2011年09月30日
酒浴! 発刊記念祝賀会
昨年11月に開催していただいた 「『群馬の小さな温泉』出版記念パーティー」 から早約1年。
今年も幸せなことに、新たな本を出版することができました。
昨夜、その出版を祝う会 「『あなたにも教えたい 四万温泉』 発刊記念祝賀会」 が盛大に開催されました。
会場は、四万温泉「四万たむら」 湯ートピアホール四季。
主催は、『あなたにも教えたい 四万温泉』 発刊記念祝賀会実行委員会(四万温泉協会内)。
開会は午後5時からですが、僕ら(ディレクター、カメラマン、デザイナーと僕) は、アトラクションでバンド演奏をするため、そのステージ準備で、2時半には楽屋入りしました。
午後4時、部屋にもどり、衣装を着替え、軽く景気づけに缶ビールを飲み干してから、いざ!会場へ。
今回の祝賀会は、主催が四万温泉協会ということもあり、昨年のように著者の友人・知人・親類縁者の方たちは、一切招待されていません。
群馬県内の温泉および観光機関、マスコミ、メディア関係の方々です。
午後5時、開会。
今回、司会を務めてくださったのは、エフエム群馬のアナウンサー、新木睦子さんです。
発刊記念祝賀会実行委員長で四万温泉協会長の柏原益夫氏による主催者のあいさつに続いて、来賓の方々から心のこもったスピーチをいただきました。
群馬県観光国際協会理事長で中之条観光協会長の田村亮一氏。
群馬県議長の南波和憲氏。
群馬県温泉協会長の岡村興太郎氏。
田村亮一さんは、「四万やまぐち館」のご主人でもあり、今回の取材では大変お世話になりました。
また、岡村興太郎さんは、法師温泉「長寿館」のご主人でもあります。拙著 『ぐんまの源泉一軒宿』 の取材や昨年の出版パーティーなど、いつもお世話になっている方です。
乾杯の音頭は、吾妻観光連盟会長の田村徹氏。
徹さん(僕は彼をそう呼びます)は、四万温泉協会の前会長でもあり、「鍾寿館」のご主人であります。
10年以上の古い付き合いで、同じ年ということもあり、仲良くさせていただいております。
※ちなみに「鍾寿館」には、僕の水彩画とエッセイ原稿が展示されています。
ま、1年間もみっちり通いつづけて本を書き上げただけあり、四万温泉の人たちとは、すべて顔見知りですから、顔を合わせる人、合わせる人、みんなと立ち話がはずみます。
「おめでとうございます」
と言われれば、「ありがとうございます」 と返し、
僕からも 「このたびは、おめでとうございます」 と言い、
「大変立派な本を作っていただきまして、本当にありがとうございました」
と言葉を返されます。
そのつど、「まあまあ、どうぞ、どうぞ」 とお酌をされ、人が変われば、また酌をされ。
「小暮さん、この後、スピーチが控えているんでしょう? 大丈夫ですか?」
と言われれば、
「お祝いですから! アルコールが入ったほうが滑舌が良くなります」
と断ることもせず、グイグイとビールや冷酒が途切れることなく、胃袋へ入って行きます。
午後6時。
祝賀会も後半。宴たけなわの中。
書籍製作者側からのあいさつ、となりました。
アートディレクターで、本文内の写真を担当した桑原一氏から、発行にいたるまでの経緯と、表紙カメラマンとデザイナーの紹介がされました。
で、ラストは、著者である僕のあいさつであります。
実はこの日、簡単なお礼のスピーチしか考えて行かなかったのですよ。
ところが当日、会場に着いてから 「ぜひ、小暮さんの温泉うんちくを聞かせてくださいよ」 という声があり、急きょ、講演ネタを少しだけ追加。
現在(10月10日まで)、館林市の田山花袋記念文学館で「温泉ソムリエ・田山花袋~群馬の温泉~」展が開催中のこともあり、田山花袋と四万温泉とのエピソードをいくつか話しました。
さあ、真面目な話は、ここまでです。
制作スタッフによる即席バンドの歌と演奏のはじまり、はじまり~!
桑原氏の作詞作曲による 『四万のうた』 と、とーぜん、お約束の 『GO!GO!温泉パラダイス』 の大合唱であります。
演奏には、四万温泉の老舗旅館「積善館」主人の黒沢大二郎さんがバンジョーで、上毛新聞社広告局企画部長の鎌田一郎さんがギターで友情出演してくださいました。
ステージを盛り上げてくださって、ありがとうございます!
そして、中締めでは、上毛新聞社取締役広告局長の山田義明氏が、
「絶対に、この本はベストセラーになります!」 と宣言。
うぉーーーーーー!!!!
という地鳴りのような歓声とともに、拍手の嵐となり、めでたく閉会となりました。
が、しかし!
式の終わりは、2次会の始まりであります。
そして3次会へ……
仕事とはいえ、密に付き合ってきた四万温泉の人たちとは、もう、仲間のようなもの。
酒は、飲むものではなく、浴びるもの!?
湯けむりの町を酔眼で、泳いで宿まで帰りましたとさ……。
四万温泉のみなさん、1年間、本当にお世話になりました。
今度は、また10年後に、続編の出版をいたしましょう。
楽しい仕事、そして残る仕事を、ありがとうございました。
2011年09月28日
温泉講座最終回 「赤城温泉」
昨年の4月から僕が講師を務めているNHK文化センター主催の温泉講座。
毎年、前年に出版した本の中から県内の温泉地をめぐっています。
昨日は、本年度の正規講座の第6回目(最終回)で、赤城温泉へ行ってきました。
高崎駅前と前橋駅前を出発したバスは、県道前橋赤城線経由で、一路、赤城山へ。
今回は、温泉地が近いため、時間つぶしを兼ねて、ミニ尾瀬と呼ばれる湿地帯「覚満淵」を散策。
ここから赤城温泉へは、小沼を経由して下れば近いのですが、小型バスは通行不可。
仕方なく、県道をもどり、第2南面道路にて、赤城神社を経由して、赤城温泉郷へ。
赤城温泉郷とは、赤城温泉・忠治温泉・滝沢温泉・赤城高原温泉の総称です。
目指す赤城温泉は、最奥。
今回は 「赤城温泉ホテル」 さんに、お世話になりました。
拙著 『群馬の小さな温泉』 をお読みの方は、すでにご存知でしょうが、ここは、僕のルーツの湯であります。
かつて赤城温泉は、湯之沢温泉といい、ここ赤城温泉ホテルは旧名を 「あづまや」 といいました。
僕の母方の祖母が産湯をつかった温泉宿であります。
現在の10代目若主人、東宮秀樹さんは、僕のはとこです。
「いつもブログ、読んでますよ」
と、若女将の香織さん。
そういえば、今回、「先生のブログを読んでます」 という受講生さんが、何人かいましたね。
いやいや、お恥ずかしい!
ありがとうございます。
相変わらず、昨日も、濃厚な色の湯をしていました。
茶褐色のにごり湯が、惜しげもなく、かけ流されています。
鉄分が多いため、黄土色の析出物が堆積して、湯縁は変色、変形しています。
さながら鍾乳洞の千枚皿ような幾何学模様を描いています。
泉質は、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩温泉。
赤城南面では珍しく、約43度の高温泉です。
飲泉すると、ほのかにピリピリと炭酸の刺激を感じます。
県内でも10指に入る、僕の大好きな湯です。
とっても肌に馴染むのは、やっぱりここが僕のルーツの温泉だからでしょうかね。
『成し終えて 赤城の山に果てるとも 湧き出る湯こそ 吾命かな』
僕の祖母の弟、8代目主人の東宮欽一さんが詠んだ歌碑が、玄関前に立っています。
秀樹さん、香織さん、
大変でしょうが、この代々守り継がれてきた “命の湯” を、よろしくお願いしますね。
※この温泉講座は好評につき、来月からは追加講座として<秋編>が開講されます。
2011年09月26日
似顔絵落款、押します。
生意気にも、最近は講話や講演会で著書の販売をする際に、別テーブルを用意してくださり、サイン会なるものを開いてくれる主催者が多くなってきました。
ありがたいことです。
「ほかの本は持っているので、今日はこれを買いました」
「私は○○が悪いんですけど、○○に効く温泉はどこでしょう?」
「月刊××に連載していた頃からのファンです」
「新聞の記事を毎回楽しみに読んでいます」
などなど、初めてお会いする人たちなのに、媒体を通して以前から長い付き合いをしているような親近感が、サイン会の魅力です。
ひと言ひと言、かけていただいた言葉が、すべて僕の活動の励みになっています。
ま、特別に 「何か書いてください」 と言われない限りは、ヘタクソナな字で名前を書くだけのことなんですけどね。
人によっては、「○○さんへ」を入れたり、日付けを入れてあげたりします。
「落款(らっかん) があると、いいのにね」
そう言った方がいました。
落款 !?
いわゆる、書家や画家が作品に署名をして捺印することです。
いやいや、僕なんて、ただのライターですからね。
そんな落款だなんて、大それたものは、必要ないでしょう!
と、思っていたんですが、今回、ひょんなことから作ることになりました。
以前にも、このブログに書きましたが、新刊の 『あなたにも教えたい 四万温泉』 は、一般書店で販売される本と、四万温泉内で販売される本では、帯(おび) が異なります。
書店売りは、出版元が考えた “「湯力」 再発見” と書かれた黄緑色の帯です。
四万温泉バージョンは、僕の手書きで “何もないとは なんて素敵な ことだろう” と書かれていて、さらに直筆サインと僕が温泉に入っている似顔絵が印刷された、エンジ色の帯です。
実は、この似顔絵が、だいぶ評判がいいんです。
作者は、今回の本のデザインをしてくれたデザイナーでイラストレーターの栗原俊文氏です。
今年の初めに開催された 「小暮淳キャラクターコンテスト」 のグランプリ作品であります。
版画調の似顔絵で、僕が湯舟のなかで横を向いて、気持ち良さそうに湯浴みをしているイラスト。
応募作品の中で、著者も一票を投じたお気に入りの似顔絵です。
で、先日、このイラストが 3.5cm×4.5cm サイズの印章となり、栗原氏より僕のもとへ届けられました。
いやいや、こりゃ、面白い!
書家や画家が使うような落款の重々しさがなくていい!
思わず、「似てる~!」 と笑っちゃうところが、僕のキャラに合っています。
と、いうことで、今後、サインを求められたときには、この落款をサインの下に、ポンっと捺印いたします。
※必要のない方は、「それ、要りません!」 とサインの前に申し出てくださいね。
2011年09月25日
ライブは筋書きのないドラマ
昨日は、渋川市観光課DC推進室主催による 『MM(まんなか・まんじゅう)フェスティバル』 の出演日。
久しぶりに 「じゅん&クァ・パラダイス」 のメンバーが、顔をを合わせました。
とは、言っても、ベース担当のS君(ドッグアーティスト)が、本業であるディスクドッグの全国大会に出場するため、早いうちから欠場が決まっていました。
「仕方がない。“焼きまんじゅうろう 旅すがた” はベースなしの生(演奏)でやっても、“オンパラ”(GO!GO!温泉パラダイス) はカラオケを使おう」
ということに、なっていました。
ところが……!
ライブとは、常に筋書きのないドラマなのであります。
昨朝、未明。
1本のメールが、届きました。
「早くにすみません。食中毒みたいで、夕べから吐いています。出演ダメかも……これから医者へ行きます」
おやおや、オンパラシスターズ(着物踊り子隊) の、こゆみ姐さんからです。
すると、またメールが!
「どーしましょう? 代役を立てますか?」
とは、相棒のオンパラシスターズ、ゆうこりんからです。
午前6時、7時、8時……
まんじりとしたまま、時が過ぎて行きます。
「心あたりに連絡しましたが、全滅でした」
と、また、ゆうこりんから。
代役ができる人は、限られています。
オンパラ踊りが、踊れる人です。
それも、今日の今日で、伊香保温泉まで来てくれる人なんて、早々はいません。
でも、しばらくて、
「ひろみちゃんが、代役で出てくれることになりました!」
と、ゆうこりんからの喜びメール。
これにて、一件落着。
その後、こゆみ姐さんから 「いま点滴から帰ってきました。なんとか復活。お騒がせしました」 というメールが届きましたが、代役も立てたことだし、大事をとって、今日は自宅療養に専念するように言いました。
本人は、出演したかったようで、大変悔しがっていましたが。無理をしては、いけません。
午前11時。
楽器を積んだ我々の搬入車が、会場である伊香保温泉の石段下広場へ到着。
一時間後、他のバンドメンバーと “新”オンパラシスターズが会場に到着。
合流して、まんじゅうなど食べながら、テントの下で軽くミーティング。
午後1時。
吉本のお笑い芸人、群馬出身の「アンカンミンカン」の司会により、ステージへ。
会場には13軒のまんじゅう屋がブースを出店しています。
唯一、焼きまんじゅうを販売していた小竹商店さんの宣伝なんかもしつつ、『焼きまんじゅうろう 旅すがた』 を熱唱!
会場が伊香保温泉ということもあり、2曲目は当然 『GO!GO!温泉パラダイス』 踊り付きで披露しました。
前列のお客さんには、歌詞カードを配ったため、一緒に歌ってくれた人も、ちらほらいて、盛況のうちにステージを終了しました。
それにしても、初めての大役をこなした、ひろみちゃん! 大したものでした。
踊りもバッチリでしたよ。
また、終始笑顔を振りまいてくれました。
ありがとうございます。
もちろん、シスターズのベテラン踊り子の、ゆうこりん!
あなががいなかったら、今日は大変なことになっていました。
窮地を救ってくれてありがとうございます。
もう、ゆうこりんは、クァ・パラダイスには、なくてはならないお人です。
そろそろ、マネージャーでもやっていただきますかね!?
ギターのSさん、和太鼓のK君、鉦(かね)のKさん。
みなさん、お疲れさまでした。
そして、渋川市デスティネーションキャンペーン推進室の樺澤主任さん。
このたびは、大変お世話になりました。
また、イベントがありましたら、ぜひ呼んでくださいね。
秋だ!
祭りだ!
温泉だ!
そして群馬には、オンパラがあるじゃないか!
2011年09月23日
9.22 ドキュメント
05:04
いつもなら目覚まし時計が鳴るまで爆睡状態なのに、なぜか尿意をもよおして目覚める。
「あっ、そーだ!」 と思い出し、寝ぼけマナコのまま階下へ降りて行き、郵便受けから新聞を取り出す。
うぉっ~、圧巻だ!
聞くと見るとは大違い。
迫力がスゴイ!
さっそく、この広告企画を企てたディレクター氏へメールを送り、パソコンを立ち上げてブログを記してから、もう一度、ベッドの中へ。
08:58
ふたたび起床。
ケータイのランプが点滅している。
見ると、以前タウン誌の編集をしていた頃のスタッフからだった。
「出た出た出た、新聞に出たぁ~~! ! 」
と、それだけのコメント。ほかに書くことないのか?
相変わらずのヤツである(ありがとう)。
10:03
A新聞のI記者から電話あり。
「小暮さん、新聞見ましたよ! うちも記事にしますからね。原稿を送ったので目を通しておいてください」 とのこと。
さっそく、送られた原稿をチェック。
僕の温泉との係わりや、前著2冊にも触れて書かれてあり、とっても丁寧な原稿。
今から掲載が楽しみだ。
10:38
かかりつけの医院へ。
K先生は、僕の主治医。2週間に1回、何もなくても血圧を測りに通っている。
受付で、美人看護師に、
「新聞、見ましたよ。また本を出されたんですね」
と声をかけられる。
11:15
処方箋をもって、薬をもらいに近くの薬局へ。
局内へ入るなり、
「新聞に大きく出てましたね」
と、待合室のテーブルを指さす薬剤師のKさん。
ドーンと、新聞が広げて置いてある。
???……、Kさんは、今日僕が来ることを知っていたのだろうか???
11:35
オヤジの顔を見に、実家へ寄った。
今日は調子がいいようで、あまりボケていない。
「新聞、見たよ。あんまり大きいんでビックリしたよ」
と、おふくろ。
オヤジは、僕が本を出版するたびに、
「東宮(とうみや)の血だ! 東宮の血だ!」
と叫ぶ。
オヤジの叔父が、詩人の東宮七男(かずお)なのである。
今日も、「東宮の血だ!」 と叫んだ。
15:05
S温泉のS旅館に、取材申し込みの電話を入れる。
「いゃ~、小暮さん、久しぶり~!」
と、ご主人のNさんは上機嫌で、
「だったら、その日は泊まって! 飲みながら取材を受けるから、ねっ?」
と誘われては、断るわけにはいかない。
すぐにカメラマンに電話する。
彼も 「泊まりOK」 の確認を取り、折り返しS旅館へ電話。
「うわぁ~、うれしいな~! 小暮さんとまた飲めるなんて、楽しみに待ってますよ」
と、ご主人。
酒好き同士は、仕事よりも飲むことが優先なのである。
16:15
紀伊国屋書店にて、ディレクターのK氏と会う。
県の情報誌 「ググっとぐんま」 が出来上がったので、見本誌を渡される。
一緒に、店内の販売状況をチェック。
あった!
「旅・温泉」 コーナーに、『ぐんまの源泉一軒宿』『群馬の小さな温泉』と並んで、ドーンと新刊 『あなたにも教えたい 四万温泉』 が積まれている。
振り返れば、向かいの棚には 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 も陳列されていた。
さながら、ここのブースは “小暮淳コーナー” みたいで、気を良くして帰る。
17:36
愛犬マロ君の散歩中に、S温泉R旅館の女将さんから電話あり。
「新聞に記事を書いてくださり、ありがとうございます」
との、お礼を言われる。
ご丁寧に、ありがとうございます。
18:43
ブログにたくさんのコメント。
みなさん、ありがとうございます。
コメントに、お礼の返事を書いた。
21:29
中学時代の同級生からメールをもらう。
「(Vサイン)見ましたよ(目の絵)、上毛新聞! すんごい~、こんな広告見たことない~(ビックリ顔) や~、素晴らしい~(手の絵文字とニッコリマーク)」
絵文字満載ですが、彼女は僕と同級生ですから、れっきとした50歳過ぎのオバサンです。
一瞬、ウッ!と引いてしまいますが、でも同級生からのメールは嬉しいものです。
みんな、みんな、ありがとうございます。
たくさんの人たちに支えられて、今日まで生きてきたんだと実感した1日でした。
9.22 完
2011年09月22日
祝! 四万温泉
9.22
紙面ジャック、敢行
祝! 四万温泉
圧巻です!
本日の上毛新聞、13面~15面。
オールカラー。
すべて、四万温泉。
業界では、これを “全45段” といいます。
(1ページ 15段 × 3面 = 45段)
前代未聞の大迫力です。
僕自身、いまだかつて、こんな広告は見たことがありません。
それだけ、四万温泉の “やる気”と“本気” が伝わってくる素晴らしい広告です。
そんな元気いっぱいの四万温泉を、じっくり取材し、書かせていただき、本として出版することができたことを著者として大変光栄に感じるとともに、全面協力していただいた四万温泉協会様に心より感謝申し上げます。
あわせて、お祝い申し上げます。
おめでとうございます。
2011年09月21日
温泉ライターの味方
先週から時間をみつけては、出版に際してお世話になった機関や個人を、本を持ってあいさつに回っています。
今日は、この嵐の中、群馬県庁へ行ってきました。
訪ねたのは14階にある群馬県健康福祉部薬務課です。
薬務課とは、群馬県内の温泉の源泉調査や管理をしている機関です。
ですから、ここへ来れば、群馬の温泉の実情から、泉質・湧出量などの最新情報が手に入るというわけです。
ま、温泉ライターをやっていく上では、必要不可欠な機関なんです。
僕と薬務課との出会いは、4年前。
翌年(2008年) の2月に開催された 「平成19年 温泉アドバイザー フォローアップ研修会」 の講師依頼を受けたときからです。
当時、主催だった薬務課温泉係の担当者Hさんから連絡をいただき、打ち合わせで会ったたり、一緒に松田忠徳教授の講演を受講したりと、大変お世話になりました。
これが縁で、1冊目の 『ぐんまの源泉一軒宿』 の取材では、県内温泉地のデータを提供していただき、全面的に協力をしていただきました。
現在では担当者が代わり、後任のMさんが引き継いで、僕の面倒を見てくれています。
Mさんには、前作の 『群馬の小さな温泉』 に続いて、今回の 『あなたにも教えたい 四万温泉』 でも尽力をいただきました。
と、いうことで、温泉係のMさんとは、1年ぶりの再会であります(電話では時々、話していますが)。
開口一番、
「昨日の放送は、かなり上級編でしたね」
と、いきなり言われてビックリ!
そーでした、Mさんは、僕のラジオ放送を毎回聴いてくださっているのです。
「“いい温泉は引き算” だなんて、うまいこと言いますね。私なんかは納得しながら聴いていましたが、一般の方には分かっていただけますかね(笑)」
と、昨日のラジオで話した 「いい温泉の選び方」 の話題になり、ハイスピードで温泉話が盛り上がってしまいました。
Mさんは、1週間のほとんどは、温泉地を飛び回っています。
でも、僕と違うところは、湯舟には入らず、源泉だけをチェックして回っているのです。
それゆえ、客や僕のようなライターでは知りえない、温泉の “ウラ情報” もいっぱい知っているわけです。
震災後の湯量や泉温の変化、はたまた現在の温泉地の実情など、もう僕の大好物(執筆や講演のネタ)話が、次から次へと、ポンポンと出てくるのです。
えーと、あのことも訊きたいし、あのウワサの真偽も、○○温泉の現状も知りたい……
もう、僕の好奇心は、まるで子供のように、次々とMさんを質問攻めにしていきます。
僕にとって、Mさんは、温泉の裏の裏まで知り尽くした “知恵袋” ですからね。
温泉ライターの、強~~~い味方なんですよ。
本当は、もっともっと、質問したいこと、訊きたいことがたくさんあるのですけど、Mさんも仕事中であります。
長居は禁物。
断腸の思いで、「では、続きは、またの機会に」 ということで、薬務課を後にしました。
Mさん、今度いつか、じっくりと2人きりで酒を飲みながら、飽きるほど温泉三昧の話をしましょうよ。
ねっ!
2011年09月20日
いい温泉は引き算
今日は、月に1度のNHK-FMラジオ 「群馬は温泉パラダイス」 の生放送日でした。
早くも、第6回目です。
今回は、「いい温泉の選び方」 というテーマでお話をしてきました。
いや~、今日も今日とて、お相手の金井一世(いよ)キャスターは、若さいっぱいでまぶしかったですよ。
ミニの赤いワンピースは、ひと足早い紅葉のイメージなんですかね。
とっても、お似合いでした。
「今日の 『いっと6けん』 見てくださいました?」
と一世ちゃん。
れれれ、そーでした。
メールまで、いただいていたんですよね。
覚えていたんですけど、オンエアされた午前中は、新聞社で打ち合わせ中でした。
録画予約するのも忘れていました。
「ごめんなさいね」
と、まずは会うなり、お詫びのあいさつからのミーティングとなってしまいました。
で、本番! スタジオへ。
「今回は、かける曲が短いので、長めで結構です。6時30分まで大丈夫ですよ」
と、いつものように一世ちゃんが、目の前の時計にペタンと時間が書かれた付箋紙を貼り付けて、オンエア開始!
温泉旅館に泊まる目的は、人それぞれでしょうが、やっぱり温泉地なのだから、一番の目的は “温泉” でありたいものです。
美味しい料理なら、レストランや料亭で食べられます。
豪華な部屋や設備、サービスが目的なら、シティホテルや観光ホテルで充分です。
風光明媚なロケーションや絶景が見たいなら、観光名所や景勝地があります。
でも温泉旅館(ホテル) にしかないもの……それが“温泉”なのですから!
と、いうことで、どんな温泉が、いい温泉なのか?
湯守(ゆもり)のいる宿、自然流下の宿などの見分け方をお話しました。
で、さらに湯治場と呼ばれる究極の “いい温泉宿” になると、一般の人が苦情をいいたくなるような “ナイナイづくし” の宿になることも、最後に付け加えました。
露天風呂がない。
洗い場がない。
カランやシャワーがない。
石けんやシャンプーが置いてない。
本来、温泉は体を洗う場所ではないのですから、これが “湯屋” のあるべき姿なのです。
あれもあります、これもあります、こんなサービスもします……
と、“足し算” するのは観光旅館の姿です。
本当に湯に自信がある湯守のいる宿は、とことん無駄と不必要なものを省いた“引き算”をしています。
これは要らない、これも要らない、こんなものは必要ない……とね!
「その代わり、うちには極上の湯があるぜっ!」
という自信満々の頑固一徹なオヤジの心の声が聞こえてきそうな宿こそ、僕が考える “いい温泉” であります。
今日は、ちょっと中~上級編でしたかね。
一世ちゃんたら、
「わかりました。今度から予約を宿に入れるときは、『源泉はどこにありますか?』 って湧出地の場所を訊きますね」
なーんて言ってたけど、若い女の子からそんなことを尋ねられた宿の人も、ビックリするでしょうな。
なんて返答するのか、ぜひ聞いてみたいものです。
今日は、最後に新刊本の宣伝もしっかりしていただいて、ありがとうございました。
一世ちゃん、また来月会いましょうね。
※次回の 「群馬は温泉パラダイス」 は、10月18日(火) 午後6時から生放送でお送りします。
テーマは、「湯治場と観光温泉」 です。
2011年09月19日
MM-1 出演時間決定!
渋川市のデスティネーション推進室より、『MM-1 フェスティバル』 の出演決定およびスケジュール等の案内書類が届きました。
『MM-1フェスティバル』 とは、日本の真ん中(M)渋川市で、まんじゅう(M)を皆さんに食べていただくイベントです。
以前、このブログでも内容は紹介しましたが、我がコミックバンド 「じゅん&クァ・パラダイス」 の出演時間が決定しましたので、お知らせいたします。
●日時/9月24日(土) 午後1時~1時30分
●会場/伊香保石段下広場 パフォーマンスイベントステージ
当日は、13店舗のまんじゅう屋が出店します。
スタンプラリーを開催し、会場内の店舗でまんじゅうを買うとスタンプを1つ押印(数量にかかわらず1店舗1回限り)。
スタンプ5個で抽選1回、10個でさらにもう1回!
さらに、出店しているお店のスタンプ13個と「伊香保まちの駅」「伊香保神社」「いっぷく館」のスタンプ3個をすべて集めると、抽選3回とパーフェクト賞として「トートバッグ」をもれなくプレゼント!
抽選の商品は……
☆伊香保温泉旅行券 ×2本
☆日帰り温泉入浴券 ×30組 ほか
お時間のある方、ぜひ伊香保へ遊びに来てくださいね。
お待ちしております。
「MM-1 フェスティバル」
●日時 2011年9月24日(土) 10時~15時
(パフォーマンスイベントは10時30分~14時30分)
●会場 渋川市伊香保石段下広場
●問合 渋川市DC推進室(渋川市観光課内) TEL.0279-22-2111
2011年09月18日
長生きするとイイコトがある
「お祝いなんかすると、ポックリ死んじゃうぞ~」
なんて、よく他人からは言われますが、
「ボケが軽いうちに、本人も喜ぶだろうから、今年の秋にやっちゃおうよ」
と実兄に言われて、
「じぁあ、喜寿(77歳の祝い)のときと同じ寿司屋でいいよね」
と僕が予約を入れました。
僕の父は、大正13年生まれ。
満で87歳です。
で、前述の理由から、昨晩、かぞえで米寿(88歳の祝い)の祝賀会を行いました。
正月以来です、一族が全員集合したのは……
東京で暮らす実兄一家、兄と義姉と姪の3人。
我が家からは、僕と家内と長女、長男、次女、1歳の孫(長女の息子)。
そして、母(御年84歳) と主役の父。
総勢11人です。
今回も娘婿は仕事の都合で欠席でした。
彼と酒を酌み交わすのを楽しみにしていたんですけどね。
残念です。
その代わり、人生初のサプライズがありました!
座敷に着いて、まずは飲み物の注文です。
車の運転を控えている者、それと未成年以外は、お祝いの席ですから全員生ビールを注文しました。
で、ふと、僕の隣を見ると、大学生の長男が困ったような表情をしています。
「あれ、お前20歳になったんだっけ?」
確か、まだのはずです。
「オヤジの祝いだって、かぞえなんだから、お前も今日だけはかぞえで20歳だ。飲め!」
実兄のひと言で、即決。
息子の前にも、生ビールのジョッキが運ばれました。
なぜか、僕は一人で緊張していました。
だって、こんな大切な瞬間が、いとも簡単に、こんな場で訪れるなんて、心の準備ができていません。
息子を持つ父親なら、誰でもこの気持ち、分かってくれますよね?
いわゆる、父親の “夢” の1つなんですよ。
息子といつか、酒を酌み交わすっていうのは……。
思えば20年前。
当時、僕が編集していた雑誌の「編集後記」に、彼が生まれた日のことを記しました。
“これから長い人生、よろしくな! 今からお父さんは、君と酒を飲む日が来るのを首を長~くして待っています”
なーんて。
「米寿のお祝い、おめでとうございます。では、カンパーイ!」
実兄の発声で、宴が始まりました。
「カンパイ!」
僕は、そっと隣の息子へジョッキを掲げました。
カキーン ……
これが僕にとっての歴史的瞬間でした。
「お前、飲んだことあるのか?」
「うん、バイトの送別会とか」
2人の会話を聞いていた長女が、
「私なんか、高校生の時から飲んでたからね。今だから言っちゃうけど、ヘヘッ」
おいおい、なにが、へへッだ!
それはそれで、困ったものだ。
待てよ、俺はどうだった?
娘のことが言えるのか?
いや、言えないぞ!
高校の校舎の屋上で、休み時間にタバコを吸ってたし、
放課後、喫茶店にウィスキーを持ち込んで、店員の目を盗んで、仲間とコークハイを作って飲んでたっけ。
でも、これで儀式は済んだ。
息子には僕のような、のん兵衛にはなってほしくはないけれど、そこそこは飲める男であってほしい。
そして次の20年後は、孫と酒を交わせるように、健康で長生きをしなくてはなりませんな。
「長生きをすると、イイコトがあるな~。なぁ、ばあちゃんよ」
そう、つぶやいたオヤジの笑顔が、一族全員に光を当ててくれました。
オヤジ、次は卒寿(90歳の祝い)だぞ!
長生きしてくれよな。
また、イイコトがあるよ!
2011年09月17日
9月22日、何かが起こる!?
「うそっ、マジっすかーーー!!!」
あまりの驚きに、思わず年甲斐もなく、若者言葉を発してしまった。
「いや、その方向で、話が進んでいますよ」
という連絡を、僕の本のディレクターK氏から連絡を受けたのが、数週間前だった。
そして今週、ついに、それは現実のものに……。
「決定しました。9月22日です!」
いまだに僕は、信じられずにいます。
僕だって、新聞や雑誌にたずさわるこの業界に、かれこれ20年以上いますが、そんな話は聞いたことがありません。
荒唐無稽、前代未聞、顔面蒼白、空前絶後、前人未到、狂喜乱舞 ……
僕は、すぐに、複数の業界関係者に問い合わせました。
某紙の出版部長Tさんは、
「ええ、聞いています。本当のようですよ」
また某紙の事業局員Kさんは、
「僕も最初に話を聞いたときは、半信半疑だったので、すぐに上の者に問い合わせたんですよ。で、やはり事実でした」
たぶん、これはメディア界のテロ行為にあたります。
いやいや、温泉業界にとっては、下克上によるクーデターであります。
ある業界関係者によれば、
「地方では、まず史上初の出来事になるでしょうね。全国区では一度、 “スタジオジブリ” が行っています。とにかく、群馬県内のメディア界および温泉業界は、その日、騒然となることだけは間違いありません」
僕は、今から少し震えています。
嬉しいという感情を通り越して、怖いとさえ思えるのです。
2011年9月22日、未明。
群馬県内に、いまだかつて誰もが体験したことのない “何かが” 起こります。
その日まで、あと5日!
2011年09月16日
恩師 は 温士
温泉科学者で、(社)群馬県温泉協会の常務理事 兼 事務局長の酒井幸子先生に最初にお目にかかったのは、かれこれ10年近く前になります。
当時から僕は、「いつか必ず、群馬県内の一軒宿の温泉を本にまとめて出版したい」 と考えていたので、その思いを伝えるとともに、資料の提供や取材協力をお願いしに協会事務局へと、足しげく通っていたのです。
その後、雑誌等で僕の温泉エッセーの連載が始まり、まもなくした2008年2月、群馬県の健康福祉部薬務課から、同課が主催する 「温泉アドバイザー フォローアップ研修会」 での講演依頼がありました。
僕は2部の講演会講師でしたが、その時、1部の温泉科学の講師を務めたのが酒井先生だったのです。
そんな再三再四の出会いがあり、僕は何かにつけ、温泉のことで知りたい事や分からないこと、困ったことがあると、すぐに先生に電話したり、協会を訪ねるようになりました。
そんな縁もあり、僕の温泉関係の著書では、必ず巻末の<協力>の欄に 「社団法人 群馬県温泉協会」 のクレジットを入れさせていただいております。
酒井先生との出会いなくしては、今日の温泉ライターとしての僕の仕事は存在し得なかったのですから、出版の都度、お願いに伺っている次第です。
で、今回もご協力をいただき、無事、本が出版された報告をしに、今日、新刊を手に先生をお訪ねしてきました。
先生は、僕の顔を見るなり 「この度は、おめでとうございます」 と言ってくださいました。
いつお会いしても、こんな一介のライターに対して、笑顔で丁寧に接してくださる方です。
さらには、
「楽しみにしていたのよ。文章がいつもいいわよね」
と、喜んでくださいました。
本当に、ありがとうございます。
今日も、四万温泉の話に限らず、県内の他の温泉地の実情や、震災後の温泉の様子など、はたまた温泉の科学的メカニズムなどなど……。それはそれは、ためになるお話をたくさんしてくださいました。
もう、これは生きた勉強であります。
“ああ、この先生の知識を全部いただけたら、温泉ライターとしては、鬼に金棒なのになぁ~” などと、下世話なことを考えてしまったくらい、有意義な時間を過ごしてきました。
本当は、もっともっとお話を聞いていたかったのですが、先生もお忙しいようでしたので、長居をせずに、おいとまをしてきました。
「で、次は、○○○○をお書きになるんですってね?」
帰り際、先生にいきなり訊かれて、ビックリ!
「ど、ど、どーして、知っていらっしゃるんですか~!!!!」
と、あわてる僕に、
「あら、××温泉の△△さんが、『次は、うちを書いてくださるんですよ』って、喜んで話して行かれましたよ」
とのこと。
おお~、業界では、すでにウワサになっとるようですね。
でも、これすべて、群馬の温泉を、もっともっと元気にするためであります。
先生、ぜひ、今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。
僕にとって酒井先生は、この業界の恩師であり、温士(温泉博士) なのであります。
2011年09月15日
月夜野温泉 みねの湯 「つきよの館」⑥
関越自動車道の月夜野ICを過ぎたあたり、右手、三峰山の中腹に、ロケットのような形をした塔が建っているのを、ご存知ですか?
あれは 「鎮魂の碑」 です。
1989年に、「つきよの館」 の女将・都筑理恵子さんの父、故・都筑理(おさむ)さんが、異国の地で亡くなった戦友たちのために建てた塔なのです。
同年、高速道路をはさんだ月夜野盆地を見下ろす高台に、温泉旅館 「つきよの館」 を創業しました。
2年後に、娘である現女将が旅館に入り、今日まで20年間、すべての切り盛りをしています。
今日、久しぶりに女将を訪ねてきました。
「いいところに来てくださいました。小暮さんの本、ちょうど全部売れてしまって在庫がないのよ。注文を預かってもらってもいいかしら?」
今日も今日とて、いつものように和服姿で、元気いっぱいの女将さんであります。
なんでも、僕の読者だとかファンだとか言うお客さんが増えたとのこと。
「小暮さんて、どんな方ですか? て聞かれるんですけどね。いつも言葉にごしていますよ。本当のこと言えないでしょう」
とは、オイオイッ、どーいう意味ですか?!
別に、本当のことを言っても構いませんよ~!
そーいえば、以前、「古谷一行のように、渋~いオジサマだと思ったら、あんまり気さくな方なのでビックリしました」 と読者の方に言われたことがありましたが、もしかして、その手の勘違いでしょうかね。
ま、渋く生きろと言われれば、できないキャラでもないんですけど、でも疲れちゃいそうですよね。
いいです、このままのキャラで行きます!
と、いうことで、たっぷりと女将さんと話し込んだ後、いよいよカメラマンとともに浴室へ。
ここは、僕が県内でもベスト10に選ぶ 「絶景の湯舟」 の1つであります。
特に夕景の妙は、見ていると涙が出てくるくらい感動しますよ。
個人的には、「日本の夕日100選」 に入れてもいいと思っているくらい、大好きな風景です。
今の時季、月夜野盆地に広がる棚田が美しい!
僕は、ここからの景色を勝手に “トトロの森” と呼んでいます。
棚田の中に、こんもりとした鎮守の杜があって、まるで映画 『となりのトトロ』 の風景そのままなんですね。
宿からの景色は、ちょうどネコバスの中から眺めているような感じです。
またしても仕事を忘れて、のんびり、ゆったりと、湯の舟に乗って、天空の遊覧を楽しんできました。
2011年09月14日
焼きまんじゅうろう 参上!
「生まれは関東、上州です。
大利根の清き流れに産湯をつかり、空っ風で育てられ、義理と人情のためならば、ガブッと焼きまんじゅうをほおばって、悪を憎んで弱きを助け 西、東。
あま辛みそダレの股旅野郎とは、おいらのことよ。
姓は“焼き”、名は“まんじゅうろう”。
以後、お見知りおきのほど、よろしゅうお願い申し上げます」
今月の24日(土)、伊香保温泉の石段街で開催される 『MM-1フェスティバル』 に出場することが決定した 「じゅん&クァ・パラダイス」。
MMとは、M(まんなか) M(まんじゅう) の頭文字。
渋川市は、日本の真ん中、へその街。
伊香保温泉は、温泉まんじゅうの発祥の地。
と、いうことで、焼きまんじゅうのご当地キャラクター、焼きまんじゅうろうのテーマソング 『焼きまんじゅうろう 旅すがた』 を歌う我々のバンドに、出演依頼が来たということです。
でも思えば、最近は 『GO!GO!温泉パラダイス』 ばかり注目されて、めっきり “焼きまんじゅうろう” の出番がなかったのですよ。
2~3年前までは、お祭りやイベントに呼ばれて演奏したり、ラジオ番組にも各局出演してオンエアしていただいたりしていたんですけどね。
で、メンバーも 「1回、音合わせしない? 勘だけ取り戻しておこうよ」 という声が上がり、では 「早めに集まりましょう」 ということになり、今夜、久々にメンバーが集まりました。
今回は、演奏する会場が温泉地ということもありますので、当然、『GO!GO!温泉パラダイス』 も歌いますが、こちらはたびたび披露しているので、カラオケに合わせて軽く1回、音を出して終了。
問題は “焼きまんじゅうろう” であります。
まず、S氏の生ギターがリズムを刻んで入ります。
次に、後を追って、K君の和太鼓が力強く、ドッドドッドドッドドッド とボーカルの歌い出しを誘います。
♪ ハァー 背なで転がす空っ風
焼きまんじゅうろう 旅すがた
あま辛 みそダレ 一刀流 ♪
いやいや、みんな忘れていませんよ。
1回目は、ところどころギターのコードが違ったり、太鼓の入る箇所が違ったり、唄の歌詞を間違えたりしましたが、2回目には完璧にいつも通りの演奏をしていました。
さすが、1度身に付いたモノは、そうそう忘れないものです。
でも、一番キツかったのは、ボーカルの僕でしたかね。
「GO!GO!温泉パラダイス」 に比べると、めっちゃキーが高いんですよ。
おまけにコブシまで回さなくてはなりません。
水を飲み飲み歌いましたが、今でもちょっぴりノドの奥がヒリヒリしています。
ま、本番までには、ちゃんと声が出るように練習しておきますけどね。
明日から当分は、車の中で、大声出してコブシ回しの練習ですな!
♪ やんやん 焼きまん まんじゅうろう
焦げめほどほど 香ばしや
やんやん 焼きまん まんじゅうろう
見ためベタつく ツラがまえ
でも 内はさっぱり 心意気 ♪
( 『焼きまんじゅうろう 旅すがた』より 作詞・野村たかあき 作曲・小暮淳)
2011年09月13日
新刊本、やっと本日納品!
9月15日発行(書店販売は、それ以降となります) の拙著新刊 『あなたにも教えたい 四万温泉』(上毛新聞社刊、1,000円税込) が、すでに四万温泉では先行販売されているそうです。
どれどれ、っとネットで検索してみると、なるほど……いくつか知ったご主人たちのブログに書き込みがありました。
ありがたいことです。
早く、この目で、自分の本が陳列販売されている様子を見てみたいものです。
次に四万温泉へ行くのが、とても楽しみになりました。
で、検索を続けると……
れ、れ、れーー!
㈱ライフプラン21さんのHPに、こんな告知を発見!
<温泉倶楽部顧問の小暮淳さんの新刊、群馬の温泉シリーズ第3弾 『あなたにも教えたい 四万温泉』 が、いよいよ今週、発売になります! サインしていただき、事務局に置きます。希望される方は、お申し出ください>
あらあら、社長さんたら~、気が早いんだから。
まだ著者本人にだって、先週、見本に2冊届いただけなんですよ。
でも、うれしいですね。
僕の本を、出版されるたびに待ち望んでくれている人がいるってことは。
感謝、感激であります。
で、やっとこさっとこ、本日、まとまった数の新刊本が著者のもとに届きました。
手にするや、即行で社長に電話を入れて、車を飛ばして、本を届けましたよ。
「いいなぁ、小暮さんの本見ていると、すぐにでも温泉へ行きたくなっちゃうんだよな~」
と本多社長さんは、本を手に取り、1ページ1ページ丁寧にめくりながら、うれしそうに眺めてくれました。
ああ、なんたる幸せ!
苦労なんて、全部吹っ飛んでしまう瞬間です。
喜んでくれる読者の顔を見たとき、僕自身がこの仕事を選んだ意味を知るのです。
「これ1,000円じゃ、安過ぎるよね。この情報量と小暮さんの苦労を考えたら…」
なーーーんて、うれしいことを言ってくれるんですかっ! 本多さんったら!
そんなことを言われたら、涙がチョチョギレちゃうじゃあーりませんか!
あんまり嬉しいから、本多社長には、四万温泉内限定特別バージョン帯が付いた本を差し上げちゃいましたよ。
(著者のもとに2冊しか届かなかったうちの1冊です)
さて、いよいよ、明日からは本を持って、お世話になった各関係機関および関係者へ、お礼のあいさつ回りであります。
これからが、忙しぃーぞっ!
2011年09月12日
亡友の息子② 「9.11の夜」
昨年の9月11日の夜、ケータイに登録外のメールが届いた。
「Tです。小暮さん、元気ですか? アドレスを変えました」
T君は、3年半前に亡くなった友人のカメラマンO君の息子です。
別に、用があってのメールではありません。
ついでに近況報告が記されているだけでした。
「いくつになった?」
「16歳、高校1年になりました」
そんな、やり取りを交わした記憶があります。
そして、昨日。
奇しくも、同じ9月11日の夜。
またしても登録外のメールが着信しました。
開いてみると……
「Tです。お久しぶりです。
親父死んで、もう4年になりました。
はやいもんで、びっくりです。
小暮さん、元気ですか?!」
なんとも不思議です。
1年ぶりに届いたメールの内容が、ほぼ同じなんです。
9.11 ……
アメリカ同時テロから10年、東日本大震災から半年。
でも、個人的には、僕と亡きカメラマンとその息子にとって、なにも特別な日ではありません。
昨晩遅く、メールを返しました。
すると、今朝 ・・・
「小暮さん、親父の写真集出してくださいよ~。
自分で良かったら、力貸します!!」
T君、大きくなったな。
おっちゃん、うれしいよ。
写真集だよな、そーだよな。
おっちゃんと、とうちゃんが通っていた島の写真集のことだよな。
朝から、ジーンと胸を締め付けられ、目頭が熱くなってしまいました。
以前、O君の家の近くまで行ったので、線香を上げに寄ったことがありました。
奥さんはいましたが、平日の昼間だったので、息子は学校へ行って不在でした。
「小暮さんが来たなんて言ったら、T は悔しがりますよ。
とっても小暮さんに、会いたがっていましたから」
そう奥さんに言われたことを、思い出しました。
T君、
今度は、キミのいる休みの日に、線香を上げに寄ることにするよ。
そして、お父さんの話をしよう。
どんな写真集を作るかもね。
2011年09月11日
花袋と僕が愛した群馬の温泉
現在開催中の田山花袋記念文学館 特別展 「温泉ソムリエ・田山花袋 ~群馬の温泉編~」 に合わせて、群馬の温泉を紹介する講演会が今日、館林市文化会館で開催され、講師として話をしてきました。
毎度ながら、講演会が大好きな僕は、数日前からワクワク、ルンルンしていたのです。
とにかく、1度にあんだけ大勢の人たちに会えて、大好きな温泉の話ができて、拍手までしていただいて、おまけに本まで買っていただけるのですから、こんな楽しい仕事はありません。
仕事?
たぶん、仕事なんでしょうな。
ま、講演は、ライターという仕事の副産物のようなものですけど、群馬の温泉の素晴らしさを広めるという “群馬温泉大使”(自称です) としての任務もありますので、必要不可欠な業務なのであります。
で、ふだんは午前9時過ぎまで寝ている、典型的な夜型人間の僕が、今朝は6時に起きてテキパキとトーストを焼いて、口に放り込んで、アイスコーヒーを一杯だけ飲んで、迅速に館林へ向かったのであります。
いやいや、やはり館林は、暑い!
なんだか前橋とは、湿気が違うんですよね。スチームで蒸されているようで、ミトーというベトナムのメコンデルタの町を思い出してしまいました。
「城沼があるから、湿気が多いのかもしれませんね」
と、出迎えてくれた館林市教育委員会文化振興課の岡屋課長さん。
「なるほど……」と僕は、納得してしまいました。
午前9時半、受付開始。
1階のロビーで休んでいると、高齢の3人の婦人が、僕を見ながら、なにやらペチャクチャ話し合っています。
僕と目が合った瞬間、ひとりの夫人が、
「写真の方ですか?」
と話しかけてきました。
「えっ、写真?」
と不意を突かれた僕は、素っ頓狂な声を上げてしまいました。
「違うんだよ」「人違いだよ」
と3人の婦人は、ゴチャゴチャと言い合っています。
「温泉の講演に来られたんですか?」と僕。
すると、
「そうよ、やっぱり写真の人じゃない」
話を聞けば、「そこに貼ってあるポスターの写真と同じ人なので、声をかけた」とのこと。
それにしても 「写真の人ですか?」 はないですよね。
て、いうか、ポスターって何?
あわてて、婦人が指さす方へ行ってみると……
あら、まあ~、
大きくハダカの僕の入浴写真が、カラーで載っているではありませんか! ! !
驚きました。
これなら初対面でも、僕だって分かるはずです。
(知らぬは本人ばかりかな)
講演会は、定時に始まり、難なく無事、終了しました。
でも、演題は 「花袋の愛した群馬の温泉」 なのに、ついつい話し出したら熱くなってしまって、気が付いたら 「僕が愛した群馬の温泉」 になってしまってましたね。
でも、たくさんの方が来てくださり、みなさん真剣に話を聴いてくださいました。
また、たくさんの方に、著書を買っていただきました。
どうも、ありがとうございました。
そして、岡屋課長さんを始めとして、石崎係長さん、職員のみなさん、そして今回の講演会のために骨を折ってくださった主任の福田美枝さん、本当にお世話になりました。
ぜひ、これに懲りずに、また呼んでくださいね。
2011年09月10日
積善館ライブ part 2
7月に四万温泉の積善館で行ったライブ、なんだか大変好評だったようで、その後も旅館に問い合わせがあるのだそうです。
で、「あのバンドのライブがある日に、また泊まりたいのですが、教えてください」 というお客さんもいるらしく、急きょ、追加ライブが決定しました。
なんだか不思議な感じがします。
本業ではなく、遊びでやっていることにオファーが来るなんて、こりゃこりゃ、不良オヤジになっちまった気分ですぞ。
そもそもバンドなんて、自分たちが気持ちイイからやってるんであって、他人に聴かせるなんて、二の次ですからね。
気の合う仲間と、音出しながら、酒飲んで、楽しい一夜を過ごせれば、それでイイんですよ。
だから、今回もバンマスから 「また出演してくれってよ」 と連絡をもらったときは、真っ先に “ああ、これでまた楽しい酒が飲める” と思っちゃいましたものね。
返事をしてから気づいたのですが、ライブ当日は、例の群馬県観光国際協会主催の中之条町で開催される 「なかんじょ 湯けむりツアー」 の日だったんですよ。
ライブは夜だし、中之条から四万温泉は近いし、ま、いいか!ということにしました。
でも昼間はツアーで、夜はライブだなんて、ちょっぴり売れっ子の芸能人みたいで、いいかもね。
(ただし、体力が最後まで持つかが心配です)
※当日は、新刊 『あなたにも教えたい 四万温泉』 の発売を記念して、本の販売とサイン会をライブ終了後に行います。
積善館ライブ <追加公演>
~みんなで歌おう! 懐かしのフォーク&GSサウンド~
●出 演 KUWAバン
vo.g 桑原 一(アートディレクター)
vo.g 小暮 淳(フリーライター)
g 木村正明(デザイナー)
ba 酒井 寛(ドッグアーティスト)
●会 場 四万温泉 佳松亭積善 ロビー
●日 時 2011年10月22日(土) 午後8時30分~
●料 金 入場無料
●問 合 積善館 tel.0279-64-2101
2011年09月09日
新刊 『あなたにも教えたい 四万温泉』 いよいよ発売!
昨日、来週の発行に合わせて、新刊本が出版元へ納品され、著者のもとへも数冊が届けられました。
『あなたにも教えたい 四万温泉』 (上毛新聞社刊、定価1,000円 税込)
表紙が、なんとも幻想的! 魔法使いが空を飛んでいそうなワンダーランドの世界です。
たぶん四万温泉へ行ったことのある人でも、「えっ、こんなところがあったの!?」 と驚きの声を上げるでしょうね。
実際、四万温泉の人たち(協会や宿の主人たち) には、絶賛の声をいただいております。
しかも絶賛ついでに、本の表紙写真が、そのまま四万温泉のPRポスターに使用されることになりました。
で、この写真を撮影したカメラマンは、酒井寛君であります。
僕の小学校1年3組のときの同級生です。
以来、46年間遊び続けている竹馬の朋友であります。
2人はバンド仲間でもありますから、昔から実に良く遊ぶんですね。
でも、仕事となると、あまり接点がなかったもので、互いの仕事の実力は良く知らないんですよ。
おまけに、彼の本業は “ドッグアーティスト” ですから。
なんじゃ、それ?って。
ドッグアーティストとは、呼んで字のごとく、犬の芸術家です。
ま、犬好きが高じて、犬のことなら何でも仕事にしてしまう職業ですね。
だから、ふだんは犬の写真を撮っているカメラマンです。
の、彼が、幼なじみの小暮のために、腕をフルってくれたのですよ。
ちなみに、表紙と扉を開いたグラビア写真も、彼の作品です。
四万川に水中カメラを持ち込んでの、超力作ですぞっ!
乞う、ご期待であります。
と、いうことで、昨晩は業界恒例の “打ち上げ”となりました。
この仕事をしていて、何が楽しいかって、それは、苦労して作った作品を前に、苦労を共にした仲間と、酒を飲むことに決まっているじゃありませんか!
印刷所から届いたばかりの、ホッカホッカの湯気が出ている新刊本を手に、
「カンパ~~~イ!!!」
キーーーーッ、しみるっなんてもんじゃ、ありませんぜ!
この快感のために、すべての苦労があるのですよ。
この達成感と充足感、「あー、この仕事を生業にして良かったぁー」と心底思える瞬間なのです。
同じく、苦楽を共にした、打ち上げのメンバーは……
アートディレクション・写真 桑原 一
装丁・デザイン 栗原 俊文
表紙・グラビア写真 酒井 寛
そして、取材・文を担当した僕であります。
いゃ~、美酒というのは、酔えるものですね。
いつもの倍くらい、みんな酒を浴びたんじゃないでしょうか。
「小暮さん、これサービスよ。お祝いだから」
なーんて、飲み屋の女将さんまで、ステーキをプレゼントしてくれました。
ありがとうございます。
新刊 『あなたにも教えたい 四万温泉』 は、来週15日の発行日に合わせて、これより書店へ配送されます。
一部の地区、または書店の取り次ぎの関係により、多少の遅れが生じる場合もあります。
※書店販売と四万温泉地内での販売では、帯のデザインが異なります。
四万温泉バージョンは、僕の手描きメッセージとサイン、似顔絵が描かれています。
2011年09月08日
島人たちの唄⑬ 「ぼくと、ぼくらと篠島の夕日」(下)
篠島は、南北に細長い勾玉(まがたま)のような形をしている。
北部の埋立地区を除くと、ほとんどは起伏に富んだ山島だ。
民家は、わずかな平地と斜面に寄り添うように密集している。
港のある西側は知多半島を望み、渥美半島を望む東側には、前浜(ないば)と呼ばれる淡黄色の美しい砂浜が600メートルにわたり広がる。
一行は前浜で波とたわむれたのち、いよいよ島一番のビュースポットを目指して、山道に取りついた。
ヒールを履いているご婦人には気の毒な急斜面を、全員が息を切らして登り始めた。
登山道はすべて海に面している。
奇岩や砂浜、小さな属島が見えるたびに、方々から喚声が上がる。
そのたびに僕は、優越感に満たされた。
僕らが愛したこの島を、みんなが気に入ってくれたのが、うれしくて仕方がなかった。
やがて最南端の展望台へ。
正面には属島の一つ、野島が見える。
無人島だが、標高は篠島より高い。
さあ、ここからは下りだ。
足元に気をつけて!
折りしも、合わせたように日没の時刻。
てっぺんに松をあしらえた松島に、夕日の長い帯がかかり始めていた。
「万葉の丘」 から望む夕日は、「日本の夕日100選」 に選ばれている名所だ。
あまりの美しさか、一行から声は上がらない。
その代わり、各々がケータイを手に、シャッターを押し出した。
しばらく、みんな丘にたたずんでいた。
海面をのびてきた夕日の帯が、やがて僕らにとどき、みんなの顔を赤く染めていった。
宿の夕食時、誰もがケータイの待ち受け画面を見せ合い、その美しさを自慢しあっていた。
目の前には、刺身に始まり、唐揚げ、鍋、そして雑炊にいたるまで、フグフグフグのフグ三昧のフルコースがずら~りと並んだ。
篠島のフグは、日本有数の漁獲高を誇り、下関にも卸しているという、知る人ぞ知る名物である。
産地で直接手に入るから、良いものが安く手に入る。
だから、この量!
たぶんみんな、一人でこれだけのフグ料理を食べたことなんて、初めてじゃないのかな。
まっ、この僕だって、これだけこの島に来ていて、フグ刺しを遠慮なく箸ですくって食べたのは、初めてだけど……。
翌朝、みんなは早起きをして、今度は朝日を見に出かけたらしい。
あいにく僕は二日酔いで、それどころではなかったのだ。
でも、帰りはもう、添乗員はいらない。
小さな島だもの、思い思いに歩けばいい。
会長さんご夫妻の 「送りますよ」 の言葉をふりきって、誰もが港までの道を、歩き出していた。
< 「ぼくと、ぼくらと篠島の夕日」 完 >