2016年01月31日
心地よい寝不足
「さて、寝るとするか」 と、仕事を終えた僕は、イスから立ち上がりました。
「待てよ、サッカーはどうなっているだろうか?」 と、ふたたび部屋にもどり、テレビのスイッチを。
サッカー男子のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23 アジア選手権決勝戦。
日本 対 韓国。
テレビ画面には、「0対2」 の表示が。しかも後半戦です。
「なーんだ、負けたな」
そう思い、階下の洗面所へ歯を磨きに・・・
ところが部屋にもどると、点差は 「1対2」 に!
「あれま、ニッポンやるじゃん」
と思って眺めていると、続けざまにゴール!
あれよのうちに、「2対2」 の同点に。
もうダメです。
寝てなんて、いられません。
眠気なんて、どこへやら!
現金なもので、一度は 「負けた」 とあきらめて、ふて寝をしようと思ったのに、俄然、「勝てる」 と、にわかサポーターを買って出る始末です。
「行け行け、浅野、行けーーー!」
と叫んだ僕の声援が届いたのでしょうか!?
後半36分、ついに起死回生の逆転ゴールが!
全身を鳥肌がおおった後、感動と興奮が湧き上がってきて、眠れません。
「ああ、あのとき、ふて寝をしなくて良かった」
と思う一方で、
「でも、俺は一時でも彼らは負けたと、見切ってしまったんだ」
という懺悔(ざんげ) の念にかられたのであります。
試合終了後、インタビューで手倉森監督が言った言葉が、さらに僕を寝不足にしました。
「不可能はないんだ」
今日一日、心地よい寝不足に包まれていました。
おめでとう、ニッポン!
ありがとう、ニッポン!
2016年01月30日
心ない言葉
あー、いやだ! いやだ!
もう、見たくも、聞きたくも、読みたくもない。
連日、テレビやラジオ、新聞で報道される幼児虐待死のニュース。
ガンをつけたから 「カカトおとしをした」、しつけとして 「顔に熱湯をかけた」。
おぞましすぎて、人間のなせる業だとは思えません。
世も末であります。
3人の子を育て、孫まで授かった僕には、まったくもって理解できません。
人を人として見ていない、いや、生きとし生けるものの命をゴミのように扱う鬼畜であります。
と思ったら、ラジオのパーソナリティーが、「鬼だって、そこまでひどいことはしませんよ」 と言ってました。
どんな環境で育つと、そのような人間になるのでしょうか?
先日のこと。
たまたま場を同じくしたサラリーマン男性との会話です。
「また大変な事故が起きてしまいましたね。死者が14人ですって。それも、みんな学生らしいですよ。かわいそうに」
例の軽井沢で起きたスキーバス事故の翌日でした。
僕が、そういうと、その男性は想像もしなかった言葉を吐いたのです。
「でも、遊んでる連中でしょう」
一瞬、我が耳を疑いましたが、確かに彼は、そう言ったのです。
まるで、「死んでもしかたがない」 と言わんばかりに。
見たところ、年の頃は50代半ば。
だったら、この人にだって、犠牲者となった学生たちと同世代の息子や娘がいてもおかしくありません。
親の気持ちになったら、到底、口を突いて出てくる言葉ではありません。
もし、自分に子どもがいなかったとしても、相手をおもんばかれば決して言えない言葉です。
世の中には、子どもを事故や事件で失っている人は、たくさんいるのですから。
この僕だって、長男が高校生の時に交通事故に遭い、九死に一生の命拾いをしています。
※(2015年12月14日 「神様のおかげ」 参照)
たまたま仕事で嫌なことがあり、不機嫌だったのかもしれません。
また、顔見知りとはいえ、僕に声をかけられたことが迷惑だったのかもしれません。
それでも、世の中には言っていい言葉と、いけない言葉があるように思うのです。
楽天家の僕にしては、めずらしく落ち込んだ日でした。
2016年01月28日
夜の会議室
火曜日、午後9時~といえば?
そう、『ぐんまトリビア図鑑』(群馬テレビ) ですよね!
みなさん、ご覧になってますか?
僕は、この番組のアドバイザーをしています。
おかげさまで昨年4月の放送開始以来、とても評判が良く、順調に回を重ねています。
これも、ひとえに視聴者およびスポンサーのおかげと、スタッフになり代わり、お礼を申し上げます。
ありがとうございます。
さて、いよいよ今年の4月からは放送2年目に突入します。
昨日は年4回、3ヶ月に1度行われている構成会議があり、TV局へ。
ディレクターや構成作家など9人のスタッフが集まり、僕も末席をけがしてきました。
時間はたっぷり3時間。
途中10分間の休憩をはさんだだけで、4月~6月分(計10回) の放送内容を選出しました。
一般の会社で会議というと、とても堅苦しく、退屈な場というイメージがありますが、この会議は違います。
楽しいんです!
毎回、制作部長のN氏の司会のもと、完全なるフリートークで進行します。
もちろん、あらかじめ各々が腹案を用意していますが、時に話はテーマから脱線していきます。
が、その脱線した先に、新たなトリビアが待っていたりするのです。
僕はアドバイザーですから、意見を求められれば、1つ1つの案件に助言をし、知っているニュースソースがあれば加味します。
とにかくみなさん、群馬の事を大変良く調べていて、物知りなんですね。
楽しいだけではなく、とても勉強になります。
ところが今回は、10回放送分のうち9回まで決まったところでタイムリミット!
「では、時間が来てしまったので、続きは “夜の会議室” で行うということで、移動してください」
とN氏。
“夜の会議室” とは、もちろん酒席のことです。
昨日は今年最初の会議だったので、そのまま新年会ということになりました。
会場となった第2会議室(居酒屋) には、番組に出演しているレポーター役のアナウンサー3人も加わって、さらに賑やかで華やかな会議となりました。
今までに僕は、雑誌や本、音楽を作る楽しさは経験してきましたが、昨年からは番組を作る楽しさを味わっています。
やっぱり、モノを作るって楽しいですね。
そんな楽しいスタッフが作っている、面白くてタメになる番組 『ぐんまトリビア図鑑』 を、今年もよろしくお願いいたします。
ぐんまトリビア図鑑
●放送局 群馬テレビ(地デジ3ch)
●放送日 毎週火曜日 21:00~21:15(最終火曜日を除く)
●再放送 土曜日 10:30~10:45 翌月曜日 12:30~12:45
2016年01月26日
万座温泉 「万座プリンスホテル」
「真冬に極寒の雪見風呂に入りた~い!」
という熱烈な受講生らの要望に応えて、毎年、この時季は豪雪地帯の温泉へ行くことにしています。
僕が講師を務めるNHK文化センターの温泉講座、平成28年最初の温泉は、標高1,800メートルの万座温泉で、雲上&雪中露天風呂を体験することになりました。
そう! ちょうど1年前であります。
テレビ東京の新春スペシャル 『にっぽん!いい旅』 のロケで、元宝塚女優の遼河はるひさん、元グラビアアイドルのかとうれいこさんと旅した温泉地であります。
そして、最初に2人に出会うシーンを撮影したのが、万座プリンスホテルでした。
※( 2015年1月11日 「『にっぽん!いい旅』2時間スペシャル」 参照)
思い出しますね。
道中、ロケ地だった場所を通るたびに、バスの中で当時の様子を話しながら、一行は白銀の世界へ!
折りしも、週刊文春に僕のヒートショックに関する記事が載ったばかりです。
これは、生きた講座を実践する絶好のチャンス!
「えー、3つの事を守ってくださいね。1つ、宿に着いたら、すぐに浴室へ直行しないで、まずは一休みしましょう。座卓にお茶のセットが置いてあるのは、そのためですよ。小腹を満たして血糖値を上げ、水分補給をしましょうね。2つ、入浴の際は必ず、かけ湯をしてください。心臓から遠い場所から徐々に体を温めてください。そして3つめが、一番大切ですよ。外気は氷点下です。露天風呂へ行くときは、十分に内風呂で温まってからですよ。いいですね」
ま、講師ですから、一応、そんな講釈をたれたわけであります。
でも、みなさん、ちゃーんと守って、かけ湯をして、内風呂で温まってから露天へ行きました。
「うわ~、すごい景色ですねぇ~!」
「まさに絶景とは、このことです」
あちらから、こちらから、受講生たちの喚声が聞こえます。
今日は雲一つない、青天のニッポン晴れ。
一面の雪原の中に、万座名物の 「空吹(からぶき)」 が、くっきりと見ることができます。
空吹とは、雨水や地下水が水蒸気となって、硫化水素ガスとともに噴出している噴火口跡のことです。
湯気ばかりで、湯が湧いてないことから 「空吹」 と呼ばれています。
草津温泉の湯畑と同じ、万座温泉のシンボルです。
「カンパーイ!」
「今年も1年間、よろしくお願いいたします」
もちろん湯上がりは、お約束の生ビールで和気あいあいのランチタイムとなりました。
今年も毎月、名湯・秘湯を回りますよ!
どんな温泉が待っているのか、お楽しみに!
2016年01月25日
久保 繁 展 - en Italie -
<1999年より絵画の発表を始める>
画家、久保繁のプロフィールには、そう書かれています。
この年の春、僕と彼はベトナムを旅しました。
帰国後の秋、僕は紀行エッセー 『ヨー! サイゴン』(でくの房) を発表し、彼は初の個展を開催しました。
<久保繁は中学時代の一年間だけクラスを共にしたことのある同級生である。卒業後は別々の人生をたどり、音信もまったく途切れていた。今から三年前、偶然居酒屋で再会した。実に二十三年振りの再会であったが、その日以来、何かにつけて公私を共にする付き合いが始まった。> ( 『ヨー! サイゴン』 より)
あれから17年。
“公” の付き合いは少なくなりましたが、相変わらず “私” の付き合いは続いています。
「人生、このまま逃げ切るぞ!」
それが僕らの合言葉。
酔っ払うと、必ず肩を叩き合って、励まし合います。
そんな畏友の個展が、今年も地元前橋のギャラリーからスタートしました。
今回の被写体は、イタリア。
フランスに次いで、彼が愛している風景です。
ペン画という独自のスタイルはそのままに、さらに色彩の幅が広がった印象を受けました。
「うん? 心境の変化か?」
昨年はプライベートで、幸福なことがあったとの知らせがありました。
色の変化は、心の変化だったのですね。
「よし、俺も頑張るよ!」
人生の良きライバルの絵を前に、僕も闘志を燃やしたのであります。
久保 繁 展 - en Italie -
●会 期 2016年1月23日(土) ~ 31日(日)
10:30~19:00 (26日火曜休廊)
●会 場 画廊 翠巒(すいらん)
群馬県前橋市文京町1-47-1
TEL.027-223-6311
2016年01月24日
マロの独白⑪ 寒波襲来!
こんばんワン!
マロっす!
ここんちの飼い犬、チワワのオス、9才です。
お久しぶりでやんす。
しっかし、寒いっすね~。
オイラ、原産がメキシコですからね。この寒さは、骨身にこたえます。
えっ、立派な毛皮のコートを着ているじゃないかって?
確かに、オイラはチワワの中でもロングコートだから見た目は、けむくじゃらなんですけどね。
でも、これ、人間様に例えたら下着程度の防寒しかないので、夏仕様なんす。
だから先日の2度にわたる雪は、参りました。
♪ 犬はよろこび 庭かけまわり ♪
なーていうのは、はるか昔のこと。
オイラたちの仲間が、“番犬” と呼ばれていた頃の昭和の偶像です。
だってオイラ、家族を守る番犬じゃないし、座敷で乳母日傘で育てられた愛玩犬ですからね。
雪の日は一日中、ストーブの前で寝ています。
「おい、マロ! どーする? 散歩、行くか?」
雪が止んだ翌日は、必ず、ご主人様がオイラを誘います。
「勘弁してくださいよ。外はサムイっす!」
と、お断りするのですが、
「太るぞ~!」
なんて言われれば、しぶしぶオイラも思い腰を上げざるをえません。
だって犬の9才といえば、りっぱな中年ですからね。
このところ寒さにかまけて、運動不足であります。
仕方なく、出かけたのであります。
「サムイ、サムイっすよ。ご主人様」
「お前、犬だろ! 犬は雪が好きなんじゃないの?」
ほらね、勘違いしていらっしゃる~!
それに、ご主人様は毛糸の帽子にマフラー、手袋と完全防備だからいいですけど、オイラ、肉球丸出しですからね。
それにそれに、一日経った雪道は、アイスバーンじゃないですか?
これじゃ、氷上散歩ですよ。
「おっと、おっと、おっとっとと……」
オイラが足元に注意を払いながらモタモタ歩いていたら、
「おい、マロ! 遅いよ」
そう言って、ご主人様が、いきなりリードを引っ張るものだから、
ツツツツーーーーー
「あれ~~~~!」
オイラの体は、氷の上を滑る滑る。
なんだか羽生くんや真央ちゃんになった気分です。
楽しくってオイラ、わざとモタモタ歩いてやったんですよ。
すると、ご主人様は、
「遅いな、日が暮れちゃうだろ! さっさと歩けよ」
って、またもやリードを引っ張ります。
ツツツツ、ツーーーー
「あれ~~~~!」
スケートって、楽しいっすね。
「マロさ、どうしちゃったの? 散歩から帰って来てからズーっとストーブの前から離れないよ」
と次女のS様。
だって、手が冷たくて、霜焼けになっちゃいそーなんですもの。
肉球を温めているんです!
さむいワン!
2016年01月23日
磯部温泉 「磯部ガーデン」②
「コンビニは、どこも売り切れですよ」
「明日、書店で買って帰ります」
三々五々、旅館に集まるメンバーたちが、口々に声をかけてくれます。
何のことかといえば、一昨日発売された 「週刊文春」 のことです。
別に僕の記事が載っているから売り切れているわけではなくて、今週号の文春は、甘利大臣の贈賄スクープ記事が掲載されているからじゃないでしょうか!?
そして、メンバーとは、僕が所属するフリーランスのクリエイティブ集団 「プロジェクトK」 の面々です。
昨日は新年会があり、会員の半分にあたる10人が磯部温泉(群馬県安中市) に集まりました。
「磯部ガーデン」 といえば、ご存知、“舌切雀のお宿” であります。
でも、何でか知っていますか?
誰もが知っている昔話の 「したきりすずめ」。
この物語は、口承により全国に残されています。
これらの話を拾い集めて、世に発表した人物が童話作家の巌谷小波(いわやさざなみ) です。
その巌谷先生が全国を回り、その土地土地に伝わる舌切雀の話を聞き取り調査したところ、磯部の伝承話が一番話にブレがなかったことから、「舌切雀のお宿はここだ!」 とお墨付きをいただいたそうです。
この時、泊まった宿が本館の 「磯部館」 だったので、 あちらが “雀のお宿”、別館だったこちらが “舌切雀のお宿” と名乗るようになったとのことです。
とかなんとか、ウンチクを語りつつ、面々は一風呂浴びた後、宴会場に集合。
代表のアートディレクター、桑原一氏の新年のあいさつの後、副代表である僕が乾杯の音頭を取りました。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。では」
「カンパーイ!」
飲み放題のコースに加えて、同館社長や他の出席できなかったメンバーから差し入れられた酒もあり、アルコールの在庫は準備万端であります。
酒豪揃いの無制限の宴が始まりました。
気の置けない仲間たちとの、なんとも楽しいひととき。
これで1年間、また頑張れるというものです。
いい仕事、いい作品を、今年もたくさん生み出しましょうね!
2016年01月21日
週刊文春は今日発売です!
ブログにも書きましたが、先日、雑誌社から取材を受けまして、その記事が今日発売の週刊誌に掲載されました。
「週刊文春」(1月28日号) です。
そう、あの、ベッキーの不倫騒動をスクープした雑誌です。
で、ベッキーの元カレである僕がコメントを求められたわけで……。
ウソです!
ただ単に温泉ライターとして、インタビューされただけです。
テーマは、冬に危険なヒートショック。
“ 「入浴死」 はこうして防げ!” という4ページの特集です。
僕は最終ページの 「温泉を楽しむ際の注意点」 で登場します。
ま、内容は日頃から僕がコラムやエッセイ、講演などで書いたり話していることなんですけどね。
それでも一向になくならないのが、このヒートショックによる “入浴死” です。
全国で年間、交通事故死の4倍! 1万7,000人もの人が亡くなっているって知ってましたか?
家庭の中での危険と注意に関しては専門のお医者さんが詳しく解説していますので参考にしてください。
温泉旅館に着いてから入浴までの注意事項を僕がコメントしています。
今が冬本番!
身の回りには、危険な環境がいっぱいですぞ!
特に高齢者は必読の特集です。
2016年01月19日
SMAPより普通にEXILEが好き
大雪一過の今日、スポーツ紙は全紙が一面で、アイドルグループ 「SMAP」 の存続表明記事を報じました。
一般紙でも、大きな扱いです。
残念ですね。
えっ、世間とは意見が違うって?
いえいえ僕は、決して解散を望んでいるわけではありませんよ。
独立のチャンスを逸したことが、残念だと言っているんです。
組織と個人は、ケンカがつきものです。
僕自身、過去に何度もケンカをして、その度に孤独を味わってきましたもの。
でもそれは、自分の人生を真剣に考えれば考えるほど、他人には譲れないことがあるからです。
世間から見たら一見、挫折のように見えても、実はそれは成長の過程だったりするわけです。
SMAPの5人の年齢を考えると、次なるステップをする時期に、ちょうど良いと思っていたのです。
「おっ、ついに中居君が、反旗をひるがえしたな」 って。
でも今回は木村君が、いい子ちゃんになっちゃいましたね。
優等生的です。
でも、その逆を僕は望んでいたのです。
他の4人が木村君を説得して、SMAP全員が独立して会社を起こすのです。
EXILEのようにね。
経営は、親愛なるベテラン女性マネージャーに任せればいいじゃないですか。
ファンを大切に思う気持ちは美しいのですが、時としてファンは裏切っても欲しいものです。
それでも真のファンは、着いて行きますから。
いつまでも変わらないアイドルよりも、進化するアイドルのほうが、応援のしがいがあるというものです。
2016年01月17日
アメリカの少年
「子どものいない年寄りは、かわいそうだな」
ボケてからのオヤジの口ぐせです。
「こんな息子でも、そう思うかい?」
「ああ、そう思うよ」
「ありがとね」
そう声を返して、僕はオヤジの腕を取りました。
今日も日課の散歩へ行ってきました。
現在のオヤジの散歩コースは、2通り。
実家から北へ向かう “寺院コース” と、南へ向かう “神社コース” です。
どちらのコースも、オヤジの足でゆっくり歩いても30分程度です。
一昨年までは、平気で1時間以上歩いていたんですけどね。
去年の春頃から急に体力が落ちて、歩けなくなりました。
「今日は、どっちへ行く?」
「どっちだっていいさ、お前についていくよ」
そう言ったわりには、カタカタとステッキを鳴らして、南へ向かって歩き出していました。
人丸様・・・僕は子どもの頃から、そう呼んでいます。
正式名は厳島神社という由緒ある氏神様です。
住宅街の狭い敷地にある神社ですが、境内の大イチョウといい、遊具の数といい、昔とたたずまいはほとんど変わっていません。
すべり台、ブランコ、シーソー。
僕の子どもの頃と、まったく同じ景色です。
若いお母さんが、小さな女の子とシーソーで遊んでいました。
「よく、ここで子どもたちを遊ばせたなぁ…」
感慨深げに、オヤジが目を細めます。
「子どもだけじゃないだろう? 孫もみんな連れてきただろう?」
「そうだっけかなぁ…」
オヤジの記憶は、いったいどのあたりをさまよっているのでしょうか。
僕にとっての人丸様の思い出は、同級生とよく缶ケリをして遊んだことと、夏休みに野外映写会を観たことです。
それと、キョーレツな記憶として焼きついているのが、1人のアメリカ人の男の子です。
僕がまだ生まれる前、終戦直後のこと。
オヤジは進駐軍で、通訳の仕事をしていました。
その後、中学校の英語教師となり、僕が生まれた頃は自宅で塾を開業していました。
終戦から十数年が経った昭和30年代後半。
我が家には、時々、白人の男の子が遊びに来ていました。
名前は、デイビー。
オヤジの進駐軍時代の同僚の子どもでした。
「カモン、ジューン!」
「オーケー、デイビー!」
僕は英語が分からず、彼は日本語が話せません。
それでも仲良しで、日が暮れるまで遊んでいた記憶があります。
その遊び場が、ここ人丸様でした。
「デイビーって、覚えているかい?」
「わからない」
「ジョンストンさんの子どもだよ」
「・・・」
「進駐軍の頃の同僚だった人じゃない!」
「……、そうだったかな」
オヤジの記憶の中には、もうアメリカ人親子の姿はないようです。
でも、僕の思い出の中では、あの頃の2人が今でもシーソーに乗って、笑っているのでした。
デイビーは、今はどこで、どんな暮らしをしているのでしょうか?
どんな中年男性になっているのか、探してみたいような、知りたいような……。
2016年01月14日
月夜のライブ in つきよの館
おまっとさんでした~!
久しぶりに月夜野温泉(群馬県みなかみ町) でライブをやりまーす!
前回は確か2013年の2月でした。
ドカ雪にも関わらず、定員60名の前売り券は完売し、当日は20人を超える立ち見まで出るほどの大盛況でした。
あれから3年・・・
スーパーローカルオヤジバンドの 「KUWAバン」 も歳を取りました。
平均年齢、58歳!
それでも、ますます元気でパワフルに活動を続けています。
今回はいつもの4人に加えて、ギターと和太鼓の助っ人を呼びました。
ツインギターの迫力と、和のリズムを存分にお楽しみください。
懐かしのフォークあり、グループサウンズメドレーあり、オールディーズナンバーあり、そしてオリジナルのご当地ソングありと、盛りだくさんのステージをお届けします。
もちろん、会場ではアルコールの販売もしていますので、飲んで歌って、大いにはしゃいじゃいましょう!
また当日は、サイン入り著書が当たるクイズ大会も行います。
ぜひ家族で、お友だちと、みんなでお越しください。
ライブ終了後、打ち上げ会をしますので、宿泊される方は、ぜひ、ご参加ください。
2016 月夜のライブ with KUWAバン
~あの頃のキミたちへ~
●日 時 2016年2月26日(金)
19:00~ (開場 18:45)
●料 金 1,000円 (宿泊客は無料)
※会場ではアルコール、ソフトドリンク、軽食の販売をいたします。
●会 場 月夜野温泉 「みねの湯 つきよの館」
群馬県利根郡みなかみ町後閑1739-1
●問合・申込 みねの湯 つきよの館 TEL.0278-62-1207
<KUWAバン>
V.G 桑原 一 (アートディレクター)
V.G 小暮 淳 (温泉ライター)
G.ウクレレ 木村正明 (デザイナー)
G 木村崇利 (みなかみ町観光協会)
B 酒井 寛 (カメラマン)
和太鼓 栗原俊文 (デザイナー)
2016年01月12日
分身之術
かれこれ20年以上も前の話です。
僕は雑誌の記者をしていました。
さる彫刻家の先生を取材した時のことです。
アトリエには、何体もの作品が所狭しと置かれていました。
どうして彫刻家になったのか?
どんな活動をしているのか?
そして、僕が一番知りたかったのは、「どうやって生計を立てているのか?」 ということでした。
芸術家って、食っていけるの?
インタビューとしてはタブーな質問ですが、興味のあるところです。
しかも当時は、まだ僕はサラリーマンでしたから、好きなことだけをして生活している人に疑問があったのです。
どうみたって、この手の作家が創り出すモノは、あくまでも作品であって、決して飛ぶように売れる商品ではありません。
僕は、怒られるのを覚悟で、ズバリ、訊きました。
すると作家は、摩訶不思議な話をし出したのです。
「1つだけ、ちゃんとしたモノを作ればいいんだよ。あとは俺が寝ている間に、こいつがもう1つ作ってくれる。そして、そいつがもう1つ。知らないうちに、こんなにも作品が増えているんだ。簡単なことだよ。生きていくなんて」
もう、何を言っているのか、さっぱり分かりません。
たぶん作家は、うわべだけしか見ない、薄っぺらい記者の質問には答える気にもならず、煙に巻こうとしたのかもしれません。
「まるで “分身之術” のようですね」
そう言葉を返すのが、精一杯でした。
すると作家は、
「分身之術か……。いいこと言うね。そうだよ、分身之術だ」
と、笑ったのであります。
それから数年して、僕は会社を辞めてフリーのライターになりました。
5年、10年が過ぎ、あれから20年が経った今になって、おぼろげながら作家が言っていた “分身之術” の意味が、やっと分かるようになりました。
先日、突然、有名週刊誌の編集者から連絡があり、取材を受けることになりました。
今までも中央のテレビや雑誌から出演や取材、執筆の依頼を受けることはありましたが、決まってテーマは群馬の温泉についてでした。
でも今回は違います。
温泉ライターとして、温泉の入浴法についてのインタビューだったのです。
えっ、なんで僕なんだろう?
全国には、もっと著名な温泉のスペシャリストがたくさんいるのに?
そう、不思議に思っていました。
はたして取材を受けてみて、その真相を訊ねてみると・・・
「新聞の連載を読んでいた」
というでは、ありませんか!
1つの記事が、もう1つの記事を生み出したということです。
思い返してみれば、現在の僕の仕事は、すべてこの “分身之術” により成り立っているんですね。
社長兼、営業兼、制作兼の一人力で仕事をこなすフリーの身には、実はこの術を駆使して生きるしか道はないのです。
今さらながら、作家先生には感謝しています。
2016年01月11日
1200号に寄せて
<1998年から約18年にわたり、初めから読んでいます。(中略) 熟語パズルの問題を考えることが楽しみで、家内と二人三脚で考えてもなかなか答えが出てこないときもありました。>
<金曜日が待ち遠しい気分の今日この頃です。パズルの答えを考えて、はがきを出す、出さないということは別のことで、ほんの少し頭の体操をすることが、とっても楽しみです。次週に答えを見て、正解していると少し良い気分になります。>
<頭の体操にと始めた熟語パズルが、はや15年になりました。楽しくて、パズルにすっかりはまってしまい、金曜日が楽しみです。>
<7年前、退職したばかりのころのことです。それからは時間に余裕ができたので、頭の体操にパズルを解き、余白にしたためたひと言が時々、掲載されるのが楽しみです。>
先日、高崎の生活情報紙 『TAKATAI(タカタイ)』 に連載している漢字熟語パズルが、先週の金曜日(1月8日) の掲載で700回になったことを書きました。
その記念すべき号が届いて、紙面を開いてみて、ビックリ!
“市民に支えられ1200号”
一面に大きな文字が躍っています!
くしくも、僕の連載が700回を迎えた同じ号が、これまた記念すべき大きな節目となる号だったのです。
冒頭のコメントは、「1200号に寄せて」 という見出しで巻末に掲載された、読者からの便りの一部です。
うれしいですね!
2000年2月のスタートから16年も経つのに、こうやってたくさんの読者から愛されているなんて!
作者冥利に尽きる光栄であります。
タカタイの創刊は1998年2月1日。
僕の連載は、その2年後から始まったことになります。
創刊18年、連載16年。
その間には何人も編集長が替わり、担当者も替わりました。
それでもこうして、発行は続き、連載も続いています。
これはひとえに、文字どおり “市民に支えられ” ているおかげであります。
ありがとうございます。
高崎市のみなさん、これからも楽しくて、ためになる熟語パズルを作りますので、末永くよろしくお願いいたします。
2016年01月09日
恋文の流出
連日、テレビのワイドショーは、不倫騒動で持ちきりのようですね。
明るくて、元気いっぱいで、天真爛漫な性格が人気のタレント、ベッキー。
ところが記者会見で見せた彼女の涙顔は、まるで別人のようでした。
なんでも、お相手は 「ゲスの極み乙女」 というロックバンドの人とか。
昨年の紅白歌合戦にも出場した人気バンドなんですってね(すみません、この手の音楽に疎いもので…)。
で、相手は新婚既婚者なのに、正月に彼の実家へ行ったとか。
でも、それは不倫ではなく、あくまでもお友だちとしてだとか。
「誤解を招くことをして申し訳なかった」 と謝罪をしていました。
ところが世の中は、そんな詭弁は許しません。
街頭インタビューでも、「友だちだとは思えない」 「軽率な行為だ」 「奥さんがかわいそう」 と、圧倒的に否定的な意見が多かったですね。
でも、なかには「ベッキーがかわいそう」 「相手の男が出てきて釈明するべきだ」 という声もあったりして、この不倫騒動は、まだまだ終わりそうもありませんな。
ま、冷静に見て、僕が察するには、不倫には間違いないようですが、ただの不倫ではなそさうですぞ。
本人たちには、不倫の意識がないのではありませんか?
特に女性のほうは!
では何かといえば、“純愛” のつもりなんでしょうな。
そうじゃなければ、堂々と正月に、新婚既婚者の実家へなんて行けませんて!(不倫は、みんなもっとコソコソとやってますもの)
それにしても怖いのは、二人のLINEのやりとりが、いとも簡単に外部へもれていることです。
これまた僕は、この手の情報に疎いものですから良く分かりませんが、第三者が読めてしまうものなのですか?
昔のように書簡による恋文だったら、流出することもなかったのにね。
なーんて、時代遅れの人間は、のほほんと傍観しているのであります。
真実なんて興味もないし、タレントのプライベートなんて知りたくもない。
でも、あの元気いっぱいのベッキーの笑顔は、一日も早くもどってきてほしいものです。
( 「木部さん」 のファンですから)
2016年01月07日
ゲゲゲの波紋
読者のみなさんは、覚えていますか?
昨年の暮れ、このブログに 「幸福の七ヶ条」 について書いたことを。
※(2015年12月16日 「ゲゲゲの七ヶ条」 参照)
これは漫画家の故・水木しげる先生が唱えた “幸せになるための7つの条件” です。
なぜか、この七ヶ条が、僕のまわりで波紋を呼んでいます。
「読んだよ、ブログ! あの七ヶ条にはまいったな」
なんてね。
年末から新年にかけて、会う人との話題は決まってこれです。
なかには年賀状に、< 「ゲゲゲの七ヶ条」 は小暮さんにハマっていると思います。> とコメントしてくれた人もいました。
ま、それだけブログを読んでいる人が多いということで、ありがたいことであります。
では、なんで、そんなにも人々の琴線に触れたんでしょうか?
僕のまわりには、圧倒的に勤め人よりもフリーランスで仕事をしている人が多いのです。
いわば趣味が高じたり、好きなこと、得意なジャンルを仕事にしている人たちだす。
一見、恵まれた幸せな人生を送っている人たちに見えます。
しかし、その実状は・・・
七ヶ条に書かれた項目との闘いなのであります。
水木先生は当たり前のことを言っているのですが、これを実行するとなると、生半可な気持ちでは貫き通せないイバラの道なのであります。
なかでも、やはり第五条には、どなたも心を打たれてしまうようです。
“才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ”
まさに、目からウロコが落ちた思いであります。
「やっぱり、そうだったんだ!」 という落胆は隠せません。
でも、同時に 「だと思ったよ。これで気が楽になった」 と、開き直った人も多いのではないでしょうか?
僕なんか、後者ですね。
なんだか人生のからくりが解けて、今までモヤモヤしていたジレンマから解放された気分になりました。
好きなことで食っていくということ。
さらには、世に作品や名声を残すということは、並大抵のことではありません。
誰もが、羽生結弦や錦織圭になれるわけではありませんからね。
それでも、みんながみんな、いつかを夢見ています。
でも、それで、いいんじゃないかな。
水木先生も、そう言っているような気がします。
「要は、あきらめないことだよ」 と。
2016年01月05日
カニとサンダル
♪ 君はハワイへ行ったんだってね
俺は江ノ島へ行ったのさ
波は水平線から涌いてきて
砂にしみ込んでいったよ
俺がうらやましいのは君よりも
赤い甲羅の一匹のカニさ
負け惜しみかもしれないけれど ♪
( 「一匹のカニ」 詞 谷川俊太郎 by 小室等 )
今年もたくさんの年賀状が届きました。
ひと言でも手書きのコメントがあると、うれしいものですね。
なかには毎年、「今年こそは会いましょう」 と書いてくる同級生もいたりして……。
気が付いたら、何十年とご無沙汰です。
でも年賀状って、面白いですね。
年齢と時代によって、内容が変わるんですもの。
子どもの頃は、もっぱら手書きか版画でした。
20代は、プリントゴッコが流行りましたっけね。
30代になると、結婚式や子どもの写真のオンパレードです。
やがて家族の集合写真となり、最近は夫婦水入らずの旅行先での記念写真が多くなりました。
ハワイやグアム、オーストラリア、ヨーロッパ・・・
夫婦仲良くて、ほほえましい限りです。
(僕には恥ずかしくてできませんけど)
でも、こんな楽しそうな年賀状は、間違っても家人には見せられませんって!
「わ~、いいわね~」なんて言われても、僕には外国へ連れて行く時間もお金もありませんもの。
何よりも結婚30年になるというのに、いまだに新婚旅行にさえ行っていないのですから……。
(いろいろ事情がありまして、途中まで行ったのですがアクシデントがあり、断念して帰って来てしまったのです)
だもの、我が家にとっては楽しい年賀状も、“不幸の手紙” になりかねないのであります。
♪ 君はボルボを買ったんだってね
俺はサンダルを買ったのさ
道は地平線へと延びてゆき
空へと溶け込んでいったよ
俺がうらやましいのは君よりも
枝を広げる一本のケヤキさ
負け惜しみかもしれないけれど ♪
2016年01月04日
おかげさまで700回!
今年はカレンダーの日並びが悪く、正月休みが短いようですね。
今日から仕事始めという人も多いのではないでしょうか?
ま、僕はフリーですからカレンダーは関係ありません。
取材もまだ始まらないし、特に急ぎの原稿もありません。
ので、今朝はゆっくりと起きて、コーヒーを飲みながら、たっぷり1時間かけて新聞2紙を読みました。
それでもね、なんか後ろめたいのであります。
世間の人は働いているわけですからね。
我が家の住人たちも、出払っています。
こんなときは、連載の原稿を早めに片付けることにしています。
高崎市に在住の方は、ご存知だと思いますが、毎週金曜日に発行されている 『TAKATAI(タカタイ)』(上毛新聞社刊) という生活情報誌があります。
実は僕、ここに長年、連載をしています。
といっても、エッセイやコラムではないんです。
パズルなんです!
2000年2月から 「二字熟語」 と 「四字熟語」 の漢字パズルを交互に隔週で連載しています。
と、いうことは、今月で満16年になり、来月からは17年目に突入することになります。
数えてみたら、今週の金曜日(1月8日) の掲載で、ちょうど700回目になるんですね。
驚きました!
気がついたら700題ものパズルを作っていたなんて・・・
まさに “継続は力なり” なのであります。
何事にも飽きっぽい僕としては、よく続いていると我ながら感心しています。
いえいえ、辛抱強い担当編集者のおかげです。
そして、毎回熱心に解いてくださっている読者がいるからにほかなりません。
高崎市民のみなさ~ん!
これからも、よろしくお願いいたしますね。
知力と体力の続く限り、楽しくてためになるパズルをお届けします。
2016年01月03日
マロの独白⑩ 一族の血
あけまして おめでとワン!
マロっす。
ここんちの飼い犬、チワワのオス、9才です。
今年もヨロシク!
しっかしね~、人間様は、いいっすよね~。
正月だというだけで、朝からお酒が飲めて、おせち料理やら雑煮やら、美味しいものが食べられてさ。
オイラなんて、クリスマスも大晦日も正月だって、いつもと変わりないパサパサのドッグフードですからね。
たまには味の違うものが、食べてみたいっすよ。
そんなことを家族にグチると、決まって奥様が、
「マロ、よそんちの犬を見てごらん。この寒い中に、お外で飼われている子だっているんだよ」
て言うんですよね。
分かっていますって、暖かい部屋でベッドの上で毛布にくるまって寝られるオイラが幸せなことぐらい……。
ただね、ひと口でいいからオイラも、おせち料理とやらを食べてみたかっただけなんでやんす。
ところで、この正月は、災難続きであります。
昨晩もまた、あのチビッコモンスターが襲来したのであります!
なんでも長女のM様の旦那様、早い話がご主人様から見ればムコ様が元日は仕事で来れなかったからと、わざわざ年賀のあいさつに来てくださったのです。
ということは、お孫様のKくんも、また一緒に来たわけです。
そりゃあ、ご主人様や奥様は大喜びですよ。
ジイジとバアバにとっては、目に入れても痛くないカワイイお孫ですからね。
でもね、オイラにとっては、最大の天敵なのであります。
「おい、マロ!」 なんて呼び捨てにして、抱きつくわ、足を引っ張るわ、シッポをつかむわ、放り投げるわ、散々な目に遭うのであります。
オイラは部屋中を逃げ回って、いつもヘトヘトなんです。
でもね、次女のS様が、こんなことに気づいたのです。
「マロってさ、Kくんから逃げ回っているわりには、吠えないよね」
って。
そーなんです、これにはオイラも驚きました。
「でもさ、もう何年も経つのにMさん(ムコ様の名前) には吠えるよね」
実はオイラも気づいてはいたんですよ。
ムコ様は、物静かで、とってもお優しいお方です。
オイラのことだって、とっても可愛がってくれるんですよ。
なのに、なぜか吠えてしまうんです。
「たぶんさ、血じゃないの?」
「血?」
S様の言葉に、ご主人様が問いかけました。
「そう、Kくんには小暮の血が流れているから、どんなにかまわれても吠えない。けどMさんには違う血のニオイがするんじゃないかな?」
これには一同、納得であります。
オイラも、なるほどな~って感心してしまいました。
すると長女のM様が、
「だったら、お母さんは、どうなのよ? 小暮の血は入ってないよ?」
と、すかさず突っ込みました。
「お母さんは、特別なんじゃない? マロを連れてきた人だから」
ピンポ~ン!
S様、正解でやんすよ。
奥様はオイラの命の恩人ですからね。吠えるわけがありません。
絶対服従であります。
※(オイラがここんちへ来た経緯は、2015年6月6日 「マロの独白②」 を見てくれワン)
それにしても、お気の毒なのはムコ様であります。
でもオイラ、ムコ様のこと、嫌いじゃありませんからね。
ちょっとばかし、一族とは血のニオイが違うだけなんです。
気になさらないでくだいね。
ワンワンワンワンワーーーーーン!!!!!!
2016年01月02日
年賀御礼
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
いや~、めでたい! めでたい!
何がめでたいかって、新しい年がやってきたのですから、ただ、それだけで、めでたいのであります。
“お正月” この言葉を聞くだけで、ワクワクしてしまうのは、子どもだけじゃありませんよ。
いくつになったって、正月は楽しいのです。
●楽しい理由、その一 「朝から酒が飲めます」
我が町内では、「互励会」 という行事がありまして、元旦に公民館に集まり、自治会長の新年のあいさつを聞いて、酒を酌み交わすのであります。
「さあさ、飲んで、飲んで。若いんだから、グッと、グッと」
なーんて、人生の先輩たちにおだてられ、ビールやら熱燗やら、午前中からピッチを飛ばしてきました。
「テレビ、観ているよ」 「新聞の連載、読んでたぜ」 「本、買わせてもらったからね」 なんて言葉に交ざって、今年は 「ブログ、読んでます」 という若い人たちからの声がちらほら聞かれました。
町内の人が読んでいると思うと、ちょっと、こそばゆいですね。
でも、うれしいです。
ほろ酔い気分で、昼過ぎに家に帰ると、我が家がさわがしい!
これまた恒例の “孫の襲来” であります。
「ジイジ、あけましておめでとう」
と、かわいい孫に言われれば、お年玉をくれないわけにはいきません。
この時ばかりは、僕もただの好々爺であります。
●楽しい理由、そのニ 「年賀状」
今年もたくさんの賀状をいただきました。
友人、知人、温泉関係者に加えて、今年は、読者からのハガキもちらほらあったりして、一枚一枚目を通しながら、至福の時を過ごしました。
驚いたことが、ひとつ!
仕事関係者ではなく、昔の同級生や知人からのコメントで、「ブログ、読んでます」 のコメントが多かったことです。
つくづく、時代を感じました。
僕は、その人のその後の人生や近況を知らなくても、その人は僕の日常を知っているんですものね。
「介護、大変ですね」 なんて、何十年も会っていない友人に言われると、ドキッとして、不思議な気持ちになります。
●楽しい理由、その三 「家族が一つになれる」
午後は、これまた恒例の年始のあいさつ回りであります。
7人乗りの息子のクルマに一同が乗車して、僕と家内の双方の実家を訪ねます。
年老いた両親に、孫やひ孫の顔を見せてあげるのも、子の務めであります。
よろこぶ両親の姿に、僕自身が癒されるのでした。
さてさて、希望の年、2016年が、いよいよスタートしました。
読者のみなさま、今年もまた1年間、よろしくお願いいたします。
年賀御礼!