2025年05月16日
燃焼させ叩きつけろ!
僕の父方の祖母の旧姓は 「東宮」 です。
母方の祖母の旧姓も 「東宮」 です。
だから僕の体の中には半分以上、“東宮の血” が流れています。
そして、その血が、ときどき騒ぎます。
昨日、テレビ番組のロケハンに行ってきました。
ロケハンとは、ロケーションハンティングの略。
撮影現場におもむき、下見や取材をすることです。
でも今回は、温泉や民話がテーマではありません。
“詩人” です。
東宮七男 (とうみや・かずお) 1897~1988
萩原朔太郎に啓発され詩の世界へ。萩原恭次郎らと前衛的な詩作に傾くが、激動の昭和10年代に文学の筆を折って満洲へ。敗戦で引き揚げ後、群馬の詩壇で活躍。
県文化功労賞、第2回高橋元吉賞等受賞。群馬ペンクラブ会長、県文学会議副会長。
詩集 『魚鷹』 『遍羅』 『空の花』。
(詳細は2018年3月7日 「詩人の亡霊」 参照)
東宮七男は、僕の父の叔父。
僕にとっては、大叔父にあたります。
物心ついたころから我が家には、大叔父の詩集があり、父から大叔父の偉大さを聞かされて育ちました。
僕も何度か、お会いしたことがあります。
最後にお会いしたのは、10代後半でした。
実兄の結婚披露宴です。
大叔父が可愛がっていた甥っ子の息子の結婚ということで、出席してくださったのです。
その披露宴会場で、僕は兄夫婦のために、歌を歌いました。
ギターを持参して、作詞作曲したオリジナルソングです。
「いいね、いいね、好きなことを思いっきりやりなさい」
その時、大叔父が、そう言ってくれたのを覚えています。
今回、僕は “東宮” の血を引く者として、番組のリポーターを買って出ました。
「もっともっと大叔父の偉大な功績を知ってほしい」
そのためには、徹底的に取材をしなくてはなりません。
昨日は番組のディレクターと放送作家とともに、東宮七男にゆかりある3人の人物を訪ね、話を聞いてきました。
「東宮七男の会」 代表で、僕の母のいとこでもある東宮春生氏からは、貴重な資料をたくさんお借りしました。
東宮七男の肉声や映像が収録されたDVDをはじめ、写真や書簡の数々です。
その中に、春生氏が大学時代の下宿先に、大叔父から届いた直筆のハガキがありました。
そこには、こんな言葉がありました。
<悔いなき様 青春を目的に向かって燃焼させ叩きつけてください。悔いを残しては取り返しがつきません。>
大叔父らしい言葉です。
そして、血が騒ぎます。
生涯、詩人を貫いた大叔父の足跡を、番組では追いたいと思います。
放送は7月下旬の予定です。
Posted by 小暮 淳 at 10:02│Comments(0)
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