2011年07月07日
四万温泉 「中村屋」
「生ビール、お願いします」
インターフォンに向かって叫んで、湯舟の中へ。
すると、スルスルーーーーっと、釣瓶井戸のようにロープの先のカゴに入った生ビールが降りてきます。
「ストップ! すみませんね。ちょっと我慢して、この位置で持っててください」
とロープの主に声をかけました。
2階のベランダでロープをあやつっているのは、ここ 「地酒の宿 中村屋」 の4代目主人、中村正さんです。
「はい、小暮さんも、そこでストップ! ビールに手をかけて受け取るポーズね」
と、今度はカメラマンのK氏が叫びます。
「はい、OK! 今度はグラスを持って、口まで運んでストップね」
ん~~、これはツライ。
さっきから、ずーっと湯舟の中で、キンキンに冷えた生ビールを目の前に、お預けをくらった犬のように、今か今かとヨダレをたらしながら撮影の終了を待っているのに、口の前で止めろだってか!
「はーい、OKです。今度はおいしそうに飲んでいるシーン、お願いします」
やったーっ!
う、う、うんめーったら、ありゃしないぜ。
まるで砂漠に降った雨のように、ゴクンゴクン果てしなくノドの奥へとビールが消えていく。
「ストップ、ストップ! ダメですよ、一気に飲んじゃ! 撮影しているんですから」
無理、無理無理無理でーす。
こんなうまいビールは久しぶりぜよ。
風呂上りのビールもうまいけど、やっぱ風呂に入りながら飲むビールが一番うまいやいね。
全国の温泉好き、ビール好きのみなさん、これが仕事で、こめんなさいね。
温泉ライターやってて、良かったと思うのは、こういう瞬間なんですよ。
好きなものに囲まれて働ける幸せ、っていうやつですか。
と、いうことで、入浴シーンの撮影も終わり、今度は部屋へもどり、正さんへのインタビューです。
でも、すでに浴衣姿だし、しかも正さんから差し入れられた生ビールを飲みながらだし、仕事とはいえない怠惰な取材風景であります。
でも、いいんです。
正さんとは長い付き合いだし、何度も泊まっているし、今さら聞くこともないし、出会った頃の思い出話をおさらいのように雑談して終了です。
とにかく中村屋のいいところは、1階が酒屋になっていること。
いつでも好きなときに、店へ降りて行って、「○○(部屋の名前)だけど、缶ビール2本もらいました~」と声をかけるだけで、店頭価格にて、酒ならなんでも飲めてしまう気軽さと安さが、のん兵衛にはたまらないんですね。
手造り露天風呂で釣瓶ビールが飲めるのも、酒屋ならではの正さんのアイデアであります。
さすが、テレビ番組「出没 アド街ック天国」で、四万温泉の第1位に選ばれただけのことはあります。
1位ですよ!
これはもう、ただの宿ではありません。
ここが、四万温泉の観光スポットなんですね。
ということで、気分はお酒飲み放題(店頭価格でね)ですから、当然、その晩、どうなったかは、みなさんのご想像どおりであります。
でも二日酔いは、いい仕事をしたかどうかのバロメーターでもあるんです(なーんてね)。
Posted by 小暮 淳 at 20:46│Comments(3)
│温泉地・旅館
この記事へのコメント
飲んべ〜には、たまらん宿ですな。
温泉角打ち宿「中村屋」。お酒は、切らしたことはありません。
こんなキャッチコピーでどうでしょう
温泉角打ち宿「中村屋」。お酒は、切らしたことはありません。
こんなキャッチコピーでどうでしょう

Posted by ヒロ坊 at 2011年07月08日 08:09
(;°Д°)まぁ…なんてこと
全国の良い子の皆さんは
真似しないように
全国の良い子の皆さんは
真似しないように
Posted by momotaka at 2011年07月08日 13:04
ヒロ坊さんへ
中村屋のご主人は、このブログを見ていると言ってました。
コピーが気に入れば、ヒロ坊さんへ連絡が行くと思います。
momotakaさんへ
悪い大人たちは、ジャンジャン真似してくださいね。
中村屋のご主人は、このブログを見ていると言ってました。
コピーが気に入れば、ヒロ坊さんへ連絡が行くと思います。
momotakaさんへ
悪い大人たちは、ジャンジャン真似してくださいね。
Posted by 小暮 淳
at 2011年07月08日 15:34
