。
台風20号から変わった温帯低気圧の影響で、昨日は朝から東日本は大雨となりました。
時おり強い雨が降る中、前橋駅と高崎駅から一行を乗せたバスは、上信越自動車道をひた走っていました。
NHK文化センターの野外温泉講座 「名湯・秘湯めぐり」。
この講座の講師となって、丸10年が過ぎました。
11年目の今年は、古参の受講生らからアンケートを取り、「もう一度行ってみたい温泉」 を再訪しています。
今月の講座では、5年ぶりに山梨県北杜市の増富温泉へ行って来ました。
ご存じ、世界最高レベルのラジウム含有量を誇る、日本を代表する放射能温泉です。
「あの強烈な体験が忘れられません」
という圧倒的な人気に押され、2回目の湯めぐりとなりました。
※(詳しくは当ブログの2014年7月23日 「増富温泉 増富の湯」 参照)
「ほら、日が差してきましたよ!」
僕は誇らしげに、空を指差しました。
「凄すぎます! 青空までのぞいています」
「ずーっと、みなさんのために、天に向かい念じていたのですよ」
受講生らは過去の奇跡を知っているだけに、完全に僕の神通力を信じきっています。
これまでに何度となく雨天の講座日はありましたが、必ず現地に着く頃には晴れているのですから。
今回も日帰り温泉施設の 「増富の湯」 にお世話になりました。
部屋で旅装を解いて休憩をした後、三々五々と浴室へ向かいました。
25℃、32℃、35℃、37℃と温度の異なる浴槽が並んでいます。
25℃は足を入れただけで、パス!
32℃から、ゆっくりと体を慣らしながら温度を上げていきます。
放射能泉ではありますが、正式な泉質名は、含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物炭酸水素塩温泉です。
だから、なめると塩辛いし、微量ですが体に泡の粒が付きます。
鉄分も多く含んでいるため析出物が多く、黄褐色ににごっています。
上がり湯として用意してある浴槽が、42℃のゲルマニウム鉱石風呂です。
無色透明ですが、体の芯まで良く温まります。
「放射能泉は、湯あたり、湯ただれをしやすいので、長湯は禁物ですよ。自分の体調とよく相談して、午後の入浴を楽しんでください」
とりあえず講師らしいことも言いつつ、みんなで湯上がりのビールを飲み干したのでありました。
さて来月は、どこの秘湯へ……
令和元年度後期講座は、はじまったばかりです。
2019年10月21日
秋深し我は何をする人ぞ
「やっぱりね。お前は、そっちの道に進むと思ったよ」
22年前の秋のことです。
処女作のエッセイ本を出版したときに、オフクロからかけられた言葉でした。
僕の子どもの頃の夢は、コックさんでした。
中学生になり音楽に目覚め、ギターを弾いて、ピアノを習い、そのまま高校卒業後は東京へ出て音楽学校へ進み、ミュージシャンの道を目指しました。
紆余曲折があり、挫折を繰り返し、30歳を目前に飛び込んだのが雑誌編集の世界でした。
オフクロの言葉は、続きます。
「毎日、お前を連れて図書館に通ったんだもの」
はるか遠い記憶が、よみがえりました。
幼少期のことです。
当時まだ市立図書館には、幼児コーナーはあっても児童本のコーナーはありませんでした。
絵本ではなく、文字の多い児童本は、大人の本と一緒に並んでいたのです。
その中からオフクロは、僕が読めそうな本を選んで、せっせと借り与えてくれました。
本を読むことが面白くて面白くて、一日で読んでしまい、翌日には返して、また借りてくるのですから、やがて図書館内の児童書はすべて読み尽くしてしまいました。
するとオフクロは大きな書店へ行き、まだ図書館に置いてない本を調べては、「購入希望本」 のリストを書いて図書館に提出していました。
その甲斐あってか、図書館に児童書のコーナーが誕生しました。
僕は子ども時代、読書をするのに大変恵まれた環境に育ちました。
オヤジの職業は、当時では珍しい私塾経営だったのです。
ですから書籍は資料とみなされるため、僕とアニキにはいつも 「本はいくら買ってきてもいいぞ!(経費で落とせるから)」と言っていました。
江戸川乱歩、コナン・ドイル、モーリス・ルブラン……
夢中になって読むがあまり、小学生になってからは本屋さんに日参するようになりました。
「えっ、昨日の本、もう読んじゃったのかい?」
近所の本屋のオヤジさんに、驚かれたものでした。
それでもオヤジにレシートを渡せば、快く代金をくれました。
まるで “無限財布” を手に入れたようで、「早く読んで、また本を買いに行こう!」 と淳少年は読書に、のめり込んで行ったのです。
あれから半世紀が経ちました。
本を出版するたびに喜んでくれた両親は、もう今はいません。
それでも、こうやって好きな本に囲まれて、そして文章を書くことを生業にする暮らしを続けています。
“三つ子の魂 百まで” とは、よく言ったものです。
おかげで楽しい人生を手に入れることができました。
オヤジ、オフクロ、ありがとう!
さて、秋もだいぶ深まってきました。
夜長に読書を楽しみたいと思います。
2019年10月19日
ジンタに酔う街
今日、「第17回 全国アマチュアちんどん競演会 in 前橋」 が開催され、ゲスト出演してきました。
チンドン好きの友人に誘われて、助っ人でゲスト出演するのは、これで2回目です。
9年前、オリジナル曲の 『GO!GO!温泉パラダイス』(通称、オンパラ) をチンドンのリズムに合わせて歌い、見事! 優秀賞をいただきました。
今回はステージ演奏に加え、午前と午後の2回、中心商店街を演奏しながら練り歩く、パレードにも参加しました。
では、そもそも、なぜ前橋市でチンドンの全国大会が開かれているのでしょうか?
それは昭和25(1950)年に、日本で初めてチンドン屋の大会が前橋で開催されたからです。
次に東京の新橋でチンドンコンクールが行われ、全国的にコンクールがブームとなりました。
昭和30(1955)年には富山でも開催され、現在でも続いています。
前橋では、平成15(2003)年より 「アマチュアちんどん競演会」 として半世紀ぶりに再スタートしました。
午後1時、中央イベント広場のステージにて、開会式が始まりました。
今年の出演チームは18組、持ち時間7分でパフォーマンスを競います。
我々のチームが、トップバッターでした。
僕が出演したのは、茨城県から参加した 「壽ちんどん宣伝社」。
代表が高校の同級生ということで、応援に駆けつけました。
チームの構成は、アコーディオン、ゴロス(中太鼓)、チンドン(鉦と太鼓) とギターの僕です。
まず最初に3人がステージに上がり、1曲披露。
「群馬の温泉といえば、この人です!」
と紹介され、僕がギターを抱えて登場。
そして、全員でオンパラを演奏しながら歌いました。
心地良い拍手の嵐を浴びて、テンションはアゲアゲ!
その勢いで、そのまま路上へ飛び出し、1時間ほど街中を演奏しながら練り歩きました。
チンドンの音が聴こえると、どの店からも人が飛び出して来ます。
2階から手を振ってくれる人もいます。
子どもがいたら、あめ玉を配ったり、アニメソングを演奏します。
パン屋の前では、記念撮影を頼まれ、お礼にと焼き菓子をいただきました。
チンチン、ドンドン、チンチン、ドンドン……
次から次へとステージを終えたチームが、路上パフォーマンスに出てきます。
どこの通りからも聴こえてくるチンドンのリズム。
チンチン、ドンドン、チンチン、ドンドン……
ジンタの響きに、街中が酔いしれていました。
2019年10月18日
野栗沢温泉 「すりばち荘」⑤
訃報が飛び込んできました。
群馬県最南端の温泉宿、野栗沢温泉 「すりばち荘」 のご主人、黒沢武久さんが亡くなられました。
78歳でした。
僕が初めて黒沢さんにお会いしたのは、15年前でした。
雑誌の取材で伺い、そのまま泊り込み、夜遅くまで飲み交わした思い出があります。
「これを飲めば、絶対に二日酔いなんてしないから」
と、寝しなにコップで渡された源泉水。
おかげで、翌日はスッキリと目が覚めました。
午前5時、ご主人に連れて行かれたのは、海水を飲むことで知られる南国の鳥 “アオバト” が集まる源泉の湧出地です。
日本全国、鳥や獣が発見したという温泉伝説は、あまたとありますが、ここの温泉だけは伝説ではなく、史実なのです。
その 「魔法の水」 をパイプで引いて、温泉宿を開業したのが黒沢さんでした。
この取材を機に、僕はたびたび宿を訪ね、これまでに3冊の著書に野栗沢温泉のことを書かせていただきました。
※(2014年に出版した『新ぐんまの源泉一軒宿』の表紙写真は、「すりばち荘」です)
最後に黒沢さんにお会いしたのは、2年前です。
やはり雑誌の取材でした。
その時は日帰りの取材でしたが、「昼を食っていけよ」 と言って、うどんを打ってくださいました。
でも、ただのうどんではありません。
源泉水で打ったオリジナルの 「すりばちうどん」 です。
コシがあって、モチモチしていて、幅広で、塩気があって、独特の風味があります。
あのうどんが、もう食べられないなんて……
この15年間で一番思い出深い取材は、2012年8月に掲載された朝日新聞の 『おやじの湯』 でした。
この連載では、実際に温泉宿の主人と僕が一緒に温泉に入り、湯の中で対談をするという新聞史上でも画期的な企画でした。
その年の春、黒沢さんは最愛の奥様を亡くされていました。
その悲しみから食事がノドを通らなくなり、げっそりとやせていました。
それでも、「小暮さんの頼みじゃ、断れねえよ」 と言って、一緒に湯舟に浸かり、カメラに向かって笑顔を振りまいてくださっていたのが印象的でした。
※(当ブログの2012年7月18日「野栗沢温泉すりばち荘②」を参照)
源泉水で作ったオリジナルの石けんやシャンプーに、奥様の名前を付けるほどの愛妻家だった黒沢さん。
大好きだった 「いくこ」 さんに、会えましたか?
ご冥福をお祈りいたします。
2019年10月16日
相思相愛のチャンス
「お話を聴くの、これで2回目なんですよ」
「本は、全部持っています」
「ずっとファンで、今日、お目にかかれるのを楽しみにしていました」
休憩時間に、受講生らから次々と声をかけられました。
昨日は、高崎市が市内在住の60歳以上の方を対象に開講している 「高崎社会大学」 の講師に招かれ、2時間の講義を行ってきました。
テーマは、温泉です。
約60名の受講者は、熱心にメモを取りながら、最後まで聴いてくださいました。
休憩時間に、トイレへ行った時のことでした。
小便器の前に立つと、隣の男性が声をかけてきました。
「41回ですね?」
「はっ?」
最初は何のことか、さっぱり分かりませんでしたが、訊けば、連載の回数のことでした。
現在、僕は高崎市内に配付されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」(発行/ライフケア群栄) に、『はつらつ温泉』 というコラムを毎月連載しています。
その最新号に掲載されたコラムの回数が、“第41回” だったのです。
「よく回数まで、ご存じですね?」
僕がズボンのチャックを上げながら訊くと、
「ええ、連載の1回から全部切り抜いて、ファイルしていますから」
「それは、ありがとうございます」
「だから今日、講義が受けられるのを楽しみにしていたんです」
なんて、ありがたいことでしょうか!
ライター冥利に尽きるとは、このことです。
ライターという仕事は、いつもは “一方通行” なのです。
テーマを探して、取材して、文章に起こして、発表する。
たまには読者からの感想をいただくこともありますが、それは稀なことです。
単発記事にしても、連載にしても、著書にしても、書きっぱなしなのが現状です。
いわば、読者に対して常に “片思い” の状態です。
相手の気持ちを知るよしも、確認するすべもありません。
でも、こうやって影の存在であるライターでも、読者と会うことにより、その “想い” を確認することができるのです。
そうです!
まさに、講演やセミナー、講座は、著者と読者が “出会い”、“相思相愛” であることを確認する場でもあるのです。
僕が書いた記事や本を読んでいる、たくさんの読者と出会いたい!
そして、新聞や雑誌、著書では書けなかった、とっておきのネタを話したい!
これからも読者との出会いを求めて、1回でも多くの講演や講座の会場に足を運びます。
読者のみなさん、待っていてくださいね!
必ず、あなたの町にも行きます。
2019年10月14日
マロがいる!② 黄泉がえり
マロの夢を見ました。
マロとは、先月、13才2ヶ月で亡くなったチワワのオスです。
※(当ブログのカテゴリーより 「マロの独白」 参照)
夢の中のマロは、死んでいました。
亡くなった日の、あの光景です。
「マロ、マロ、マロ……」
僕は亡きがらに抱きついて、名前を呼び続けていました。
すると、パッとマロの目が開きました。
「どうしたのですか? ご主人様」
「なんだよ、マロ! おどかすなよ、死んだかと思ったじゃないか!」
「オイラは、死んでなんていませんよ。ほら、こんなに元気です」
と言うと、立ち上がって、いつものようにリビングの中を走り回ってみせました。
「よかった! だったら久しぶりに散歩へ行くか?」
「行きましょう、行きましょう!」
僕らは、いつものように、いつものコースを散歩しました。
このまま永遠に続いてほししい。
ずーと、このままでいたい。
夢なら覚めないでほしい。
僕はこの時、薄々これは夢ではないかと気づいていたのかもしれません。
いつものように散歩から帰ると、洗面所で足を洗い、おやつを食べさせました。
「マロ、死ぬなよな」
「えっ、ご主人様ったら、ヘンなことをいいますね。こんなに元気なのに」
でも、この時、僕は、これが夢であることを確信しました。
だって、最期のマロはヨボヨボで、歩くことさえままならなかったのですから。
こんなに急に元気になるはずがありません。
ふと気が付くと、マロが倒れています。
また夢の始まりに戻ってしまいました。
「マロ、マロ、マロ……」
今度は、何度名前を呼んでも、目を開けてくれませんでした。
ここで僕は、夢から覚めました。
夢でも会えたことが、うれしくて、うれしくて、今日は一日、ごきげんでした。
マロ、また会いに来ておくれよ!
できたら映画 『僕のワンダフル・ライフ』 のように、生まれ変わって何度でも会いに来てくれないか!
2019年10月13日
公開講座のお知らせ
現在、僕はカルチャーセンターの講師をはじめ、企業や団体、自治会からの依頼で講演やセミナーを開いています。
そのほとんどは有料であったり、社員や会員、特定地区の居住者を対象とした講話がほとんどです。
一般公開の講演やセミナーは、数えるほどもありません。
そして講話のテーマも、“温泉” が9割以上を占めています。
※(たまに介護やNPOがテーマのときもあります)
が、今年から新たなテーマが加わりました。
きっかけは、昨年8月に出版した 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) です。
出版元が高崎市内に配付されているフリーペーパーを発行していることもあり、高崎市での講演依頼が増えています。
テーマは 「謎学」。
民話や伝説は、何を伝えようとしているのか?
~99%の嘘と1%の真~
舞台がある限り、謎は解ける!
このたび、高崎市新町公民館のご厚意により、一般を対象とした無料講演会が開かれることになりました。
居住地は問いません。
成人であれば、どなたでも聴講することができます(ただし定員があります)。
当日は、著書の販売もいたします。
興味のある方は、ご参加ください。
会場で、お待ちしています!
ぐんま謎学の旅
~伝説や民話の謎を解く楽しい話を聞きませんか~
●日時 2019年10月28日(月) 10:00~12:00
●会場 高崎市新町公民館 2階集会室
●講師 小暮 淳 (フリーライター)
●費用 無料
●定員 50名(先着順)
●申込 公民館窓口または電話(土日祝除く) 9:00~17:00
TEL.0274-20-2300 高崎市新町2271-1
2019年10月11日
チンドンでオンパラ
古い読者なら覚えている人もいるかもしれませんね。
9年も前のことですが、前橋市で開催されたか 『全国アマチュアちんどん競演会』 にゲストで出演して、いきなり優秀賞(第3位) をいただいたことがありました。
※(当ブログの2010年11月6日「ちんどん競演会で優秀賞!」を参照)
で、あの時は 「高崎ちんどん倶楽部」 とのコラボで、我がスーパーローカルオヤジバンド 「じゅん&クァ・パラダイス」 のオリジナル曲 「GO!GO!温泉パラダイス」(略して「オンパラ」) をチンドン風にアレンジ演奏していただき、僕が歌ったのでありました。
あれから9年の月日が経った今年、また出演依頼がありました。
依頼主は、「高崎ちんどん倶楽部」 を脱会し、新たに 「壽ちんどん宣伝社」 なるパフォーマンスチームを立ち上げた友人です。
「また、オンパラを歌って、うちのチームを盛り上げてくれよ!」
と旧友に頼まれれば、無下にするわけにはいきません。
だって、還暦過ぎて心に誓った方針は、“来るものは拒まず” ですからね。
ということで、久しぶりに 『全国アマチュアちんどん競演会』 に、飛び入りゲストで出演することになりました。
おヒマな方は、遊びにいらしてくださいな!
第17回 全国アマチュアちんどん競演会 in 前橋
●日時 2019年10月19日(土) 12:00~街ナカ練り歩き
●会場 中央イベント広場 (前橋中心商店街) 千代田町2-8
13:00~ステージパフォーマンス 16:00~フィナーレ
※「壽ちんどん宣伝社」の出演は13:20頃の予定です。
●問合 実行委員会事務局 TEL.027-260-6547
2019年10月10日
60年の評価
「K公民館ですけれど……」
「K公民館?」
この数年、僕は県内の公民館に呼ばれて、温泉講座の講師をしています。
その数は年々増えていて、今年は20ヶ所近くを回ります。
だから 「公民館」 と聞くと、「ああ、講演の依頼だな」 と勝手に解釈してしまいます。
ところが、K公民館は、僕が暮らす町内にある身近な公民館だったのです。
案の定、講演依頼ではありませんでした。
「いつも、お世話になっています」 から始まり、「お願いがありまして」 と話は続きます。
「文化祭の司会をやっていただけませんでしょうか?」
「えっ……、ぶ・ん・か・さ・い? し・か・い?」
何のことかと訪ねると、毎年秋に開催されている地区の文化祭事業の1つであるカラオケ大会の司会進行役をしてほしいということでした。
「僕が、ですか?」
「はい、町民の方々から推薦がありまして」
昨年、僕は還暦を迎えたのを機に、生き方の方針を変えました。
それまでの人生は、ただひたすらに “唯我独尊” を貫いてきました。
好きなことをして、嫌いなことはしない!
仕事も遊びも、するか、しないかは自分で決める!
おかげで僕を取り巻く環境は、おのずと僕が好まないものは排除されました。
わがままではあるけれど、フリーランスで生きて行くための個性作りには、必要不可欠な手段でした。
でも、還暦を迎えるにあたり、考えを改めることにしました。
好き嫌いや向き不向きを自分で決めるのではなく、他人に決めてもらおう!と……。
60年間も生きてきたんだもの、きっと他人は、僕よりも僕の価値が分かっているはずだ!と……。
そして、“来るものは拒まず” という結論に達したのであります。
長年お世話になっている町民のみなさんが、「ぜひ、小暮さんにやっていただきたい」 と言うのであれば、それは光栄なことであります。
これも60年生きてきた我が人生への評価だと思い、甘んじて、お受けすることにしました。
町民のみなさん、よろしくお願いいたします。
カラオケ大会、盛り上がりましょうね!
2019年10月08日
水上温泉の七不思議
其の壱 「七曲の謎」
其の弐 「曲水の謎」
其の参 「蒼樹の謎」
其の四 「草鞋の謎」
其の五 「合機の橋」
其の六 「双痕の謎」
其の七 「響音の謎」
昔より水上温泉(群馬県みなかみ町) に伝わる七不思議の謎を解き明かすべく、すべての現場をめぐってきました。
といっても、今回はライターとしての取材ではありません。
ご存じ(?) ミステリーハンターとしての登場です。
現在、僕は群馬テレビで放映中の人気謎学バラエティー番組 『ぐんま!トリビア図鑑』 のスーパーバイザーをしています。
が、時には会議室やスタジオを飛び出して、カメラマンや音声さん、リポーターとともに “謎学の旅” へと出かけます。
今回、ご一緒したリポーターは、入社1年目の新人アナウンサー、三上彩奈さん。
ゲスト解説者として、みなかみ町観光協会の木村崇利さんに出演していただきました。
そして番組のナビゲーターを、みなかみ温泉大使でもある僕が務めさせていただきました。
世の中は、科学や物理では解明できない不思議な現象に満ち溢れています。
あなたを、そんなミステリーゾーンへとご案内いたします。
『ぐんま!トリビア図鑑』
令和の世に語り継がれる七不思議 ~水上温泉編~
●放送局 群馬テレビ (地デジ3ch)
●放送日 2019年10月15日(火) 21:00~21:15
●再放送 10月19日(土) 10:30~10:45 10月21日(月) 12:30~12:45
2019年10月06日
港のノンベー・ヨコハマ・ヨコスカ
♪ ちょっと前なら憶えているが 1年前だとチト判らねぇなぁ
白髪の長いノンベーだって ここには沢山いるからねェ
ワルイなぁ ほかをあたってくれよ
アンタ あのノンベーのなんなのさ! ♪
ということで、今年も行って来ました!
“12時間飲酒マラソン” という名のバス旅行へ。
年に1度の無礼講、フリーランスで生きる自分へのご褒美であります。
僕は10年以上前から、お世話になっている某社の社員旅行に参加しています。
子どもの頃から集団行動がニガテだった僕ですが、長年1人で仕事をしていると、たまには団体でバカ騒ぎする旅行が恋しくなるのです。
目的地なんて、どこでもいいのです。
ただただ飲み、ひたすら飲み、飲み続けることに意義があるのです。
早朝6時30分、集合場所の高崎駅東口を出発した大型バスは、一路、港町へ向かいます。
当然、僕はバスの最後部座席です。
社内屈指ののん兵衛が集められた “プレミアムシート” です。
「それでは今日一日、よろしくお願いしまーす」
「カンパーイ!」
まずは缶ビールを一気飲み。
「きーーーっ、たまりませんな」
「朝ビールは、うまいっすね」
誰もかれもが、このスタートホイッスルを待っていました。
「こっち、ビールね!」
「こっちは、チューハイください!」
2本目のお替わりを求める声が飛び交う中、社長のYさんが、おもむろに一升瓶を取り出しました。
「小暮さんは、こっちでしょう?」
「ですね、よく、お分かりで」
「何年、付き合っていると思ってるんですか!?」
「だったら、ご一緒に!」
と、コップに並々と注がれる銘酒・赤城山。
「いいですね。朝から辛口とは、たまらない。五臓六腑に染み渡ります」
一行は、横浜中華街に到着。
昼食までの1時間、自由行動となりました。
女性陣はショッピングへと出かけましたが、のん兵衛オヤジたちは、飲む以外にやることがありません。
「青島(ちんたお)ビールを飲みましょう!」
僕の発案で、オヤジたちは土産物屋でビールとつまみを買い込み、木陰を求めて近くの公園へ。
10月だというのに関東地方の気温は、すでに30℃を超えています。
「横浜の街に、カンパーイ!」
なつかしい味です。
僕は30年前に旅した中国での珍道中を思い出していました。
でも、あの時飲んだ青島ビールは、こんなにも冷えてはいませんでした。
「うまい!」
どこで何を飲んでも美味しいのであります。
「はい、カンパーイ!」
今度は、紹興酒です。
ツーンと鼻に抜ける香りと、ぬるめでいただく独特の味わい。
やっぱり中華料理には、紹興酒が合います。
午後は、ほろ酔い気分で横須賀へ行き、軍港クルーズに乗船。
海風に当たると、ノドが乾いてきました。
帰路のバスの中では、また振り出しにもどり、ビールからやり直し。
そして、高崎駅へ着く頃には、またまた日本酒に手を伸ばしていました。
「今日一日、お世話になりました」
「お疲れさまでした」
降車後は、三々五々と人々は駅の中へ消えて行きます。
「小暮さん、このあとのご予定は?」
と訊かれても、何もあるわけがありません。
「夕食代わりに、焼き鳥で一杯やりませんか?」
と言われれば、断るはずがありません。
時計を見れば、まだ午後の7時半です。
僕とY社長は、夜の繁華街へと歩き出しました。
♪ 港のノンベー ヨコハマ ヨコスカ&タカサキ ♪
2019年10月04日
相間川温泉 「ふれあい館」⑥
「群馬県内で一番濃い温泉は、どこですか?」
と問われたら、
「そうですねぇ…」 と、ちょっと悩んだふりをして、
「相間川ですかね」
と答えると思います。
“濃い” という表現の解釈は人それぞれでしょうが、「色」 「におい」 「味」 の3点から見て、そう答えさせていただきました。
現在、相間川温泉(高崎市) の源泉を利用している施設は2つ。
宿泊施設も併せ持つ 「ふれあい館」 と日帰り入浴施設のみの 「せせらぎの湯」 です。
今回、僕は雑誌の取材で、両方の施設の湯に入ってきました。
この地に温泉が湧いたのは平成7年(1995)3月のこと。
源泉の温度は約62度と高温で、湧出量は毎分約200リットルもありました。
何よりも工事関係者を驚かせたのは、温泉の色でした。
湧出時は無色透明ですが、時間の経過とともに赤褐色へと色を変えます。
これは、鉄分を多く含んでいるためです。
また塩分濃度が高く、なめると塩辛く、湯の中で体を移動させようと手を突くとフワリと浮くほどでした。
そして何よりも、そのニオイ!
金気臭にまざって、油臭がします。
これは地下に閉じ込められていた微生物が、地熱と地圧により変化したものと考えられ、原油の生成過程と同じ原理だといいます。
さらに湯舟の表面には、この油の膜が張ります。
これが日光に当たると七色に変化することから 「虹色の湯」 とも呼ばれるようになりました。
源泉名は 「せせらぎの湯」。
ですが、入浴施設として先に開業したのは 「ふれあい館」 です。
でも源泉の湧出地は 「せせらぎの湯」 の敷地内にあります。
「せせらぎの湯」 は、平成12年に旧倉渕村の福祉センターとしてオープンしました。
ということで、湧出地と浴槽の距離が近いからでしょうか?
いつ訪ねても、「せせらぎの湯」 のほうが色は濃いようです。
でもニオイは、「ふれあい館」 のほうが強く感じます。
味はどちらも、とっても塩辛いです。
「個性的過ぎる湯だから、お客さんの好き嫌いは分かれるでしょうね?」
と訊けば、
「ですね。でも、嫌う人は100人に1人か2人ですよ」
と笑ったのは 「ふれあい館」副支配人の秋山博さん。
「ただ、成分が濃いので、湯あたりをする人が多いのが悩みのタネです」
そう言って、浴室の貼り紙を指さしました。
「これ、私が考えたコピーなんですけどね」
<カップラーメン お湯を注いで3分 相間川の温泉(おゆ) 入って7分! これ以上は のびるだけ>
うまい!
山田くーん、座布団3枚!
ということですので、訪れる際は、長湯は禁物です。
2019年10月02日
神隠しの森
山梨県のオートキャンプ場に、家族と遊びに来ていた7歳の少女が行方不明になっています。
事故なのか、事件なのか?
目撃者もなく、こつ然と姿を消しました。
昔の人たちは、このように子どもが突然、消えてしまうことを 「神隠し」 といいました。
人間ではなく、天狗や山の神のしわざだと……
全国の温泉地には、神隠しにまつわる伝説が数多く残っています。
群馬県内にも、こんな話があります。
昔、霧積温泉(安中市) の湯が、ピタリと止まってしまったことがありました。
湯宿の主人や浴客らが心配していると、突然そこへ天狗が現れて、こう言いました。
「湯が止まったのは、山の神のたたりじゃ」
そして、湯を元どおりにする条件として、こんなことを告げます。
「人身御供を差し出せ。その人身御供は11歳の子でなくてはならない」
そういわれて、宿の者も客たちも湯治場内を探しました。
すると浴客の中に、美しい女の子が母親といました。
歳を訊くと、ちょうど11歳でした。
「その子を渡せ!」
天狗の声がしたかと思うと、母親の手から女の子は引き抜かれ、消えてしまいました。
途端、今まで止まっていた湯が、ふたたび勢いよく湧き出しました。
母親は狂ったように娘の名を叫びながら、山深い森の中へ入って行きました。
「ジュウイチ、ジュウイチ」
と鳴く鳥がいます。
母親が鳥になって、11歳の女の子を捜している声だといわれています。
法師温泉(みなかみ町) にも、同じような話があります。
こちらは11歳の男の子です。
突然姿を消した男の子の母親は、山に入って、「ジュウイチ、ジュウイチ」 と子どもの歳を叫ぶ鳥になったといいます。
以後、「11歳の男の子は山に入るな」 と言われています。
7歳の女の子を隠したのは、誰ですか?
山の神では、ありませんね。
天狗でも、ありませんね。
一日も早い発見を願っています。