温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2025年02月06日

やっぱり他県民も 「温泉といえば群馬」 だと思っているらしい


 今年は、なんだか、いつもと様子が違います。
 何のことかって?
 ええ、講演会の依頼です。

 僕の場合、群馬の温泉限定で話をしているので、ほぼほぼ依頼主は群馬県内の自治体からなんです。
 まあ、数年に1回くらい県外からの依頼もありますが、ほとんどが企業からでした。

 ところが……


 昨年内から県内での講演依頼は、いくつか入っていたのですが、年が明けてから異変が起こりました。
 なんと、立て続けに県外からの依頼が2件も入ったのです。
 しかも、自治体と団体からです。

 さて、困りました。
 何をお話しすれば良いのでしょうか?


 でもね、心配は無用のようです。
 以前から僕は、言ってますよね。
 「群馬といえば温泉」 なのではなく、「温泉といえば群馬」 なのだと!

 実際、講演した県外企業からは、直接 「温泉といえば群馬じゃないですか! ぜひ、群馬の温泉の話を聞かせてください」 との声をいただきました。
 講演内容の打ち合わせは、これからなのですが、たぶん今回も 「温泉といえば群馬」 という理由で、僕に依頼が来たのだと思います。


 群馬県民のみなさ~ん!
 もっともっと自信をもって大丈夫ですよ!
 胸を張って、自慢してください。

 「温泉といえば群馬」 だって!
   


Posted by 小暮 淳 at 11:27Comments(0)講演・セミナー

2024年11月28日

鬼も笑う2つの特典


 今年も、だいぶ押し迫ってきました。
 来週は、もう師走です。
 そろそろ、今年の総決算をする時期になりました。

 と、思っていたら、“鬼が笑い” 出しました。
 「来年の事を言えば鬼が笑う」
 なんて言いますが、僕的には大歓迎であります。


 ここに来て、立て続けにバタバタと、講演の依頼が飛び込んで来ました。
 それも、あまり今までにはなかった依頼先です。
 1つは、博物館。
 もう1つは、文化センターです。

 どちらも大きな会場なので、今からとっても楽しみです。


 どちらもの依頼も、お受けしたのですが、日程やテーマなどは、まだ未定です。
 これからの打ち合わせで決めるのですが、問題はテーマです。
 依頼は受けたけど、さて、講演内容は?

 現在、僕の講演内容は、大きく分けて2つ。
 著書のある 「温泉」 と 「民話」 です。
 でも依頼主の希望によっては、「地酒」 や 「介護」 をテーマに話をしたこともあります。
 マニアックなところでは、「歌人・若山牧水」 「テレビ出演の裏話」 なんていうテーマもありました。
 まあ、大方は 「温泉」 か 「民話」 なんですけどね。


 で、「温泉」 と 「民話」 をテーマにした講演では、それぞれ特典 (サプライズ) を用意しています。

 「温泉」 では、講演の最後に、カラオケに合わせて、オリジナルの温泉ソングを歌います。
 「民話」 では、地元民話のオリジナル紙芝居を口演します。
 毎回、このサプライズに大変よろこんでいただいています。


 さて、来年は、どんな町のどんな人たちと触れ合えるのでしょうか?
 鬼さんと一緒に、笑いながら新しい年を迎えたいと思います。 
  


Posted by 小暮 淳 at 11:08Comments(2)講演・セミナー

2024年10月25日

R指定解除の健全講座


 講演はライブである。

 常々僕は、そう感じています。
 予測不能な放送事故が起きるのも、ライブの醍醐味です。


 芸人は、テレビではやれないネタを舞台で披露するといいます。
 それは、テレビには放送コードというものがあり、あらかじめネタに制限がかかっているからです。
 講演も、しかり。
 テレビやラジオ、新聞、雑誌では話せない、書けないネタを披露できる場なのであります。

 僕の場合、温泉や民話をテーマにした講演では、本に書けなかったネタを時々、裏トークとして披露しています。
 たとえば、混浴のチン事件や子宝の湯にまつわるチン騒動など。
 また民話や伝説の中には、おぞましい尊属殺人やエロティックな昔話があるのです。

 これが話せるのは、ライブだけです。


 昨日、高崎市内某所にて 「群馬の温泉学講座」 と題して、講演を行ってきました。
 大変盛況で、たくさんの方々に聴講していただきました。
 このブログの読者も何人か来ていましたね。
 県外から来てくれた熱烈な読者もいました。
 ありがとうございました。

 ここまでは、僕にとっては想定内でした。
 と、と、ところが、思わぬサプライズが発生しました。
 (アクシデントではありません)


 「今日は、学生たちが研修で参加しますので、よろしくお願いします」
 会場に着くなり、施設の担当者に言われました。
 「学生?」
 「はい、近くの看護専門学校の生徒さんたちです」

 なんと、その数、25名!


 そーなんです。
 今回の講演は、参加者に年齢制限がなかったのです。

 さて、困ってしまいました。
 聞けば、すべて女子。
 しかも年齢は、18~19歳とのことです。

 アチャ―!
 マイッタ!

 どうする?
 長年、20歳以上限定のR指定で講演を行ってきた僕としては、一瞬、金縛りのように固まってしまいました。


 あの話は、まずいよな?
 あれもヤバいでしょ?
 あのくらいなら大丈夫かも?

 もう、講演中も僕の頭の中は、モヤモヤが離れません。


 それでも、なんとか下ネタを回避しながら2時間の講演を無事終えることができました。
 なんだか気の抜けた炭酸飲料のようになってしまいましたが、みなさん、満足していただけたでしょうか?

 もし、スパイスが足りなかったという方がいましたら、ぜひ、次回はR指定の会にお越しください。
 その時は、ギラギラのエロエロなネタを用意しておきます。
   


Posted by 小暮 淳 at 10:54Comments(3)講演・セミナー

2024年10月10日

冷たい雨の日に


 一昨日、10月8日は二十四節気の一つ 「寒露(かんろ)」 でした。
 冷たい露が下りて、冷え込みが増す時季とのこと。
 まさにその通りの日々が、始まりました。


 昨日は前橋市内の会議所にて、温泉をテーマにした講演会があり、僕は講師として壇上に立ちました。
 主催は、町の社会福祉協議会。
 町内に回覧版が回ったこともあり、申込者は50名以上もあったとのことです。

 ところが昨日は、朝からの雨。
 しかも大降りです。
 気温は17度。
 会場へ向かう車の中で、せわしなく動くワイパーを見ながら、ため息をついてしまいました。
 すべてのイベントは、天候に左右される……


 「おはようございます。お待ちしておりました。今日はよろしくお願いいたします」
 自治会長の出迎えを受け、会場内へ。
 すでに受付が設けられていて、スタッフが2名、手際よく講演会の配付資料をセッティングしていました。

 「よろしくお願いします。あいにくの雨ですけど」
 今度は僕から声をかけました。
 「ええ、欠席者が増えるかもしれませんね」
 と一人が答えると、もう一人が、
 「K町の人はまじめな人が多いから、雨でも来ると思いますよ」


 午前10時、開演。
 開けてみれば、なななんと! 来場者は60名を超えていました。
 なんでも、予約なしに当日参加した人が何人もいたとのことです。

 「えっ、この雨にもかかわず」
 驚く僕に、会長は、
 「はい」
 「ありがたいことですね」
 「先生の人気ですよ(笑)」


 途中、10分間の休憩をはさんだものの、たっぷりと2時間にわたる講演を終えることができました。

 「温泉に行きたくなった人?」
 講演終了後、司会者が訊くと、
 「ハーイ!」
 と全員が手を挙げていました。

 ジーンと胸に込み上げて来るものがあります。

 ああ、温泉ライターをやっていて良かった。
 講演活動を続けてきて良かった。
 一人でも多くの人が温泉の魅力を知って、温泉に行ってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。

 「入って残そう、群馬の温泉」
 これからも僕は、そう語り続けていきます。


 次は、あなたの町へ行きます。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:06Comments(0)講演・セミナー

2024年08月23日

毒団子は嫁に食わすな


 民話や伝説をテーマにした講演で、よく僕は、言い伝えや迷信の話をします。
 子どもの頃に、オフクロや祖母から言われた、意味の分からない言葉です。

 たとえば、「夜中に爪を切ると親の死に目に会えない」 「霊柩車を見たら親指を隠せ」 「夜、口笛を吹くとヘビが来る」 などなど。
 昔の人は、いったい何を伝えようとしていたのか?
 民話や伝説同様、とっても興味があります。


 こんな話もします。
 「秋茄子は嫁に食わすな」

 現代では、秋口のナスはおいしいから、息子を奪った憎き嫁になんかに食べさせたくはないという意地悪な姑の気持ちという説と、反対に、秋のナスは体を冷やすからと嫁の身を思う、やさしい姑の気持ちとする2通りに解釈されています。
 でも科学的な根拠はなく、実際のところは意味不明のようです。


 が!
 僕は調べました。
 これも一説にしか過ぎないのですが、かなり信憑性の高い出典にたどり着きました。
 それは、鎌倉時代の和歌集 『夫木和歌抄』 に収録されている、こんな歌です。

 ≪秋なすび 若酒 (わささ) の粕につきまぜて 夜目 (よめ) にはくれじ 棚におくとも≫


 語訳すれば、「酒粕に漬けた秋ナスをおいしくなるまで棚に置いておくのはよいが、ネズミに食べられないように注意をしましょう」 という意味のことが詠まれています。
 そうなんです!
 夜目 (よめ) とは、ネズミのことだったんですね。

 たぶん、後世の人が面白がって、夜目と嫁をかけて、ダジャレで作った言葉が、いつしか意味を変えて、ことわざのように現代にまで伝わったのではないでしょうか。


 先日の講演でも、この話に触れました。
 すると講演終了後に、一人の若い女性が僕に話しかけてきました。

 「今日の先生の話を聞いて、納得しました」
 と言うのです。
 何のことかと訊けば、“よめ” にまつわる話でした。
 昔、彼女が聞いた話とは……


 ある男が、知り合いから団子(だんご)をもらいました。
 「これをヨメに食わせな」
 と言って、手渡されたといいます。
 その男は家に帰り、言われたとおり、嫁に団子を食べさせました。
 すると嫁は、もがき苦しみ、死んでしまいました。

 「この話って、夜目と嫁を勘違いした話だったんですね。やっと意味が分かりました。ありがとうございました」
 と礼を言って、若い女性は僕の著書を購入して帰りました。


 嫁が食べた団子は、ネズミ駆除用の毒団子だったのです。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:54Comments(0)講演・セミナー

2024年08月21日

恐るべし! 風っ子旋風


 子ども新聞だからと、あなどっていました。


 昨日は高崎市内の公民館で、講演を行なってきました。
 講演開始前、館長のあいさつがありました。
 そのとき館長の手には、見覚えのある新聞が……

 先日の日曜日に、上毛新聞より発行された週刊 『風っ子』 です。


 館長は、僕のプロフィールとともに著書などを紹介してくれましたが、その際、『風っ子』 にも触れました。
 「すでに見た人もいると思いますが、こんなに大きく出ています」 と。
 『風っ子』 の記事内容が民話と伝説についてで、この日の講演のテーマも民話と伝説だったので、紹介したんでしょうね。

 でも、これって、子ども新聞ですよ。
 小学生~中学生を対象に編集されている新聞です。
 だから記事は、全文にルビがふられています。
 大人が読んでいることに、少し驚きました。


 僕は取材を受けた当初、正直 「子どもしか読まないんだ」 と思っていました。

 しかし、<風っ子を見た> と掲載日にメールをくれたのは50代の知人でした。
 また同じ日には、先月行なった講演先の主催者からもメールが届きました。
 <風っ子を拝見しました。小暮様の笑顔の写真と伝説の紹介が載っていました。いろいろご造詣の深さをあらためて感じさせていただきました。>

 と思えば、昨晩。
 久々に行きつけの呑み屋へ行くと、カウンターにいた先客が、「小暮さん、見ましたよ!新聞に大きく載っていましたね」 と、またしても 『風っ子』 の話題であります。


 恐るべし! 『風っ子』。
 まだ、しばらく、風っ子旋風が吹き荒れそうです。 
  


Posted by 小暮 淳 at 09:06Comments(0)講演・セミナー

2024年08月13日

仙吉に抱きついた豆腐屋のおかみさんは、なぜ突然、死んでしまったのか?


 奇妙奇天烈な話です。

 JR高崎線 「倉賀野駅」 をはさんで、2つの寺院があります。
 養報寺と永泉寺です。
 どちらの寺にもムジナの話が伝わりますが、「むさしや豆腐店」 が登場するのは、養報寺に伝わる 『かみそりムジナ』 という民話です。


 明治時代になって間もない頃のこと。
 倉賀野よりも高崎寄りにある矢中 (現・矢中町) の若者たちが肝だめしをすることになりました。
 「倉賀野の養報寺の雑木林を抜けて、豆腐屋で油揚げを買って帰ってくるってぇのはどうだ?」
 「そりゃ、おもしれぇ。やってみんべぇ」
 ということになり、一番手の仙吉という若者が出かけて行きました。

 仙吉が豆腐屋までたどり着くと、店内では夫婦げんかの真っ最中。
 油揚げを買うことはあきらめて、養報寺まで引き返したときでした。
 さっきの豆腐屋のおかみさんが、 「助けて~!」 と髪を振り乱しながら仙吉に抱きついてきました。
 そして、突然、息絶えてしまいました。

 このあと、さらに仙吉の身に災難は続きます。
 その結末は、いかに?
 (続きは、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 をお読みください)


 昨年9月、民話に登場する豆腐店が閉店するというニュースが飛び込んで来ました。
 知らせをくださったのは、倉賀野公民館の職員Nさんでした。
 その数日前に、僕は同公民館で講演を行いました。
 講演の演題は 「“みなかみ紀行から見る” 牧水が愛した群馬の地酒と温泉」 という、やや硬めのテーマでしたが、その時、地元・倉賀野に伝わる民話の話を少しだけしたのです。

 Nさんは、そのことを覚えていて、わざわざ連絡をくれたのでした。
 さらに、「ぜひ、今度は民話をテーマにした講演をお願いします」 と依頼されました。


 ということで来週、民話と伝説一色の摩訶不思議な話を、たっぷり2時間いたします。
 興味と時間のある方は、ご参加ください。



    『“民話と伝説の舞台裏” 「倉賀野のムジナ」 ほか』

 ●日時  2024年8月20日(火) 10:00~12:00
 ●会場  高崎市倉賀野公民館 3階ホール
        (高崎市倉賀野町1691-1)
 ●対象  高崎市内在住の成人
 ●定員  30人
 ●費用  無料 (筆記用具、飲み物は持参)
 ●講師  小暮 淳 (フリーライター)
 ●問合・申込  高崎市倉賀野公民館 TEL.027-346-2214
  


Posted by 小暮 淳 at 11:17Comments(0)講演・セミナー

2024年07月24日

黒髪の思い出


 <10年以上前の若い小暮さん>

 そんなコメントが記されたメールが届きました。
 送信者は、この数年、公私ともに大変お世話になっているSさんという方からです。
 メールには、写真が2点添付されていました。

 開いてみて、ビックリ仰天!
 それは、若かりし頃の僕の写真でした。
 といっても、たかだか10年ちょっとです。
 なのに 「若い!」 と思ってしまったのは、写っている僕の頭髪が黒いからです。


 やっぱ、髪の毛が黒いだけで、人は若く見えるのですね。
 だから僕も当時は、せっせと毛染めをしていたのです。
 でも、ある日突然、「やーめた! あるがままで生きる」 と宣言。

 7~8年前からは、現在の白髪スタイルを通しています。


 ていうか、なんでSさんが、こんな古い僕の写真を持っているのでしょうか?
 僕がSさんと知り合ったのは、数年前です。

 と思い、写真をよーく見てみると、写された場所は、どこかの講演会場のようです。
 マイクを持った僕が、なにやら熱く語っている姿が写っています。
 かれこれ15年以上も前から講演活動を行っていますから、このような写真が撮られていても不思議はないのですかが……


 さっそくSさんに聞いてみました。
 すると、
 「ええ、たまたま写真のデータを整理していたら、古い小暮さんの写真が出てきたものですから、貴重だと思い、送らさせていただきました」
 とのこと。

 なんでも、僕と個人的に知り合う前に、一読者として僕の講演会を聴講したことがあったのだといいます。
 Sさんからは、今まで一度も、そんな話は聞いたことがなかったので、大変驚きました。


 へー、そんなこともあるんですね。
 その昔、僕の講演を聴いてくださった人が、今は身近にいて、僕に関わるイベント等の企画や開催をしてくださる立場にいるなんて……
 縁は異なもので、なんとも不思議なものであります。

 Sさん、貴重な写真をありがとうございました。
 おぼろげながら、いつ頃で、どこの会場だったかも思い出しました。


 この夏も、まだまだ講演があります。
 きっと、その一つ一つが思い出として残っていくんでしょうね。
 楽しみです。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(0)講演・セミナー

2024年07月23日

アメちゃんのごほうび


 気温38℃
 ウソだろー! 大丈夫かい!?

 昨日、うだるような猛暑の中、高崎市北部の公民館へと向かいました。
 僕のポンコツ車は、外気が35℃以上になると、途端にエアコンの効きが悪くなります。
 汗だくになりながら、会場に到着。


 シーーーーーン

 灼熱の太陽を浴びた真昼間の駐車場には、一台も車は停まっていません。
 「だよね。大丈夫かな?」
 心配になりながら、建物に入りました。


 キンキンに冷えた大会議室では、職員が開演の準備をしています。
 「大丈夫ですか? この暑さ? 人、来ますかね?」
 僕は恐る恐る訊きました。
 だって、今回の聴講対象者は60歳以上の高齢者なんです。
 万が一、熱中症で倒れられたりしたら……

 さにあらず職員は言うのでした。
 「はい、みなさん元気ですから来ますよ」


 その通り、開演15分前には30人以上の老男女たちが集まりました。
 
 『民話と伝説の舞台』
 これが、演題です。
 温泉ネタと並行して、著書と同タイトルの講演も行っています。

 この日の講演は90分間。
 途中、5分間の休憩をはさみます。
 トイレと水分補給タイムです。


 「先生、ごくろうさま。はい、これ」
 休憩を終え、壇上に戻ろうとした時です。
 一人の婦人が近寄ってきて、僕の手のひらに何かを無理やり握らせました。
 あめ玉が3つ。
 「あ、ありがとうございます。後で、いただきますね」


 それから後半の45分。
 講演を無事に終了して、演台の上の資料を片付けていると、今度は別の婦人がやって来ました。

 「はい、先生」
 手のひらには、やはり、あめ玉が3つ。
 「先生の話に、泣いたり笑ったり、顔の筋肉が引きつっちゃったよ。あっという間で、とっても楽しかったですよ」
 そのお礼が、このあめ玉だったようです。

 関西のおばちゃんじゃあるまいし、なんで、あめ玉なんでしょうね。
 しかも、3つ。
 この地域特有の慣習なのでしょうか?


 なんだかポッと心の隅っこが温かくなりました。
 あめ玉を握りしめながら会場を後にしました。 
  


Posted by 小暮 淳 at 10:28Comments(0)講演・セミナー

2024年07月14日

5年越しのオファー


 川場村 (利根郡) へ行って来ました。


 県内で講演をする場合、依頼主が自治体にしろ、企業にしろ、団体にしろ、開催される会場は、ほぼ都市部です。
 まれに山間部の温泉地に講師として呼ばれることはありますが、その場合、主催者は観光協会や温泉協会です。

 今回、全県エリアに会員を持つ某団体より、講師の依頼をいただきました。


 「Uの会」 から最初に、講演依頼をもらったのは2019年でした。
 開催は、翌年の7月予定でした。
 が、ご存知の通り、コロナ禍に見舞われ、やむなく中止になりました。


 そして昨年、また 「Uの会」 より連絡がありました。
 送られてきた依頼文には、こんな一文がありました。

 <小暮様のご講演を以前に拝聴した会員から、ぜひ他の会員にも聞いてもらいたいという声があり、ご講演をお願いしました。>

 これも縁なのですね。
 一度は途切れた縁ですが、こうやって、どこかで誰かが見ていてくれて、また縁がつながることもあるのです。
 再びつながった縁は、大切にしなければなりません。


 ということで5年越しの約束を果たすため、会場となった川場村役場へ行って来ました。

 えっ、役場?
 と、僕も最初は思いました。

 でも、ただの村役場ではありません。
 昨年11月に、新庁舎が完成したのです。
 しかも庁舎だけではなく、敷地内には交流ホールや学習館なども併設された多目的複合施設としてオープンしました。
 愛称は、「川場BASE (ベース)」 と呼ばれています。

 
 この施設内の 「交流ホール」 が今回の会場です。
 県内各地から約40人の会員の方々が集まってくださいました。

 演題は 「湯の国ぐんま! 温泉パラダイス」。
 休憩なしの90分間、たっぷりと温泉三昧の講話をしてきました。


 終演後、著書の販売とサイン会をさせていただきました。
 「いつもブログ、読んでいます」
 「持っていない本を買いに来ました」
 「新聞の連載を読んでます」
 「以前、講演を聴きに行ったことがあります」
 などなど、たくさんの方が声をかけてくださいました。

 「お名前は存じていましたが、今日は、お顔を拝見しにきました」
 なんて言う、上品な婦人もいました。
 大丈夫でしたかね?
 ガッカリして帰ったんじゃありませんか? (心配です)


 とにもかくにも、講演会は大成功!
 終了後は、一目散に前橋まで車を飛ばして帰ってきました。

 そして、家に着くなり 「プシュー!」 と缶ビールのプルタブを引きました。

 ん~、この一瞬のために、僕は講演活動をしているんだよな~!
 至福の1本は2本となり、ウィスキーに手を出し、最終的には日本酒にたどり着くという、結局はいつもとかわらぬ一日の終わりとなってしまいましたとさ。


 でも満足です!
 「Uの会」 のみなさん、大変お世話になりました。
 また、会いましょう!
  


Posted by 小暮 淳 at 11:13Comments(0)講演・セミナー

2024年07月09日

会いにおいでよ!


 「会いに行けるアイドル」 というコンセプトで売り出したのは、AKB48でした。
 先日の都知事選でも、やはり 「会いに行ける」 を連呼していた候補者がいましたね。

 実は以前、僕も 「会いに行けるライター」 と宣言したことがありました。
 (当ブログの2023年6月13日 「会いに行けるライター」 参照)


 本来、ライター (文筆業) という職業は、人前には出ない地味な職業です。
 無記名記事の場合は当然ですが、記名の文章でも、顔写真やプロフィール等がなければ、まったくもって読者は、どこの誰なのか、どんな経歴の人物かを知ることはできません。
 まあ、それがライターという職業なのですが……

 ところが僕の場合、いつからか、人前に出ながら取材&執筆活動をするようになっていました。


 まずは講演から始まりました。
 するとセミナーや講座の講師の依頼が来るようになりました。
 やがてラジオやテレビにゲストで出演するようになり、ついにはレギュラーの番組まで持つようになりました。

 加えて根っからの出たがりの性分からか、各種のイベントに参加したり、自らのバンドでライブ活動なんかを始めるものだから、物珍しさもあり、読者が会いに来るようになりました。
 ゆえに、いつしか 「会いに行けるライター」 になっていたというわけです。


 昨日、高崎市内の公民館で、講演を行いました。
 会場に到着して、職員らにあいさつをした早々、館長から言われました。
 「私、先生のファンなんです。ほら、これ」
 そう言って、差し出されたのは、僕が地元紙に連載しているエッセイの切り抜きファイルでした。

 また開演前、廊下ですれ違った参加者からは、
 「今日の講師の先生ですか? わ~! いつも名前は見て知っていましたが、お顔を拝見するのは初めてです。どんな方なのかと思って、楽しみにして来ました」
 と声をかけられました。

 うれしいですね。
 こんなとき、つくづく、ただのライターではなく、「会いに行けるライター」 で良かったと思います。


 講演中も、膝の上に僕の著書を置いている聴講者の姿を何人か見かけました。
 また、「○○は観ました?」 と、僕が出演したテレビ番組名を言うと、数人ですが 「ハーイ」 と手を挙げてくださいました。

 ああ、みんな、会いに来てくれたんだ~!
 そう思うと、初めて会った人たちなのに、なんだかとても愛おしく思えてくるから不思議ですね。


 この夏、まだまだ僕は、いろんな所に出没しますよ!
 ぜひ、会いに来てください。
 そして可能な限り、お話をしましょう。

 待ってまーす!
  


Posted by 小暮 淳 at 10:52Comments(0)講演・セミナー

2024年07月02日

夏だ! 民話だ! 温泉だ!


 ワクワクが止まりません。

 やって来ました!
 講演の季節です。

 コロナ禍で見送られていた講演会が、一気にもどって来ました。
 この7月と8月は、毎週のように県内のどこかで、講演を行う予定です。

 演目は、温泉と民話と地酒です。
 初めての会場では、温泉をテーマで話をすることが多いですね。
 2回目以降は、民話や地酒、時には若山牧水ネタで依頼されることもあります。


 振り返れば、僕の講演活動は2009年春に始まりました。
 まだ 『ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社) が出版される半年前のことでした。
 依頼主は、群馬県温泉協会。
 翌年には松本市で開催された長野県温泉協会主催による講演会に、講師として招かれました。

 あれから15年。
 多い年は、年間30回以上の講演やセミナーの講師として壇上に立ちました。
 寄り合い所のような小さな村の公民館の畳の部屋で、8人の住民の前で話したこともありました。
 また、400人を超えるホールで話したこともあります。


 つくづく、ありがたいことだと感謝しています。
 たかが一介のライターに、毎年こんなにも講演依頼がいただけるなんて、最初は信じられませんでした。
 なぜ、なんだろう?
 と、僕なりに考えてみました。

 が、本当の理由は分かりません。


 ただ、信念として守り続けていることがあります。
 それは、資料を 「見ない」 「読まない」 こと。
 それと、「モニターを使わない」 「映像や写真に頼らない」。

 90~120分間、マイク一つの講話だけで勝負することを心がけています。
 よって聴講者の想像力をかき立てるパフォーマンスが必要となります。

 映像なしに、温泉の魅力を伝えること。
 映像なしに、民話の世界を伝えること。

 たぶん、深夜放送で育ったラジオ世代だから、できることかもしれませんね。


 「どうすれば小暮さんの講演を聴けますか?」 と訊かれることがあります。
 一般公開の場合は、このブログでも事前告知しますが、それ以外の自治体や企業主催による講演は講師自らは告知しません。
 それでも講演会場には、どこで聞きつけたのか、市外や県外から応募して、来てくださる読者が時々います。

 「何で知られたのですか?」
 と問えば、
 「とにかくネットで検索しまくりました」
 とのこと。

 たとえ受講の対象が 「市内在住者」 となっていても、問い合わせるとエリア外でも、ほとんどの場合 「どうぞ」 と許可が出るようです(確認してみてください)。

 ということで、どーしても僕の話が聴いてみたいという熱烈な読者様がいましたら、検索をしまくってみてください。
 各自治体の広報サイトなどに告知されているようです。


 夏は講演の季節!
 クーラーの効いた涼しい会場で、お会いしましょう。
 お待ちしています。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:49Comments(0)講演・セミナー

2024年03月15日

じっさんずラブ? ふたたび


 モテます!
 モテまくっています!
 人生最大のモテ期が到来したようであります。

 でも、やっぱり、異性ではありません。
 全員、“じっさん” です。


 昨日、高崎市内で講演を行ってきました。
 テーマは、温泉。

 会場に着くなり、職員が、
 「先生と写真を撮りたいという人がいるんですが、よろしいですか?」
 断る理由もないので、職員に導かれてホールの中へ。
 まだ開演30分前だというのに、7~8人の受講者が席に付いていました。

 「こちらの方です」
 と紹介されたのは、年の頃、どうみても70歳以上の男性です。
 「ありがとうございます。どうしてもと知り合いに頼まれたものですから」
 と男性は、職員にスマホとデジカメを渡しました。

 「?」
 僕が不思議そうな顔をしていると、
 「カメラは知人のもので、スマホが私のです」

 「ハイ、チーズ!」


 すると今度は、手に新聞を持った男性が近寄ってきました。
 やはり、シニア男性です。
 「先生、この記事、読みました。今日、お会いできるのを楽しみにしていました」
 男性が持っていたのは、先月から連載が始まった読売新聞の記事でした。

 するとすると、間髪を入れず、もう一人の男性が、
 「トリビア、観ています。今回は鹿沢温泉でしたね」
 と、これまた高齢者です。
 トリビアとは、ときどき僕がリポーターをしている群馬テレビ 『ぐんま!トリビア図鑑』 のことです。


 とにかく、会場に着くなり、その熱烈歓迎ぶりに、少々面食らってしまいました。
 が、この手のファン(?)なら珍しくありません。
 でも、ここまでは、まだ序奏に過ぎなかったのです。
 このあと、極め付きの 「じっさんずラブ」 が登場します。
 (じっさんずラブについては、2024年2月19日の 「じっさんずラブ?」 をご覧ください)


 開演時刻になり、僕は壇上に立ちました。
 小さなホールは、満席状態です。
 定員30名のところ、50人近い応募があったといいます。
 主催者は、イスを増やして対応したようです。

 うれしい限りであります。
 講師冥利に尽きます。

 見渡せば、女性は全体の3分の1~4分の1です。
 大半が男性。
 しかも、ほとんどが60代以上のシニア層です。


 と……
 ギェッ、ギェギェギェーーー!!!

 最前列、左側の席。
 今日もいます!
 前回もいました。
 前々回も、そのまた前も……

 昨年秋頃から高崎市内で講演やセミナーがあると、必ず会場にいるシニア男性です。
 前回、お会いした時に少しだけ話をしました。

 「いつもありがとうございます」
 「はい」
 「確か、前回も来られていましたよね?」
 「はい」
 「今日の話も内容は、前回と同じですよ」
 「はい」
 「いいんですか?」
 「はい」

 かなりシャイな方です。
 うれしいんですけどね、僕には不思議でなりません。
 だって、毎回毎回、同じ話を聞きに来るんですよ。
 しかも会場が毎回違うのに、どうして、講演場所が分かるんでしょうか?

 「今日ここで講演することが、よく分かりましたね?」
 「はい、……調べました」
 たぶん、ネットの検索を駆使したんでしょうね。

 これまた講師冥利に尽きます。
 ただただ頭が下がります。


 講演中、僕は、その男性が気になって仕方がありません。
 もしかして、じっさんずラブ?
 いえいえ、そんなんじゃありませんって!(汗)

 男性は、今回も黙々とメモを取っていました。
 とっても熱心な方です。
 それだけ、温泉が好きなんでしょうね。


 今年の講演活動は、まだ始まったばかりです。
 どんな出会いが待っているのでしょうか?
 次回の講演が楽しみです。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:56Comments(0)講演・セミナー

2024年02月08日

新聞記者が語る群馬の温泉事情


 「ついては一度、レクチャーをお願いします」
 なんて言われれば、
 「じゃあ、いつもの店で吞んでるから、そこへおいでよ」
 と、安請け合いしてしまうのが、僕の常です。

 きっかけなんて、何でもいいんです。
 酒さえ吞めれば、この世はHAPPY!


 先週、知り合いの新聞記者から電話がありました。
 彼は、大の温泉好き。
 2年前に群馬に赴任した時から、県内の温泉記事を書いています。

 そして出合ったのが、僕の著書でした。
 「小暮さんの温泉本は、すべて持ってます」
 それが初対面のあいさつでした。


 そんな彼が、今度、読者を対象に講話をすることになったといいます。

 「面白いね。いいね。記者が見た群馬の温泉。どう映ったのか、興味があるな」
 「えっ、小暮さん、来るんですか?」
 「いや、スケジュールを見てみないと分からないけど……」
 「恥ずかしいなぁ~。もし来たら、小暮さんに話を全部ふっちゃいますよ(笑)」


 ということで下記の日時に、朝日新聞の前田基行記者による講話が行われます。
 興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。



      朝日新聞前橋総局 第6回総局記者サロン
     「能登半島地震取材報告&県内の温泉事情」

 <第1部>
 吉村駿記者(26) 「能登半島地震取材報告」
 <第2部>
 前田基行記者(54) 「県内の温泉事情、ゆる~くお話し」

 ●日時/2024年2月17日(土) 13:30~
 ●会場/朝日新聞前橋総局4階 (〒371-8521 前橋市大手町2-4-9)
 ●参加/無料 (要応募)
 ●定員/20人

 【応募方法】
 住所、名前、年齢、電話番号を明記のうえ、「記者サロン」 係へ。
 メール (maebashi@asahi.com) かハガキで受け付け。
 ●問合/前橋総局 TEL.027-221-1101 (平日9時~17時)
  


Posted by 小暮 淳 at 11:11Comments(4)講演・セミナー

2024年01月06日

新春講演会 ~町中華の主人になりたい~


 ありがたいことです。
 松の内も明けぬうちに仕事ができる喜び。
 昨日は高崎市内の公民会で、今年最初の講演を行ってきました。


 もうかれこれ15年も講演活動を続けています。
 ライターなのに、なぜ?
 不思議に思う人もいるかもしれませんね。

 ふつう講演会というと講師は、大学教授や起業家、タレントや芸能人の方々が多いと思います。
 作家などの文筆業の方も稀にいますが、文学賞などの受賞経歴のある著名な人たちです。

 では、なぜ地方のライターごときが講演活動を続けているのでしょうか?


 もちろん依頼があるからなのですが、受ける僕にも理由があります。
 それは、町中華の主人にあこがれているから。

 なんのこっちゃって?
 ごめんなさい、分かりづらかったですね。
 要は、料理を作る人と食べる人が、互いに顔を合わせる関係ということです。


 「ありがとうございました」
 「ごちそうさまでした」
 何度か訪れれば、
 「毎度、どうも」
 「おいしかったです」
 さらに常連になれば、
 「最近、どう? 忙しそうじゃない?」
 「ええ、仕事がきつくてきつくて。でもオヤジさんの料理食べて元気がでました!」
 なんてね。

 これって、僕の理想形なんです。
 作る人と受け取る人の “顔” が見える関係にあこがれ続けてきました。

 だからライターにとって講演会は、それを叶えてくれる唯一の場所なんです。


 「テレビ、見ました」
 「連載、読んでます」
 「本にサインしていただけますか?」
 これらの受講者の声は、町中華の客の 「ごちそうさま」 「おいしかった」 に値します。


 昨日も一人、常連客(?)が来ました。
 年配の男性です。
 昨年から連続3回も僕の講演を聴講しています。
 僕が次どこで講演をのするのか?
 その情報をつかんでいることにも感心します。

 「いつもありがとうございます」
 「いえ」
 「今日も同じ話ですよ」
 「いいんです」
 まさに、この会話って、毎回、チャーハンと餃子を注文する常連客と店主の関係です。

 “いつもの味” を食べに来ています。


 でも、それが僕の活力になっています。
 「私の話を聴くのは、今日が初めてではないという人?」
 壇上から訪ねると、昨日も数人が手を挙げてくださいました。

 まだ常連客(?)ではないけど、再度来店(?)してくださった人たちです。
 うれしいですね。
 だって一度食べて、おいしくなかったら二度とその店には行きませんものね。
 「毎度ありがとうございます」


 今年もすでに講演会の日程が、いくつも入っています。
 「またのご来店をお待ちしております」
  


Posted by 小暮 淳 at 11:46Comments(0)講演・セミナー

2023年12月05日

講演は人の為ならず


 かれこれ15年以上も講演活動を行っています。

 コロナ前は多い年で30回以上も行っていました。
 コロナ禍は極端に減少しましたが、ここに来て依頼は増えています。
 依頼主は自治体や企業、団体とさまざまです。

 主に温泉、民話、地酒がテーマですが、時には介護やテレビ出演についてなど体験談の依頼を受けることもあります。


 では、なぜ僕は講演を続けているのでしょうか?

 自分でも分かりません。
 “頼まれるから受けている” というのが本音ですが、嫌いだったら受けませんから、たぶん、好きなんでしょうね。

 講演のどこが好きなのか?

 話していて、楽しいんですね。
 取材して文章を書くというライターの仕事に比べると、ライブ感が半端ない!
 “今” を共有しているドキドキ感が、たまりません。
 (長年、音楽活動をやってきたからかもしれません)


 僕は、講演をすることも好きですが、聴くことも大好きです。
 昔から講演会とあらば、どこへでも聴きに行っています。
 後学のためというのあるのかもしれませんが、「話が上手な人は、どこがどう違うのか?」 というのが知りたくて、足しげく通っています。

 で、僕なりに分かったことがあります。
 講演には、大きく分けて2通りあることが!

 1つは、マイク一本で話術だけで、観客を楽しませる人。
 この人たちは、作家やタレントなどテレビでも顔が売れている人が多いですね。
 聴いていて、話に起承転結があり、笑いあり、涙あり、これはまさにエンターテインメントな職人芸の世界です。


 もう1つは、プロジェクターや資料を使って、自分の成果を解説するタイプです。
 大学教授や企業経営者に多く見られます。
 写真やグラフなど、モニターに映し出された画像を中心に話を進めます。
 ためにはなりますが話的には、あまり面白くありません。

 これって講演なの?
 講義じゃないの?
 って思ってしまうのは、やはり話者が学校や企業のトップの人たちだからなんでしょうね。
 学生や社員に向けて話す、しゃべり方と同じなんです。
 (上から目線ということ)
 これでは、一般の客には話が入って来ません。

 先日、こんな大学教授の講演がありました。
 「お手元に配った資料の○ページ目を黙読してください」
 これには驚きました!
 完全に授業なんです(笑)。


 じゃ、そういう、お前の講演は、どうなんだって?
 はい、基本、マイク一本で資料なしで行っています。
 ただし、ホワイトボードもしくは黒板を使います。

 これは、話を分かりやすくするためです。
 地形図を書いたり、固有名詞の難しい漢字などを伝えるときに使用します。

 あとは、出たとこ勝負のフリートークです。
 ですから、ついつい予定時間よりオーバーすることが多いのです。


 それでも毎回、反省はあります。
 「ああ、あのこと話すの忘れた」 とか、「完全に話が脱線したな」 などなど……
 でも、それがライブなんですね。

 そして、ライブだから楽しいんです。
 これからもライブ活動を続けていきますので、みなさん、ぜひ、お越しくださいませ!
    


Posted by 小暮 淳 at 12:21Comments(0)講演・セミナー

2023年11月24日

定員御礼! 温泉ゼミナール


 さんまさんパワー、かな?
 なんだかテレビ出演後に、僕のまわりでは異変が起きています。


 昨日、倉渕川浦温泉 (高崎市) 「はまゆう山荘」 にて、群馬と高崎の温泉をテーマにした “温泉ゼミナール” が開催されました。
 僕が講師を務めさせていただきました。

 このゼミナールは、会場となる 「はまゆう山荘」 が主催し、高崎駅からバスを出して送迎するという画期的な企画でした。
 先日の四万温泉のように、僕がバスに同乗して現地をまわりながら話をする出前講座と異なり、現地で僕が出迎え、講演をするというスタイルです。

 高崎市の広報誌や地元のフリーペーパーなどでも開催の記事が掲載されたようで、おかげさまで受付早々、募集定員に達したといいます。


 午前10時20分。
 予定の開催時間より10分早めに、僕はマイクを握りました。

 なんだか予感がしたのです。
 「今日は受講者の雰囲気がいい。話がノッテ、長くなりそうだ」 と……
 案の定、当初90分の予定だった講演時間は大幅にオーバーしてしまいました。

 途中、主催者側から、
 「先生、時間は気にしないでください。昼食の時間を30分ずらしますから」
 との助言もあり、受講者に 「いいですか?」 と確認すると、拍手が起こりました。

 ということで、“まくら” から始まり、温泉の基礎知識、群馬の温泉の特徴、高崎市の温泉の現況etc……
 さらに終了後には、カラオケに合わせて持ち歌の 『GO!GO!温泉パラダイス』 まで歌ってしまいました。

 終わってみたら2時間にわたる講演でした。


 異変は、その後に起こりました。
 会場では著書の販売がされたのですが、もちろん、要望があった購入者にはサインをしました。
 今までなら、そこまでです。

 ところが、今回は違いました。
 「写真、いいですか?」
 と、ツーショットの撮影を頼まれた人が何人もいました。

 いえいえ、正確には今回だけではありません。
 先日の講演会でもありました。
 急に、写真撮影が増えたのです。

 なんで?

 理由は1つしか考えられません。
 『ホンマでっか!?TV』 に出演以降の現象だからです。


 恐るべし、さんまさんパワー!
   


Posted by 小暮 淳 at 10:00Comments(0)講演・セミナー

2023年11月15日

座敷わらしに、よろしく!


 講演では最後に、質疑応答の時間があります。
 「先生に何か訊きたいことことはありますか?」
 と司会者が呼びかけますが、手を挙げる人はいつも一人か二人です。

 訊きたいことはあっても、大勢の人前では恥ずかしいというのが本音のようです。

 でも、そんな人たちは決まって終了後に、個人的に僕のところにやって来て、
 「○○温泉に行ってきたのですが……」 とか 「ぬる湯が好きなのですが……」
 などと声をかけてくださいます。
 なかには、
 「テレビ、観ました」 「ブログ、読んでます」
  という読者からの声かけもあり、うれしい気持ちになります。


 でも先日は、ちょっと変わった声かけがありました。
 質問ではなく、相談をされてしまいました。

 民話をテーマにした講演会の終了後のこと。
 後片付けをしている僕に、一人の初老の男性が近寄って来て言いました。

 「先生、一つ、教えていただけますか?」
 「はい、どうぞ」
 「座敷わらしがですね……」
 「えっ、座敷わらし?」
 「はい、座敷わらしが、息子の家に出るらしいんですよ」

 前代未聞の相談を受けてしました。
 でもね、僕は霊媒師でも祈祷師でもありません。
 ただの民話好きのライターです。

 除霊なんてできませんって!


 「困っていらっしゃるんですか?」
 「なんでも、夜な夜ないたずらをするらしくて」
 「はあ……」
 僕は二の句を継げずにいました。

 「大丈夫でしょうか?」
 男性は、息子一家に何か禍(わざわい)が起こるのではないかと心配しているようです。


 昔から座敷わらしを見た人は、立身出世するといわれています。
 また、その家には富や福をもたらすとされる妖怪です。
 だから僕は、男性に向かって、こう言ってあげました。

 「きっと息子さんは出世しますよ。もしくは一家に幸福が訪れる吉兆です」


 すると男性は、
 「ありがとうございます。安心しました」
 と、深々と頭を下げました。
 そして、ひと言、


 「先生の本を一冊ください」

 お買い上げ、ありがとうございま~す!
  


Posted by 小暮 淳 at 10:59Comments(3)講演・セミナー

2023年11月09日

なぜ明石家さんまさんに会えたのか?


 “人生はピタゴラスイッチである”
 僕は常々、そう感じています。

 「ピタゴラスイッチ」 とは、NHK教育テレビ (Eテレ) の幼児向け番組名です。
 この番組のコーナーの1つに、「ピタゴラ装置」 が登場します。
 いわゆる 「からくり装置」 です。


 装置の構成は身の回りの物 (文房具や日用品) でできています。
 そこにビー玉や小さな車を転がすと、連鎖的にさまざまな仕掛けが作動して、次々と新しい運動が引き継がれていくという遊具です。

 「えっ、そんなことが起きるんだ!」
 と、大人でもワクワクしながら見入ってしまいます。

 まさに、人生のようであります。


 昨日は某団体の交流会の席に呼ばれ、1時間の講演をしてきました。
 依頼されたテーマは、「テレビ出演こぼれ話」。
 先日、僕が出演した明石家さんまさんがMCをつとめるフジテレビ 『ホンマでっか!?TV』 の裏話を話してきました。

 とはいっても、スタジオでの出来事だけを話したのでは、講演としては面白みがありません。
 ただの体験談に終わってしまいます。
 ということで、“なぜ明石家さんまさんに会えたのか?” という 「生き方論」 を話しました。


 雑誌社を辞めて、フリーランスのライターになり、温泉に出合い、本を出版すると講演やテレビ出演などの依頼が来るようになりました。
 温泉地には必ず、発祥伝説や民話が語り継がれています。
 これらを集めて本を出版すると、今度は民話をテーマにした講演依頼が来るようになりました。
 さらに、民話は紙芝居になり、仲間と街頭で公演活動を続けると、新たな出会いが生まれました。

 気が付いたら一介のライターだった僕には、温泉ライター、謎学ライター、ミステリーハンターなどの異名が付いていました。
 さらには、観光大使や温泉大使、地酒大使などの肩書までいただきました。

 これは、まさにピタゴラスイッチなのであります。


 自分の意志だけでなく、転がりたいように転がっていたら様々な出会いがあり、新しい発見につながっていったのです。
 その結果、今回、明石家さんまさんに会うことができました。


 いや~、人生って不思議ですね。
 不思議だから楽しいんですね。

 今日も僕の 「ピタゴラ装置」 は、コロコロと転がり続けています。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:16Comments(0)講演・セミナー

2023年11月03日

パワーワード


 東京・お台場のスタジオで番組の収録を終えて、最寄りの駅へ着いた時のこと。
 僕は友人に、メールを打ちました。

 <収録、終わった! いきなり、さんまさんに突っ込まれた!>


 すると彼から折り返し、すぐにメールが届きました。

 <さんまに突っ込まれる! こんなパワーワードなかなかなきですよ!>


 パワーワード?
 直訳すれば、power(力)+Word(言葉) ですから 「強い言葉」 です。
 なんでもSNS上で使われる若者言葉のようで、「人にインパクトを与える強い言葉」 のことをいうようです。

 でも僕は、その時点では、まだこの “パワーワード” の意味を理解していませんでした。
 その力の恐ろしさを知るのは、1カ月半後のオンエア後のことであります。


 先週の水曜日、僕が出演したフジテレビ 『ホンマでっか!?TV』 が放送されました。
 当日は、行きつけの呑み屋を貸し切り、パブリックビューイングを開催。
 気の置けない常連客らと大いに盛り上がりました。

 そりゃ、そうでしょう!
 いつもはカンター席の隅っこで呑んだくれているヤツが、テレビの中で明石家さんまさんらタレントやお笑い芸人らとバラエティートークをしているのですから、大騒ぎです。

 でも、それって仲間内だから……
 その時までは、まだ、そう思っていました。


 一夜明けて、世の中が変わりました。
 会う人、会う人から 「テレビ、観ました!」 コールの嵐です。
 でも、まだ僕は “パワーワード” の意味を理解していません。

 だって、声をかけて来る人は、みんな知り合いだもの。
 テレビに映っている人が、僕だって分かる人たちばかりです。


 ところが、2日目に異変が起きました。
 近所の歯科医院に予約を入れて、治療に行った時です。
 イスに座るやいなや、歯科衛生士の女性が僕の耳元で、「テレビ、観ました」 とささやいたのです。

 「びっくりした! よく分かりましたね?」
 と言うと、
 「私もビックリしました。うちの患者さんが、さんまさんと映っているんですから! すぐにラインを回しました」


 この時、初めて僕は “パワーワード” の意味を知りました。
 パワーワードとは、ズバリ! 明石家さんまさんなのですね。

 たぶん現在、日本一有名なタレントといっても過言ではない人気を誇る明石家さんまさんと同じ番組に出た。
 しかも、出演しただけでなくトークで絡んだ。
 素人なのに、なんで、さんまさんに突っ込まれているの?
 いったい、この人って何者?

 ということのようです。
 改めて、「明石家さんま」 というパワーワードの偉大さを知らされました。

 そして、ついに、そのパワーワードは、さらに想像を超えた力を発揮します


 先日、一本の電話が鳴りました。
 以前、講演会を主催してくださった、さる団体の代表者からでした。

 「また、講演をお願いできますか?」

 もちろん、喜んでお受けしました。
 前回は確か、温泉がテーマでした。
 今回は、民話かな? 地酒かな?

 「で、何の話をしましょうか?」
 僕の問いに、返ってきた言葉は……
 「ええ、先日出演したテレビ番組の裏話をしていただけませんか?」

 えええええーーーーーっ!!!
 オッタマゲーーーーーっ!!!

 テレビ出演が、講演のテーマ?
 前代未聞の珍現象であります。
 かれこれ15年以上も講演活動をしていますが、そんなテーマで話をしたことなんてありませんもの。

 まさに、パワーワードのなせる業であります。
 恐るべし、明石家さんま!


 でも、なんだか今から講演会が楽しみになってきました。
 不思議とワクワクしている自分がいます。
  


Posted by 小暮 淳 at 11:16Comments(2)講演・セミナー