2011年07月27日
霧積温泉 「金湯館」②
『群馬、最後の秘湯』
僕は、そう名づけています。
“秘湯” といわれて、群馬県内で思い浮かべる温泉は、いくつかありますが、やっぱり何度行ってみても、霧積温泉の「金湯館」が、キング・オブ・秘湯ではないでしょうかね。
ということで、僕はずーーと講座の対象からは外していたのです。
だって、いくら小型バスだといっても、あの険しい山道は無理でしょうし、たとえ下の駐車場(もう一軒の宿「きりづみ館」)まで行けたとしても、そこから23名の受講者全員を「ホイホイ坂」と呼ばれる登山道を登らせるわけにはいきませんもの。
ところが「どーしても行きたい!」という受講生らからのラブコールを受けて、NHK文化センターの担当者Tさんが交渉してくださり、山道の途中から宿のマイクロバスに迎えに来てもらうことになりました。
さすが、Tさん! 前支社長だった人だけあって、押しが強いんです。
で、昨日は、平成23年度温泉講座 「探訪!ぐんまの小さな温泉」のメーンイベントとなった7月講座を、霧積温泉にて行ってきました。
午前9時、バスは前橋駅南口をスタート。
群馬の温泉地は北部が多いので、ふだんは高崎駅スタート~前橋駅経由がほとんどですが、今回は珍しく西へ向かうため、前橋駅から出発をして、高崎駅で残りの受講生を乗せました。
「先生、今日の新聞見ましたよ」
「大きく出てましたね、良かったよ」
と、半分近くの受講生が第一声、昨日の上毛新聞の記事「群馬の湯力」について触れていました。
さすが、僕の講座の生徒さんたちですね。
講師の記事は、ちゃんとチェックしています。
掲載新聞を持ってきた人もいましたよ。
国道18号を西へひた走り、ドライブイン「おぎのや」でトイレ休憩をした後、一路、バスは秘湯を目指します。
旧碓氷峠の坂本宿を抜け、いよいよ山道へ。
霧積湖を過ぎ、長野新幹線の高架橋をくぐったあたりで、金湯館のマイクロバスが待っていてくれました。
ここで一行は、バスを乗り換え、4代目若主人の佐藤淳さんの運転にて、さらに奥地へと進みます。
僕が金湯館を訪れるのは、ちょうど1年ぶりです。
昨年の7月に、出版本の取材で泊まりました。
前橋が40度近いという猛暑日だったのに、標高1180メートルの霧積は、なんと22度!
夜は、涼しさを通り越して、寒くて、分厚い掛け布団にくるまって寝た記憶があります。
「きりづみ館」の手前の分岐ゲート。一般車両は入れません。
佐藤さんが、ゲートを開けて、入山します。
ここからが、すごい道なんです。
ガードレールなし!
未舗装、ぬかるみ、土砂崩れあり、対向車とのすれ違い不可能……
こんな道、通り慣れた宿の人しか運転できませんって。
「きゃー!」 「コワ~イ!」
車が揺れるたびに、黄色い声が上がります。
分岐より15分ほどで、宿の上へ到着。
裏手より近道にて下り、全員無事に宿へたどり着きました。
地震の影響で、源泉の温度が2度下がってしまったといいますが、それでも湯は、相変わらず絶品の浴感で迎えてくれましたよ。
人肌近い、ぬる湯にまったりと浸かっていると、やがてポコポコって背中を泡の粒が、くすぐりながら上がっていきます。
やがて全身が、真っ白に!
小さな気泡に包まれます。
サーッと手で払うと、パーッと一斉に泡たちは旅立っていきます。
僕は、これを 「サンゴの産卵」 と呼んでいます。
「先生、来て良かったよ」
「講座で連れてきてもらわなければ、一人じゃ来れない温泉だよ」
「ああ、この講座を受講していて良かった」 etc etc …
360度、ぐるりと大自然に囲まれた群馬、最後の秘湯 「霧積」。
こうやって、受講生らを連れて、また来れたことを幸せに思います。
3代目主人の佐藤敏行さん、女将さん、そして淳さん。
大変お世話になりました。
そして、僕の温泉講座を 「楽しい」 と言って、毎月受講してくださる受講生のみなさん。
いつも、ありがとうございます。
温泉ライター冥利につきる、素敵な1日でした。
また来月、元気に会いましょうね!
※次回の温泉講座は8月23日、尻焼温泉へ行きます。
僕は、そう名づけています。
“秘湯” といわれて、群馬県内で思い浮かべる温泉は、いくつかありますが、やっぱり何度行ってみても、霧積温泉の「金湯館」が、キング・オブ・秘湯ではないでしょうかね。
ということで、僕はずーーと講座の対象からは外していたのです。
だって、いくら小型バスだといっても、あの険しい山道は無理でしょうし、たとえ下の駐車場(もう一軒の宿「きりづみ館」)まで行けたとしても、そこから23名の受講者全員を「ホイホイ坂」と呼ばれる登山道を登らせるわけにはいきませんもの。
ところが「どーしても行きたい!」という受講生らからのラブコールを受けて、NHK文化センターの担当者Tさんが交渉してくださり、山道の途中から宿のマイクロバスに迎えに来てもらうことになりました。
さすが、Tさん! 前支社長だった人だけあって、押しが強いんです。
で、昨日は、平成23年度温泉講座 「探訪!ぐんまの小さな温泉」のメーンイベントとなった7月講座を、霧積温泉にて行ってきました。
午前9時、バスは前橋駅南口をスタート。
群馬の温泉地は北部が多いので、ふだんは高崎駅スタート~前橋駅経由がほとんどですが、今回は珍しく西へ向かうため、前橋駅から出発をして、高崎駅で残りの受講生を乗せました。
「先生、今日の新聞見ましたよ」
「大きく出てましたね、良かったよ」
と、半分近くの受講生が第一声、昨日の上毛新聞の記事「群馬の湯力」について触れていました。
さすが、僕の講座の生徒さんたちですね。
講師の記事は、ちゃんとチェックしています。
掲載新聞を持ってきた人もいましたよ。
国道18号を西へひた走り、ドライブイン「おぎのや」でトイレ休憩をした後、一路、バスは秘湯を目指します。
旧碓氷峠の坂本宿を抜け、いよいよ山道へ。
霧積湖を過ぎ、長野新幹線の高架橋をくぐったあたりで、金湯館のマイクロバスが待っていてくれました。
ここで一行は、バスを乗り換え、4代目若主人の佐藤淳さんの運転にて、さらに奥地へと進みます。
僕が金湯館を訪れるのは、ちょうど1年ぶりです。
昨年の7月に、出版本の取材で泊まりました。
前橋が40度近いという猛暑日だったのに、標高1180メートルの霧積は、なんと22度!
夜は、涼しさを通り越して、寒くて、分厚い掛け布団にくるまって寝た記憶があります。
「きりづみ館」の手前の分岐ゲート。一般車両は入れません。
佐藤さんが、ゲートを開けて、入山します。
ここからが、すごい道なんです。
ガードレールなし!
未舗装、ぬかるみ、土砂崩れあり、対向車とのすれ違い不可能……
こんな道、通り慣れた宿の人しか運転できませんって。
「きゃー!」 「コワ~イ!」
車が揺れるたびに、黄色い声が上がります。
分岐より15分ほどで、宿の上へ到着。
裏手より近道にて下り、全員無事に宿へたどり着きました。
地震の影響で、源泉の温度が2度下がってしまったといいますが、それでも湯は、相変わらず絶品の浴感で迎えてくれましたよ。
人肌近い、ぬる湯にまったりと浸かっていると、やがてポコポコって背中を泡の粒が、くすぐりながら上がっていきます。
やがて全身が、真っ白に!
小さな気泡に包まれます。
サーッと手で払うと、パーッと一斉に泡たちは旅立っていきます。
僕は、これを 「サンゴの産卵」 と呼んでいます。
「先生、来て良かったよ」
「講座で連れてきてもらわなければ、一人じゃ来れない温泉だよ」
「ああ、この講座を受講していて良かった」 etc etc …
360度、ぐるりと大自然に囲まれた群馬、最後の秘湯 「霧積」。
こうやって、受講生らを連れて、また来れたことを幸せに思います。
3代目主人の佐藤敏行さん、女将さん、そして淳さん。
大変お世話になりました。
そして、僕の温泉講座を 「楽しい」 と言って、毎月受講してくださる受講生のみなさん。
いつも、ありがとうございます。
温泉ライター冥利につきる、素敵な1日でした。
また来月、元気に会いましょうね!
※次回の温泉講座は8月23日、尻焼温泉へ行きます。
Posted by 小暮 淳 at 19:10│Comments(7)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
それは お疲れ様でした。
最後の秘湯…秘湯と言う言葉を 雑誌やテレビで 使い過ぎ
自分のイメージでは 白根山系の野湯て 感じですが
d(^-^) GPSとガス探知器とガスマスク持参で 入山
流石に 生徒さんは 行きたいと 言わないでしょうが……
でも 秘湯とは近くに有りまして 赤城温泉 総本家なんて 入るのに勇気が必要
あとは 赤湯温泉 山口館さん 秘湯を守る会だし
Σ(;°Д°) 新潟でした…
最後の秘湯…秘湯と言う言葉を 雑誌やテレビで 使い過ぎ
自分のイメージでは 白根山系の野湯て 感じですが
d(^-^) GPSとガス探知器とガスマスク持参で 入山
流石に 生徒さんは 行きたいと 言わないでしょうが……
でも 秘湯とは近くに有りまして 赤城温泉 総本家なんて 入るのに勇気が必要
あとは 赤湯温泉 山口館さん 秘湯を守る会だし
Σ(;°Д°) 新潟でした…
Posted by momotaka at 2011年07月27日 23:45
それは お疲れ様でした。
最後の秘湯…秘湯と言う言葉を 雑誌やテレビで 使い過ぎ
自分のイメージでは 白根山系の野湯て 感じですが
d(^-^) GPSとガス探知器とガスマスク持参で 入山
流石に 生徒さんは 行きたいと 言わないでしょうが……
でも 秘湯とは近くに有りまして 赤城温泉 総本家なんて 入るのに勇気が必要
あとは 赤湯温泉 山口館さん 秘湯を守る会だし
Σ(;°Д°) 新潟でした…
最後の秘湯…秘湯と言う言葉を 雑誌やテレビで 使い過ぎ
自分のイメージでは 白根山系の野湯て 感じですが
d(^-^) GPSとガス探知器とガスマスク持参で 入山
流石に 生徒さんは 行きたいと 言わないでしょうが……
でも 秘湯とは近くに有りまして 赤城温泉 総本家なんて 入るのに勇気が必要
あとは 赤湯温泉 山口館さん 秘湯を守る会だし
Σ(;°Д°) 新潟でした…
Posted by momotaka at 2011年07月27日 23:45
momotakaさんへ
まず「秘湯」と「野湯」は、分けたいものです。
あくまでも宿のある温泉地が秘湯です。
(カメラマンの大原利雄さんが行くような温泉が、野湯です)
また、必ずしも秘湯がメディアに毒されているとも限りません。
現状は、もっとシビアです。
雑誌やテレビにもてはやされていても、それは言葉だけの流布であって、宿泊客が年々減少している温泉地が多々あります。
まず「秘湯」と「野湯」は、分けたいものです。
あくまでも宿のある温泉地が秘湯です。
(カメラマンの大原利雄さんが行くような温泉が、野湯です)
また、必ずしも秘湯がメディアに毒されているとも限りません。
現状は、もっとシビアです。
雑誌やテレビにもてはやされていても、それは言葉だけの流布であって、宿泊客が年々減少している温泉地が多々あります。
Posted by 小暮 at 2011年07月28日 01:46
金湯館は、前から行きたい湯です♡
どうも私は、重曹泉・炭酸泉、などに惹かれてしまします。
あと気になっているのは、
水上方面の某別館の炭酸泉
嬬恋方面の某駅隣の宿、道端の宿、すっぽんのうまい宿… …
どうも私は、重曹泉・炭酸泉、などに惹かれてしまします。
あと気になっているのは、
水上方面の某別館の炭酸泉
嬬恋方面の某駅隣の宿、道端の宿、すっぽんのうまい宿… …
Posted by ぴー at 2011年07月28日 10:26
(;^_^A そうですね
一緒にしてました えーと商業施設が無くて 到達困難が 野湯の 定義だった様な……
温泉地に 関して消費者の 二極化が進み 本物思考が強い様な 気がします
お宿も 施設重視で行くか? 温泉品質重視にするか?
ムズカシイ局面かと
更には 原発事故の影響で 県内の温泉地一部が 汚れてしまい
福島レベルでは無いですが 報道によっては二次被害が心配
食品汚染の流通問題も有りますし
事故が起きてから 世界が変わってしまいました
厳しい淘汰が始まりそう
一緒にしてました えーと商業施設が無くて 到達困難が 野湯の 定義だった様な……
温泉地に 関して消費者の 二極化が進み 本物思考が強い様な 気がします
お宿も 施設重視で行くか? 温泉品質重視にするか?
ムズカシイ局面かと
更には 原発事故の影響で 県内の温泉地一部が 汚れてしまい
福島レベルでは無いですが 報道によっては二次被害が心配
食品汚染の流通問題も有りますし
事故が起きてから 世界が変わってしまいました
厳しい淘汰が始まりそう
Posted by momotaka at 2011年07月28日 13:35
ぴーさんへ
水上方面の別館とは? 谷川温泉のことでしょうか。
嬬恋方面というのは、「つまごい館」「登喜和荘」「逢友荘」のことですね。
どこも、湯はいいですよ。
ぜひ、行ってみてください。
momotakaさんへ
そーですね。
世の中も、温泉地も厳しい時代になりました。
今回の地震で、湯が止まってしまった温泉が、いくつもありそうですよ。
水上方面の別館とは? 谷川温泉のことでしょうか。
嬬恋方面というのは、「つまごい館」「登喜和荘」「逢友荘」のことですね。
どこも、湯はいいですよ。
ぜひ、行ってみてください。
momotakaさんへ
そーですね。
世の中も、温泉地も厳しい時代になりました。
今回の地震で、湯が止まってしまった温泉が、いくつもありそうですよ。
Posted by 小暮 at 2011年07月28日 15:37
別館の答えは
川古温泉先代経営の別館・広河原温泉 旅館峰 です。
嬬恋の道端の答えは、紅葉荘です。
流石!あとは正解でーす!
川古温泉先代経営の別館・広河原温泉 旅館峰 です。
嬬恋の道端の答えは、紅葉荘です。
流石!あとは正解でーす!
Posted by ぴー at 2011年07月29日 09:43