温泉ライター、小暮淳の公式ブログです。雑誌や新聞では書けなかったこぼれ話や講演会、セミナーなどのイベント情報および日常をつれづれなるままに公表しています。
プロフィール
小暮 淳
小暮 淳
こぐれ じゅん



1958年、群馬県前橋市生まれ。

群馬県内のタウン誌、生活情報誌、フリーペーパー等の編集長を経て、現在はフリーライター。

温泉の魅力に取りつかれ、取材を続けながら群馬県内の温泉地をめぐる。特に一軒宿や小さな温泉地を中心に訪ね、新聞や雑誌にエッセーやコラムを執筆中。群馬の温泉のPRを兼ねて、セミナーや講演活動も行っている。

群馬県温泉アドバイザー「フォローアップ研修会」講師(平成19年度)。

長野県温泉協会「研修会」講師(平成20年度)

NHK文化センター前橋教室「野外温泉講座」講師(平成21年度~現在)
NHK-FM前橋放送局「群馬は温泉パラダイス」パーソナリティー(平成23年度)

前橋カルチャーセンター「小暮淳と行く 湯けむり散歩」講師(平成22、24年度)

群馬テレビ「ニュースジャスト6」コメンテーター(平成24年度~27年)
群馬テレビ「ぐんまトリビア図鑑」スーパーバイザー(平成27年度~現在)

NPO法人「湯治乃邑(くに)」代表理事
群馬のブログポータルサイト「グンブロ」顧問
みなかみ温泉大使
中之条町観光大使
老神温泉大使
伊香保温泉大使
四万温泉大使
ぐんまの地酒大使
群馬県立歴史博物館「友の会」運営委員



著書に『ぐんまの源泉一軒宿』 『群馬の小さな温泉』 『あなたにも教えたい 四万温泉』 『みなかみ18湯〔上〕』 『みなかみ18湯〔下〕』 『新ぐんまの源泉一軒宿』 『尾瀬の里湯~老神片品11温泉』 『西上州の薬湯』『金銀名湯 伊香保温泉』 『ぐんまの里山 てくてく歩き』 『上毛カルテ』(以上、上毛新聞社)、『ぐんま謎学の旅~民話と伝説の舞台』(ちいきしんぶん)、『ヨー!サイゴン』(でくの房)、絵本『誕生日の夜』(よろずかわら版)などがある。

2011年07月30日

燃えろ! いいオヤジ


 「歌って踊れる、温泉ジャーナリスト」

 なんじぁ~?
 何気なく検索していたら、そんな言葉を発見。
 どなたかのブログのようです。

 「講師の小暮淳氏は歌も唄います」

 ぬっ? オレか?

 ブログをのぞいて見ると、今年の2月に水上温泉でやった講演会の写真が載っていました。
 ふ、ふーん。当日、聴講された方のブログのようです。

 歌って踊れる、温泉ジャーナリストか……
 悪くありません。
 今後は、そのあたりを目指しますかね。

 なーんて、バンド仲間に話したら、
 「もう、なってるし! そのままじゃんよ」
 だってさ。
 だよね、昨日も、大いに歌って、踊ってしまいましたものね。


 と、いうことで、昨晩は四万温泉の老舗旅館 「積善館」にて、『積善館ライブ 2011』 に呼ばれて、コンサートをしてきました。

 いゃあ~、ここのところ仕事以外で四万温泉へ行ってませんでしたから、久々に羽を伸ばしてきましたよ。
 午後5時、機材の搬入。
 会場は、佳松亭積善のロビーホール。

 1時間かけてセッティング。
 食事をはさんで、午後8時よりリハーサル。
 なのに、すでに会場には、お客さんの姿がちらほら……。

 音楽仲間で、中之条役場の冨沢洋さんがPA(音響) に駆けつけてくれて、これで安心して演奏ができるというもの。
 定刻、午後8時30分ジャストにライブ開始!
 1部は、「懐かしのフォークソング」です。
 アリスメドレーで、元気良く幕を開けました。

 割れんばかりの拍手と、ピーピーと指笛までが鳴り響きます。
 顔を上げて会場を見渡せば、客席は満員です。

 休憩をはさんで、2部に突入!
 「熱唱! グループサウンズ」 では60年代のGSを次々と演奏。
 年配客の多い会場は、ノリにノッテましたよ。
 拍手に手拍子、かけ声も飛び交い、いよいよステージはファイナルへ。

 ラストは、ここが四万温泉ということもあり、オリジナルのご当地ソングを2曲ほど披露しました。

 バンマス、桑原一氏の作詞作曲による「四万のうた」。
 そして、ご存知 「GO!GO!温泉パラダイス」 であります。
 積善館の社長、黒澤大二郎さんもバンジョーにて、飛び入り参加して、大いに盛り上がりました。

 約1時間のステージを無事終了。
 気が付けば、立ち見客も押しかけて超超超満員の大盛況でありました。

 さすが四万温泉であります。
 全国からのお客さんが多く、ライブ終了後にたくさんの方が声をかけてくださいました。
 「熊本の温泉ソングも作ってよ」
 と九州から来たご夫婦は、CDと本を買ってくれたうえに、一緒に記念写真も撮って行かれました。
 ありがとうございます。

 「この歌、カラオケで歌えるかい?」
 と言って、1人でCDを2枚も買ってくださった栃木県からのお客さん。
 ありがとうございます。
 残念ながら、カラオケには、まだなってないんですよ。
 その代わり、CDにカラオケが付いているので、家で練習してくださいね。

 「世良公則に似てますね」
 なーんて言ってくれたお客さんもいて、気分もアゲアゲ!

 “燃えろ! いいオヤジ” ってかーーっ!


 ステージ終了後、片付けを済ませたら、もう午後10時半。
 黒澤社長が、「簡単に打ち上げをやりましょう」と、ビールとオードブルを用意してくださいました。

 「カンパーイ!」

 きーーーッ、うまっすねぇ!
 仕事のあとのビールもうまいが、遊びのあとのビールも、これまたうまい。

 「おっ、これ、小暮さんのビールじゃない!」
 と、デザイナーのKさん。
 そうです、キリンの “一番搾り” なんですよ。
  このブログのプロフィールや著書のプロフィール写真でお馴染みになっている、僕の好きな銘柄であります。
 いつしか、“小暮さんのビール” と呼ばれています。

 立て続けに3本飲んで、とりあえず部屋へ。
 すでに、深夜0時を回っています。
 が、
 オヤジたちは、これからがパワー全開であります!

 先ほどのライブのビデオを観賞しながら、朝方まで酒を浴びつづけたのであります。

 もちろん、本やCDの売上金は、すべてアルコールに化けてしまいましたとさ。


 一夜明けて、食堂や廊下、風呂で宿泊客に会うたびに 「夕べは楽しかったです」「ありがとうございました」「今度、いつやるんですか? その時、また来ます」 なーんていう嬉しい言葉をたくさんかけていただきました。

 みなさん、こちらこそ、ありがとうございました。
 また、会いましょうね。

 ※昨晩のライブの様子は、積善館のHP 「ブログ 積善だより」 にて閲覧ができます。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:28Comments(6)酔眼日記

2011年07月28日

「さよならの夏」が聴こえる



 ♪光る海に かすむ船は
   さよならの汽笛 のこします
   ゆるい坂を 下りてゆけば
   夏色の風に 逢えるかしら♪


 誰でも、きっと1曲や2曲、その歌を聴くと、胸の奥の方がキューンと締め付けられるような曲ってありますよね。
 最近、テレビのCMで良く流れる 『さよならの夏』 が、僕にとっては、その1曲なんです。

 なんでもアニメ映画 『コクリコ坂から』 の主題曲らしいですね。
 でも、この歌は、とっても古い歌なんです。


 もう30年以上も前の話です。
 正確には、34年前になります。
 当時、僕は東京の音楽学校で、作曲の勉強をしていました。
 その頃、友人の紹介で知り合ったのが、2人の女性でした。

 「とにかく歌が好きで、歌のうまい子たちがいるから、会ってみないか?」
 そう友人に紹介されたのが、静岡県出身のJ子さんと、秋田県出身のKルさんでした。
 2人は僕より1つ年下で、予備校へ通う浪人生でした。

 出会ってから彼女たちは、毎週のように僕のアパートへ通ってくるようになりました。
 受験勉強の息抜きだったのでしよう。
 僕がギターを弾いて伴奏すると、2人が美しいハーモニーで歌います。
 ただ、それだけで楽しい時間でした。

 翌年、2人は無事、大学に合格しました。
 これを機に、本格的に音楽活動を始めようと、僕が2人に曲を提供することになったのです。

 曲作りの参考にと、2人の一番好きな歌をテープ録音することになりました。
 そして、その時、2人が相談して選んだ曲が、森山良子の 『さよならの夏』(作詞/万里村ゆき子 作曲/坂田晃一) だったのです。

 実は、僕はその時に初めて聴いた曲だったのですが、2人のハーモニーの美しさに、一瞬で好きになってしまいました。
 物悲しい詩とメロディーが、淡い恋の終わりを伝える名曲です。

 この曲を2人のイメージとして、僕は2曲の歌を作詞・作曲して、プレゼントしました。

 グループ名は、「hamo hamo」。
 オリジナル曲は、「旅に出たいな」と「想い出づくり」。

 当時は、まだレコードの時代ですから、そう簡単には自主レーベルでも出せません。
 その年は、彼女たちのことより自分の音楽活動のほうが忙しくて、先に僕がレコードデビューしてしまいました。


 その後、20代は手紙のやり取りをしていた記憶があります。
 J子さんは大学卒業後、静岡へ帰って地元で結婚したと聞きます。
 Kルさんは、結婚してご主人の仕事の関係で長野にいると誰かに聞いた記憶があります。

 さらに何十年と、時は過ぎているのですから、今2人が、どこで何をしているのかなんて、知るよしもありません。

 でも今、テレビから流れる 『さよならの夏』 に、あの時の夏を思い出しているに違いありません。

 クーラーも、扇風機もない、ビルの谷間のアパートで、汗だくになって歌を練習していた……あの夏です。


 今日もテレビから、あの歌が流れるたび、胸の奥の奥の、そのまた奥のほうがが、チックンと痛むのです。


 暑中見舞い申し上げます。
 あの、さよならの夏にいた3人へ。
    


Posted by 小暮 淳 at 17:02Comments(7)つれづれ

2011年07月27日

霧積温泉 「金湯館」②

 『群馬、最後の秘湯』

 僕は、そう名づけています。

 “秘湯” といわれて、群馬県内で思い浮かべる温泉は、いくつかありますが、やっぱり何度行ってみても、霧積温泉の「金湯館」が、キング・オブ・秘湯ではないでしょうかね。


 ということで、僕はずーーと講座の対象からは外していたのです。
 だって、いくら小型バスだといっても、あの険しい山道は無理でしょうし、たとえ下の駐車場(もう一軒の宿「きりづみ館」)まで行けたとしても、そこから23名の受講者全員を「ホイホイ坂」と呼ばれる登山道を登らせるわけにはいきませんもの。

 ところが「どーしても行きたい!」という受講生らからのラブコールを受けて、NHK文化センターの担当者Tさんが交渉してくださり、山道の途中から宿のマイクロバスに迎えに来てもらうことになりました。
 さすが、Tさん! 前支社長だった人だけあって、押しが強いんです。

 で、昨日は、平成23年度温泉講座 「探訪!ぐんまの小さな温泉」のメーンイベントとなった7月講座を、霧積温泉にて行ってきました。


 午前9時、バスは前橋駅南口をスタート。
 群馬の温泉地は北部が多いので、ふだんは高崎駅スタート~前橋駅経由がほとんどですが、今回は珍しく西へ向かうため、前橋駅から出発をして、高崎駅で残りの受講生を乗せました。

 「先生、今日の新聞見ましたよ」
 「大きく出てましたね、良かったよ」
 と、半分近くの受講生が第一声、昨日の上毛新聞の記事「群馬の湯力」について触れていました。

 さすが、僕の講座の生徒さんたちですね。
 講師の記事は、ちゃんとチェックしています。
 掲載新聞を持ってきた人もいましたよ。


 国道18号を西へひた走り、ドライブイン「おぎのや」でトイレ休憩をした後、一路、バスは秘湯を目指します。
 旧碓氷峠の坂本宿を抜け、いよいよ山道へ。
 霧積湖を過ぎ、長野新幹線の高架橋をくぐったあたりで、金湯館のマイクロバスが待っていてくれました。

 ここで一行は、バスを乗り換え、4代目若主人の佐藤淳さんの運転にて、さらに奥地へと進みます。

 僕が金湯館を訪れるのは、ちょうど1年ぶりです。
 昨年の7月に、出版本の取材で泊まりました。
 前橋が40度近いという猛暑日だったのに、標高1180メートルの霧積は、なんと22度!
 夜は、涼しさを通り越して、寒くて、分厚い掛け布団にくるまって寝た記憶があります。

 「きりづみ館」の手前の分岐ゲート。一般車両は入れません。
 佐藤さんが、ゲートを開けて、入山します。
 ここからが、すごい道なんです。

 ガードレールなし!
 未舗装、ぬかるみ、土砂崩れあり、対向車とのすれ違い不可能……

 こんな道、通り慣れた宿の人しか運転できませんって。

 「きゃー!」 「コワ~イ!」
 車が揺れるたびに、黄色い声が上がります。

 分岐より15分ほどで、宿の上へ到着。
 裏手より近道にて下り、全員無事に宿へたどり着きました。


 地震の影響で、源泉の温度が2度下がってしまったといいますが、それでも湯は、相変わらず絶品の浴感で迎えてくれましたよ。
 人肌近い、ぬる湯にまったりと浸かっていると、やがてポコポコって背中を泡の粒が、くすぐりながら上がっていきます。
 やがて全身が、真っ白に!
 小さな気泡に包まれます。

 サーッと手で払うと、パーッと一斉に泡たちは旅立っていきます。

 僕は、これを 「サンゴの産卵」 と呼んでいます。

 「先生、来て良かったよ」
 「講座で連れてきてもらわなければ、一人じゃ来れない温泉だよ」
 「ああ、この講座を受講していて良かった」 etc etc …

 360度、ぐるりと大自然に囲まれた群馬、最後の秘湯 「霧積」。

 こうやって、受講生らを連れて、また来れたことを幸せに思います。

 3代目主人の佐藤敏行さん、女将さん、そして淳さん。
 大変お世話になりました。

 そして、僕の温泉講座を 「楽しい」 と言って、毎月受講してくださる受講生のみなさん。
 いつも、ありがとうございます。
 温泉ライター冥利につきる、素敵な1日でした。
 また来月、元気に会いましょうね!

 ※次回の温泉講座は8月23日、尻焼温泉へ行きます。
  


Posted by 小暮 淳 at 19:10Comments(7)温泉地・旅館

2011年07月24日

館林講演会、明日から受付開始!

 現在、館林市の「田山花袋記念文学館」で開催中の特別展 『温泉ソムリエ・田山花袋 -群馬の温泉編ー』(7月9日~10月10日) に合わせて、9月11日(日) に講演会が行われることになり、僕が講師を務めることになりました。

 ま、明治・大正の温泉ライター vs 平成の温泉ライターってことでしょうか?
 といっても、相手は文豪ですから、そもそも勝負にはならないのですが、大先生のふんどしを借りて土俵の上に立たせていただきます。

 で、今回は館林教育委員会の主催ということもあり、受講の対象が「一般」となっております。
 しかも! な、な、なんと受講料は、無料!

 ただし、先着200名限りです。
 今すぐ、お電話を!
 (なんだか、テレビショッピングみたいな口上になってきたぞ!)

 受講の申し込みは、明日の午前9時から!
 館林市文化会館の窓口に来館、または館林市教育委員会文化振興課(tel.0276-74-4111)へ電話にてお申し込みください。



    講演会 「花袋の愛した群馬の温泉」
 ●主 催 / 館林市教育委員会
 ●日 時 / 9月11日(日) 午前10時~11時30分
 ●会 場 / 館林市文化会館 2階 小ホール
 ●対 象 / 一般 (定員200名)
 ●受講料 / 無料
 ●講 師 / 小暮 淳 (前橋市在住・温泉ライター)
 ●申 込 / 7月25日(月) 午前9時~(先着順・定員になり次第終了)
          文化会館窓口に来館、または電話にて申し込み
 ●申し込み・問合せ先  館林市教育委員会文化振興課 (館林市文化会館内)
                 TEL.0276-74-4111
  


Posted by 小暮 淳 at 16:46Comments(9)講演・セミナー

2011年07月23日

積善館ライブ 2011

 今日は午前中から昼も食わずに、バンドの練習でした。
 いやぁ~、年々歳を重ねるごとに、バンド活動はキツクなっていきますなぁ…。
 体力との勝負であります。

 実は僕、現在、2つのバンドをやっております。

 1つは、ご存知、『GO!GO!温泉パラダイス』(作詞・作曲/小暮淳、振付/野村たかあき) や 『焼きまんじゅうろう 旅姿』(作詞/野村たかあき、作曲/小暮淳) などのオリジナルご当地ソングを歌うコミックバンドの「じゅん&クァパラダイス」 であります。
 こちらは県市町村の祭りやイベントに呼ばれて披露するのがメインの活動です。

 で、もう1つ、10年以上前から活動しているバンドが 『KUWAバン』 であります。
 こちらはクリエイティブネットワーク集団の「プロジェクトK」代表である桑原一氏が率いる完全なるオヤジバンドで、懐かしのフォークソングやGS(グループサウンズ) のコピー演奏を行っています。
 企業などの宴会の席に呼ばれることが多く、かつてはゴルフ場や結婚式場などへも出張演奏をしたことがあります。

 で、今回、久々に出演のお声が、この「KUWAバン」にかかりました。
 それも、四万温泉の老舗旅館「積善館」であります。
 おまけに、出演日は、あと1週間と日にちがない。
 と、いうことで、あわててメンバーを集めて、ガッツリ練習をしてきたのであります。

 40代は、まだ良かったのですよ。
 やっぱ50歳を過ぎると、キツイでんな。

 まず、声が出ない!
 すぐに息が切れる!
 熱唱すると、クラッと立ちくらみがする!
 立っているだけで腰が痛くなる。
 みんな、すぐ休憩を取りたがる。

 でも、なんとか勘を取り戻して、フラフラになりながらも14曲の練習を終えました。
 久しぶりにギター弾いたら、指がイテーっ!

 当日は、2部構成でライブを行います。
 1部は、「懐かしのフォークソング」と題して、アリスや風、井上陽水など。
 2部は、「熱唱! GSサウンド」と題して、ワイルドワンズやスパイダース、ヴィレッジシンガーズ、加山雄三など。
 1時間ほどのステージとなります。

 時間とお金のある方、ぜひ、“湯上がりライブ” にお越しください。


         積善館ライブ 2011 
  「みんなで歌おう!懐かしのフォーク&GSサウンド」
 ●出 演 / KUWAバン  vo.g 桑原一(アートディレクター)
                   vo.g 小暮淳(フリーライター)
                   g   木村正明(デザイナー)
                   ba  酒井寛(ドッグアーティスト)
 ●会 場 / 四万温泉 佳松亭積善 ロビー
 ●日 時 / 7月29日(金) 午後8時30分~
 ●料 金 / 入場無料
 ●問 合 / 積善館 tel.0279-64-2101
  


Posted by 小暮 淳 at 21:14Comments(0)ライブ・イベント

2011年07月22日

節目、節目に酔う


 「毎月、毎月が祭りだと思え!」

 昔、月刊誌の編集人をやっていた頃、そんなことをスタッフに言い続けていました。

 雑誌を1号作り上げるという作業は、まさに毎回 “祭り” をやっているような感覚なんですね。
 企画、取材、制作、営業を経て、印刷、発行までの作業は、実に祭り(イベント) に似ています。

 当然、祭りが終われば、フィナーレは “打ち上げ” です。

 「校了ー!」
 を合図に、スタッフらと夜の街へ、くり出して行きます。
 「お疲れさま~!」 「また来月も、頑張ろーな!」

 これを毎月毎月、くり返します。

 僕らの業界は、常に “打ち上げ” が付いてまわります。
 時には、スパンの長い仕事になると “中打ち” なる途中で、陣中の労をねぎらう酒盛りなんかもします。

 ま、役者にとっての舞台やミュージシャンにとってのコンサートと同じで、苦労を共にした仲間たちと達成感を共有しながら祝い合う慣習があるんです。

 で、昨夜は、“中打ち” をやってきました。

 朝日新聞に連載している温泉エッセー 『湯守の女房』 が、今週の水曜日で、ちょうど10回目の掲載となりました。
 で、僕の担当記者兼カメラマンのワタちゃんと、「あっという間に10回ですね。節目ですから……」ということになったわけです。

 「節目」っていう言葉、好きです。

 節目があってこそ、いい仕事ができるってーもんです。
 もし、節目がなくて、のんべんだら~りと仕事をしていたら、マンネリ化してしまい、作る側だって飽きてしまいます。
 何よりも、作る側が楽しめない仕事は、観る側、聴く側、読む側へ、その楽しみは伝わりません。

 とか何とか、理由をつけて、いざ、いつもの飲み屋へ!

 「カンパーイっ!」

 ワタちゃんは、しっかり掲載新聞を持ってきています。
 連載記事の“10” という数字を眺めつつ、キューッと冷えた生ビールを喉へ流し込む幸せ。
 アーティストたちは、自分の作品を前にして、美酒に酔うといいます。

 わかります、ねー! その気持ち!

 酔えるんですよ。
 仕事に、自分に、そして仲間に……。

 この連載がスタートしたのが、今年の2月。
 隔週というハードスケジュールの連載でしたが、なんとか続けられてきました。
 途中、震災の影響があり、お休みした週が何度かありましたが、担当記者のワタちゃんはじめ、新聞社のデスクや局長らの理解、そして何よりも読者の方々に支えられながら、ここに第10回の掲載を迎えることができました。

 みなさん、本当にありがとうございます。

 この場をお借りして、お礼を申し上げます。
 今後とも、よろしくお願いいたします。
  


Posted by 小暮 淳 at 20:31Comments(0)執筆余談

2011年07月19日

ホットパンツ と べっ甲飴


 今日は、月に一度のラジオ番組の生放送日でした。

 う~ん、年甲斐もなく、なぜか朝からルンルンしちゃう日なのです。

 と、いうことで、いつものように放送時間の1時間前に局入りをして、キャスターさんと事前打ち合わせをしました。

 キャスターさん?
 なーんて、かしこまった言い方をしてしまいましたが、僕から見たら娘のような金井一世(いよ)さんです。
 いえいえ、“いよちゃん” て呼んだほうが似合っている、まだあどけなさの残るお嬢さんであります。

 「よろしくお願いしまーす!」
 と、現れた一世ちゃんは、ぬぁ、ぬぁ、ぬぁんと! 今日はホットパンツ姿であります(ビックリ)。
 完全なる夏のお嬢さんルックに、オジサンはちょっぴり、ドギマギしてしまいましたよ。

 でも、そこは僕だってプロです。
 遊びに来ているわけじゃありません(まして、ナンパしようなんて、下心などこれっぽっちもありません)。
 ドギマギしながらも、念入りに番組進行の打ち合わせをしてから、スタジオへ入りました。

 今年の4月から放送している温泉番組 「群馬は温泉パラダイス」 も、今日で4回目。
 2人の息も、だんだん合ってきましたよ。
 なによりも、回を重ねるごとに、一世ちゃんが温泉に興味をもってくれて、どんどん詳しくなっているのです。
 オンエア以外の雑談でも、「○○温泉へ行ってきました」 とか 「湯守のいる温泉は……」なんて、しっかり学習をしているのです(エライ!)。

 で、今回は、9月に予定されている僕の講演会の資料を渡したら、しっかり番組の中で紹介してくれました。
 ありがとうございます。

 現在、講演会は年に5~6回開催していますが、ほとんどは自治体の高齢者教室や生涯学習講座の講師、または企業や団体、協会のイベントにゲストで呼ばれての講話です。一般を対象にした講演会は滅多にないので、一世ちゃんも 「ぜひ、番組で紹介しましょう」 と言ってくださったのです。

 (この講演会についての詳しい内容は、受講の申し込み日が近づいたら、このブログ上にて紹介します)


 「お疲れさまでした~!」
 と、歌の紹介を終えて、マイクをオフにした一世ちゃんがイヤホンを外しながら、立ち上がりました。
 「お疲れさまでした」
 と、僕がスタジオを出ようとした、その時です。

 「アメ、なめますか?」
 「……」
 「べっ甲飴です。どうぞ!」
 と、棒の先についたホタテ貝の形をしたアメを手渡されたのです。

 50歳を過ぎたオジサンと、ペロペロキャンディーのようなホタテ貝のべっ甲飴……
 なんだか、手に持っているだけでもハズカシイ……

 スタジオの外には、音声さんやディレクターさんがいて、「お疲れさまです」と声をかけてくださるのですが、なんともアメを持っている手が気になって、「あ、あ、はい」 とぎこちないあいさつになってしまいました。
 間抜けな退場でありますが、そそくさと局を後にしました。


 で、そのアメは、どーしたって?

 はい、今、僕の口の中で、コロコロしていますよ。

 ときどき口から出して、蛍光灯の光に当てて、のぞいています。
 べっ甲色の光が、キラキラと輝いて、そりぁ~キレイなんだから(と、なぜか乙女チック)

 で、お味は?

 あまーーーーーーいっ!

 に、決まっているじゃありませんか!
 (やっぱりオジサンはアメより、辛口の日本酒のほうが似合っていると思うのです)
 でも、一世ちゃん、ありがとうね。


 ※次回の放送日は8月23日(火)です。「温泉の楽しみ方」をテーマに、お話します。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:37Comments(10)温泉雑話

2011年07月17日

夏は、ぬる湯だ! 生放送!

 猛暑お見舞い申し上げます。

 しっかし、暑いですなぁ~!
 温泉ライターには、こたえる夏であります。
 撮影のために1日に3~4回入浴するのは、ざらですから、暑い日の熱い湯は命がけの取材となります。

 ま、仕事でなくて、息抜きの温泉だとしても、この時季はキツイですよね。
 そーなると、どーしても、ぬるい湯に入りたいわけです。

 と、いうことで、明後日のNHK-FMラジオ 「群馬は温泉パラダイス」 では、“ぬる湯” をテーマにお話をします。


 ぬる湯とは?

 一般的に入浴の適温は40~42度とされていますから、それ以下の温度の温泉のことを言います。
 ただ、どうしても源泉の温度が低いと、加温してしまう傾向にあるで、現在では、ぬる湯を提供している宿は希少といえます。
 言いかえれば、歴史のある温泉で、代々受け継いできた腕のいい湯守のいる宿でしか残せない温泉ということです。

 ぬる湯の良いところは、体への負担が少なく、長時間の入浴ができること。
 また、温泉に溶け込んでいる薬効成分が皮膚や呼吸器から充分に吸収されるため、皮膚病やぜんそくなど気管支の病に効果があるとされています。
 なによりも、心臓や肺への負担が少ないわけですから、心臓病や高血圧症の人も、安心して入浴できるのが嬉しいですね。

 ぬる湯の入浴は、「微温浴」「持続浴」といわれ、特にヨーロッパでは昔から行われている入浴法です。
 長く入浴することで、血行が良くなり、老廃物や疲労物質が排出されやすくなるため、ストレスの解消やノイローゼ、不眠症などの精神障害にも有効とされています。
 何かと悩み事の多い現代人には、熱い湯よりは、ぬる湯の方が向いているのかもしれませんね。

 加熱するとガスが抜けてしまう炭酸泉を味わえるのも、“ぬる湯”でしか体験できません。

 夏だからこそ、ぬる湯を思う存分に体感しちゃいましょうね!

 県内には、どんな、ぬる湯温泉があるかは、番組の中でご紹介します。


    第4回 「ぬる湯の魅力」
 ●放送局  NHK-FM前橋 81.6MHz
 ●番組名  トワイライト群馬 「群馬は温泉パラダイス」
 ●日  時  7月19日(火) 午後6時~6時30分
 ●出  演  金井 一世 (キャスター)
         小暮 淳 (フリーライター)
   


Posted by 小暮 淳 at 16:36Comments(5)温泉雑話

2011年07月16日

群馬には湯力がある!


 昨日は、高崎市で講演をしてきました。

 会場は、結婚式場の「ジョージアンハウス1997」。
 主催は、日頃からお世話になっている上毛新聞社さん。
 聴講者は、上毛新聞社協力会の会員さんたちです。

 会場には、スーツ姿のオジ様(オヤジではない) ばかり、ざっと約100名。
 みなさん、上毛新聞社のえら~い方々や、関連企業の社長さんばかりです。

 うっ、いつもと雰囲気が違う……
 ちょっと、空気が重々しいかも……

 こういった場合、とっさに判断しなくてはならないのが、しゃべり出しの“つかみ”をどうするかだ。

 こちらも重くいくか? 逆に笑いをとるか? えい、こうなったら怒りと情熱を見せて、問題定義から突入するか!

 と、いうことで “つかみ” は群馬DC(デスティネーションキャンペーン) ネタから入り、群馬の温泉がいかに素晴らしく、秀でている温泉かという本題へ入っていきました。

 講演のタイトルは、『群馬の湯力(ゆぢから) ~温泉というブランド~』 であります。

 「湯力」とは、もちろん僕の造語ですが、読んで字のごとく、自然界から湧き出した温泉が持ち合わせている湯本来の力のことです。

 “霊験あらたかな湯”

 さらに補足をすれば、“神が宿っている湯” のこと。
 または、“神が祀られている湯” のことを言います。

 なぜ、日帰り温泉施設の湯には、神様がいないのか?

 これが今回の講演テーマでありました。


 ああ、今回も熱く語り過ぎてしまい、講演時間を大幅にオーバー!
 持ち時間45分のところ、1時間近くスピーチしてしまいました。

 それでも、その後の懇親会では、たくさんの方々が僕のところへやって来て、「大変ためになりました」とか「知らないことばかりでした」とか「湯力のある湯を探して行くようにします」などなど、活動の励みになる言葉をたくさんかけてくださいました。
 なかには、さっそく 「うちで講演会を開きますから、やっていただけますか?」 なーんていう気の早い人までいましたよ。

 懇親会場は、ビュッフェスタイルで、美味しそうな料理が並んでいます。
 が、次から次へと名刺を持ったオジ様たちがやって来るため、とうとう料理にはありつけませんでした。

 一番驚いたのは、上毛新聞社の渡辺幸男社長が、無類の温泉好きだったこと。
 会場では、わざわざ僕の隣まで来てくださり、温泉好きならではの質問をされました。
 僕が一つ一つ答えると、「今度行く」「絶対行く」と熱心にメモを取ろうとするのです。

 何よりも、講演会に僕を呼んでくださったのは社長さんのひと言だったようで、誠に感謝しております。


 群馬には、湯力がある!

 聴講してくださったみなさん、大変ありがとうございました。
   


Posted by 小暮 淳 at 11:53Comments(0)講演・セミナー

2011年07月14日

明日、高崎で講演します。


 3年ほど前から、講演会の依頼を受けることが多くなりました。

 自治体や各種団体、協会、企業からと依頼主はさまざまですが、基本的にお断りはしていません。
 だって講演は、群馬の温泉をアピールする最大のチャンスですもの。
 1人でも多くの人に(群馬県民にも、他県民にも)、群馬の温泉の素晴らしさを知って欲しいからです。

 で、明日は高崎市の 「ザ・ジョージアンハウス1997」 にて、上毛新聞社主催による協力会の定期総会にゲストとして呼ばれ、講演を行います。

 今回は、時節柄、群馬DC(デスティネーションキャンペーン) 中ということもあり、温泉という群馬ブランドをテーマにお話します。
 題して 『群馬の湯力(ゆぢから) ~温泉というブランド~』 。

 講演時間が45分と短いので、どれだけ集まった方に僕の思いが伝わるか少々心配なところではありますが、制限時間いっぱい使って、身ぶり手ぶりにてパフォーマンスして来ようと思います。

 今回は、対象が上毛新聞社の協力会(取引先や出入り業者などの関係者) ということで、一般の方の聴講はできません。
 関連企業のみなさん、明日はよろしくお願いしますね。

 絶対に、温泉を大好きにさせますよ!


 上毛新聞社協力会 第31回定期総会 「講演会」
 ●日 時 : 2011年7月15日(金) 16時30分~
 ●会 場 : ザ・ジョージアンハウス1997
         (高崎市江木町)
 ●講 師 : フリーライター 小暮 淳
         「群馬の湯力(ゆぢから) ~温泉というブランド~」
  


Posted by 小暮 淳 at 15:34Comments(3)講演・セミナー

2011年07月13日

ファイナル取材、ついに完了!


 長い長い取材活動でした。

 昨年の10月、四万温泉協会事務局を訪ね、出版会議に参加してから丸9ヵ月が経ちました。
 打ち合わせを重ね、本格的に取材を始めたのが12月の中旬。
 あれから毎月毎月、四万温泉を訪ね、泊り込み、人と会い、資料を集め、長い長い取材活動を続けてきました。

 出動回数18回、延べ日数36日間。

 本の出版の仕事を着手するたび、「この仕事には、終わりがあるのだろうか……」と、毎回不安にかられます。
 でも、終わりのない旅はないのですね。

 昨日、ついに最後の取材を完了しました!(よくやった! ←自分でほめる)

 四万温泉にある37軒の宿(旅館・ホテル・民宿) の全風呂 + 6つの外湯(共同湯) +43本の源泉を、すべて制覇しました。
 で、なんだか今は、達成感より、脱力感に見舞われています。
 しばらくボーっとして暮らしたいのは山々なのですが、ライターはこれからが勝負です。

 8月15日の完全入稿(すべての原稿が入り、デザイナーのもとからデータとなって印刷所へ入る)まで、あと約1ヶ月間。
 僕は、受験生のように「必達目標」をかかげて、ねじり鉢巻にて、連日連夜、原稿書きに明け暮れる毎日と闘わなくてはなりません。
 今日の脱力感なんて、つかの間の休息なのであります。
 だから今日くらいは、のんべんダラリと過ごさせてください。


 と、いうことで、昨日は昼からディレクター兼カメラマンのK氏とともに、最後の取材に四万温泉へ入りました。

 「やったー!」
 37軒目の宿の取材を終えて、ガッツポーズの僕。
 「じゃあ、とりあえず祝杯を挙げますか?」とK氏。

 いいですねー、そー来なくっちゃ!とばかり、酒屋へ直行。
 缶ビールを抱えて、清流・四万川のほとりへ。

 「S君も呼んであげましょうよ」と、ケータイにて連絡を。
 そうです、今日もひと足先に現地入りして、グラビアカメラマンのS君が、四万川に腰まで浸かって、水中写真を撮っているのです。

 すぐに、渓流釣り用の腰まである長靴を履いたS君が川から上がって来ました。

 「カンパーイ!」

 うーーーっ、たまんないっすねぇ。
 平日の真っ昼間、仕事を終えた充足感に包まれながら、山深い温泉地の渓流のほとり。
 3人の怪しいオヤジたちは、豪快にビールをあおったのでありました。

 その晩。
 S君は、最後の仕事へ出かけました。
 肝心要の表紙撮影です。

 彼のすごいところは、川の中だろうが、夜の温泉街だろうが、何度でも出かけて、納得いく写真が取れるまで通い撮り続けることです。
 いえいえ、納得のいった写真が撮れて、ディレクターが「これで行きましょう」と言っても、「もっといい写真が取れるかもしれない」からと、夜となく、朝となく、光の加減で表情を微妙に変える被写体を撮影しに、何度でも出かけて行くのです。

 彼のような人を、本当の “プロカメラマン” って言うんでしょうね。


 で、酒を飲んでいるK氏を宿に置いて、僕もS君の撮影現場へ同行しました。

 ちょうど温泉街は、夕食を終えた宿泊客らが浴衣姿で夕涼みにそぞろ歩いています。
 また、地元の商店主たちは一日の仕事を終えて、タオルと桶を抱えて共同湯へと出かけて行きます。

 「なに、撮ってるの?」
 橋の上で撮影をしていると、浴衣姿の女性が数名、見物にやって来ました。

 これこれしかじか、本の表紙を撮っているのだと説明すると、その中の1人が、
 「えっ、小暮淳さんですか?」 と言ったのです。
 これには、ビックリ!

 「はい、そうですけど……」 と返事をするやいなや、「いつも読んでます~」 と握手をするわ、写メを撮るわ、大変なことになってしまいました。
 他の女性は、僕のことなど知らないようで、「誰? 有名人?」と訊いています。
 最初の女性が説明を始めると、途端に態度が変わり、次々と握手を求めだし、1人ずつ一緒に写真を撮るように要求され、ますます大変なことに……。

 浴衣姿の熟女たちに、体中を触られ、もみくちゃにされました(恐るべし、熟女パワー!)。

 「ははははっー、これは凄い! 淳ちゃん、いまや芸能人並みの人気だねぇ」
 とS君は、撮影を続けながら、その騒ぎを傍観していました。

 宿に帰ってからは、K氏に事の顛末を報告し、そのネタで盛り上がったことは、言うまでもありません。


 それにしても、どーして僕の読者って、オヤジとオバサンばっかりなのよ?

 まっ、いいか。
 あのオバサンたち、今度出る本は全員買ってくれるって言ってたものな。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:23Comments(2)取材百景

2011年07月11日

白根温泉 「加羅倉館」②


 今日は朝から関越自動車道を飛ばして、栃木県境近くの白根温泉へ行ってきました。
 加羅倉館(からくらかん) を最後に訪ねたのは、去年の9月ですから、かれこれ10ヵ月ぶりであります。

 駐車場に着くなり、管理人の入澤さん夫妻が、大滝川に架かる橋の上まで出迎えてくれました。
 「お久しぶりでーす! お元気でしたか?」

 僕は、このご夫婦が大好きなんです。
 ご主人の眞一さんは、とにかく、ここの湯に惚れ込んで惚れ込んで、管理人になった人ですから。
 奥様の澄子さんも、「一度言い出したら聞かない」主人について、一緒にこんな山奥に移り住んだ人です。

 だから、群馬県内でも屈指の “湯守夫婦” なんです。

 で、再会の第一声は、やはり震災の話。
 「温泉は大丈夫でしたか? 異変はありませんでしか?」 と僕。
 すると入澤さんは、

 「いきなり湯量が4倍になっちゃったよ! おかげで浴室は湯びたしになった」
 と笑うのです。

 4倍とは、すごい!

 だって加羅倉館には、13本の源泉があり、すでに毎分600リットルの湧出量があるんですよ。
 それが4倍ーーーー!

 「100日間つづいて、今は元の湯量にもどったけどね。うちは地震のたびに湯量が増えるんだよ」

 いやいや、これだから温泉ってのは、不思議です。
 全国には、突然止まってしまった温泉がいくつもあるのですから。
 群馬県内でも、震災以降、湯が止まってしまって休業している宿がいくつかあります。


 今日は新聞の取材なので、ご存知2代目海パンカメラマンのワタちゃんが同行です。
 案の定、浴室へ入るなり、その浴槽の大きさと四方からあふれ出ている湯量の多さに驚いています。

 でも、毎回毎回、僕は、ここの風呂の撮影がニガテなのです。

 無色透明な湯なので股間が写りやすいのと、源泉の温度が高温のため、熱くて長湯ができないのですよ。
 サササッと、テキパキッと、撮っちゃってくれれば良いのですが、過去に同行したカメラマンたちもアングルの決め方が難しいようで、いつもいつも長湯をさせられてしまうのです。

 「もう、いいかねぇ?」
 ついに僕から音を上げてしまいました。

 「そんなに熱いんですか? 小暮さんは大袈裟なんだから」
 とワタちゃんは言いながら、脱衣所で海パンを脱いでやって来ました。

 「ぅおおおおーーーっ、ガツンと、きますねぇ~。マッチョ系の湯ですね」

 最近、ワタちゃんは、僕から覚えた湯の表現を、巧みに使うのです。

 「でも、この間の鹿沢温泉のマッチョとは、タイプが違いますね?」
 なーんて、知ったかぶって生意気なことまで言います。

 確かに、相撲のツッパリのように、最初はガツンと弾き飛ばすような湯感がありますが、やはり鹿沢とは泉質が異なるため、そのあとの抱きしめ方が違います。

 鹿沢温泉は、マグネシウムを多く含む炭酸水素塩温泉ですから、捕まったら最後、放してくれない強引さがあります。いわば、野生系マッチョであります。
 でも白根温泉は、弱アルカリ性の単純温泉ですから、最初の押しは強くても、その後は強引さがない。肩まで浸かった時点で、クールに突き放すイケメン系のマッチョであります。

 湯舟の中で2人、面白おかしく、湯について語り合いながら、今日の取材を終えました。


 「次回は、どんな温泉ですか?」
 帰りのクルマの中で、ワタちゃんは必ず僕に訊きます。

 そーですね、次はどこへ行きましょうか?
 群馬県には、迷ってしまうくらい多くの温泉がありますものね。
   


Posted by 小暮 淳 at 21:07Comments(3)温泉地・旅館

2011年07月10日

朝日新聞掲載日の変更

 今年の2月より、隔週水曜日に朝日新聞紙上にて連載をしている 『湯守の女房』。
 おかげさまで順調に取材&執筆活動が進んでおり、現在9話まで連載が続いています。

 昨日、新聞社より連絡があり、夏期に限り、高校野球等の特別企画が組まれる都合上により、『湯守の女房』 の掲載日が一時、変則的になる旨の連絡がありました。

 毎回、楽しみにしている読者の皆さんには、大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどをよろしくお願いいたします。
 通常ですと、次回10話は7月13日の予定でしたが、1週延期となりました。

 今後の掲載日は、以下のとおりとなります。


●7月20日(水)  鹿沢温泉「紅葉館」
●8月17日(水)  滝沢温泉「滝沢館」
●8月31日(水)  白根温泉「加羅倉館」
 ※以降、通常どおり隔週掲載となります。

 なお、バックナンバーは朝日新聞社のウェブサイト 「asahi.com マイタウン群馬」 にて閲覧できます。
   


Posted by 小暮 淳 at 16:01Comments(0)執筆余談

2011年07月08日

ブレちゃった人生


 A君は、役者のタマゴ。
 いつかを夢見て、小さな劇団に所属し、稽古に明け暮れる毎日を送っています。
 ところが、いつまで経っても役がもらえず、夢は遠ざかるばかり。
 そればかりか、当然劇団員では食べていけないので、アルバイトの掛け持ちをして生活をしています。

 ある日、劇団のプロデューサーに呼ばれ、次回公演のキャストに選ばれたことを告げられました。
 千載一遇のチャンス!
 もちろん、A君も大喜びです。もしかしら、これで演技が認められてタマゴが孵化するかもしれません。

 なのに、こともあろうにA君は、このチャンスを断ってしまいます。
 理由は、“そんなに長期間はバイトを休めないから”。

 これを、「本末転倒」と言います。


 そんなバカな!と誰もが思いますよね。
 なんのためにバイトをしてきたのか? 演劇をやるためでしょ?

 でも時に、目標を現実の中で取り違えてしまう人がいるのです。


 かの、お笑いコンビ 「爆笑問題」 に、こんなエピソードがあります。

 まったく売れなかったころ、太田は家でゴロゴロ、ゲームをしたり、ネタを考えたり、働きもせずにダラダラと過ごしていたといいます。
 一方、真面目で努力家の田中は、コンビニでバイトをして、コツコツとお金を貯めていました。
 その仕事ぶりには定評があり、ついには店長のポジションまで登りつめてしまいます。

 このことを知った所属プロダクションの社長は、すぐさま田中を呼び出して、バイトを辞めさせたといいます。

 「太田は不真面目だから安心だけど、田中は真面目で心配」とか何とか、言ったとか言わなかったとか。

 これも、本末転倒なお話です。


 人生って、長いんですよ。
 だから、「自分は何になりたいのか? 何をしたいのか?」という目標をしっかりと自分の中に叩き込んで置かないと、少しずつ少しずつブレで行ってしまうんですね。

 気が付いたら、「どうして俺、東京へ出たんだっけ?」 とか
 「あれ、俺なんで会社辞めたんだっけ?」 なーんてこと

 ありませんか?


 チャンスの神様は、前髪はあるけど後ろ髪は無いなんて、いいますよね。

 誰だって、チャンスはモノにしたいものです。
 でも、常に神経を研ぎ澄ましていないと、神様の前髪すら見えなくなってしまいます。

 「あーあ、あの時、受けておけばなぁ……」
 と振り返っても、後ろ髪は見当たりません。

 ブレずに生きるって、とっても難しいことだけど、どうか流されずに生きて欲しいのです。


 最近、僕のまわりで本末転倒な人生ブレちゃった話が多いもので、書かせていただきました。
  


Posted by 小暮 淳 at 15:23Comments(5)つれづれ

2011年07月07日

四万温泉 「中村屋」


 「生ビール、お願いします」

 インターフォンに向かって叫んで、湯舟の中へ。

 すると、スルスルーーーーっと、釣瓶井戸のようにロープの先のカゴに入った生ビールが降りてきます。

 「ストップ! すみませんね。ちょっと我慢して、この位置で持っててください」
 とロープの主に声をかけました。

 2階のベランダでロープをあやつっているのは、ここ 「地酒の宿 中村屋」 の4代目主人、中村正さんです。

 「はい、小暮さんも、そこでストップ! ビールに手をかけて受け取るポーズね」
 と、今度はカメラマンのK氏が叫びます。

 「はい、OK! 今度はグラスを持って、口まで運んでストップね」

 ん~~、これはツライ。
 さっきから、ずーっと湯舟の中で、キンキンに冷えた生ビールを目の前に、お預けをくらった犬のように、今か今かとヨダレをたらしながら撮影の終了を待っているのに、口の前で止めろだってか!

 「はーい、OKです。今度はおいしそうに飲んでいるシーン、お願いします」

 やったーっ!
 う、う、うんめーったら、ありゃしないぜ。
 まるで砂漠に降った雨のように、ゴクンゴクン果てしなくノドの奥へとビールが消えていく。

 「ストップ、ストップ! ダメですよ、一気に飲んじゃ! 撮影しているんですから」

 無理、無理無理無理でーす。

 こんなうまいビールは久しぶりぜよ。
 風呂上りのビールもうまいけど、やっぱ風呂に入りながら飲むビールが一番うまいやいね。

 全国の温泉好き、ビール好きのみなさん、これが仕事で、こめんなさいね。
 温泉ライターやってて、良かったと思うのは、こういう瞬間なんですよ。
 好きなものに囲まれて働ける幸せ、っていうやつですか。

 と、いうことで、入浴シーンの撮影も終わり、今度は部屋へもどり、正さんへのインタビューです。

 でも、すでに浴衣姿だし、しかも正さんから差し入れられた生ビールを飲みながらだし、仕事とはいえない怠惰な取材風景であります。
 でも、いいんです。
 正さんとは長い付き合いだし、何度も泊まっているし、今さら聞くこともないし、出会った頃の思い出話をおさらいのように雑談して終了です。

 とにかく中村屋のいいところは、1階が酒屋になっていること。
 いつでも好きなときに、店へ降りて行って、「○○(部屋の名前)だけど、缶ビール2本もらいました~」と声をかけるだけで、店頭価格にて、酒ならなんでも飲めてしまう気軽さと安さが、のん兵衛にはたまらないんですね。

 手造り露天風呂で釣瓶ビールが飲めるのも、酒屋ならではの正さんのアイデアであります。

 さすが、テレビ番組「出没 アド街ック天国」で、四万温泉の第1位に選ばれただけのことはあります。
 1位ですよ!
 これはもう、ただの宿ではありません。
 ここが、四万温泉の観光スポットなんですね。

 ということで、気分はお酒飲み放題(店頭価格でね)ですから、当然、その晩、どうなったかは、みなさんのご想像どおりであります。

 でも二日酔いは、いい仕事をしたかどうかのバロメーターでもあるんです(なーんてね)。
    


Posted by 小暮 淳 at 20:46Comments(3)温泉地・旅館

2011年07月06日

スマートボールの怪


 昨年の12月から月2回のペースで四万温泉に泊り込み、取材活動を続けています。

 現在、37軒中、36軒の取材をすでに敢行!
 残り、あと1軒です。

 と、いうことで、本文は見通しがついてきました。
 いよいよ、ラストの追い込み取材に入ります。
 いわゆる、本文まわりの記事制作です。

 まえがき、あとがき、エッセー、コラム、グラビアなどなど…

 本文取材では、いつもアートディレクター兼カメラマンのK氏と組んで活動を続けているのですが、今回からは、表紙&グラビア&エッセー担当のカメラマン、S君が同行となりました。
 S君は、何を隠そう! 小学1年3組以来、46年間付き合っている竹馬の友であります。
 「あ」と僕が言えば、「ん」と答えてくれる、なんとも頼もしい相棒なのであります。
 ま、彼に任せておけば絶対に間違いなし!と、僕が絶大の信頼を寄せているカメラマンでもあります。


 昨日は午後よりK氏と、四万温泉に入りしました。

 いました、いましたよ!
 派手なTシャツを着て、腰までの長靴を履いて、清流・四万川に浸かりながら、怪しい行動をとっている不審人物が!
 釣竿は持っていませんから、釣り人ではありません。
 密漁? それとも、あっ、女風呂をのぞいているチカン?

 いえいえ、彼こそが竹馬の友のS君です。

 彼は我々よりひと足早く着いて、撮影をしていたのです。
 彼の手に握られているのは、ジャーン! “水中カメラ” なのであります。

 さすが、プロ!
 カッチョイイーーーーっ!

 で、僕とK氏は 「頑張ってね」 と川の中のS君に手を振っただけで、自分たちの取材へと向かいました。


 夕方、宿にてS君と合流。
 浴衣に着替え、今度は僕とS君が組んで、いざ、夜の温泉街へ!
 巻頭エッセーの取材であります。
 
 カラン、コロン、カランコロン、カラン

 と下駄の音を鳴らしながら、僕が歩くと、S君がカシャカシャカシャカシャ…とカメラのシャッターを切ります。
 土産物や飲食店の集まる目抜き通りでは、プロフィール用の写真を時間をかけて、念入りに撮影しました。

 ところが

 ここで

 とんでもないことが

 起こってしまったのです。


 落合通りにある、四万温泉名物 「柳屋遊技場」。
 昔なつかしいスマートボールと手動パチンコが遊べるお店です。
 ここでは、僕がスマートボールをするシーンを撮影することになっていました。

 かの巨匠、宮崎駿監督や、作家の嵐山光三郎先生も来遊された店であります。

 僕も憧れのお2人のように、向かって左の真ん中の台にスタンバイし、女主人と雑談をしながらビー玉をはじき出しました。

 S君は、僕の横顔を撮ったり、玉を弾く手元を撮ったり、おばちゃんとの雑談風景を撮っていました。

 「あんた、うまいねー。いつもやっているの?」とおばちゃん。
 「いえ、子供のとき以来、やったことがありませんよ」と僕。

 「だって、玉がみんな真ん中に集まっているよ」
 とおばちゃんが言ったときです!

 次から次へとド真ん中の穴や連勝の天穴に玉が飛び込みはじめました。
 なかには、一度下へ落ちた玉までもが、また一番下のクギに弾かれて上へもどりホールインする不思議な現象まで起き出したのです。

 「あらら、いやだよ。わたしゃ、50年以上ここで、お客さんを見ているけど、こんなの見たことないよ」
 と、おばちゃんが首をかしげだしました。

 「ほら、入った! また入った! ヘンだよ、恐いよ」

 見ていたカメラマンのS君は、シャッターを切るのも忘れて固まっています。
 と思ったら恐怖のあまり、店外へ飛び出して行ってしまいました。

 ゲーム機のガラスの盤面は、もう半分以上がビー玉に覆われて、中が見えません。

 僕はただ、玉を無意識に弾いているだけです。

 なのに、ジャラジャラー、ジャラジャラー、と玉は出続けていました。

 「あんた、なにか憑(つ)いているよ」
 そういわれて、我に返りました。


 いったい、今のは何だったのでしょうか?

 “憑いている” は、運が付いたのでしょうか?

 「こりぁ~、すげえーもん見ちまったぞ。淳ちゃん、これは何かの啓示だよ! 今回の本もベストセラー間違いなしってーことじゃねーの!?」
 と帰り道、S君が興奮しながら言いました。


 いまだに僕も、何が起きたのか、さっぱり訳が分かりません。

 でも、『ぐんまの源泉一軒宿』 の取材中にも、6体の黄金に輝く観音像が枕元に立つという不思議な現象が起きたのですよ。
 と、すると、今回も吉兆の啓示ですかな?
  


Posted by 小暮 淳 at 19:05Comments(4)温泉雑話

2011年07月05日

もらったパワーは還元します。


 雑誌の編集人をやっていた頃は、毎月編集室に届く読者からのハガキを楽しみに読んでいました。

 ついつい忙しさに追われて、作ることに一生懸命になり過ぎて、ともすると読者のことを忘れてしまいがちな世界なのであります。
 でも、雑誌は “読まれてナンボ”、読者あっての編集者なんですね。
 その読者の声を直接きくことができる唯一のツールが、読者ハガキでした。

 時には、お叱りをいただくこともありましたが、「○○特集、良かったですよ」「毎月、楽しみにしています」「編集長さん、大好き!」(これはウソ) などなど励まされる内容が、ほとんどでした。
 ブタもおだてりゃ木に登るのであります。

 「よっしゃー、みんなー! 読者が待ってるぞ! いいネタ拾って来いよ~!」

 なーんて、スタッフと一緒に熱く燃え上がったものです。


 ところが編集から離れて、フリーで文章を書き出してからは、直接読者からの声というのは、届きづらくなってしまいました。
 時には、新聞や雑誌の担当者から 「評判いいですよ」 とか 「バックナンバーが欲しいと電話がありました」などの連絡をいただくこともありますが、それでも読者から直接に聞いた言葉ではないので、あまりピンと来ないのですね。

 現在の僕にとって、直接読者と触れ合える場所は、講演会や講座、セミナーなどの会場です。

 「○○新聞の連載、読んでます」 とか 「××に連載してたエッセーは、まだ本にならないのですか?」 とか 「ラジオ、聴いてます」 とか、たくさんの人たちから声をかけていただき、これが僕の取材活動のパワーの源となっています。
 なかには、お手紙を書いて来てくださる人もいたりして、ありがたい限りであります。

 よく、歌手が 「今日の私がいるのはファンのお陰です」 なんていうセリフをステージの上から言っているシーンを見かけますが、なんだか、気持ちは分かります。
 歌手あってのファンだけれど、ファンあっての歌手でもあるわけです。

 実は最近、公の場以外でも、読者の人から声をかけられることが増えました。
 一番多いのは、やはり温泉地です。

 先日の四万温泉で開催されたオヤジバンドフェスティバルの交流会の席でも、出演していたバンドのメンバーの1人が、僕のところへやって来て、「ファンです」と言ってビールをついでくれました。
 話を聞くと、これが、かなり熱烈な読者さんなので大変ビックリしてしまいました。
 過去の連載も含め、ほとんどの僕の記事や本を読んでいたのです。

 また先週、秘湯の露天風呂で撮影をしている時のことでした。
 1人の男性が、脱衣所の中から、こちらをのぞいています。
 カメラマン氏が 「あっ、すみません。もう終わりましたから、どうぞ」 と声をかけると、その男性は僕のところへやって来て、いきなり 「先生のご本は、全部持ってます」 と言ったのです。

 これには驚きました。
 どーして僕だと分かったのでしょう?
 (毎度毎度、温泉に入って裸をさらしているオヤジは、ほかにはいないってか)

 でも、嬉しかったですよ。
 僕には、ちゃんと読者がいるんだ!って、実感できた瞬間ですからね。

 読者あってのライターです。

 実は、今、一番苦しい時期なんです。
 9月の出版に向けて、追い込み取材と山と残された原稿執筆とのプレッシャーで、逃げ出したい気分なのであります。
 でも、そんな時、読者から熱いメッセージをもらうと、

 よっしゃー! やったるでぇーーーっ!

 と、パワーがみなぎって来るのです。

 読者のみなさん、いつもいつもありがとうございます。
 みなさんからもらったパワーは、必ず作品にして還元いたしますよ。
 いつでもどこでも、もし、僕だと分かったときは、気がねなく声をかけてください。
 それが、何よりの僕の活力になっています。

 (でも、どうして僕の読者って、オヤジばっかりなんですか?)
  


Posted by 小暮 淳 at 10:26Comments(4)執筆余談

2011年07月03日

頑固おやじ と ダメおやじ

 昨日、四万温泉にて、「第1回 オヤジバンドフェスティバル」 が盛大に行われました。

 会場は、現在廃校となっている旧中之条町立第三小学校 体育館。
 主催は、社団法人 四万温泉協会です。

 もちろん、僕も、関係者の1人として、主催者側で参加してきました。

 12時30分、開演!

 会場の校庭には、四万温泉協会青年部による「若旦那居酒屋」なんぞもこしらえてあって、真っ昼間からいい感じのお祭りムードであります。
 僕も缶ビールを持って、ムンムン熱気が立ち込める体育館の床に腰をすえて、観戦しました。

 出演は、予選を勝ち抜いた選りすぐりのオヤジバンドが県内外からの10組登場。
 カントリーあり、ロックンロールあり、フォークに演歌に、ジャンルを問わず、次から次へと2曲ずつ演奏していきます。

 いやいや、これはレベルが非常に高い!
 それぞれが、長い音楽活動歴を彷彿させる名演奏ぞろいです。
 さすが、オヤジ! 伊達に歳をとっていません。

 3時30分には、全グループの演奏が終了。
 ゲストの松井常松さん(元BOOWYのベーシスト)によるアコースティックライブをはさんで、いよいよ審査結果の発表です。

 グランプリに輝いたのは、群馬県玉村町からやってきた 「ヤス.ユウ.&アイ」 の3人組のオヤジたち!
 伝説のグループ 「ガロ」 のコピー曲で、見事な演奏とコーラスを披露してくれました。

 これは裏情報ですが、実は、同点バンドがもう1組ありました。
 高崎市から参加したゆかいなバンド「J.O.B」(城東小のオヤジのバンド) のみなさんです。
 ところが、ライブを終えた松井さんが審査員室へもどり「ヤス.ユウ.&アイ」に票を投じたため、僅差によりグランプリが決定したとのことです。

 まあ、どちらとも言えず、良かったのは事実です。

 言うならば 「ヤス.ユウ.&アイ」 は、職人肌で昔ながらの頑固おやじ。
 「J.O.B」 は、すぐにダジャレを言って若者に嫌われるダメおやじってとこですかね。

 オヤジバンドなんだもの、オヤジ色がなくては、つまらない。
 うまいヘタは関係なし!
 そっくりなコピー演奏なら、おやじじゃなくてもできます。
 やっぱり、オヤジバンドは、おやじパワーが炸裂しなきゃね。

 と、いうことで、夕方までにフェスティバルは終わり、出演者と関係者は全員 「四万グランドホテル」へと移動しました。
 いよいよ、これからが本番(?)、交流会の開会です。

 宴会場には、60人以上が終結。
 もう、始まる前からオヤジたちは、テンションが上がりっぱなしであります。
 大会の実行委員長である四万温泉協会長の柏原益夫さんらのあいさつの後、乾杯となり、僕らは壇上へ。
 僕らとは、今回、四万温泉の本を制作している僕とディレクターとカメラマン(ボーカル、ギター、ベース)。
 プラス、積善館社長の黒澤大二郎さんと、中之条町観光課の冨沢洋さんが、それぞれバンジョーとマンドリンで応援に駆けつけてくれました。

 今日の出演者の労をねぎらうために、歌う歌は、四万温泉のテーマソング 『四万のうた』 とご存知 『GO!GO!温泉パラダイス』 です。
 さすがオヤジたちは、酒が入ると、さらにパワーアップします。
 ヤンヤヤンヤの大騒ぎに、バカ騒ぎ!

 一晩中、熱血オヤジたちはバンド話で盛り上がり、文字通り交流を深めたのでありました。

 出演者および関係者のみなさん、大変お疲れさまでした。
 そして、大成功おめでとうございます。

 全国の頑固おやじ、ダメおやじ諸君!
 来年も四万温泉で、待ってるぞーッ!
  


Posted by 小暮 淳 at 21:59Comments(8)ライブ・イベント

2011年07月01日

今日、群馬DC開幕!


 いよいよ、今日7月1日から群馬県民待望の「群馬DC」がスタートしましたね。

 えっ? 知らない?

 それって何って?
 (ですよね、今ひとつ盛り上がっていないし、何をやるのかさえ知らない県民は大勢いると思います)

 群馬デスティネーションキャンペーンとは……

 ま、いいや。
 今日の新聞に、いろいろ書いてありますから興味のある人は拾い読みしてみてください。

 で、要は、群馬県を観光県として全国に売り込もうというキャンペーンなのですが、これが良く分からない。
 県の情報誌 「ググっとぐんま」 の編集に係わっていた僕でさえ、通常時とキャンペーンとの違いが判然としないのです。
 だもの、一般県民なんて、あまりピンと来ないでしょうな。

 以前、ブログにも書きましたが、群馬DCのポスターに“温泉”が入っていないこと自体が、問題です!

 キャンペーン中だけ人が来れば、いいのですか?
 という話です。

 安売りのチラシを配ったときだけ客が来ても、意味がないじゃありませんか。
 真の魅力を伝えないことには、やがて客は離れて行ってしまいます。


 震災後、県内の温泉地はキャンセルの大打撃を受けました。
 ゴールデンウィーク中は多少盛り返したものの、その後は、どこも例年以下の不況に泣いています。
 確かに、観光地はどこも、今回の群馬DCに寄せる期待は、大きいかもしれません。

 でも、やはりそれは、チラシ効果ではダメなんですよ。

 「群馬って、いいところだな。また来よう!」
 という真の魅力をきちんと伝えないことには、所詮、祭りは “まつりごと” で終わってしまいます。


 最近温泉地では、震災後に客の変化が起きています。
 確かに、全体的な集客数は落ちているのですが、質が向上したといいます。

 「ヘンな客が少なくなった」
 「お湯の分かる客が増えた」
 という声を聞くようになりました。

 「小暮さん、時代が来ましたよ。我々の時代がね」
 そう拳を握り締めて、僕に喜びの表情を見せたのは、僕が大好きな温泉旅館の主人です。
 先代から宿を引き継ぐとき、
 「うちは湯がいいから心配はいらねぇー、湯がいい所に客は来るんだよ」
 と言われた言葉を大切にして、今日まで湯を守り継いできた人です。

 「最後は、温泉へ湯を求めて人は来るんですよ。湯治文化の再来です」
 と、僕はいつも彼に会うと、そう声をかけています。

 湯の良さは、キャンペーンでは伝わりませんからね。
  


Posted by 小暮 淳 at 18:52Comments(3)温泉雑話