2023年01月27日
群馬の地酒と温泉めぐり
「11年前にサインしていただいた本を持ってきました」
突然、控え室に初老の紳士が現れて、本を差し出しました。
「えっ、なぜ、これを?」
平成9(1997)年に出版され、すでに絶版となっている僕の処女エッセイ 『上毛カルテ』(上毛新聞社) でした。
サインには、“2012.8.7” と記されています。
「先生のセミナーを受講した時に、いただいた本です」
思い出しました!
11年前のこの年の夏、7月から8月にかけて、前橋元気プラザ21 (前橋市) という会場で、「必ず行きたくなる群馬の温泉」 と題した温泉講座が開催されたのでした。
講座は1回90分で、<初級編><中級編><上級編>と3日間行われ、3回の講座をすべて受講した人には、講師のサイン本が進呈されるという企画でした。
「ということは?」
「はい、すべて受講しました」
昨日は、高崎市で開催された講演会の講師を務めてきました。
前述の一件は、その講演開始前の出来事です。
演題は 『群馬の地酒と温泉めぐり』。
今回は、「ぐんまの地酒大使」 として、2時間の講話をしてきました。
1部では、群馬県内の酒蔵についてと、群馬の地酒の特徴について話しました。
2部では、酒をこよなく愛し、旅をしながら群馬の温泉をめぐった歌人・若山牧水の 『みなかみ紀行』 を講談風(?) に演じました。
大正11(1922)年10月14日~28日の14日間、牧水は草津温泉から白根温泉まで、旅をしながら9つの温泉地をめぐっています。
当然、のん兵衛の牧水ですから毎晩、酒を浴びます。
では、どこで、なんという酒を呑んだのか?
著書の 『みなかみ紀行』 には、酒の銘柄までは記されていません。
ということで、現代の若山牧水こと “ヨッパライター” の僕が、牧水が呑んだであろう地酒を推測しながら旅をしてみました。
聴講されたみなさん、いかがでしたか?
牧水が呑んだであろう群馬の地酒を、呑みたくなったのではありませんか?
温泉と地酒は、付きものです。
群馬の温泉に浸かり、群馬の地酒を呑む。
こんな愉快なことはありません!
また機会があれば、「酒説 みなかみ紀行」 をお披露目したいと思います。
※『上毛カルテ』 は現在、月1回開催している「神社かみしばい」 の会場でのみ販売しています。
2023年01月26日
雪見講演
気温マイナス3℃、快晴。
日本列島が強い冬型の気圧配置による最強寒波に覆われる中、元気に前橋駅を発ちました。
新前橋駅より上越線に乗り換え。
列車は、北を目指します。
渋川駅を過ぎたあたりから、視界には白い物が目に映るようになりました。
しだいに雪の量は増していき、沼田駅を過ぎると、あたり一面の銀世界となりました。
午前9時過ぎ、後閑駅着。
駅舎を出ると、視界もままならないほどの吹雪です。
そんな中、みなかみ観光協会のKさんが車で迎えに来てくれていました。
僕は15年ほど前から講演活動を行っています。
県内ならば自分の車で行くことが多いのですが、冬場のみ、渋川以北の会場へは電車を利用することにしています。
だって、この雪ですよ。
ノーマルタイヤの僕の車では、ムリです。
今回も正解でした。
「大寒波が来るからって、準備をしていたんですけど、大したことはなかったですね」
とKさん。
「えっ、これで大したことがないんですか?」
「ええ、思ったほどの積雪量ではありませんでした」
さすが、雪国の人たちは慣れていらっしゃる。
僕は車の中で、ただただ、その雪の量と寒さに、おびえ震えていました。
今回の講演会場は、「月夜野びーどろパーク」。
そして主催は、一般社団法人 「日本自動車連盟」。
そうです、「JAF」 であります。
JAFということは、この大雪で大忙しなのでは?
開催されるのだろうか?
と心配しながら会場へ。
ビュービューと相変わらずの吹雪です。
公園内の駐車場も見渡す限りの大雪原。
それでも赤々とストーブが燃える屋内で、主催者様が出迎えてくれました。
「こんな日に開催して大丈夫なのですか?」
と訊けば、
「社員は出払っていますが、今日お見えになる方々は、会員優待施設の関係者ですから」
とのこと。
そういうことだったのです。
よく観光地などで、JAFカードを提出すると割引料金になる施設のことです。
ということは、群馬支部主催の講演会ですから、県内の観光施設の人たちが聴講者になります。
案の定、
「ご無沙汰しています。その節は大変お世話になりました」
と声をかけてくださる温泉関係者が何人かいました。
無事、講演も終わり、会場をレストランに移し、懇親会となりました。
「えー、本当は乾杯といきたいところですが、みなさん、お車でしょうからソフトドリングでお願いします」
えっ、電車で来ている人もいるんですけど……
しかも、ここは地ビールが有名にところじゃないですか……
いえいえ、メニューを見れば地酒だって置いてありますけど……
誰か、誰か~!
「先生は、お車ではないんでしょう?」 って言ってよ!
ああ、もどかしい……
「ビールください」 って、手を挙げちゃおうかな……
待てよ、僕は講師じゃないか……
講師が自ら注文するなんて、はしたない……
ということで、しっかりとチャンスを逃し、清く正しいランチタイムとなりました。
ああ、のん兵衛は、これだからイヤですね。
雪だから電車で来たのであって、呑みたくて電車で来たんじゃないのにね。
ちょっぴり反省した雪見講演でした。
2023年01月02日
好きこそ酒の上戸なり
呑んでますかー!
酒さえ呑んでいれば、なんでもできる!
と、新年早々、のん兵衛の声を代弁させていただきました。
のん兵衛とは勝手なもので、「正月っていいよな。朝から酒を呑んでも文句を言われないから」 とか何とか言い訳を付けては、一年中飲酒の機会を狙っているのであります。
かく言う僕も、のん兵衛ですから元日から浴び続けています。
正月も盆も暮れも、へったくれもありません。
死ぬまで呑み続けることが、“のん兵衛道” の極意なのであります。
「先生、また、うちで講演をしていただけませんか?」
そんな電話を某公民館からもらったのは、昨年の秋口のことでした。
この公民館では、すでに過去に2回講演を行っています。
1回目のテーマは 「温泉」、2回目のテーマは 「民話」 でした。
「かまいませんけど、今回は温泉ですか? 民話ですか?」
すると職員は、
「いえ、ぜひ、地酒でお願いします」
「地酒?」
「ええ、先生は群馬県の地酒大使であられますから。ぜひ、との声が多く寄せられています」
棚から牡丹餅、瓢箪から駒とは、このことです。
驚き桃の木 山椒の木であります。
「地酒大使といいましてもね、お酒に詳しいわけではありませんよ。ただの、のん兵衛。ただの酒好きですから」
「いえいえ、先生の話は楽しいと評判なんですよ。ぜひ、楽しいお酒の話をしていただけませんか? お願いします」
と、電話では見えませんが (たぶん)、頭を下げられてしまいました。
こんな時、僕の弱さ、人の好さが出てしまうんですね。
先方の悲しむ顔を想像すると、断れません。
「わかりました。お受けしましょう」
「そうですか! ありがとうございます」
ということで、快諾とまではいきませんが成り行きで、「地酒」 をテーマにした講演を今月することになりました。
返事をしてしまってから、後悔しました。
うっかりしてましたが、某公民館での講演枠って、2時間なんです!
そんなに長い時間も酒の話なんて、できるもんか!
オレは、ただ酒が好きなだけなのに……
と、急に顔面蒼白となり、手足が震え出しました。
やっちまった~!
お調子もんの安請け合いが、あだとなりました。
日に日に後悔と重責が募っていきます。
えーいっ、こうなりゃ、出たとこ勝負のアドリブ&パフォーマンスじゃい!
と開き直ったところで、もう一人の小心者の僕が、耳元でささやきます。
「きっちり、やろうよ。今からでも遅くないからさ。勉強しよう」
ということで、昨年暮れから僕は、呑んでも呑んでも酔えない “しらふ酒” を呑み続けています。
僕の仕事場のデスクの上には、うず高く積まれた本、本、本、本……の山。
すべて図書館や書店、古本屋で、かき集めた酒に関する本ばかりです。
酒造に関する専門書から居酒屋にまつわるエッセイや雑学本、マンガに至るまで……。
これらを毎晩毎夜、酒のあてとして熟読しながら呑み続けているのであります。
ああ、酒よ、酒。
なぜに、おまえは酒なのだ?
もしも、おまえに口が利けたらなら、今の私に何を言う?
えっ?
なに?
「ただ酔うだけよ」 だって?
お見それいたしました。
2022年12月07日
納話 2022
昨日、高崎市内の公民館にて、今年最後の講演を行ってきました。
これにて、令和4(2022)年のすべての “講話” による活動は終了しました。
まだまだコロナ前のように、規模の大きな会場や遠方からの依頼は少ないのですが、それでも小規模ながら感染予防対策を万全にした主催者側の対応による講演会やセミナーが行われています。
このコロナ禍での特徴は、定員を半分にして、2回開催するというスタイル。
講師的には謝礼が2倍になるのでありがたいのですが、その分、同じ会場に2回通うという労力もありました。
今年は、10会場で12回の講話をしました。
延べ聴講者は800人以上になります。
会場の規模は、会館のホールから公民館の会議室、旅館の大広間とさまざまです。
聴講者の数も10数名から300名以上と、時々に異なりました。
また話のテーマは、「温泉」 が10回、「民話」 が2回でした。
今年の講話は終了しましたが、すでに来年の依頼がいくつか入っています。
これは、コロナ終息のきざしなのでしょうか?
今までにないテーマでの講演や、初めての企業からの依頼も入っています。
まあ、僕で話せることであれば、“温泉” だろうが、“民話” だろうが、はたまた “謎学” だろうが、大歓迎であります。
一人でも多くの人に、群馬の魅力を届けたいと思います。
今年も一年間、小暮淳の講話をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
今年お会いできなかったみなさん、ぜひ来年は、どこかの会場でお会いしましょう!
2022年11月25日
物言わぬ読者たち
「ライターほめるに言葉はいらぬ、そっと著書を見せりゃいい」
そんな言葉が何度も脳裏をよぎった、ここ数日でした。
コロナ前までは、年間約30回の講演やセミナーがありました。
ところがコロナ禍になり、一変しました。
感染が始まった2020年は、1桁。
翌2021年は、少し増え2桁に。
そして迎えた3年目の今年……
おかげさまでコロナ前ほどとはいきませんが、ほぼ例年並み近くまで回復してきています。
これはひとえに、感染予防対策に徹底した配慮を行っている主催者側の努力のたまものと、感謝しています。
それと、熱烈なる読者様のエールに、ほかなりません。
ありがとうございます。
今月は、ほぼ毎週どこかで、講演を行っています。
テーマは、温泉だったり、民話だったり……
なかには、「ぐんまの地酒大使」 という肩書から、“温泉と地酒” というテーマでの講演依頼もあります。
いずれにせよ、ライターにとって講演会は、読者と直接、お会いできる夢のようなステージなのであります。
考えてみれば、ライターとは、実に地味な職業です。
取材して、文章にして、記事を新聞や雑誌に掲載します。
どこで、どんな人が読んでくれているのかは分かりません。
書籍化されても同じです。
どこで、どんな人が買ってくれたのか?
どんな感想を持たれたのか、知るよしもありません。
もし、これが飲食業ならば、その場で、「ごちそうさまでした」 「美味しかった」 「また来ます」 と、お客様の声を直接聞くことができます。
それに比べてライターは、なんて日の当たらない地味な職業なのでしょうか!
そんなライターに日を当ててくださる場所が、講演会です。
先週、200名という大きな会場で、2時間の講演を行いました。
テーマは、温泉。
200名というとステージの上からは、聴講者全員の顔は見えません。
当然、最前列の人とも距離があるので、講話中に話しかけることもできません。
このような大きな会場では、一方的に話が進むのが常です。
でも、時々、胸を熱くする瞬間があります。
「○○温泉では……」
と、温泉地名を挙げた時、数名ですが、手元が動く人たちがいます。
何をしているかと目で追えば、これが、僕の著書を取り出して、開いているのです。
察するに、講演と同時進行で、温泉地名を調べているんですね。
もちろん、メモをして後で調べる人もいるでしょうが、その場で調べる人がいるんです。
そんなとき、冒頭の言葉が脳裏に浮かびます。
「ライターほめるに言葉はいらぬ、そっと著書を見せりゃいい」
読者と会えた瞬間ですからね。
冥利に尽きる瞬間でもあります。
昨日は高崎市の小さな公民館で、講演をしてきました。
テーマは、民話と伝説。
今年1月に同テーマで開催しましたが、あっという間に定員に達してしまったため、アンコール講演となりました。
壇上に立って、驚きました。
かなりの人の膝の上に、僕の著書が置かれているのが見えました。
なかには、カラフルな付箋紙が貼られている人もいます。
やはり、あの言葉が脳裏をよぎりました。
「ライターほめるに言葉はいらぬ、そっと著書を見せりゃいい」
読者は、寡黙です。
直接、声をかけて来る人は稀です。
でも、いいんです。
ちゃんと僕は気づいていますよ!
そして、お会いできたことを心より感謝しています。
読者様は神様です。
ありがとうございます。
2022年10月22日
公募開始! 「温泉サミット」
≪温泉ファン集い≫
≪講演や情報交換≫
≪12月、みなかみ≫
驚きました!
昨日(21日)の上毛新聞に、記事が載りました。
今年で第3回を迎える 「ぐんま温泉サミット」 の告知記事です。
何に、驚いたのか?
過去2回のサミットは、事後記事でした。
開催当日、記者が会場に来て、取材をして、後日、新聞に掲載されました。
ところが今回は、早くも事前記事が掲載されたのです。
それだけ、認知されたということでしょうか?
これまでのSNSのみでの告知だった 「温泉サミット」 が、ついに一般公募となりました!
常任講師としては、ちょっぴり緊張いたします。
マイナーからメジャーへ?
いえいえ、今まで通り、粛々と群馬の温泉の魅力を伝えていきたいと思います。
初参加の方、大歓迎!
お待ちしております。
第3回 ぐんま温泉サミット IN つきよの
●日時 2022年12月3日(土)~4日(日)
●会場 月夜野温泉 「みねの湯つきよの館」
群馬県利根郡みなかみ町後閑1739-1
●受付 11:00~ (昼食は各自)
●定員 宿泊 25名 日帰り 10名 ※先着順
●会費 ①1泊2食 12,000円 (全国宿泊キャンペーン対象)
②日帰り(夕食付) 5,000円
③日帰り(入浴付) 2,500円
●締切 2022年11月20日(日)
●問合・申込
群馬温泉サミット事務局 (関口) TEL.080-1023-9558 FAX.0270-50-1182
mail kcc@eos.ocn.ne.jp Facebook関口のメッセンジャーにて受付
※「みねの湯つきよの館」では受け付けていません。
〖スケジュール〗
13:00~ 開催あいさつ&旅館女将あいさつ
13:30~ 講演会 (講師/小暮淳 演題/「令和版 みなかみ紀行」)
15:00~ 座談会 (サミット)
16:00~ 自由時間&入浴タイム
17:30~ 食事会 (交流会)
20:00 終了
翌日 朝食後 解散
2022年10月07日
ついに、オンパラ解禁!
♪ あの娘の魅力に 水上(皆カミング)
俺にぁ高嶺の 花敷(はなしき) よ
無理を承知で 老(追い)神すれば
私ゃ人妻 猿(去る)ヶ京
GOGO温泉パラダイス YUYU湯の国ぐんま県
GOGO温泉パラダイス YUYU湯の国ぐんま県 ♪
かれこれ10年以上前から僕は、この唄を歌っています。
『GOGО温泉パラダイス ~湯の国群馬県篇』
通称、「オンパラ」 です。
作詞と作曲は僕で、私的オヤジバンド 「じゅん&クァパラダイス」 が演奏をしています。
CDも制作して、テレビやラジオで流してもらっています。
なぜ、こんな唄を作ったのか?
それは、ただひたすらに群馬への “温泉愛” からであります。
県内各所から 「温泉大使」 の役職を委嘱されている身としては、群馬の温泉のPRに何か貢献できないものかと、1番から6番までの歌詞に県内27温泉地名をダジャレで入れました。
おかげで、バンドでのライブ以外でも群馬の温泉応援ソングとして、さまざまな場面で歌わせていただいてきました。
が!
突然のコロナ禍により、イベントや一切のパフォーマンスが中止となってしまいました。
たとえば、講演会。
コロナ禍でも人数制限をした、アクリル板越しでのマスク着用による講演は開催されたものの、唄を歌うことは、なかなか許可が下りませんでした。
というのも僕は、群馬県内での講演会では必ず最後に、この唄を歌っていたのです。
でも、ついに解禁の時が来ました!
昨日、2年10ヶ月ぶりに、ステージで思いっきり熱唱してきました。
会場は、中之条町の 「ツインプラザ」。
中之条町立中央公民館主催による 「中之条大学」 の講師として、講義をしてきました。
ところが偶然にも、公民館の館長が僕の古い音楽仲間で、しかも! 「オンパラ」 をレコーディングした際にミキサーを担当してくれた人だったのです。
ということは?
「ジュンさん、もちろん、歌ってくださいよ!」
ということで、講演の最後にカラオケに合わせて、思う存分に歌わせていただきました。
あー、気持ち良かった!
やっぱ、講演の締めくくりは、この唄を歌わなくっちゃ、終わった気がしませんって!
館長はじめ職員のみなさん、ありがとうございました。
これより、「オンパラ」 を解禁いたします!
講演等の主催者のみなさんへ
今後は依頼される際に、「オンパラ」 歌唱の是非をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
2022年10月01日
小山温泉 「小暮旅館」
♪ おやま あれま 小山ゆうえんち~ ♪
そう、口ずさみながら、今年もJR両毛線の小山駅に降り立ちました。
3年目、計4回目の “小山詣で” であります。
きっかけは3年前の春。
突然、栃木県小山市の職員を名乗る男性から電話がありました。
「ぜひ、うちで、先生のご講演をお願いしたいのですが?」
なんで、栃木県?
僕は、群馬専属の温泉ライターですぞ?
いいんでしょうか?
すると、
「いいんです!」
と即答。
なんでも、その担当者が温泉好きで、しかも群馬の温泉が大好きで、群馬の温泉に通っているうちに僕の本と出合ったのだと言います。
「ぜひ、生で先生のお話を聴きたいものですから」
と、市民のためではなく、一職員の公私混同、私利私欲のためにスタートしたのが、小山市立中央公民館で開催された 「ほっこり温泉講座」 なる講演会でした。
当初は、一回こっ切りだと思っていた講座ですが、昨年までに3回も開催されました。
そして今年、小山市内の他の公民館から新たな依頼がありました。
というのも、昨年。
小山市の教育委員会から連絡があり、なななんと! 僕が小山市の 「講師・指導者」 に登録されたといいます。
ということで、昨日は早起きをして、両毛線に揺られて、1年ぶりに小山市へ行って来ました。
駅前では、職員が車でお出迎え。
わずか15分くらいの道程ではありますが、ちっぴりVIP気分を味わいました。
今回の会場は、小山市桑市民交流センター 「マルベリー館」。
4年前に開設されたという綺麗で立派な施設でした。
対象は、小山市在住の一般女性。
十数名が受講しました。
群馬県以外で講演をする場合、僕は “正しい温泉の選び方” をテーマにお話をします。
1部では、基礎編。
そして2部では、実地編と題し、シミュレーションしながら架空の温泉旅館を紹介します。
その宿の名前が、今回は、小山温泉 「小暮旅館」。
自然湧出の自家源泉を保有する、自然流下、完全放流の宿であります。
そして僕が、この宿の “湯守” 兼 “番頭” にふんして、館内を案内するというストーリーです。
ことのほか、この話法が受講者には 「面白い」 と好評のようで、僕自身も楽しみながら演じています。
1部と2部で、たっぷり2時間の講演でした。
喉はカラカラです。
腹も空きました。
帰りも職員の方に小山駅まで送っていただき、ロータリーで降りました。
あいさつをして、車の姿が見えなくなるやいなや、すぐさま駅前の居酒屋へ直行!
迷わず、「生ビールを中ジョッキで」 と注文。
ちょっと遅めのランチとなりました。
小山市教育委員会および公民館職員のみなさん、お世話になりました。
また、お声かけください。
いつでも小暮旅館の番頭が、馳せ参じます!
2022年09月27日
温泉サミット IN つきよの
一昨年、昨年と相間川温泉 (高崎市) で開催された 「温泉暖議(サミット)」。
第3回となる今年は場所を変えて、月夜野温泉 (みなかみ町) で開催することになりました。
県内外から温泉ファンやマニアが参加する人気のサミットで、毎回、締め切り日を待たずに定員になっています。
希望者は、早めの申し込みをお願いいたします。
第3回 ぐんま温泉サミット IN つきよの
●日時 2022年12月3日(土)~4日(日)
●会場 月夜野温泉 「みねの湯つきよの館」
群馬県利根郡みなかみ町後閑1739-1
●受付 11:00~ (昼食は各自)
●定員 宿泊 25名 日帰り 10名 ※先着順
●会費 ①1泊2食 12,000円 (全国宿泊キャンペーン対象)
②日帰り(夕食付) 5,000円
③日帰り(入浴付) 2,500円
●締切 2022年11月20日(日)
●問合・申込
群馬温泉サミット事務局 (関口) TEL.080-1023-9558 FAX.0270-50-1182
mail kcc@eos.ocn.ne.jp Facebook関口のメッセンジャーにて受付
※「みねの湯つきよの館」では受け付けていません。
〖スケジュール〗
13:00~ 開催あいさつ&旅館女将あいさつ
13:30~ 講演会 (講師/小暮淳 演題/「令和版 みなかみ紀行」)
15:00~ 座談会 (サミット)
16:00~ 自由時間&入浴タイム
17:30~ 食事会 (交流会)
20:00 終了
翌日 朝食後 解散
2022年09月12日
遺書を抱いた婦人
昨日、講演会について書きましたが、僕には忘れられない出来事があります。
講演やセミナーの会場の大きさは、依頼主によりさまざまです。
市立や町立の中央公民館だと何百人と収容できるホールですが、地区の公民館や企業の会議室だと数十名規模になります。
その忘れられない講演会は、さらに小さい公民館で起こりました。
あれは5年前の桜が咲く頃でした。
場所は前橋市の郊外、集落にある公民館の分館。
といっても、30名も入れば満員になる集会所です。
講演開始すぐに、異様な光景に気づきました。
最前列に座った高齢の婦人の膝の上に、僕の著書が置かれていたのです。
それも、まるで遺影のように表紙をこちらへ向けて、しっかりと両手で握りしめられていました。
婦人の表情も終始、真剣な面持ちです。
講演自体は、きっちり90分で終え、僕は用意された控室へ入りました。
そのときです。
担当職員から声がかかりました。
「先生に直接お会いして、どうしても話をしたいという方がいるのですが?」
部屋を出ると、そこに立っていたのは、先ほどの最前列の婦人でした。
そして、手には僕の著書が2冊握られていました。
『群馬の源泉一軒宿』 と 『ぐんまの小さな温泉』。
古い本なのに、どちらも新品同様に見えました。
ただ新品ではないと、ひと目で分かったのは、2冊ともにおびただしい数の付箋紙が貼られていたからです。
婦人の話は、こうでした。
6年前、ご主人が亡くなられ、遺品を整理していた時に、僕の本を見つけたといいます。
2冊の本には付箋紙が貼られ、要所要所にラインマーカーで線が引かれていたといいます。
付箋紙の貼ってある温泉をみると、知らない所ばかりでした。
ただ1つだけ、ご主人と一緒に行った温泉がありました。
そして、その温泉へ行った直後に、ご主人の病気が悪化して、帰らぬ人になったといいます。
「主人は、この付箋が貼ってある温泉に私を連れて行こうと思っていたようです。でも、実際に行けたのは1つだけでした」
ある日、回覧板の中に、見覚えのある名前を見つけといいます。
そうです、僕の名前です。
この日の講演会を知らせる記事でした。
「もし、主人が生きていたら絶対に先生の講演会に来たと思うんです。だから私が今日、主人の代わりに来ました」
すでに婦人の目には、涙がにじんでいました。
そして最後に、こう言いました。
「サインをいただけますか? 主人の名前で」
ライターという職業に就いたこと、講演活動を続けていることに、誇りを持てた出来事でした。
2022年09月11日
戦争を知らない老人たち
♪ 戦争が終わって ジジババは生まれた
戦争を知らずに ジジババは育った
老人になって 気づきはじめる
平和の歌を くちずさみながら
ジジババの名前を 覚えてほしい
戦争を知らない 老人たちさ ♪
(ジローズ 『戦争を知らない子供たち』 の替え歌)
僕は、かれこれ15年前から講演やセミナーの講師をしています。
企業や自治体、カルチャーセンターからの依頼が多いのですが、需要からか開催の日時は平日の昼間がほとんどです。
ということは講話の対象は、“平日の昼間に時間が自由になる人” = “高齢者” になります。
公民館などのカリキュラムでは、そのままズバリ! 「高齢者教室」 と冠しているセミナーもあります。
15年前は僕も、まだ40代後半でした。
そんな若造が、人生の先輩たちを相手に講釈をぶつのですから、緊張もしました。
「戦争も知らないくせに……」
そんな声が聞こえてくるようで、ハラハラドキドキの中で講話を行っていました。
時はめぐり、僕も “還暦” という大台を越えました。
「高齢者教室」 のほとんどは満60歳以上が対象ですから、聴講者も僕と同世代か少し年上の方々です。
正確に統計を取ったわけではありませんが、僕が見たところ70代が圧倒的に占めています。
60代だと、まだまだ現役の方が多いんでしょうね。
数は少ないです。
また80代の方も時々は見かけますが、やはり少数であります。
ということは、講師の僕をはじめ会場にいるすべての高齢者たちは、完全に “戦争を知らない老人たち” なのであります。
戦後77年の時が過ぎました。
海の向こうでは、いまだに弾丸が飛び交い、戦火が上がっています。
はたして、この国のどれだけの人が、実感していることでしょうか?
あと10年もすれば完全に、“戦争を知らない国民たち” になります。
「だから何だ?」
と思われるかもしれません。
「平和ボケは幸せの証拠だ」
と言う人もいます。
本当なのでしょうか?
平和ボケの代償もあるのではないでしょうか?
いつまでも、この平和が続きますように……
そう願いながら僕は、演壇に立っています。
♪ 年寄りだからと 許されないなら
髪の毛が薄いと 許されないなら
今のジジババに 残っているのは
涙をこらえて 歌うことだけさ
ジジババの名前を 覚えてほしい
戦争を知らない 老人たちさ ♪
2022年07月13日
だからライブは止められない
「『ナニコレ珍百景』 を観ました。浦島太郎の話を楽しみに来ました」
「安住アナのラジオを聴き、絶対に来ようと決めていました」
講演終了後、著書にサインを求められました。
そして、声をかけてくださいました。
昨日、小雨がパラつく中、高崎市民を対象とした講演会が市内の公民館で開催されました。
僕は講師として招かれ、約2時間の講話を行いました。
演題は 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の裏舞台』
今回は、ちょっとした異変がありました。
平日の昼間開催の講演会の場合、聴講者のほとんどは、時間が自由になる高齢者です。
ところが昨日は、数名ですが、若い人の顔がありました。
若い、といっても30~40代とおぼしき人たちです。
そして彼ら彼女らは、講演終了後、すぐには退場せず、会場に残り、僕との会話の機会をうかがっていました。
実は、この時間が僕にとって、至福の時なのであります。
ひと言で言えば、“読者と触れ合える時間” だからです。
「ツイッター、フォローしています」
「『ちいきしんぶん』 の記事、読んでます」
どこかで、誰かが、僕の文章を読んでくださっていることは知っていても、どんな人かは分かりません。
でも、講演という “ライブ” は、直接、著者と読者が顔を合わせ、話ができる唯一の場なのです。
(ミュージシャンがライブを大切にする気持ち、よーく分かります)
30代の女性は、
「いつか絶対、講演を聴きに来ようと思っていました。今日の開催を知って、平日でも 『この日なら行ける』 って楽しみにしていたんです」
そんな言葉を聞いたら、ライブ活動を止めるわけにはいきませんって!
次は、あなたの町へ行きます。
お会いできる日を楽しみにしています。
2022年07月03日
高崎市民対象の講演を行います
演題は 「ぐんま謎学の旅~民話と伝説の裏舞台」
副題は 「99%の嘘と1%の真」
2018年8月に 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) を出版して以降、群馬県内の公民館から講演を依頼されることが増えました。
温泉でなく、民話?
そうなんです。
でもね、不思議なことはありません。
温泉の湧くところ、必ずや神様が祀られ、伝説が生まれ、民話として残されています。
しかし、その99%は創話です。
では、根も葉もない作り話なのか?といえば、そんなことはありません。
必ず1%の真実が、どこかに隠されています。
先人たちは、後世に何を伝えようとしたのか?
ぜひ、みなさんと一緒に謎を解き明かしてみたいと思います。
講演 「ぐんま謎学の旅~民話と伝説の裏舞台」
●会場/高崎市片岡公民館 (片岡町3-4-9)
●日時/2022年7月12日(火) 10:00~12:00
●対象/高崎市在住の人
●定員/25名
●申込/事前申し込み不要 (当日受付、先着順)
●料金/無料
●講師/小暮淳 (フリーライター)
●問合/高崎市片岡公民館 TEL.027-322-7491
2022年05月31日
コロナ明けの予感
新型コロナウイルスの感染拡大が始まったのは、確か、2020年の2月だったでしょうか。
一気に世界中が “自粛ムード” に包まれました。
まっ先に影響を受けたのは、“不要不急” と称された観光業や飲食店でした。
当然ですが、僕のようなフリーランスで働くライターも、この不要不急業種に入っていました。
すべての取材がキャンセルとなり、暗黒の時代へと突入しました。
僕の収入源は、大きく分けて2つ。
取材をして原稿を書く 「執筆」 と、講演やセミナーに招かれる 「講師」 です。
執筆は、コラムやエッセーならば人に会わずに原稿を書くことができますから、細々ながら仕事はありました。
でも、不特定多数を前に話をする講師は、2020年の1月を最後に、その年の予定は一旦、すべてキャンセルもしくは延期となりました。
コロナ以前、僕は年間約30回の講演・セミナーに呼ばれて、講師をしていました。
それが2020年はリモートを含め、7回でした。
それでも、あのコロナ禍に、定員を縮小して、万全の対策を施しながら開催してくれた主催者があったことは、大変感謝しております。
緊急事態宣言、まん延防止重点措置……
私たちは、それまで人類が経験したことのないような世界規模での自粛を強いられました。
ワクチンも3回打ちました。
いったい、いつまで続くのでしょうか?
それでも2年目の昨年は、おかげさまで15回(13会場)の講演がありました。
どの会場でも定員を縮小し、徹底した対策が行われていました。
あまりにも長引くコロナ禍で、人々は閉口しながらも着実に知恵を付け、模索しながら新たな展開を見つけています。
少しずつですが、僕の日常も戻りつつあります。
ここに来て、大きな変化がありました。
延期されていた講演に加え、新規の依頼が一気に入って来ています。
今月だけでも4本の予約が入りました。
内訳は、県内3、県外1。
この調子で行けば、今年はコロナ前の数に戻りそうです。
きっと、みなさん、予想以上に続くコロナ禍に辟易し、嫌気がさしているんでしょうね。
「前のように、自由に、好きなところへ行きたい!」
そんな心の叫びが聞こえてくるようです。
主催者側は万全の対策のもと、みなさんのお越しをお待ちしています。
僕も楽しくてためになる温泉や民話の話を用意して、お迎えします。
さあ、元気を取り戻しましょう!
コロナの夜明けは、近いぞ!
2022年05月11日
「ささの湯 オフ会」 宿泊満員御礼!
今週末、群馬県片品村で開催される1泊2日の温泉合宿 『第1回 ささの湯で小暮淳さん講演会&オフ会』。
おかげさまで、交流会 (夕食) 付きの宿泊参加は定員になりました。
御礼申し上げます。
※(詳しくは、当ブログの2022年3月29日 「温泉好き集まれ!」 参照)
「それでも参加したい」 という方へ
日帰り参加のみ受け付けています。
●講演・お話会/5月14日(土) 14:00~15:30
●参加費/受講料+入浴料=1,000円
たくさんの方のお越しをお待ちしています。
<予約・問い合わせ>
幡谷温泉 「ささの湯」 TEL.0278-58-3630 (担当/荒井)
群馬県利根郡片品村幡谷535
2022年04月02日
一番好きな温泉はどこですか?
「ほら、平成元年に 『ウィッシュ!』 (DAIGO) のおじいちゃんが1億円を全国にばらまいた 『ふるさと創生事業』 というのがあったでしょう!?」
そう言っても反応がありません。
キョトンとしている人がほとんどです。
「あっ、そーか! キミたち、平成生まれなんだね!?」
昨晩、某組合主催による温泉講座が開催され、その講師を務めてきました。
終業後の午後5時40分から7時10分までの90分間。
三々五々、ビル2階の研修室に老若男女が集まって来ます。
と思ったら、圧倒的に若い人が多い!
担当者に訊ねると、参加者は20~50代だそうです。
「60歳以上は?」
「いません」
ですよね~、終業後の講座ですものね。
現役職員が対象の講座でした。
この1、2年は講演やセミナーの回数が減りましたが、コロナ禍以前は年間30回~の講師をしていました。
でも、その半数以上が市町村の公民館主催による高齢者教室だったのです。
よって、受講生の対象は60歳以上。
実際に会場にやって来る人は、ほぼ70歳以上であります。
なので、講話もついつい、お年寄り受けする内容やトークになっていました。
いや~、若いって素晴らしい!
何が素晴らしいかって、聴く姿勢が違います。
ちゃんと僕の目を見て聴いているし、メモも取っています。
真剣さが伝わってきました。
いえいえ決して、お年寄りが違うっていうわけではありませんよ。
ただね、なんとなくですけど、「暇だから来た」 的な人って、多いんですよ。
もちろん、ちゃんと聴いてくださる人もいますが、昼寝をしに来ている人がいるのも高齢者の特徴です。
「休憩は入れますか?」
と僕が問えば、
「いえ、無しでお願いします」
と担当者。
この会話も新鮮でした。
90分以上の講話の場合、必ず途中に休憩 (トイレタイム) を入れるのが、高齢者対象の必須です。
そうじゃないと、途中でバラバラと席を立たれてしまいます。
このへんが、若い人と高齢者の一番の違いでしょうかね。
大きな講演会でない限り、講話終了後には必ず 「質疑応答」 の時間があります。
司会者が、「何か先生に訊きたいことはありますか?」 と問いかけます。
今回、この時間でも驚くべき異変がありました。
手を挙げた20代の男性が、こう言いました。
「先生の一番好きな温泉は、どこですか?」
こんなことを訊かれたのは初めてです。
これが高齢者の場合だと、こうなります。
「一番いい温泉を教えてください」
“いい温泉” と “好きな温泉”
似ているようで、非なるものであります。
高齢者は、必ずと言って “いい温泉” を訊ねてきます。
残り少ない人生、せっかく温泉に行くなら一つでも多く “いい温泉” に入りたいということでしょうか?
でも、“いい温泉” の価値判断は人それぞれです。
僕の価値を一方的に押し付けることはできせん。
だから僕は、いつもこの質問には答えません。
でも 「好きな温泉はどこですか?」 と訊かれたら、これは答えないわけにはいきません。
だから僕は、その男性に、こう訊きました。
「お湯ですか? 宿ですか? それとも女将ですか?」
会場に、ドッと笑いが起きました。
そして、彼の質問に答えました。
さて、まん延防止も解除され、いったん中止や延期になっていた講演やセミナーの依頼が戻りつつあります。
桜も咲いて、外へ出かけるのにも絶好の季節となりました。
次は、どの街で、どんな人たちが待っているのでしょうか?
お会いできる日を楽しみにしています。
2022年03月29日
温泉大好き集まれ!
【幡谷温泉 ささの湯】
泉質は無色透明のアルカリ性単純温泉。トロンとした肌に張り付くような浴感は、実に滑らかだ。それだけで美肌効果があることがわかる。何よりも浴槽の縁全体からザバザバと滝のようにあふれ出ている湯量に驚かされる。毎分約260リットルという豊富な湯を、たった一軒で使い切っているとは、なんと贅沢なことだろう。
(『尾瀬の里湯』 より)
年末に相間川温泉 (高崎市) で開催されている 「温泉暖議(サミット)」。
毎年、締め切り日前に定員になる人気ぶりです。
僕は、このサミットの講師をしています。
昨年、参加者から 「ぜひ、オフ会を開きたい」 との提案がありました。
しかも、その中に温泉宿の女将さんもいました。
「開催が実現したら来てくださいますか?」
との打診に、「もちろん」 と快諾しました。
先日、一枚のチラシが届きました。
≪温泉大好き集まれ!≫
≪第1回 ささの湯で小暮淳さん講演会&オフ会≫
そして、こう書かれていました。
<温泉ライターの小暮淳様をお招きして講演会と、温泉大好きな仲間たちとのオフ会を開催します。会場である片品村の温泉旅館 「ささの湯」 の歴史や誕生秘話、周辺温泉のお話をしていただきます。>
ということで、1泊2日の温泉合宿をすることになりました。
もちろん、温泉が大好きな人なら誰でも参加できます。
気軽に問い合わせ、申し込みください。
それでは当日、幡谷温泉で待っていま~す!!
第1回 ささの湯で小暮淳さん講演会&オフ会
●日時 2022年5月14日(土)~15日(日)
●場所 幡谷温泉 「ささの湯」 (群馬県利根郡片品村幡谷535)
●定員 先着15名
●料金 11,000円 (飲み物代別途/おすすめの逸品持ち寄りOK)
●問合・申込 幡谷温泉 ささの湯 TEL.0278-58-3630 (担当/荒井)
※宿泊限定企画ですが、日帰り参加も可 (要問合)
※コロナ感染状況により、中止する場合があります。ご了承ください。
〖スケジュール〗
11:00~入浴可 (ランチ弁当500円あり。要事前申込)
14:00~15:30 講演&お話会 (休憩あり)
15:30~17:00 入浴タイム&自由時間
17:00~19:30 夕食会 (交流会) ※BBQまたはビュッフェ
19:30~ 二次会&自由時間
翌日8:00~ 朝食後解散 (記念撮影)
2022年01月14日
ライブは楽し
僕は、昔からライブが大好きなんです。
もちろん、見る側ではなく、演じる側です。
若い頃、東京のライブハウスやストリートで、ギター両手にミュージシャンを気取っていました。
詞を書いたり、曲を作ったりすることも好きでしたが、何より人前でパフォーマンスをすることが楽しくて仕方なかったんですね。
何が楽しいかって、人間観察ができるからです。
歌いながらお客さん一人一人の顔の表情を見るのが好きでした。
夢は破れて、時は流れ、僕はライターという職業に就きました。
もちろん、文章を書くことが好きだからなったのですが、それよりも僕を夢中にしたのは取材でした。
人に会い、話を聞く、というライブ感がたまりません。
ライターという職業は、このコツコツと執筆する 「静」 の部分と、取材に飛び回る 「動」 の部分を併せ持っているんです。
これが、この職業の一番の魅力だと思います。
15年ほど前から、これに 「講話」 というライブが加わりました。
いくつも本を出版しているうちに、講演やセミナー、講座の講師としての依頼が飛び込んで来るようになったのです。
ライブ好きの僕としては、願ったり叶ったりです。
しかも、好きなことをして講師料までいただけるのですから、こんな幸せなことはありません。
なんだか最近は、このライブ感が欲しくて、そのために文章を書いているような本末転倒した自分さえいます。
それほどに、この講話というやつは、僕を夢中にさせます。
では何で僕は、そこまでして演じるのでしょうか?
その答えなら、分かっています。
書けなかったことを話したいからです!
文章には限界があるんです。
ページや文字数の制限もありますし、倫理的な制約もあります。
知っているのに書けないもどかしさは、募る一方です。
誰かに話したい、どこかで発散したいという欲求を満たしてくれる格好の場が、講演やセミナー、講座などのライブ会場だったのです。
だからライブが終わった後の僕は、いつも達成感と解放感に満ち溢れます。
昨日、高崎市内で今年最初の講演会がありました。
定員満席の聴衆を前に、民話や伝説の舞台裏について、たっぷり2時間のライブを演じました。
もちろん、本では書けなかったナイショの話をたくさん吐き出してきました。
あ~、スッキリした!
やっぱり、ライブって楽しいですね。
2021年11月17日
大泉町のみなさんへ
なんともハードなスケジュールでした。
“4日間×1日2回=計8講演”
の最終日が、昨日、無事に終了しました。
群馬県邑楽郡大泉町の教育委員会主催による令和3年度 「いきいき元気塾」。
10月中旬から11月中旬の1ヶ月間に、町内全地区の60歳以上の住民を対象に開催されました。
コロナ前でしたら対象住民を4分割で行えたのですが、密を避けるため1回30~40人の定員となったため倍の8回講演となった次第です。
会場は 「大泉町公民館」 と 「大泉町文化むら」。
僕の住む前橋市からは車で約1時間半かかります。
それを4日間通い、午前の部と午後の部の講演を繰り返し行いました。
演題は 『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の裏舞台~』
拙著 『民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん) をベースに、群馬県内に伝わる民話や伝説だけでなく、身近な言い伝えや伝承、風習などについてもお話しさせていただきました。
もちろん聴講者は毎回変わりますので、同じ話を繰り返しすれば良いのですが、それでは話し手の方が飽きてしまいます。
ので、毎回、「次は、“まくら” の部分をちょっと変えようかな」 とか、「前回のあの話はいらなかったな」 などと少しずつですがマイナーチェンジしながら、本人も飽きないように創意工夫しながら全8回の講演を終了しました。
実は僕、毎回、大泉町へ行くのが大変楽しみだったんです。
その理由は、3つ!
1つ目は、昼食のお弁当。
用意してくださるお弁当が毎回 (製造元) 違うんです。
しかも、すべて味のレベルが高い!
午前の部が終わり、楽屋に戻ると置いてある弁当の包みを開くのが楽しみとなりました。
2つ目は、スタッフの笑顔。
教育委員会の担当者は、2人とも女性です。
歳の頃は……分かりませんが、お2人とも、よく笑います。
マスクで顔の半分は隠れていますが、それでも笑顔の素敵な人は分かりますよね。
お会いするだけで、心が和みました。
そして3つ目!
もちろん、大泉町の町民のみなさんにお会いできることです。
とにかく、みなさん真面目で、熱心です。
僕の話に、笑うところでは、しっかり笑ってくださいますし、それ以外の時は、真剣にメモを取っています。
そして何よりも楽しみは、講演終了後にロビーで触れ合いながら聴講者らから直接、感想が聞けることです。
「楽しかったです」 「ためになりました」 「今度、民話の舞台を訪ねてみます」 などなど……
なかには 「もっと聴きたかったです」 「また講演をしてください」 と熱烈歓迎してくださった人もいました。
大泉町のみなさん、大変お世話になりました。
そして、ありがとうございました。
また、会いましょう!
2021年11月14日
著者に会う
とっても楽しい2日間でした。
昨日、『第2回 相間川の温泉暖議(サミット)』 が、群馬県高崎市倉渕町の相間川(あいまがわ)温泉 「ふれあい館」 で開催され、無事に閉幕しました。
参加された20名の方々、お疲れさまでした。
そして、大変お世話になりました。
実は僕、レギュラーパネリストでありながら今回は、ちょっとミーハー気分で、ワクワク、ドキドキしながら当日を待ち望んでいました。
というのも、今回のゲストパネリストが凄かった!
温泉ファンならば、ご存じの方もいると思いますが、今から23年前に出版されたベストセラー 『温泉の医学』 (講談社現代新書) の著者で医学ジャーナリスト・信濃毎日新聞特別編集委員の飯島裕一先生が、参加され、しかも基調講演までされたのです。
『温泉の医学』 といえば、温泉好きにとっては必読の書!
当然、僕の書架には、常に手の届くところに置かれている “バイブル” であります。
さらに8年前 (2013年) に出版された 『温泉 とっておきの話』 (海鳴社) などは、もう何度、繰り返し読み込んでいることか……
そんな、僕にとってはカリスマのジャーナリストが、サミット会場で席を並べて、互いに基調講演を披露するという、なんとも夢のようなひと時を、過ごしてまいりました。
第1部の 「シンポジュウム」 で飯島先生は、「〇〇の湯の秘密」 と題して、プロジェクターを使いながら、全国、そして世界の効能豊かな温泉を科学的、医学的に分析した話をしてくださいました。
僭越ながら、後を継いで僕もマイクを取らせていただきました。
今回の僕の講演タイトルは、「温泉発見伝説~群馬の御三家~」。
日本武尊、弘法大師、源頼朝ゆかりの温泉地について、お話をさせていただきました。
講演後のパネルディスカッションでは、もう、僕は先生の “ただのファン” であります。
聞きたいことがあり過ぎて、本題からそれてしまうのを承知で、矢継ぎ早に質問をしてしまいました。
先生は、その都度、懇切丁寧に、しかも素人にも分かりやすい言葉で、回答してくださるのでした。
第2部の 「温泉暖議」 では、参加者全員の自己紹介から始まりました。
群馬県内はもとより、東京都や千葉県から参加された人もいました。
また、「勉強のために」 と県内の温泉旅館の女将さんも参加されていました。
シンポジュウムから意見交換会まで、全3時間半にわたる熱い熱い温泉談議となりました。
ほとんどの方が宿泊ですから、入浴の後の食事会では、掘りごたつ式の畳の部屋に集まり、美味しい料理と酒に舌鼓を打ちながら、これまた熱い熱い温泉談議が!
当然、食事会場だけで話は尽きるわけがなく、一行は二次会場へ!
ミーハー気分の抜けない僕は、この時とばかりに先生の前に陣取り、日本酒を差しつ差されつ、夜が更けるまで夢見心地で温泉話に酔いしれたのでありました。
飯島先生、ありがとうございました。
参加された方々、ありがとうございました。
主催者のみなさん、大変お世話になりました。
また来年、この会場でお会いしましょう!