2024年08月13日
仙吉に抱きついた豆腐屋のおかみさんは、なぜ突然、死んでしまったのか?
奇妙奇天烈な話です。
JR高崎線 「倉賀野駅」 をはさんで、2つの寺院があります。
養報寺と永泉寺です。
どちらの寺にもムジナの話が伝わりますが、「むさしや豆腐店」 が登場するのは、養報寺に伝わる 『かみそりムジナ』 という民話です。
明治時代になって間もない頃のこと。
倉賀野よりも高崎寄りにある矢中 (現・矢中町) の若者たちが肝だめしをすることになりました。
「倉賀野の養報寺の雑木林を抜けて、豆腐屋で油揚げを買って帰ってくるってぇのはどうだ?」
「そりゃ、おもしれぇ。やってみんべぇ」
ということになり、一番手の仙吉という若者が出かけて行きました。
仙吉が豆腐屋までたどり着くと、店内では夫婦げんかの真っ最中。
油揚げを買うことはあきらめて、養報寺まで引き返したときでした。
さっきの豆腐屋のおかみさんが、 「助けて~!」 と髪を振り乱しながら仙吉に抱きついてきました。
そして、突然、息絶えてしまいました。
このあと、さらに仙吉の身に災難は続きます。
その結末は、いかに?
(続きは、拙著 『ぐんま謎学の旅 民話と伝説の舞台』 をお読みください)
昨年9月、民話に登場する豆腐店が閉店するというニュースが飛び込んで来ました。
知らせをくださったのは、倉賀野公民館の職員Nさんでした。
その数日前に、僕は同公民館で講演を行いました。
講演の演題は 「“みなかみ紀行から見る” 牧水が愛した群馬の地酒と温泉」 という、やや硬めのテーマでしたが、その時、地元・倉賀野に伝わる民話の話を少しだけしたのです。
Nさんは、そのことを覚えていて、わざわざ連絡をくれたのでした。
さらに、「ぜひ、今度は民話をテーマにした講演をお願いします」 と依頼されました。
ということで来週、民話と伝説一色の摩訶不思議な話を、たっぷり2時間いたします。
興味と時間のある方は、ご参加ください。
『“民話と伝説の舞台裏” 「倉賀野のムジナ」 ほか』
●日時 2024年8月20日(火) 10:00~12:00
●会場 高崎市倉賀野公民館 3階ホール
(高崎市倉賀野町1691-1)
●対象 高崎市内在住の成人
●定員 30人
●費用 無料 (筆記用具、飲み物は持参)
●講師 小暮 淳 (フリーライター)
●問合・申込 高崎市倉賀野公民館 TEL.027-346-2214
Posted by 小暮 淳 at 11:17│Comments(0)
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