2023年02月13日
あの湯をもう一度
「『あの湯をもう一度』 を番組で紹介しても、よろしいですか?」
みなさんは、覚えているでしょうか?
昨年暮れに、ラジオパーソナリティーという女性から連絡をもらった話を?
(当ブログの2022年12月30日 「こいつぁ~、暮れから縁起がいいわい!」 参照)
先日、その方から再度、詳しい内容の電話をいただきました。
「『あの湯をもう一度』 って、ちいきしんぶんのですか?」
「はい、1月20日号に載っている記事です」
『あの湯をもう一度』 とは、高崎市内で10万部発行されているフリーペーパー 「ちいきしんぶん」 に連載している 『小暮淳のはつらつ温泉』 というコラムの中のシリーズです。
昨年の11月からスタートしました。
群馬県内には、約100の温泉地 (宿泊施設のある温泉) があると、一般には公表されています。
しかし実際は、もう、そんなには存在していません。
休業中も含めれば、90カ所を割っていると思います。
それは、なぜか?
僕は2009年9月に、『ぐんまの源泉一軒宿』 (上毛新聞社) という著書を出版しました。
文字通り、たった一軒で源泉と温泉地名を守り続けている温泉宿です。
ところが、この5年後に僕は急きょ、『新ぐんまの源泉一軒宿』 (同) という本を出版しました。
“した” というより “せざるを得なかった” というほうが、正しいのですが……
実は前著は5年間で、4回の増刷がされました。
が、「5回目の増刷をするかどうか?」 で、議論がされました。
その理由は、掲載されている50軒の宿のうち、5軒がすでに廃業、もしくは休業してしまっていたのです。
「情報としては、正しくない」
というのが出版元の考えでした。
「なので、改訂版を出しましょう」
との提案に、僕は、
「だったら、すべての宿を取材し直します」
と、再度、1年間かけて全宿をまわりました。
それが、2014年4月に出版された 『新ぐんまの源泉一軒宿』 でした。
あれから9年……
コアな読者は気づいているでしょうが、この本に掲載されている宿のうち8軒が、すでに廃業もしくは休業中なのであります。
そのほとんどが、経営者の高齢化と後継者不在によるもです。
「行こうと思っていたら、やってませんでした」
そんな読者からの声を聞く回数が増えました。
「どんな宿だったのですか?」
「どんな湯だったのですか?」
そんな声に応えるべく、また、復活を願って、シリーズ 『あの湯をもう一度』 の連載を始めました。
パーソナリティーの言う1月20日号に掲載された温泉は、旧六合(くに)村にあった湯の平温泉 「松泉閣」 (中之条町) です。
群馬県内で唯一、車では行けない温泉旅館でした。
でも、なぜ、パーソナリティーは、ローカル紙のこんなマニアックな記事に、目を止めてくれたのでしょうか?
訊ねてみると、
「私の妹が高崎市に住んでいるんです。それで小暮さんの記事を送ってくれました」
なるほど!
どこで誰が読んでくれているか、分からないものですね。
“入って残そう! 群馬の温泉”
僕の書いた記事が、温泉を守る一助になれば幸いです。
Posted by 小暮 淳 at 12:57│Comments(2)
│執筆余談
この記事へのコメント
手前の野反ライン山口さんも
閉めてしまいましたし、
一度も行くことなく閉業された温泉です。
温泉にハマる時期が遅すぎました(T_T)
閉めてしまいましたし、
一度も行くことなく閉業された温泉です。
温泉にハマる時期が遅すぎました(T_T)
Posted by みわっち at 2023年02月13日 16:46
みわっちさんへ
でも、70℃以上の源泉が湧いています。
いかがですか?
オーナーになっては?
僕もお金があれば、ぜひ、復活させてい温泉であります。
でも、70℃以上の源泉が湧いています。
いかがですか?
オーナーになっては?
僕もお金があれば、ぜひ、復活させてい温泉であります。
Posted by 小暮 淳
at 2023年02月13日 23:38
