温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2023年02月28日

バリかた太麺 VS 濃厚こってりソース


 突然ですが、焼きそばは好きですか?

 ひと口に、焼きそばと言っても、いろいろあります。
 子どものおやつのような駄菓子屋風から町中華、高級中国料理店まで……

 今日、僕がここで言う “焼きそば” とは、駄菓子屋風から町中華までの、いわゆるB級グルメの焼きそばのことです。
 値段的には、ワンコイン (税別500円) 前後とします。


 僕は、前橋生まれの前橋育ちですからね。
 焼きそばと言えば、前橋っ子御用達の “あくざわの焼きそば” と決まっています。
 たびたび、このブログでも紹介していますから、読者様ならご存じですよね。
 ※(当ブログの2020年5月23日 「やきそば日和」 参照)

 一度は絶滅した味を、ファンだった客が復活させたことで、ひと時、地方メディアでは話題となりました。
 屋号も、そのまま引き継ぎ 「あくざわ亭」 であります。
 水を使わないバリバリにかたい太麺 (アゴが疲れます)。
 メニューは、キャベツと豚肉と玉子が入った 「肉玉」 1種類のみ。

 好き嫌いがありそうですが、前橋っ子には唯一無二のソウルフードなのであります。
 月一は、通っています。


 が!
 最近、僕の “焼きそば愛” にライバルが登場しました。
 それは、「築地 銀だこ」 です。

 「えっ、たこ焼きじゃないか!?」
 ですって!
 何をおっしゃるうさぎさん!
 店舗限定ではありますが、銀だこには、ソース焼きそばがメニューにあるんですよ!

 僕は1年ほど前からハマってしまい、いまだに、たこ焼きは食べていません。


 ひと言でいえば、甘口こってりソースが、たっぷりかかった濃厚な味。
 麺は中太で、もちもちしたやわらか系。
 「あくざわ亭」 とは、対極をなす味です。

 だからでしょうか、時々、浮気をするように通っています。

 ただし、こちらも好き嫌いが分かれそうです。
 とにかく、味が濃いんです。
 だから正直、途中で飽きてしまいます。

 ので!
 僕は、100円プラスしてワンランク上の 「お好み焼きそば」 を注文しています。

 これには、焼きそばの上に、マヨネーズがかかった焼き玉子がトッピングされます。
 後半、これを麺にくるんで食べると、“味変” が楽しめます。
 
 「あくざわ亭」 と 「築地 銀だこ」 を月一ずつ交互に食するのが、僕のフードワークとなっています。


 で、気づきました。
 確か 「築地 銀だこ」 って、群馬が発祥地ですよね。
 現在のみどり市、旧笠懸町のスーパーマーケットの中だったと思います。

 ほ~ら、やっぱりソウルフードだったんだ!
 どうりで、群馬県民の口に合うはずです。


 あなたは、どんな焼きそばが、好きですか?
  


Posted by 小暮 淳 at 13:15Comments(0)つれづれ

2023年02月27日

4つの大使と2つの大使


 現在、僕は群馬県内の6つの 「大使」 に任命されています。

 温泉大使が4つ、その他が2つ。
 温泉大使の内訳は、「みなかみ温泉大使」 「四万温泉大使」 「老神温泉大使」 「伊香保温泉大使」 です。
 それぞれの温泉地の本を出版したことが縁で、任命されました。

 この4つの大使については、任期の期限はありません。
 まあ、委嘱する側、される側、どちらかが 「辞めてください」 「辞めます」 と言い出さない限り、継続されます。


 では、その他の2つとは?

 「中之条町観光大使」 と 「ぐんまの地酒大使」 です。
 こちらには2年間という任期があります。

 で、その任期が、どちらも今年の3月末で満了となることから、「再任のお願い」 なる書類が届きました。
 再任の委嘱期間は、令和5年4月1日~令和7年3月31日。

 もちろん、承諾しました。


 コロナ禍の2年間は、イベント等はすべて中止、またはリモートとなってしまいました。
 他の大使の方々との交流も、ご無沙汰しています。
 でも今年は、だいぶ緩和されるようです。

 観光イベント、地酒の試飲会など開催されれば積極的に参加して、群馬県のPRに努めたいと思います。


 読者のみなさん!
 温泉地ともども、中之条町および群馬の地酒もよろしくお願いいたします。 
    


Posted by 小暮 淳 at 12:07Comments(2)大使通信

2023年02月26日

大人の通知表


 今年もやって来ました!
 “ため息のシーズン”

 そう、確定申告です。
 フリーランスおよび個人事業主のみなさんは、もう、お済みですか?
 僕は昨日、終わりました。


 「ああ」 と今年も小さなため息を一つ……

 確定申告って、いわば、“大人の通知表” なんですよね。
 年に一度、働いてきた成果が問われます。

 「それなりに頑張ったんだけど……」
 と思いながらも、電卓を打つ顔は、ひきつっていきます。
 「えっ、こんなもんだっけ?」
 と、伝票や通帳をひっかき回しても、ないモノは出てきません。

 はい、終了!

 結果、昨年度の収支決算は例年通りで、可もなし不可もなし。
 ということは、まったく進歩がなかったということです。

 「維持できたということは、コロナ禍のわりには、頑張ったんじゃないの」
 と、自分で自分に声をかけながら通知表を渡しました。


 ただ今回、支出に大きな変化がありました。
 それは、光熱費です。
 グーンと下がりました。

 なんで?
 電気もガスも値上がりしているご時世なのに?

 答えは簡単でした。
 昨年春まで同居していた末娘が、独り立ちして出て行ったのでした。
 年頃のお嬢さまは、エアコンは付けっぱなし、ドライヤーはかけっぱなし、シャワーは流しっぱなしでしたからね。
 彼女が居なくなったら、途端に請求額が下がって驚きました。

 と同時に、さみしさもありますけど。


 学生たちが通知表を胸に、新しい世界に旅立って行くように、僕も新たな年に期待を寄せています。
 ため息のシーズンは、卒業です。

 春よ、来い!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:33Comments(0)つれづれ

2023年02月25日

半日寝太郎


 「そりゃ~、ジュンちゃん、寝すぎだよ!」
 「小暮さんは若いんだね。寝るのも体力がいるからね」

 睡眠時間の話になると、みんなに驚かれます。
 みなさんは、一日に何時間寝ていますか?

 僕の平均睡眠時間は、9時間です。


 普通の人は、歳を重ねると睡眠時間が短くなるといいます。
 「何時に寝ても、朝早く目が覚めてしまう」 なんて。
 一般の人の平均睡眠時間は、6~7時間でしょうか?
 中には、5時間とか短い人もいるようです。

 僕も以前は、そのくらいでした。
 ところが還暦を過ぎたあたりから、急に睡眠時間が足りなくなってしまったのです。
 7時間寝ても、昼すぎには睡魔に襲われ、仮眠をとるようになりました。

 だったらと、8時間に延長してみましたが、まだ体がだるい。
 そして9時間にしたら、これがスッキリとした目覚めで、一日中快適に過ごせるようになりました。


 確かに、寝すぎだと思います。
 でも睡眠時間にも個人差があり、その人にとってベストなら、とやかく言われる筋合いはありません。

 が!
 先日、ついに “半日寝太郎” になってしまいました。


 就寝したのは午前2時。
 ところが、目が覚めたのは、なんと!午後の1時!
 11時間の爆睡でした。
 途中、朝方1回だけトイレに起きましたが、それはいつものこと。
 それからまた、延々と眠り続けたのであります。

 原因は?
 はい、判明しました。
 セットしたケータイのアラームが、マナーモードになっていたのです。
 まったく、気づきませんでした。

 その日の予定は、大丈夫だったのかって?
 はい、おかげさまで、外出の予定はありませんでしたので、事なきを得ました。
 (勤め人だったら、大あわてでしたね。ああ、フリーランスで良かった!)


 ほぼ半日、眠り続けたわけですが、目覚めはパッチリ!
 頭の中がスッキリしていて、午後の仕事もはかどりました。

 「早起きは三文の徳」 といいますが、寝すぎも多少の徳がありました。


 民話 『三年寝太郎』 は、3年間仕事もせずに、ただ眠り続けるぐうたら男の話です。
 ただ彼は3年目に、パッと目を覚まし、日照りで干ばつが続く村に水を引き、村人たちを助けます。
 寝太郎は、ただ無駄に寝ていたのではなかったのです。
 ずーっと寝ながら、村を救う方法を考えていたのでした。

 きっと、半日寝太郎の僕も、みなさんのお役に立つこと考えながら寝ているのだと思います。
 夢も、たくさん見ました。
 その中に、きっとヒントが隠されているはずです。

 さあ、あっと驚く秘策が飛び出しますよ~!

 なんて、都合のいい解釈ですかね。
 ただの怠け者だったりして。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:26Comments(0)つれづれ

2023年02月24日

才能のゆくえ


 夢を追いかけて、東京で暮らしていた20代の頃。
 ある芸術の世界で、すでに名のある賞を受賞し、将来を有望視されていた友人が、突然、こんなことを言いました。

 「故郷に帰って、就職をする」


 誰もが耳を疑いました。
 だって、仲間の誰よりも秀でた才能に恵まれていた彼が、なぜ志半ばで夢を捨ててしまうのか?
 訳が分かりませんでした。
 理由を聞けば、
 「このままでは食っていけない。この先も食える保証がない」
 とのことでした。

 誰もが引き止めましたが、彼の決断は固く、去って行きました。

 送別会の夜、酔った勢いで、僕が彼に投げかけた言葉は、
 「その才能、使わないのなら俺にくれ!」


 悔しいかな、彼の決断は 正しかったのかもしれません。
 その後、彼ほどの才能がなかった僕らは、次々と挫折し、夢をあきらめて、東京を去って行きました。
 青春のほろ苦い思い出です。


 才能って、なんだ?

 その後の人生で、僕を苦しめ続けたキーワードとなりました。
 才能があるとか、ないとか言うけれど、それって、何なの?
 ピカソやアインシュタインのような生まれながらの天才以外は、結局、努力のたまものでしかないのではないのだろうか?
 なんてことを考えて生きていました。


 才能のない者が、組織に属さず、フリーランスで生きていくには、どうしたらいいのか?
 僕なりに考えて、導き出した答えが、次の2つのことでした。

 ①人のやらないことをする。
 ②数をこなす。

 人のやらないことをやれば、注目されます。
 注目されれば、チャンスが増えます。

 “人十倍” を心がけること。
 人一倍では、才能のある人には勝てません。
 十倍の手間をかけて、やっと人より目立つことができます。
 目立てば、チャンスが増えます。


 結局、フリーランスで生きるとは、チャンスの確率を上げることなんですね。
 僕は、そうやって今日まで生きてきました。

 正しかったかどうかは分かりません。
 でも、なんとか、こうやって生きているのだから間違いではなさそうです。


 若きクリエーターのみなさん!
 才能なんてなくても、信念と工夫があれば、なんとかやっていけますよ!
 挫折なんかに、負けないでくださいね。

 夢をあきらめないで!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:21Comments(0)つれづれ

2023年02月23日

死体の落とし物


 たびたび夢の話で、恐縮です。
 奇妙な夢を見たので、報告します。


 僕は、深夜の住宅街を車で走っています。
 キキキキーーーー!
 前方、道路上の異物に気づき、思わず急ブレーキをかけました。

 大きな塊が3つ、ゴロンと横たわっています。

 その異物を確認するために、車から降りました。
 近づいて見てみると、3つの塊は、人間でした。

 死んでいます。

 年の頃は20~30代の男女3人。
 2人が男性で、1人は女性です。


 僕は3つの死体の前で、思案しています。
 本来ならば、すぐに110番通報するべきなのでが、なぜか “事件” “事故” の認識がありません。

 「あっ、こんなところに落とし物が……」
 そう解釈したようです。


 それからの行動が、自分でも不可解なのです。
 何を思ったのか、3つの死体を車に運び入れ、走り出しました。
 向かっているのは、交番です。
 僕は死体を拾得物として、届けようとしているのです。

 そこで夢は覚めました。


 さて、この夢が暗示しているものは?

 まず 「死体」 の夢は、環境の変化や運気好転を意味します。
 そんなに悪い夢ではないようです。

 しかし 「死体を運ぶ」 となると、過去を引きずっていたり、現実逃避など “今の環境を変えたい” という願望の現れだといいます。

 さらに、その死体が 「知らない人」 となると、これは完全なる “警告夢” だそうです。
 運気は下降します。


 なんだか、最悪の夢のようですが、夢の中で僕は、死体を死体としては扱っていません。
 “落とし物” として見ています。

 「落とし物」 の夢というのは、“吉夢” なんですね。
 思いがけない幸運が舞い込む予兆です。

 さらに、落とし物を 「届ける」 夢は、運気上昇!
 気力、体力ともに向上を暗示しています。


 ということは?

 1つの夢で、真逆の暗示が出ていることになります。
 “警告夢” と “吉夢”
 “運気下降” と “運気上昇”

 これは、どういうことでしょうか?


 で、僕の出した答えは、こうです。
 ≪今の環境を変えれば、やがて運気は上昇して、思いがけない幸運が舞い込むでしょう≫

 でも、環境を変えるって、かなり難しそうですね。
 引っ越すのも大変だし……
 せめて、仕事部屋の模様替えでもしましょうか?

 春の訪れも近いことだし……


 春よ、来い!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:44Comments(0)つれづれ

2023年02月21日

四畳半とサルマタケ



 漫画家の松本零士さんが亡くなられました。
 85歳でした。

 松本零士さんといえば、『宇宙戦艦ヤマト』 や 『銀河鉄道999』 の作者として有名ですが、僕ら世代は、なんといっても漫画 『男おいどん』 (1971~73) です。
 さらに古くは、四畳半シリーズの元祖 『元祖大四畳半大物語』 (1970~74) から夢中になって読んでました。

 どちらも主人公は、田舎から上京してきた無芸大食で人畜無害のさえない男。
 汚い四畳半一間に暮らし、“いつか” を夢見ながら悶々と生きている……
 ただ、それだけの日常を描いた漫画なのですが、なぜか、あこがれていました。

 「僕もいつか東京へ出て、四畳半のアパートに暮らすんだ!」
 ってね。


 キョーレツな印象として脳裏に残っているのが、“サルマタケ” の存在。
 確か、『男おいどん』 だったと思いますが、押し入れに突っ込んだままのトランクス (パンツ) から、ある日突然、キノコが生えてきます。
 主人公の大山昇太は、貧乏ゆえ、このキノコを食べるようになります。

 これが、サルマタケです。


 そこまでの貧乏はしないまでも、当時の若者は似たような暮らしをしていたと思います。
 『神田川』 や 『赤ちょうちん』 などの “四畳半フォーク” といわれる歌がヒットした時代です。

 ある意味、“貧乏は美徳” だったのであります。


 さて、実は僕、松本零士さんには、何度もお会いしたことがあるんです。
 いや、正しく表記するならば、たびたび見かけていたのです。

 まさに僕は、その後、東京へ出て、四畳半のアパートに暮らしていました。
 場所は、練馬区大泉学園。
 そう!
 ファンなら誰でも知ってますよね!
 松本零士さんが暮らしていた町であります。

 だから僕は、町の中で、何度も何度も見かけました。
 どうして、分かったのかって?
 だって、目立ちますもの!

 必ず自転車に乗って、トレードマークのドクロが描かれた黒い帽子をかぶっていました。

 当時は、すでにアニメもヒットして人気漫画家でしたが、ふつうに街の中に溶け込んで暮らしていましたよ。
 でも、その風貌から、すぐに分かっちゃうんですね。


 今回の訃報を聞いて、最初に思い浮かべたのは、40年以上も前の大泉学園の町でした。
 たぶん、もう、僕の知っている風景なんて残っていないんでしょうけど……

 今は駅前に、松本零士さんの作品のモニュメントが立っていると聞きます。
 いつか、ふらりと上京して、わが青春の町と松本零士さんの思い出に触れてみたいと思います。


 ご冥福をお祈りいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:56Comments(0)つれづれ

2023年02月20日

今日の上毛新聞 「紙芝居に鳴り物 チンドンと共演」


 “4月上旬の陽気”
 という天気予報は、大外れ!
 時折、小雨がパラつく中、伊勢崎神社にて 「神社かみしばい」 が開催されました。


 「絶好の紙芝居日和だと思ったのにね」
 と僕らは、会場の設営をしながら口々に、グチをこぼしていました。

 僕らとは、興行主で上演者の壽ちんどん宣伝社座長、石原之壽(いしはらのことぶき)君。
 作画担当の画家、須賀りすさん。
 そして、作文担当の僕であります。


 昨日は新作紙芝居の初上演日でした。
 しかも、新作披露のお祝いにと、アマチュアチンドングループ 「高崎チンドン倶楽部」 の面々も駆けつけてくれたのであります。

 午前10時30分
 景気づけにと、チンドン演奏が始まりました。

 すると、どうしたことでしょう!
 あちらからゾロゾロ、こちらからゾロゾロと、まるで “ハーメルンの笛” のようにジンタの響きにに誘われて、人々が境内にやって来ました。

 あれよあれよのうちに、用意した客席は満員御礼となりました。


 『女堀と桜姫』
 これが、新作紙芝居゛のタイトルです。

 「女堀」は、国指定史跡の用水路遺構。
 現在の伊勢崎市にある 「赤堀花しょうぶ園」 などが、その跡地です。
 未完だったという、この謎の遺跡に伝わる伝説をもとに紙芝居を作りました。


 さて、一夜明けて!
 今日の上毛新聞社会面に、大きくカラーで写真と記事が掲載されました。
 「紙芝居に鳴り物 チンドンと共演」
 と見出しが付いています。

 僕は裏方なので、写真には写っていませんが、制作者として記事の中には名前を連ねました。
 取材をしてくださった記者さん、ありがとうございました。
 こうやって報道してくださると、今後の活動の励みになります。


 今年も1年間、頑張りますので、みなさん、応援してくださいね。
 そして、まだ紙芝居を見たことがないという、あ・な・た!
 ぜひ一度、昭和の街角文化に触れてみてください。

 お待ちしております。


 ※次回の「神社かみしばい」 は、3月18日・19日です。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:43Comments(2)神社かみしばい

2023年02月18日

好奇心を刺激する知の宝庫


 火曜日の夜9時~、群馬テレビで放送している 『ぐんま!トリビア図鑑』。
 ご覧になってますか?
 僕は、この番組のスーパーバイザー (監修人) をしています。

 放送開始は2015年4月ですから、もうすぐ8周年になります。
 放送された回数は、今週の僕がリポーターを務めた回で、なんと!316回になります。

 なぜ、こんなにも、この番組が続いているのでしょうか?
 これには、有能なスタッフらによる地道な調査と英知を駆使した、並々ならぬ努力があるからなのです。


 昨日は、番組の企画・構成会議でした。
 僕も末席にて、参加してきました。

 出席者の内訳は、以下の通りです。
 ディレクター6人、放送作家2人、プロデューサー1名、スーパーバイザー2人。
 もう一人のスーパーバイザーは、先日 『ブラタモリ』 にも出演した群馬地域学研究所の手島仁さんであります。


 会議では、まず放送日順に担当ディレクターが割り当てられます。
 次に、そのディレクターから提出された資料をもとに、ネタの選択が始まります。

 過去に同じようなテーマの放送はなかったか?
 映像としての被写体は十分にあるか?
 リポーターは誰を起用するのか?
 季節感、話題性はあるか?
 などなど、時に厳しく、忌憚のない意見が飛び交います。


 「○○カードという不思議なカードを配布している自治体があります」
 「前橋市が発展しなかったのは、ある女の怨念が今も続いているからという、まことしやかなウワサが」
 「特定の地域だけに、ある動物を信仰した神社が、いくつも点在しています」
 「ヘンな形をした石室のある古墳があります」
 「いまでも県内には、マタギがいます」

 テーマが提案されるたびに、会議室には 「へー」 とか 「ほー」 とか、驚きの声が飛び交います。
 そして、侃侃諤諤、喧喧囂囂、言いたい放題に突っ込みが入り、ディレクターは資料を読み上げながら内容を詳しく説明します。

 採用するか、ボツになるかは、最終的にはチーフディレクターとプロデューサーが決定します。


 あっという間の2時間半なのであります。
 僕は3か月に1回開かれる、この会議が楽しみでなりません。

 とにかく、みなさん、知識の幅が広い!
 歴史あり、文化あり、民俗あり。
 「よくもまあ、こんなにもマニアックなネタを拾ってきたなぁ~」
 と、感心することしきり。

 まさに、ここは “知の宝庫”。
 毎回、好奇心を刺激されています。


 今年、番組は9年目に突入します。
 ますますパワフルに、そしてトリビアるに番組をお届けします。

 今後もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 12:31Comments(0)テレビ・ラジオ

2023年02月17日

明日から開催! 「老神温泉びっくりひな飾り」


 今日は、老神温泉大使からのお知らせです。

 「ろうじんおんせん」 なんて読まないでくださいね。
 「老神」 と書いて、「おいがみ」 と読みます。


 昔々、赤城山の神と日光二荒山 (男体山) の神が戦い、赤城の神が日光の神を “追い返した” ことから、「追い神」 と呼ばれるようになり、「老神」 と表記するようになったと伝わります。

 でも!
 これは伝説です。

 たぶん語源は、現在の小字名 「湯の上」(ゆのうえ) にありそうです。
 かつては 「ゆのかみ」 と呼ばれていたようで、これが 「おゆかみ」 になり、「おいがみ」 となった説が有力なようです。


 さて、そんな伝説のいで湯、老神温泉の “早春の風物詩” といえば、「びっくりひな飾り」 です。
 いよいよ、明日から始まります!

 今年で10回目となる 「老神温泉びっくりひな飾り」。
 利根観光会館をメイン会場に、約7,000体のひな人形が並びます。
 幅18m×高さ3.8mの特設ひな壇や、幅6.7m×高さ3mの15段ひな壇をはじめ、つるし雛などが所狭しと飾られた圧巻の光景は、思わず息をのむほど。

 まだ見たことのない人は、ぜひ今年は老神温泉へ足を運んでください。
 もちろん、観覧の後は、ゆっくりのんびりと老神の湯に、つかってくださいな。


 老神温泉大使からのお知らせでした。



    第10回 「老神温泉 びっくりひな飾り」 2023

 ●期間  2023年2月18日(土)~3月26日(日)
 ●会場  沼田市利根観光会館 (メイン会場)
        および老神温泉参加旅館ほか
 ●開館  午前9時30分~午後4時 (会期中は無休)
 ●入場  運営協力金 100円
 ●問合  老神温泉観光協会 TEL.0278-56-3013
  


Posted by 小暮 淳 at 12:23Comments(0)大使通信

2023年02月15日

「おまかせ」 という美味


 毎度おなじみの酒処 「H」。
 僕は、かれこれ15年も通っています。

 良いことがあった日、嫌なことがあった日、ただ暇な日、無性に酒が呑みたい日、疲れた日、頑張った自分にご褒美をあげたい日……
 理由なんて、なんでもいいんです。

 気が付くと、僕は 「H」 の暖簾をくぐっています。


 ふと、なんで僕は 「H」 へ行くのだろう?
 と考えてしまいました。
 自分なりに解析してみると、3つの魅力が浮かびます。

 1つは、なんといっても自称38歳(?)のママの人柄です。
 気さくで、聞き上手で、知的で、とってもキュートな女性です。
 話題も豊富で、何時間でも二人っきりで話し込んでしまいます。

 2つ目は、そんなママのファンたちでしょうね。
 いわゆる常連客です。
 老若男女、職業を問わず、気の置けない連中が集まってきます。
 過去には、“出入禁止” になった客もいたと聞きますが、僕が知る限り、みなさん、きれいな酒の呑み方をされる紳士淑女ばかりです。


 そして3つ目が、ママの手料理!
 和洋中、なんでも御座れ!
 時には、リクエストにも応えてくれます。

 「レバニラ炒めが食べたい」
 と言えば、ちゃんと次に行った時に、、
 「はい、ジュンちゃんの青春の思い出の味ね」
 と言って、陳健一顔負けの絶品料理が出てきます。

 常連客たちは、完全に胃袋をつかまれています。


 ただし、この店、メニューがありません。
 店内には、どこを探しても 「お品書き」 は見当たりません。
 ここが、イチゲン客には一番、暖簾をくぐりづらい理由かもしれませんね。

 いわゆる “おまかせ方式” なのであります。
 料金は一律、時間制限なし、ドリンク自由、カラオケ無料……
 今どき、こんな店ってあるの?
 というくらい昭和チックな店なのです。


 過日、台湾国籍で韓国在住という男性と同席しました。
 しきりに彼は、
 「オマカセ」 「オマカセ」
 と、うれしそうに連呼していました。

 「“おまかせ” って、何のこと言ってるの?」
 「ココノ料理デス」
 「珍しいの?」
 「ハイ、韓国ニハ、アリマセン」

 「素晴らしいシステムだ」 とも言っていました。


 おりしも昨晩は、僕がリポーターを務めるテレビ番組の放送日でした。
 カウンターのみの8席は、満員御礼!

 「おおー、小暮さんだ~!」
 「出演者と一緒に呑めるなんて、光栄だな~!」

 テレビ画面を見ながら、全員で盛り上がりました。


 良き店で、良き仲間と、良き酒を呑む。
 なんて幸せなんでしょうね。

 のん兵衛たちに、感謝!
  


Posted by 小暮 淳 at 13:05Comments(0)酔眼日記

2023年02月14日

今夜放送! モッコリ星人は現れるか!?

 
 こんにちは!
 “モッコリ星人” こと、リポーターの小暮です。

 いや~、前回のオンエアでは、まさかの放送事故かと思いました(汗)。
 放送終了後、問い合わせが多数寄せられました。

 「小暮さんの股間がおかしい」
 「異様にモッコリしている」
 とのことから、“モッコリ星人” の異名が付いてしまいました。

 おかげさまで、検証するためか?
 再放送の視聴率が上がったとか?


 いよいよ、シリーズ 「温泉王国ぐんま」 の第3弾が、今晩オンエアとなります。
 さて、今回も “モッコリ星人” は現れるのでしょうか!?
 乞う、ご期待!

 その目で、検証してみてください。
 


         『ぐんま!トリビア図鑑』
            温泉王国ぐんま
       「裸の大将が愛したぬくもりの湯」

 ●放送局  群馬テレビ (地デジ3ch)
 ●放送日  2023年2月14日(火) 21:00~21:15
 ●再放送  2月18日(土) 10:30~ 20日(月) 12:30~
  


Posted by 小暮 淳 at 10:57Comments(0)テレビ・ラジオ

2023年02月13日

あの湯をもう一度


 「『あの湯をもう一度』 を番組で紹介しても、よろしいですか?」

 みなさんは、覚えているでしょうか?
 昨年暮れに、ラジオパーソナリティーという女性から連絡をもらった話を?
 (当ブログの2022年12月30日 「こいつぁ~、暮れから縁起がいいわい!」 参照)

 先日、その方から再度、詳しい内容の電話をいただきました。


 「『あの湯をもう一度』 って、ちいきしんぶんのですか?」
 「はい、1月20日号に載っている記事です」

 『あの湯をもう一度』 とは、高崎市内で10万部発行されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に連載している 『小暮淳のはつらつ温泉』 というコラムの中のシリーズです。
 昨年の11月からスタートしました。


 群馬県内には、約100の温泉地 (宿泊施設のある温泉) があると、一般には公表されています。
 しかし実際は、もう、そんなには存在していません。
 休業中も含めれば、90カ所を割っていると思います。

 それは、なぜか?


 僕は2009年9月に、『ぐんまの源泉一軒宿』 (上毛新聞社) という著書を出版しました。
 文字通り、たった一軒で源泉と温泉地名を守り続けている温泉宿です。

 ところが、この5年後に僕は急きょ、『新ぐんまの源泉一軒宿』 (同) という本を出版しました。
 “した” というより “せざるを得なかった” というほうが、正しいのですが……


 実は前著は5年間で、4回の増刷がされました。
 が、「5回目の増刷をするかどうか?」 で、議論がされました。
 その理由は、掲載されている50軒の宿のうち、5軒がすでに廃業、もしくは休業してしまっていたのです。

 「情報としては、正しくない」
 というのが出版元の考えでした。
 「なので、改訂版を出しましょう」
 との提案に、僕は、
 「だったら、すべての宿を取材し直します」
 と、再度、1年間かけて全宿をまわりました。

 それが、2014年4月に出版された 『新ぐんまの源泉一軒宿』 でした。


 あれから9年……
 コアな読者は気づいているでしょうが、この本に掲載されている宿のうち8軒が、すでに廃業もしくは休業中なのであります。
 そのほとんどが、経営者の高齢化と後継者不在によるもです。

 「行こうと思っていたら、やってませんでした」
 そんな読者からの声を聞く回数が増えました。
 「どんな宿だったのですか?」
 「どんな湯だったのですか?」
 そんな声に応えるべく、また、復活を願って、シリーズ 『あの湯をもう一度』 の連載を始めました。


 パーソナリティーの言う1月20日号に掲載された温泉は、旧六合(くに)村にあった湯の平温泉 「松泉閣」 (中之条町) です。
群馬県内で唯一、車では行けない温泉旅館でした。

 でも、なぜ、パーソナリティーは、ローカル紙のこんなマニアックな記事に、目を止めてくれたのでしょうか?
 訊ねてみると、
 「私の妹が高崎市に住んでいるんです。それで小暮さんの記事を送ってくれました」

 なるほど!
 どこで誰が読んでくれているか、分からないものですね。


 “入って残そう! 群馬の温泉”

 僕の書いた記事が、温泉を守る一助になれば幸いです。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:57Comments(2)執筆余談

2023年02月12日

「神社かみしばい」 2月口演


 あれは確か、オフクロが亡くなった直後のことだから、令和元年の5月だったと思います。
 高校の同級生だった石原之壽(いしはらのことぶき)君から連絡があり、久しぶりに会うことになりました。

 彼は定年後、チンドン屋や紙芝居の興行をする会社を立ち上げていました。
 「故郷の群馬で紙芝居の口演をする場所を探しているんだけど、ジュン、どこか、いいところない?」
 との相談に、僕は即答しました。
 「だったら伊勢崎神社に頼んでみたら?」

 伊勢崎神社の宮司もまた、僕らの同級生なのです。


 話はトントン拍子に進み、翌年の1月から石原君単独による 「神社かみしばい」 が始まりました。
 ところが2020年2月からコロナが蔓延。
 屋外とはいえ、客が集まらないとの相談を受けました。

 「せっかく群馬でやっているのだから、地元の民話を題材にしたオリジナルの紙芝居が欲しい」
 との依頼が、彼から僕のもとに寄せられたのは、その年の夏のことでした。
 「だったら神社のある伊勢崎市の民話にしよう!」

 ということで誕生したのがオリジナル紙芝居の第1作 『いせさき宮子の浦島太郎』 でした。


 そして今年、第2作が完成!
 いよいよ今月、初披露されることになりました。

 タイトルは、『女堀と桜姫』。
 伊勢崎市の名所 、赤堀花しょうぶ園に伝わる平安時代の話です。
 ※(物語については当ブログの2023年2月6日 「新作紙芝居 『女堀と桜姫』」 参照)


 そして、19日はスペシャル公演!
 高崎チンドン倶楽部による演奏 (11:30~、12:30~) があります。

 ぜひ、みなさんで、お誘いあわせの上、暖かい格好で、お出かけください。
 スタッフ一同、お待ちしております。



     「神社かみしばい」 2月口演
      ~新作紙芝居初披露~
 
 ●日時  2023年2月18日(土)、19日(日)
       10時、11時、12時、13時 
       ※屋外開催 (悪天候時は室内)
 ●会場  伊勢崎神社 境内 (群馬県伊勢崎市本町21-1)
 ●入場  投げ銭制 ※ペイペイ可
 ●問合  壽ちんどん宣伝社 TEL.090-8109-0480

 ☆小暮は19日のみ在社いたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:14Comments(0)神社かみしばい

2023年02月11日

記録更新! 連載23年


 うっかりしてましたが、今週、記録を更新していました。


 高崎市民のみなさん、こんにちは!
 高崎の生活情報紙 「タカタイ (高崎タイムス)」 (上毛新聞社) は、お読みになっていますか?
 毎週、「熟語パズル」 を出題している “スタジオJ” こと、小暮淳であります。
 (スタジオJは僕の屋号です)

 今週 (2月10日号) の掲載で、パズル連載満23周年を迎えました。


 23年ですよ!
 ちょっと、凄いと思いませんか?

 初回が2000年2月6日号でした。
 週刊紙ですから、毎週掲載されています。
 パズルの内容は、隔週で 「二字熟語クイズ」 と 「四字熟語クイズ」 を交互に出題しています。

 いったい23年間に、いくつのパズルを作ったのだろうか?
 と数えてみました。
 すると……

 な、な、なんと! 今週号で1,052回!

 作者本人も、ビックリです。
 これって、ギネスもんじゃありませんか?
 (たぶん、上には上がいるんでしょうね)


 ということで来週から24年目に突入します。
 次は2,000回を目指します!
 と言いたいところですが、計算してみると……

 2,000回に達するのは19年後なのですね。
 (生きているかなぁ~?)
 生きていて、連載が打ち切られていなかったら、その時は、ご報告いたします。


 “継続は力なり”
 何事もコツコツと、1つずつ丁寧に、ですね。

 高崎市民のみなさん、今後とも末永く、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
   


Posted by 小暮 淳 at 13:42Comments(0)執筆余談

2023年02月10日

読み継がれる絵本


 「『誕生日の夜』 を読ませていただきたいのですが?」

 さるボランティア団体の方から連絡をいただきました。
 以前、僕が取材で訪れたことのある団体で、視覚障害者のために本の朗読を録音したテープを届ける活動をしています。


 『誕生日の夜』 とは、平成14(2002)年に自費出版した絵本です。
 僕の子育て経験をもとに、誕生日を迎えた幼い少女と、その父親の一日を描いた話です。
 挿画は友人の画家、須賀りすさんが担当しています。
 (非売品で現在は絶版になっています)

 20年以上も前に作った絵本なのにね。
 不思議な思いで、快諾しました。


 やはり10年くらい前だったと思います。
 小学校で読み聞かせをしている方から突然、手紙をいただいたことがありました。
 「『誕生日の夜』 を子どもたちに読み聞かせしています」 と……

 手紙には長々と、子どもたちが涙を流しながら聞いていたことや、その後も子どもたちが感想を寄せてくれたことが書かれていました。
 そして文末には、こんな言葉が添えられていました。

 「しおりちゃん、おとうさん、おかあさんに、よろしくお伝えください」

 しおりちゃんとは、絵本に登場する女の子の名前です。
 その方は、子どもたちの声を作者に直接伝えたかったようです。
 手紙を読んで、ただただ胸が熱くなるばかりでした。
 (当ブログの2012年3月8日 「『誕生日の夜』が小学校で・・・」 参照)


 また今回、どこかで誰かが、僕が作った話を聞いてくださっているのですね。
 やっぱり、不思議でなりません。

 あれから21年……
 絵本のモデルとなった長女は、すでに結婚して、今年中学生になる男の子の母親です。
 なのに絵本の中では、いまだに保育園に通う幼子のままなのです。

 読み継がれるたび、僕は若き日の父親にもどります。
 絵本は、いつでも、あの日あの時に連れて行ってくれます。


 語り部のみなさん、ありがとうございます。
 作者として、こんな幸せなことはありません。


 ※『誕生日の夜』 は、「カテゴリー」 より全文がお読みいただけます。 
  


Posted by 小暮 淳 at 18:29Comments(0)誕生日の夜

2023年02月09日

願いが叶う確率


 ♪ 思っている事と やっている事の
   違う事へのいらだちだったのか
   だから僕は自由さをとりもどそうと
   自分を軽蔑して 自分を追い込んで ♪
    (吉田拓郎 「まにあうかもしれない」 より)


 動悸、息切れ、めまい、頭痛、肩こり、腰痛、耳鳴り、関節痛……
 若い頃には一切無縁だった症状が、還暦を過ぎてから体のそこかしこに現れるようになりました。

 「動悸、そんなのしょっちゅうだよ」
 「耳鳴り? ああ、今も鳴ってるよ」
 同世代の友人に話せば、似たような応えが返ってきます。

 老化は “百害あって一利なし” なのか?


 いえいえ、歳を重ねて良かったこともたくさんあります。
 僕が感じている老いることの最大のメリットは、“願いが叶う確率がアップした” ということです。

 当然のことかもしれませんが、生きている年月が長ければ長いほど、チャンスの到来も多くなります。
 しかも若い頃に、叶うか叶わないか分からず無我夢中でバラまいてきた 「夢の種」 が、今になって思わぬきっかけで発芽することもあります。
 そんなとき、「ああ、人生って無駄がないな~」 と、つくづく生きることの妙味を感じるのです。


 冒頭の吉田拓郎さんの歌詞の中にある一節。
 <思っている事と やっている事の 違う事へのいらだち> 
 誰もが若い頃に抱くジレンマです。

 この歳になって振り返れば、経験も素地もないのですから、合致するわけがありません。
 でも若さの魅力は、無知を承知で突っ走れるパワーです。
 やがて知恵が付き、<思っている事と やっている事> のかけ引きをするようになります。
 そして、合わない帳尻を無理やり合わせ、“できなかった事” の言い訳を考えるようになります。


 それが!
 ふと、最近、気づいたのです。
 「あっ、今やっている事が、あの頃思っていたことに近づいてきた」
 ってね。
 そして、こんなことも思います。
 「ああ、俺って、これがしたかったのかもしれない」

 すべて、歳を重ねた今だから感じることです。
 だから、もし、あの頃の自分に会えたなら、こう言ってあげたいのです。

 「大丈夫、今やっていることが将来、必ず、やりたいことになるから」


 ということは、今やっていることが70代、80代の “願いが叶う確率” を上げるということなんですね。
 たとえ今は、思っている事と、やっている事が違っていたとしても……

 コツコツと続けていきたいと思います。
  


Posted by 小暮 淳 at 12:09Comments(0)つれづれ

2023年02月08日

「温泉王国ぐんま」 第3弾! 来週放送


 昨年からスタートした群馬テレビ 『ぐんま!トリビア図鑑』 の新シリーズ 「温泉王国ぐんま」。
 早くも第3弾が放送されます。

 今回の舞台は、みなかみ町の上牧(かみもく)温泉。
 老舗旅館の 「辰巳館」 には、3つの “ぬくもり” があるといいます。
 その “ぬくもり” に触れながら、同館の不思議な魅力に迫ります。


 「裸の大将」 で知られる放浪の画家・山下清は、なぜ何度も訪れたのか?
 清が残していった絵に描かれている謎とは?
 館内いたるところに埴輪が置かれている理由は?

 今回も僕が、体を張ってリポートいたします。
 乞う、ご期待!

 ※(ロケの様子は、当ブログ2023年1月31日 「裸の大将と埴輪風呂」 を参照)


 
          『ぐんま!トリビア図鑑』
            温泉王国ぐんま
       「裸の大将が愛したぬくもりの湯」

 ●放送局  群馬テレビ (地デジ3ch)
 ●放送日  2023年2月14日(火) 21:00~21:15
 ●再放送  2月18日(土) 10:30~ 20日(月) 12:30~
  


Posted by 小暮 淳 at 10:23Comments(4)テレビ・ラジオ

2023年02月07日

モテ期到来?


 「小暮さんのブログを読んでから、夢占いをするようになりました」
 そう言った知人がいました。

 暗示か? 示唆か?
 知っているようで、知らないのが、自分の中の潜在意識です。
 夢は、知らず知らずのうちに抱いている願望や恐怖心を、映像に形を変えて本人に教えてくれているのだと思います。


 相変わらず、夢を見ています。
 朝目覚めて、忘れてしまっていることも多いのですが、半日過ぎても強烈に残像が残り、支配されてしまうこともあります。
 そんな時、僕は夢を占います。


 昨晩、2つの夢を見ました。

 1つは、2人の見知らぬ女性からモテた夢です。
 一人は、20代後半~30代前半の若い女性。
 もう一人は、40~50代の中年女性です。

 そして、どちらも美人でした。

 若い女性は積極的に僕を誘います。
 その様子を、笑みを浮かべながら見ている中年女性。
 どちらも僕に好意を寄せていることが分かりました。

 そこで一度、夢は覚めました。
 トイレに起きて、続きを見ようと、再度熟睡。


 ところが次に見た夢は、まったく異なりました。
 僕は、空のペットボトルを手にして、大型施設の中をウロウロしています。
 ゴミ箱を探しているようです。
 通行人や従業員に訊いても、誰も教えてくれません。

 「どこにもゴミ箱がない!」
 そう叫んだところで、夢が覚めました。


 「モテる夢」 には、吉夢と凶夢があるそうです。
 芸能人など有名人からモテる夢は、高望みしているので凶。
 知らない人からモテる場合は、吉とのこと。

 魅力が高まっているときで、チャンス到来!
 ただし、複数の人からモテる夢は、目覚めたときに吉凶が分かれるそうです。
 気分が良ければ吉、不快ならば凶となります。

 僕の場合、複数の見知らぬ女性からモテたわけですから、吉。
 モテ期到来ということでしょうかね。


 問題は、「ゴミ箱を探す夢」 です。
 ゴミの夢自体は、生活の中の不要と必要の区別していることの暗示で、人間関係の整理を示唆しています。
 でも、「探す夢」 となると、意味が変わってきます。

 ストレスや不満を吐き出せない、もどかしい状態。
 感情をうまく処理できていない状態、となります。
 さらに、「探し物が最後まで見つからない夢」 は、かなりメンタル面が弱っている状態なので、要注意でした。


 ということは、現在の僕はモテ期でありながら、それを活かせるだけのメンタルが備わっていないということのようです。
 なんだか、納得してしまいました。

 まずは、メンタル面の強化を目指します!
 それには、ストレスの発散が必須です。

 よーし、呑みに行くぞー!
 (って、いつもと変わりありませんね)
  


Posted by 小暮 淳 at 13:16Comments(0)夢占い

2023年02月06日

新作紙芝居 『女堀と桜姫』


 平安時代末期のこと。
 上野国 (群馬県) は 「平将門の乱」 が起こるなど、律令国家が乱れていました。
 さらに浅間山の大噴火が県内全域を襲い、その降灰により水田のほとんどは復旧されることなく放棄され、上野国は荒廃していました。

 ある時、いずこともなく若い女を大将にした軍勢が攻めてきて、たちまちのうちに荒れくれた野武士を倒して、この地に住み着きました。
 若い女の大将の名は、桜姫。
 たちまちのうちに、このあたりを治めるようになりました。

 桜姫は人々が飢えに苦しんでいるのを知ると、この荒れ果てた野山を田畑にして、食物を作りたいと考えました。
 それには、水がいります。
 しかし、このあたりには水をたたえている沼もなければ、小さな川さえありません。

 <いっそのこと、利根川から水を引いたらどうだろうか>

 そう考えた桜姫は、数人の女の家来を集めると、こう言いました。
 「この地をこれから末永く治めていくには、どうしても水が必要です。途方もない計画ですが、この村に利根川の水を引いてきましょう!」

 そして、桜姫と数千人の女たちによる一大プロジェクトが開始されました。


 2年前から伊勢崎神社 (伊勢崎市) で毎月開催している 「神社かみしばい」。
 ご当地民話を題材にした、創作紙芝居を上演しています。
 第1弾の 『いせさき宮子の浦島太郎』 は、伊勢崎市宮子に伝わる竜宮伝説でした。

 いよいよ、今月から第2弾の新作紙芝居が登場します!
 『女堀と桜姫』 です。


 「女堀」 は赤城山南麓、標高約100メートルの等高線に沿う形で、前橋市上泉町から伊勢崎市国定町までの東西約13㎞、幅15~30m、深さ3~4mにわたって築かれた未完の用水路跡で、国指定史跡になっています。
 誰が、いつ、何のために掘ったかは謎とされていますが、僕らは伝説を基に紙芝居に仕上げました。

 文/小暮淳 (フリーライター)
 画/須賀りす (画家・イラストレーター)
 演/石原之壽 (壽ちんどん宣伝社 座長)


 今月19日(日) に初上演いたします。
 当日は 「高崎ちんどん倶楽部」 が、お祝いの演奏をしてくださる予定です。

 詳しくは後日、紹介します。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:30Comments(0)神社かみしばい