2011年09月18日
長生きするとイイコトがある
「お祝いなんかすると、ポックリ死んじゃうぞ~」
なんて、よく他人からは言われますが、
「ボケが軽いうちに、本人も喜ぶだろうから、今年の秋にやっちゃおうよ」
と実兄に言われて、
「じぁあ、喜寿(77歳の祝い)のときと同じ寿司屋でいいよね」
と僕が予約を入れました。
僕の父は、大正13年生まれ。
満で87歳です。
で、前述の理由から、昨晩、かぞえで米寿(88歳の祝い)の祝賀会を行いました。
正月以来です、一族が全員集合したのは……
東京で暮らす実兄一家、兄と義姉と姪の3人。
我が家からは、僕と家内と長女、長男、次女、1歳の孫(長女の息子)。
そして、母(御年84歳) と主役の父。
総勢11人です。
今回も娘婿は仕事の都合で欠席でした。
彼と酒を酌み交わすのを楽しみにしていたんですけどね。
残念です。
その代わり、人生初のサプライズがありました!
座敷に着いて、まずは飲み物の注文です。
車の運転を控えている者、それと未成年以外は、お祝いの席ですから全員生ビールを注文しました。
で、ふと、僕の隣を見ると、大学生の長男が困ったような表情をしています。
「あれ、お前20歳になったんだっけ?」
確か、まだのはずです。
「オヤジの祝いだって、かぞえなんだから、お前も今日だけはかぞえで20歳だ。飲め!」
実兄のひと言で、即決。
息子の前にも、生ビールのジョッキが運ばれました。
なぜか、僕は一人で緊張していました。
だって、こんな大切な瞬間が、いとも簡単に、こんな場で訪れるなんて、心の準備ができていません。
息子を持つ父親なら、誰でもこの気持ち、分かってくれますよね?
いわゆる、父親の “夢” の1つなんですよ。
息子といつか、酒を酌み交わすっていうのは……。
思えば20年前。
当時、僕が編集していた雑誌の「編集後記」に、彼が生まれた日のことを記しました。
“これから長い人生、よろしくな! 今からお父さんは、君と酒を飲む日が来るのを首を長~くして待っています”
なーんて。
「米寿のお祝い、おめでとうございます。では、カンパーイ!」
実兄の発声で、宴が始まりました。
「カンパイ!」
僕は、そっと隣の息子へジョッキを掲げました。
カキーン ……
これが僕にとっての歴史的瞬間でした。
「お前、飲んだことあるのか?」
「うん、バイトの送別会とか」
2人の会話を聞いていた長女が、
「私なんか、高校生の時から飲んでたからね。今だから言っちゃうけど、ヘヘッ」
おいおい、なにが、へへッだ!
それはそれで、困ったものだ。
待てよ、俺はどうだった?
娘のことが言えるのか?
いや、言えないぞ!
高校の校舎の屋上で、休み時間にタバコを吸ってたし、
放課後、喫茶店にウィスキーを持ち込んで、店員の目を盗んで、仲間とコークハイを作って飲んでたっけ。
でも、これで儀式は済んだ。
息子には僕のような、のん兵衛にはなってほしくはないけれど、そこそこは飲める男であってほしい。
そして次の20年後は、孫と酒を交わせるように、健康で長生きをしなくてはなりませんな。
「長生きをすると、イイコトがあるな~。なぁ、ばあちゃんよ」
そう、つぶやいたオヤジの笑顔が、一族全員に光を当ててくれました。
オヤジ、次は卒寿(90歳の祝い)だぞ!
長生きしてくれよな。
また、イイコトがあるよ!
Posted by 小暮 淳 at 17:30│Comments(5)
│つれづれ
この記事へのコメント
親は、いつか子供と一緒にお酒を飲みたいと思っているものですね。
一人娘も後1年するとお酒が飲める歳になります。
その時には、美味しい日本酒で、うんちくをいっぱい話しながら飲みたいと思っているのですが、どうなることやら。
こちらが思っているほど、子供は感じてないと思います。(自分の場合もそうだったから)
一人娘も後1年するとお酒が飲める歳になります。
その時には、美味しい日本酒で、うんちくをいっぱい話しながら飲みたいと思っているのですが、どうなることやら。
こちらが思っているほど、子供は感じてないと思います。(自分の場合もそうだったから)
Posted by ヒロ坊 at 2011年09月18日 18:01
ヒロ坊さんへ
そーでしたか!
子供が、どう感じているかなんて、どーでもいいんですよ。
我が子と、酒を飲めた喜びを素直に享受すればいいんです。
娘さんの結婚も、楽しみですな。
娘婿と飲む酒は、これまた格別ですぞっ!
実の息子と違って、イヤな顔せずに、うんちくを聞いてくれますからね(笑)。
そーでしたか!
子供が、どう感じているかなんて、どーでもいいんですよ。
我が子と、酒を飲めた喜びを素直に享受すればいいんです。
娘さんの結婚も、楽しみですな。
娘婿と飲む酒は、これまた格別ですぞっ!
実の息子と違って、イヤな顔せずに、うんちくを聞いてくれますからね(笑)。
Posted by 小暮 at 2011年09月19日 01:13
耳が痛い(+_<)
イロイロな要因で 基本酒は 飲まない方でして
新潟の栃尾又や貝掛に 行くと 飲めないのは 損なのか? と思いますが
ヾ(>Д<) 無理なのです
イロイロな要因で 基本酒は 飲まない方でして
新潟の栃尾又や貝掛に 行くと 飲めないのは 損なのか? と思いますが
ヾ(>Д<) 無理なのです
Posted by momotaka at 2011年09月19日 12:29
お父上様、米寿のお祝いおめでとうございます。
そうですかぁ~、実はワタクシも、この春長男が進学しまして~
順法精神が旺盛なもので、これまで酒など飲ませた事は無かったのですが~、愚息が夏休みに帰郷した際、ラーメン屋でビールで初乾杯となりました。しっかりフライングですが…(ボルトなら失格だ~)
先日は…、私が上京した際、神田で待ち合わせ、昼飯ながらビール。その後、京成立石で、もつ焼き屋でビール&梅割り焼酎、立ち食いすし屋で小瓶エビス、串焼き屋でハイボールと、はしご酒体験も…。
そこそこには飲めるようで…。 それにしても愚息よ、すし屋の第一オーダーが鯖って…あなたも酒飲みねっ! と言う感じでした。
ちょっと、くすぐったかったですけどね。
そうですかぁ~、実はワタクシも、この春長男が進学しまして~
順法精神が旺盛なもので、これまで酒など飲ませた事は無かったのですが~、愚息が夏休みに帰郷した際、ラーメン屋でビールで初乾杯となりました。しっかりフライングですが…(ボルトなら失格だ~)
先日は…、私が上京した際、神田で待ち合わせ、昼飯ながらビール。その後、京成立石で、もつ焼き屋でビール&梅割り焼酎、立ち食いすし屋で小瓶エビス、串焼き屋でハイボールと、はしご酒体験も…。
そこそこには飲めるようで…。 それにしても愚息よ、すし屋の第一オーダーが鯖って…あなたも酒飲みねっ! と言う感じでした。
ちょっと、くすぐったかったですけどね。
Posted by kuri at 2011年09月19日 17:37
momotakaさんへ
それは身体的なのか、味覚的なのか?
身体的なら、仕方ありませんな。
味覚的なら、晩年に酒が飲めるようになった知人もおりますが……。
くれぐれも無理は、なさらないように。
kuriさんへ
ありがとうございます。
我が一族は長寿の家系のようで、父の兄は御年94歳ですが、元気に家庭菜園を楽しんでおります。
それは身体的なのか、味覚的なのか?
身体的なら、仕方ありませんな。
味覚的なら、晩年に酒が飲めるようになった知人もおりますが……。
くれぐれも無理は、なさらないように。
kuriさんへ
ありがとうございます。
我が一族は長寿の家系のようで、父の兄は御年94歳ですが、元気に家庭菜園を楽しんでおります。
Posted by 小暮 at 2011年09月20日 01:45